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F-X(F-3)開発体制で三菱重工の主契約企業は想定通り。開発は日本主導ながら海外提携企業も参加する。海外企業名は今後発表。

 


 

 

JAPANESE MINISTRY OF DEFENSE

Concept artwork of a possible F-3 fighter configuration.

 

 

本の防衛省が高性能有人戦闘機実現の道筋を定めた。主開発企業に三菱重工業を選定したためで、同時に日本関係者は海外企業も参加するとしながら、社名は今後発表するという。

 

岸信夫防衛相は三菱重工業(MHI)が次期戦闘機事業で開発全般を担当すると本日発表した。海外企業との協力が話題になっていたが、エンジンは社名未公表の企業が担当することも確認された。

 

日本政府は事業費400億ドルとし、航空自衛隊(JASDF)が供用中の三菱F-2の後継機として2035年までの配備開始を期待している。次期戦闘機は非公式呼称がF-Xだが、供用開始時点でF-3の制式名称となると見られる。

 

次期戦闘機を国産開発とするか、国産主導の体制とするか議論があったが、戦闘機開発の知見を有する唯一の国内企業としてMHIは一歩先を行く存在だ。同社はF-16原型のF-2を生産したが、F-2も同社開発の超音速F-1の後継機で、原開発は1960年代までさかのぼる。同社はライセンス生産でF-4JファントムII、さらにF-15Jイーグル制空戦闘機をJASDFへ納入した実績がある。

F-2事業ではMHIはロッキード・マーティンと提携し、生産分担は日本60米国40で分担した。今回の次期戦闘機開発でも同様の方式で海外企業一社が選定済みだ。

 

MHIは2016年4月に初飛行したX-2心神試験機を製造し、技術実証を行った。

 

X-2はIHI製XF5ターボファン二基を搭載し、推力は各11千ポンドで推力偏向用の排気パドルを付け操縦性を高めた。F-2はジェネラルエレクトリックF110を搭載していたが、次期戦闘機にはIHIエンジンが採用されそうで、同社はXF9を開発中で推力はXF5を大幅に超えそうだ。

 

F-3ではX-2の研究成果を活用し、大胆な技術目標を想定している。まず最新の複合材構造、ステルス形状、レーダー吸収素材、デジタルフライバイワイヤー、エンジン制御がある。エイビオニクスでは一体型レーダーアンテナ、電子対抗装置、赤外線探査追尾装置がある。興味を引くのは「自己修復型飛行制御機能」で、システムが故障を自動探知し、修復しながら残る制御面を作動させるとあり、おそらく機体の推力偏向ノズルにも採用し飛行制御を維持するのがねらいのようだ。

 

本日の発表に至るまでに日本の新型戦闘機には三つの方向性があるといわれてきた。完全国産開発、海外企業との合弁事業、または既存海外製機材の導入だ。さらにもっと大胆な無人戦闘機開発構想も費用削減策として今年に入り出てきた。

 

このうち二番目の選択は現実を反映したもので、技術支援を受けながら海外提携先の知見を得つつ国内防衛産業を維持しようとするものだ。この国内産業関連がMHIの航空機製造部門では重要だ。同社はスペースジェット民生旅客機開発の棚上げを同日に発表し、コロナウィルスのパンデミック状況による情勢の不明確化が原因だとした。日本としては技術移転により自国内産業の底上げを狙いつつ、海外企業選定で主導力を発揮したいのだろう。

 

防衛省によれば海外協力企業の選定は今年末になるという。考えらえれる企業としてロッキード・マーティン、BAEシステムズ、ボーイングノースロップ・グラマンがある。

 

日本国内報道ではステルス技術の共有が重要要求内容とあり、その通りだとするとロッキード・マーティンが有利だ。同社はステルス機の製造面での知見のみならず、F-35納入で日本と関係も深く、MHIと同機製造に携わっている。MHIは同社と組み、JASDFのF-35A向けFACO(最終組み立て点検)施設でも手を組んでいる。

 

ロッキードのF-22ラプターが一時は日本の次期戦闘機候補として最右翼だったこともある。ただし、米議会が同盟国といえども同機の取得を禁じたため実現しなかった。ラプター取得が閉ざされても日本はF-22/F-35ハイブリッド案の詳細情報を同社に請求したとの報道がある。この案は今年初めに日本が不採択とし、完全国際開発が再び脚光を浴びた。

 

もうひとつ海外パートナー選定では日本が英国と防衛関係の強化をねらっていることに注目すべきだ。ユーロファイターでは英国は中核国となり、BAEシステムズやエンジンメーカーのロールスロイスが関与した。その英国は次期戦闘機テンペスト開発に取り組んでおり、イタリア、スウェーデンの知見も活用する。日本にもテンペスト協力国になるよう問いかけがあり、日本がめざす供用開始の2035年はテンペストでの英国構想とも合致している。

 

次期戦闘機事業に関与する海外企業が一社あるいは複数であれ、日本が機体開発の意向を明確に示したことの意義は大きい。新型機開発は日本の防衛力整備の一環であり、そもそも日本を取り巻く安全保障環境の脅威が原因であり、特に中国、北朝鮮の課題が出発点だ。日本の2021年度防衛予算要求は9年連続の増額で記録更新の約550億ドルとなる。そのうち次期戦闘機関連は5.56億ドルを研究開発へ、1.14億ドルを各種サブシステムの統合の基礎作業にあてる。

 

新型戦闘機開発は相当の難作業となるが、MHIは公式に主契約企業の役目を果たせるようになったが、どの海外企業が事業に加わるかが数か月後に判明すると思うとわくわくする。■

 

この記事は以下を再構成したものです。

 

It's Official: A Foreign Company Will Help Mitsubishi Build Japan's Next Fighter

IAerospace firms in the United States and the United Kingdom are likely to compete for work in co-developing Japan’s next-generation combat aircraft.

BYTHOMAS NEWDICKOCTOBER 30, 2020

 


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