シエラネバダ山脈上空を飛行する U-2ドラゴンレイディMarch 23, 2016. (Staff Sgt. Robert M. Trujillo/U.S. Air Force)
史上初めて飛行中の機体上でのソフトウェアコードのアップデートに成功したと米空軍が10月7日発表した。
さらに驚きの事実がある。対象機材は空飛ぶコンピュータと呼ばれるF-35でも、謎に満ちたB-21やその他ハイテク満載の新鋭機でなく、空軍最古参のU-2スパイ機だった。
9月22日、ビール空軍基地(カリフォーニア州)付近を飛行中の第9偵察飛行団(RW)所属U-2がU-2試験部隊が同機のソフトウエアアップデートを実施した。▼ソフトウェアコードを地上から飛行中のU-2に送ったわけだが、空軍が使ったのはクバネティスKubernetesというソフトウェアの展開管理を自動化するコンテナ化したシステムだ。Googleが開発し現在はクラウドネイティブコンピューティング財団Cloud Native Computing Foundationが管理している。▼U-2実験部隊はクバネティスを使い「高度機械学習アルゴリズム」をU-2機内のコンピュータ4基で実行させ、ソフトウェアを修正したが、同機の各種装備費システムに悪影響は出なかったと空軍は発表。▼U-2実験部隊はU-2用ソフトウェアの開発と安全な環境下でのテストを目的に発足しており、第9RWは同部隊と緊密に作業を展開している。
「U-2の従来型コンピュータと最新のクバネティスソフトウェアの組み合わせは空軍で供用中のウェポンシステムのソフトウェアコンテナ化開発で大きな一歩になった」と空軍でソフトウエア部門の責任者ニコラス・チャイランが発言。▼チャイランは今回に先立ちC4ISRNET取材で空軍が飛行中の機内ソフトウェアアップデートを実施する能力を間もなく獲得すると9月15日に述べ、保安リスクを伴わずアップデートできる「ゲームチェンジャー」と説明した。「飛行制御系さらにソフトウェア内の飛行関連をミッション系ソフトウェアから切り離すことで飛行を危険にさらさずアップデートを頻繁に実行できる」
空軍広報資料ではU-2機内に送り込んだソフトウェアアップデートの中身さらにアップデートの成功をどう把握したのか、また同機が事前にどこまで改修されていたかは触れていない。
第9RW司令のヘザー・フォックス大佐は今回の実証に続きU-2を使いソフトウェアのアジャイル開発の実験を続けると述べている。▼「クバネティスをU-2に応用したのは同機の高高度飛行性能を活用し、厳しい空域でも生存性を高めることにつながるため」とし、「その他のプラットフォームでも試し、各方面にこの機能を広めたい」と語った。
第9RWは米空軍保有のU-2合計33機を運用する唯一の部隊。同機の原型初飛行は1955年と満65年が経過したが、一貫して同機を活用してきたのはごくわずかのパイロットで、同機の性能改修は今日も続いている。▼同飛行団隷下の99偵察飛行隊からDefense Newsは2017年にシリコンバレーとの関係強化について聞いていた。■
この記事は以下を再構成したものです。いまいちわかりにくいのですが、アジャイル開発が進めば飛行中の無人機などソフトウエア改修で効果が生まれるのでしょう。敵の妨害に対する対抗策のスピードアップになるのでしょうか。
US Air Force sends software updates to one of its oldest aircraft midair
C4ISRNET
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