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トランプ再選が現実へ。メディアや技術系大手の支配に不満を持つ底流がトランプに追い風の選挙戦終盤。地下室にこもるバイデンが当選する可能性は。

 


2016年大統領選挙はドナルド・トランプの勝利に終わったが、政治論評専門家の大部分が予測できなかった。2020年も同じ過ちを冒しそうだ。ただし、ワシントンの専門家はトランプ落選を言い続けている。


首都のメディア、政界のエリート層はバブルの中で暮らし、メディア自身が平等な報道を放棄し、ジョー・バイデン応援に走る中、大手技術系企業がトランプの話題を検閲して過ちが一層深刻になっている。


この過失に加え無視の姿勢をとってきたため大統領へ好意的な世論が生まれているのを見落とし、バイデンへの偏向姿勢のままだ。だが選挙戦の最終段階でバイデンはトランプの後塵を拝している。


現職大統領に追い風の世論は現実だ。選挙の二大原則はより熱気ある候補が勝利すること、強力な二番手が勝利することだ。


トランプを取り巻く熱気には間違いの余地はない。同候補の選挙集会の盛会ぶり、傲慢な報道記事への自信たっぷりの姿勢、実際に執務してきた実績は現実で、4年間にわたる政治戦を生き抜きながら元気あふれた戦士のままだ。


対照的なのがバイデンでかろうじて選挙運動と呼べる程度に過ぎない。バイデンが公の場に姿を現すのはわずかで、登場しても聴衆は少ない。さらに運動を休む日も多い。自宅地下で過ごすことで本人は弱み、勇気の欠如を示しており、軍で重視する「指揮官のプレゼンス」の真逆であり、国民が最高司令官に期待する姿にも反している。


また主流メディアがバイデンに迎合した結果、本人は重要な選挙運動終盤で準備不足となった。ハンター・バイデンが中国、ウクライナの未登録利益代弁者となっている噂は以前からあり、バイデン自身の認知症の話題もある。メディアはともに真剣に報道せず、むしろ隠ぺいしていると言ってよい。大手メディア、技術系大企業がこうした話の流布を懸命に防止しているが、有権者も知るところになってきた。


さらに自身の政策内容のまずさがある。10月22日討論会でバイデンは化石燃料を最終的に全廃し、オバマ政権時の中央計画体制を再開すると公約したが、以前の実績では「クリーンエナジー」に5億ドルをつぎ込んでも成果が得られなかった。気候変動を錦の旗にした新宗教といってよい風潮の中、電気料金、食品価格、公共料金、さらに住宅価格すべてが上昇した。また環境改善に使うべき資源を別の使途に回してしまった。


バイデンが当選すれば、中国、イランに厳しい態度をとるトランプの政策、北朝鮮やロシアとの対話路線、さらに中東での戦闘再発の防止といった政策を逆転するだろう。また19年目に入ったアフガニスタン戦の終結に苦しむワシントン周辺の安全保障エスタブリシュメントをそのまま黙認する大統領になる。台湾のような重要同盟国に冷たい対応になりそうだが、精力が枯れ方向性を喪失していたヨーロッパの外交チャンネルには新たな息ぶきとなろう。


バイデンは国内で堂々と我が国を罵倒し、レイシストと非難する向きに力を与えるとも公約している。米国の実力主義ならびにマーティン・ルーサー・キングが夢見た人種差別のない社会のかわりに政治で左右される社会、差別や人種に基づく社会に置き換えようとしている。アメリカが「制度になっている人種差別」で苦しんでいるとの本人発言は2020年最大の虚偽で、これを繰り返している。


経済封鎖とともに国民に家庭に閉じこもりコロナウィルスと戦うよう求める本人の意向とともにこの主張が選挙戦最終段階で最大の過誤となりそうだ。経済ならびに精神の閉鎖に多くの国民が反対している。また反対ですまず激怒している向きもある。


こうした国民からすれば憲法が認める国民の権利を侵害し、家に残れ、教会に行くな、静かな抗議もするなと言われれば困惑するしかない。しかも麻薬や酒類の入手に外出するのは良い、左翼の抗議活動は認めるというのだ。国民は民主共和両党の政治屋に辟易としており、実際に両党ともこの国の歴史を物語る銅像を堂々と引き倒した狼藉を働いたものを放置している。政界は学問の世界に悪影響を与えたマッカーシズム反共主義が復活するのを恐れているのだ。信じられない向きはスコット・ティプトン上院議員に尋ねてみるがいい。トランプ支持の共和党コロラド州現職は予備選で熱気にあふれた保守派ローレン・ボーバートに敗退したが、ボーバートは銃所有の権利を主張し、閉鎖命令を無効と主張した。


たかが選挙区一つの話題だが、底流にある感情は広く拡散しそうだ。またバイデンが最高裁判事の定数と新たな州を認め上院議員定数も増やそうとしているとの猜疑心は前からあるが、さらに勢いをつけそうだ。


2020年に左翼勢力が繰り広げた文化革命が4年間続くのを期待する有権者はごくわずかだ。トランプには追い風が吹いており、二期目確定に向け強いまま選挙戦が終わろうとしている。■


この記事は以下を再構成したものです。世論調査と称するものを金科玉条とする日本メディアは最初からトランプ当選の目はないとみているようですね。4年たってもまったく反省がないということでしょうか。そもそも公平な報道というコンセプトが幻想に過ぎないのでは。また堂々と党派の一方を支援してもなんの咎めもない米メディアの姿は日本の同業者にどう映っているのでしょう。11月3日の投票日ですぐ結果が出てこないのではとの予想もありますが、結果が楽しみですね。


Why Trump Won in 2016 Is Why He Will Win in 2020

October 24, 2020  Topic: Donald Trump  Blog Brand: 2020 Election  Tags: Donald TrumpJoe Biden2020 ElectionElection2016 Election

by Christian Whiton


Christian Whiton, a senior fellow at the Center for the National Interest, is the author of Smart Power: Between Diplomacy and War. He was a State Department senior advisor during the George W. Bush and Trump administrations.


コメント

  1. トランプ支持者から見た世界の一端を見れて興味深いですね。

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