Boeing
一昔前のインドといえばロシア製装備ばかりで部隊編成し、アメリカの入る余地など全くなかったことを思えば隔世の感がありますね。今回はスーパーホーネットの売り込みに余念がないボーイングの話題です。その延長にはインドの進める空母整備に米海軍が協力する背景もありそうですね。売り込みに成功すればイーグルに続きホーネットの生産ラインも維持できるのでしょうか。
ボーイングはF/A-18ブロックIII仕様のインド海軍での採用を狙っていると発表した。同機は今日供用中の機材の中で高性能かつ実戦で実証ずみの多任務第一線戦闘機として大威力を発揮する。特にブロックIIIは航空優勢確保、昼間夜間攻撃任務を精密誘導兵器を使い実施し、援護戦闘機任務、近接攻撃支援、敵防空網制圧、対艦攻撃、偵察任務、前方航空統制や僚機への空中給油までこなす。
現在稼働中のF/A-18ホーネット、スーパーホーネットは合わせて700機超だが、ブロックIIIは米海軍向けに製造中だ。インドも自国海軍向けに同型への関心を示している。
「インド海軍向け多任務空母搭載戦闘機事業での情報提供要求(RFI)に当社は対応した」とボーイング・ディフェンス・インディア(BDI)が述べている。「米海軍の第一線戦闘機F/A-18 ブロックIII仕様のスーパーホーネットをインド海軍にも供給したい。実現すればインド海軍に最新の戦闘能力が実現しながら、インド海軍と米海軍の協力関係も進む」
上記発表文はBDIがインド海軍向けに発出したものだ。F/A-18E/Fは大量装備を搭載し高ストレス環境の作戦運用でも最小限の支援で十分な設計の艦載戦闘機で、BDIは同機の飛行時間当たり費用の低さ、稼働率の高さをアピールする。さらにスーパーホーネットは「インドによるインドのための」事業でインド国内サプライチェーンを重視しつつ現地産業との協同体制を進め現地での運用を続けられるとする。
さて、スーパーホーネットは最新鋭機材ではないものの、インド海軍が採用すればどんな戦力になるだろうか。
スーパーホーネットの搭載兵装にはまずAIM-9サイドワインダー、AIM-7スパロー、AIM-120 AMRAAMの空対空ミサイルがある。次に誘導空対地兵器にハープーン、SLAM/SLAM-ER、GBU-10、GBU-51、HARM、マーヴェリックがある。さらに自由落下型爆弾としてMk-76、BDU-48、Mk-82LD、Mk-82HD、 Mk-84がある。またジェネラルダイナミクス製M61A2 20mm準ガトリング砲を搭載し、一分間に4千発から6千発を発射できる。
ボーイングがF/A-18スーパーホーネットのインド売り込みをはかる背景に米海軍の同機調達が終わりそうなことがある。2021年度まで78機を40億ドルで製造する契約をボーイングは公布されたが、来年の20機が最後の発注分になりそうなのだ。
米海軍はスーパーホーネット後継機の開発をすでに開始しており、8月にはスーパーホーネット生産を取りやめ、代わりに次世代艦載戦闘機開発を早めると発表していた。■
この記事は以下を再構成したものです。
Boeing F/A-18 Block III Super Hornets Could Be Headed to India
October 6, 2020 Topic: Security Region: Asia Blog Brand: The Buzz Tags: IndiaIndian NavyF/A-18 Super HornetMilitaryPakistanChina
by Peter Suciu
Peter Suciu is a Michigan-based writer who has contributed to more than four dozen magazines, newspapers and websites. He is the author of several books on military headgear including A Gallery of Military Headdress, which is available on Amazon.com.
Image: Reuters.
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