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米大統領選の裏で、「開戦準備」を進める中国の動向は要注意。その中でJ-20の本当の戦力はどうなのか。

 

国国営放送CCTVがJ-20による戦闘訓練の映像を放映したが、同機はF-22あるいはF-35に対抗できるのだろうか。

中国の軍事装備品には謎がついてまわる。中国は秘密裏に開発を目指しているが、一方で最新装備品を誇示している。成都J-20もその例だ。同機の性能全般は不明のままだが、このたび国営放送CCTVで同機二機編隊が高高度で戦闘訓練する姿が放映された。

 

映像は短いものだが、単座双発全天候第五世代戦闘機がフレア多数を放出しており、熱追尾ミサイルへの対抗措置としてドッグファイトでよく使う手段だ。演習は海外に同機を誇示するとともに、国内向けには性能を見せつける意図があったとサウスチャイナモーニングポスト紙は解説している。放映タイミングは南シナ海、台湾海峡、インド国境で緊張が高まっているのと一致する。

 

習近平主席は「開戦準備」を軍に訓示しており、軍首脳部がJ-20演習で呼応したのは明らかだ。演習回数が増えている。先週はJ-20が浙江省衢州市上空で目撃され、ここから台湾は飛行時間で20分に過ぎない。

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これまでも中国は同機の性能を誇示し、戦闘行動半径700マイルで南シナ海の紛争地へも投入できるとしていた。

 

だが人民解放軍空軍(PLAAF)が戦闘状態に入った場合、J-20が敵機材に対して優位に立てるか不明だ。台湾空軍はF-16、インドは新型フランス製ダッソー・ラファールを投入するだろう。

 

J-20が高性能機材としてもこれまで数々の問題があったのは事実で、中国は生産にも苦労している。今年初めに中国がロシア機を導入するとの報道があった。事実ならJ-20の戦力は未完成で長時間かけて整備していくのだろう。もうひとつは供用中機体数でJ-20は50機以上が導入されているとみられる。

中国とインドは言葉の応酬を始めている。インド空軍首脳はラファールがJ-20を上回る性能を有するとし、中国はこれに対しJ-20が上だと主張している。とりあえず、両機種が実戦に投入される事態は起こっておらず、今後も発生しないよう祈りたい。■

 

この記事は以下を再構成したものです。

 

Is China's New J-20 Stealth Fighter Really Ready to Fight?

October 30, 2020  Topic: J-20  Blog Brand: The Buzz  Tags: ChinaJ-20J-20 Stealth FighterMilitaryTechnologyIndiaF-22

by Peter Suciu


Peter Suciu is a Michigan-based writer who has contributed to more than four dozen magazines, newspapers and websites. He is the author of several books on military headgear including A Gallery of Military Headdress, which is available on Amazon.com.

Image: A J-20 stealth fighter of the Chinese People's Liberation Army Air Force (PLAAF) performs during the China International Aviation and Aerospace Exhibition, or Zhuhai Airshow in Zhuhai, Guangdong province, China November 6, 2018. REUTERS/Stringer.


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