2022年8月3日水曜日

ザワヒリ殺害作戦の詳細。まだ不明の点もあるが、詳細に検討され、新兵器も投入された模様。

 How The CIA’s Hit On Terror Kingpin Zawahiri Went Down

 

ザワヒリ殺害の現場となったカブールの自宅と思われる写真と、アルカイダ指導者、空爆後に上空で目撃されたと思われるドローン via Twitter

 

アイマン・アル・ザワヒリを殺害した空爆作戦の成功で判明したことと分かっていないことをまとめた。

 

日、ジョー・バイデン大統領は、米政府が無人機による空爆を行い、カブールの隠れ家でアルカイダ指導者アイマン・アル・ザワヒリを殺害したと確認した。バイデン政権高官は、The War Zoneも出席した記者会見で、今回の攻撃とその計画についてさらに詳しく説明した。その他詳細も、他の場所で明らかにされた。

 

 

 

アルカイダ指導者アイマン・アル・ザワヒリが、同団体が2021年9月に9・11テロ事件から20周年を記念し出したビデオに映っている。サハブ/アルカイダ

 

 同高官によると、空爆は現地時間7月31日午前6時18分(東部標準時7月30日午後9時48分)に行われた。機種不明の無人航空機が、3階バルコニーにいたザワヒリにヘルファイアミサイル2発を発射した。バイデン政権幹部は、アルカイダ指導者が殺害されたとき、無人機は中央情報局(CIA)の作戦統制下にあったとの報道を肯定も否定もしなかった。

 7月31日にカブールの住宅を米国が攻撃したとタリバンが主張する写真が、昨日からネット上で出回っている。画像には、3階バルコニーに目に見える損傷がある。未確認情報だが、豪華な住宅で、パキスタンのアボタバドにあるウサマ・ビン・ラディンの屋敷に匹敵する。

 

 米政府は、ザワヒリ近親者が住む家を狙った今回の攻撃で、他の犠牲者が出たと評価していない。同高官は、タリバンのシラジュディン・ハッカニ内相の義理の息子とその妻なども空爆で死亡したとする現地報道に異議を唱えた。

 ネットに流れた写真で見られた建造物の被害が極めて限定的であること、ザワヒリ以外に犠牲者はなかったという米政府の主張から、従来型弾頭ではなく飛び出す剣のような刃を配列したR9X秘密バージョンなど、巻き添え被害の極めて少ない特殊ヘルファイアミサイルの使用を示唆している。また、ヘルファイアが発射されたという公式発表にもかかわらず、実際には空中発射ロイタリング弾など、専門的で精度の高い別の武器が使用された可能性もある。

 また、ホワイトハウスは、米国政府は、空爆で死亡した人物がザワヒリであるというDNA証拠はないが、目視による確認含む各種情報源と方法で身元を確認したと発表した。故アルカイダ指導者を称える他のテロリストによる声明が公開され始めており、死亡を示す新たな証拠となっている。

 政権高官によれば、ザワヒリは「米国の個人、利益、国家安全保障に対して活発な脅威を与え続けている」ため、攻撃を決定したという。「バイデン大統領が一貫して述べてきたように、アフガニスタンが米国人に危害を加える可能性のあるテロリストの安住の地となることは許さない。我々は土曜日の夜、その公約を果たした。

 「そして、そうすることで、アフガニスタンに米軍が駐留し、危険な目に遭わなくても、指名手配中のテロリストでさえ特定し、居場所を突き止め、排除する行動を取ることができると示した」と政府高官は付け加えた。

 同高官は、米情報機関がザワヒリを支援し、隠し続けてきたネットワークについて何年も前から知っていたと明らかにした。アメリカ当局は、昨年アフガニスタンで欧米支援を受けた政府が崩壊し、タリバンが政権奪回した後、アルカイダ指導者がアフガニスタンに戻った兆候を注意深く監視してきた。2021年8月にタリバンがカブールを占領し、米軍の最終撤退とあわせ外国人やアフガニスタン人の国外脱出を支援するための混乱した取り組みが続いていた。

 ザワヒリの妻、娘、娘の子供たちが、ハッカーニ・ネットワークに所属するタリバンメンバーが管理するカブールの隠れ家に移されているという情報が今年初め浮上した。2019年時点で、アルカイダの声明によれば、家族はパキスタンの拘束下にあったようで、いつ、どのような状況で解放されたのかは不明だ。

 ザワヒリ自身はその後、現地に到着したと評価され、家族やタリバンが彼の存在を隠す措置を取り、屋敷を出ることはなかったと伝えられている。ザワヒリは隠れ家からアルカイダ作戦を指示するビデオを撮影し、米政府関係者は彼の死後、さらなる録音が公開される可能性があると考えている。

 米政府高官は、ザワヒリを隠し通す「策略」と表現したが、米情報機関は、攻撃計画に利用するためにアルカイダ指導者の詳細な生活パターンを確立できた。

 「また、ザワヒリの家族を含む民間人へのリスクを最小限に抑えつつ、建物の構造的完全性を脅かすことなくザワヒリを殺害する作戦を自信を持って実施できるよう、隠れ家の構造と性質を調査した」と同政府高官は述べている。「我々は独立したアナリストのチームを招集し、隠れ家住人の身元をめぐるすべてのデータを検討した」。

 

 「大統領はいつものように、(7月1日のザワヒリ攻撃案に関する)ブリーフィングに深く関わり、情報に没頭していた。大統領は、われわれが知っていることと、それをどのように知ったかについて詳しく質問した」と同高官は続けた。「重要なのは、情報機関が作成し、この問題のブリーフィングのためにホワイトハウスの状況調整室に持ち込まれたザワヒリの家の模型を綿密に検討したことだ。大統領は、照明、天候、建築資材など、この作戦の成功に影響を与え、民間人犠牲のリスクを減らす要因について説明を求めた。特に、この作戦がリスク最小化のためあらゆる手段を講じているかの確認に重点を置いていた。そして、その評価に自信を持てる根拠を理解したかった」。

 作戦計画やその他の情報収集のために縮尺模型を使うことは、よく知られている。有名なのは、アボタバドでの急襲作戦の計画過程の一環として作成されたビン・ラディンの屋敷の模型である。

 後のブリーフィングで、「巻き添えや民間人の犠牲を減らすオプションについて再度質問された。彼は、建物の3階にあるドアや窓の奥にある部屋のレイアウトについてもっと理解したかった」。

 民間人の犠牲がバイデンにとって大きな懸念であったのは驚くには当たらない。2021年8月、米国の避難・撤退活動の末期に、またしても米国の無人機による爆撃がカブールで標的を完全に誤認し、米国の援助団体の現地職員1人と子供7人を含む9人の民間人が死亡する失態を演じている。2021年12月、ニューヨーク・タイムズ紙は、アフガニスタンだけでなく、イラクやシリアでの空爆による民間人犠牲を正確に評価する調査報告を発表した。このため、米軍が他の紛争地域でも引き起こしたとされる民間人犠牲の事例の調査を求める声が高まっている。

「また、6月と7月の間に、ホワイトハウスの状況調整室で主要人物と補佐官が何度も直接会い、情報状況を確認し、選択肢を十分検討し、リスクやコストをどう軽減するかを考えた」と、この政権高官は付け加えた。

 政府高官は、「省庁間の上級弁護士が非常に緊密な連携のもと情報を精査し、作戦の法的根拠を確認した」と述べた。その法的判断、入手可能な情報、ザワヒリを無力化するすべての選択肢とそれに伴うリスク評価に基づき、バイデンの国家安全保障チームが、提案された攻撃の実行を満場一致で支持した。7月25日、バイデンは可能な限り早い機会に空爆を許可し、民間人が犠牲になるリスクを可能な限り最小化するためあらゆる努力が払われた場合のみ作戦を実行するとの具体的な指示を出した。

 空爆計画には、他の間接的な要素に対する潜在的なリスクについての議論も盛り込まれた。二次的な影響へのの懸念には、2020年にタリバンが誘拐した米国人土木技師、マーク・フレリックスの継続的な安全についての懸念が含まれていた。また、過去20年間に米軍や米政府の他部門と協力し、現在はタリバンの報復のリスクにさらされているアフガニスタン人を国外に安全に移転させるため進行中の取り組みが中断される可能性や、将来の作戦遂行に必要な関連空域へのアクセスが失われる可能性も考慮された。

 空域の確保については、空爆を行ったドローンがどこから離着陸したかは不明だが、アフガニスタンに到達するためには、少なくともパキスタンなど近隣諸国の空域を飛行しなければならなかったはずだ。ビン・ラディン襲撃のように、事前に該当国当局と調整を行わなければ、地政学的な摩擦が別途発生する、あるいはさらに悪化する危険性がある。

 この点を考慮すると、政権高官が「カブールの地上には米軍関係者はゼロだった」としながらも、空爆でザワヒリ以外の人物が死亡したことの確認には「別の独立したチーム」が関与しているとした点が興味深い。AP通信は、CIAの地上チーム(現地人だけで構成されている可能性もある)と航空情報、監視、偵察部隊が空爆後の評価に関与していると報じている。

 また、アルカイダ指導者が殺害されたと思われる家の写真とともに、無人航空機の奇妙な写真がネット上で共有されている。画像解像度が非常に低く、今回の空爆と関係があるのかは全く不明だが、機体の形状は、中国製の無人機「ウィング・ルーンII」の特徴的な主翼構成にほぼ似ている。パキスタンはWing Loong IIのオペレーターとして知られている。

 ニューヨーク・タイムズ紙は2021年6月、CIAがアフガニスタン上空での将来の作戦を支援するため、パキスタン関係者と無人機基地を再整備する可能性を協議中と報じた。パキスタンのドーン紙はその後、同国当局が米国提案をはねつけ、代わりに「テロリストの標的に対する攻撃を実行する無人機の引き渡しを米国に要請した」と報じた。

 昨日のブリーフィングでバイデン政権高官は、パキスタンやその他国がこの作戦に何らかの形で関与しているかどうか、またパキスタンの軍事情報局(ISI)がザワヒリ潜伏を助けたかについても言及を避けた。ISIは、タリバンやハッカーニ・ネットワークなどアフガニスタンの過激派やテロリスト集団とつながってきた歴史がある。

 さらに、タリバンが、組織レベルで、ザワヒリのカブールでの存在について知っていたか、知らなかったかについて、大きな疑問が残る。バイデン政権高官は、ハッカーニ系のタリバンのメンバーは、空爆後、アルカイダ指導者の死と、彼の家族が建物にいることを隠そうとする措置を取ったと述べている。これは、昨日タリバン報道官が、当時未確認だった米国の無人機による攻撃が、ISISホラサン州またはISIS-Kとも呼ばれるアフガニスタンのISISの地元フランチャイズのメンバーを標的にしていたと示唆した声明とある意味で一致している。

 しかし、政権高官はブリーフィングで、ハッカーニ系のタリバンのメンバーがザワヒリ匿護に積極的に関与していると述べただけだった。さらに、未確認情報だが、今は亡きアフガン軍で実質的に最後の指揮官で、現在はメリーランド州に住むハイバトゥラ・アリザイがThe War Zoneに語ったところによれば、アルカイダ指導者について米政府に密告したのは、実はタリバンの中の一派だとアフガン情報筋が伝えてきたという。タリバンが政権復帰して以来、ハッカーニ派を含む小集団間の内紛が報告されており、暴力的に発展している可能性がある。

 国防情報局(DIA)のトップであるスコット・ベリエ陸軍中将 U.S. Army Lt. Gen. Scott Berrieは、6月にアフガニスタン復興特別監察官(SIGAR)に、「アルカイダは指導者の再結成に問題を抱えており、ある程度はタリバンがアルカイダの若返りを許さないという約束を守っていると思う」と語ったと、議会監査団が本日発表した報告書にある。ベリエがザワヒリのカブール滞在に関する情報を知らなかったということはありえないようだ。

 元米国アフガニスタン特別代表ザルマイ・ハリルザドも「私が取引したタリバンは、彼がどこにいるか知らないと言った」と、2021年10月にCBSニュースに語っていた。さらに、その時点で彼とそのグループのメンバーとの間に信頼関係の欠如のようなものがあったと付け加えている。

 アルカイダメンバーや同グループとつながりのある重要人物は、タリバンが支配権を取り戻して以来、アフガニスタンで自由に行動できるようになったことは確かだ。同時に米政府関係者は、「タリバンは、他のグループの過激派の動きを封じ込めるため、治安組織である情報総局(GDI)が主に実施している渡航・居住制限を利用している」「こうした努力は、TTP(Tehrik-i-Taliban Pakistan、別名パキスタンタリバン)やアルカイダなど一部グループに対して機能しているようだ」と見ており、新しいSIGAR報告書に書かれている。

 タリバンはまた、2020年にカタールのドーハで米当局と結んだ協定に違反するとして、今回の攻撃を非難している。米政府は、ザワヒリがカブールにいることは、同協定でのタリバンの義務に違反すると言って反論している。バイデン高官は、マーク・フレリヒス解放を確保する努力の継続を含む様々な問題に関して、米国政府は同グループとの継続的な対話を終了するつもりはないと述べた。

 バイデン政権は、ザワヒリの死で、米国への攻撃を含む世界的なアルカイダの作戦計画・実行能力を大幅に低下させると考えていると、同高官は昨夜のブリーフィングで述べた。現在、誰がグループのトップになるかは明らかではない。

 今回の空爆が、米国のタリバンへのさらなる関与、タリバン内部の問題、そして新指導者を探すアルカイダの将来にどのような影響を及ぼすかは、まだわからない。■

 

How The CIA's Hit On Terror Kingpin Zawahiri Went Down | The Drive


BYJOSEPH TREVITHICKAUG 2, 2022 12:52 PM

THE WAR ZONE


2022年8月2日火曜日

速報 アルカイダのトップ、ザワヒリをCIA無人機がカブールで殺害

 

 

アルカイダ指導者アイマン・アル・ザワヒリが、同団体が2021年9月に9・11テロ事件20周年を記念して出したビデオに映っている。サハブ/アルカイダのビデオから

 

エジプト出身のアイマン・アル・ザワヒリAyman Al Zawahirは、米国の空襲で創設者オサマ・ビン・ラディンが死亡して、アルカイダのトップに就任していた。

 

 

ワイトハウスによると、ジョー・バイデン米大統領は今晩遅く、アフガニスタンでアルカイダを標的とした「テロ対策作戦の成功」に関し公の場で演説を行う。公式には確認されていないが、米軍無人機による攻撃でテログループの指導者アイマン・アル・ザワヒリが殺害されたとすでに大きく報じられている。アフガニスタンでは、タリバンがカブールを奪還した後、欧米が支援してきた政府が崩壊し、米軍をはじめ米政府部門は1年近く前に混乱した撤退を完了していた。

 CNNによると、詳細は限られているが、米政府高官は「週末、米国はアフガニスタンの重要なアルカイダ標的に対してテロ対策作戦を実施した」と述べた。「作戦は成功し、民間人の死傷者はなかった 」という。

 Fox NewsとReutersは、匿名情報源を引用して、米軍ではなく、中央情報局のドローンが、攻撃を実行し71歳のアル・ザワヒリを殺害したと報じている。The War Zoneがこれまで報告したように、CIAと米統合特殊作戦司令部の間には、特に非常に高価値ターゲットへのドローン攻撃に関して、強い協力関係があることが証明されている。米軍は現在も、撤退後の「不朽のセンチネル作戦」と呼ばれる任務の一環として、他国からアフガニスタンでのいわゆる「オーバー・ザ・ホライズン」テロ対策活動を公式に展開している。

 また、昨日アフガニスタンの首都カブールで行われた米無人機による空爆が、同国のタリバン当局がテロリスト集団ISIS-Kのメンバーを標的にしたとする報道と何らかの関連があるかは、明らかにされていない。

 昨年発表された国連報告書は、アル・ザワヒリがアフガニスタンとパキスタン国境沿いに潜伏している可能性が高いことを示唆している。同時に、タリバン支配後のアフガニスタンでは、アルカイダンバーがより自由に行動できるようになったことを示す重要な証拠がある。

 エジプト出身のアル・ザワヒリは1998年から同グループの幹部を務め、同年5月にパキスタンでの米国の空爆により悪名高い創設者オサマ・ビン・ラディンが殺害された後の2011年に指導者となった。アルカイダは昨年、ニューヨークとワシントンDCで起きた9・11テロ事件から20周年を記念しアル・ザワヒリのビデオを出したが、これは本人が死亡したという噂の後に出てきた。

 米国政府は以前、アル・ザワヒリの逮捕につながる情報に対して2,500万ドル報奨金を提示していた。

詳細な情報が入り次第、この記事を更新していきます。

 

更新:午後8時15分(東部標準時)

 ジョー・バイデン大統領は、週末にアフガニスタンのカブールでアイマン・アル・ザワヒリを殺害した空爆を指示したことを認めた。空爆されたとき彼の家族も家にいたにもかかわらず、空爆で民間人は殺されなかったと大統領は述べた。

 ザワヒリは9.11の立案に深く関わり、アメリカ国内で2977人を殺害した攻撃で最も責任のある(個人の)1人である。バイデンはホワイトハウスからの演説で、「彼は何十年もの間、アメリカ人に対する攻撃の首謀者であり、2000年のUSSコール襲撃は17人のアメリカ人乗員の死亡と数十人の負傷を引き起こした」と述べました。  「彼はケニアとタンザニアの米国大使館爆破事件で重要な役割を果たし、224人を殺害、4500人以上を負傷させた。彼はアメリカ市民、アメリカ軍兵士、アメリカ外交官、アメリカの利益に対し殺人と暴力の痕跡を刻みました」。

 バイデンは、オサマ・ビン・ラディンの死後、ザワヒリがアルカイダを率い、隠れて攻撃を計画し続け、また別の方法で攻撃を鼓舞し続けたていたと強調した。

 バイデンはさらに、「時間がかかろうとも、どこに隠れようとも、もしわが国民にとって脅威であるなら、米国はお前を見つけ出し、連れ出す」と付け加えた。

 バイデンは、米国の攻撃は、民間人犠牲を最小限に抑えることに特に重点を置いて計画され、実行されたと述べました。米国政府は、バイデン政権と前任者がアフガニスタン他の地域で行った空爆で民間人の犠牲があったことが明らかになり、過去1年ほどで大きな批判を浴びてきた。

 バイデンはまた、今回の空爆は、昨年の混乱した米軍撤退後、アフガニスタンをテロリストの安住の地にしないという約束を実現していることの証明だとも述べた。アフガニスタンの治安が悪化し、ちょうど1年前にカブールで西側が支援する政府が最終的に崩壊したこと、そしてその後に起こったことへの大統領の対応については、今も大きな批判がある。特に、米軍や米国政府の他の機関、国際社会の他の要素と共に働いた何千人ものアフガニスタン人が、退役軍人や他の民間人で構成される様々な団体による移転支援活動を含め、現在も同国に残っており、タリバンによる報復の深刻な危険にさらされている。■


Al Qaeda Leader Ayman Al Zawahiri Killed In U.S. Drone Strike (Updated)

 

BYJOSEPH TREVITHICKAUG 1, 2022 6:49 PM

THE WAR ZONE


ホームズ教授の見方。ペロシ訪台で中国は本当に戦争をはじめてもよいと考えているのか。

 U.S. Navy Aircraft Carrier

 

120118-N-QH883-003 INDIAN OCEAN, (Jan 18, 2012) ニミッツ級空母USSエイブラハム・リンカン(CVN 72) (U.S. Navy photo by Chief Mass Communication Specialist Eric S. Powell/ Released)

 

 

ンシー・ペロシは台湾に行く必要はなかった。しかし、アジア歴訪で、台北に降り立つ可能性を公言した以上、行かねばならない。そうでなければ、蔡英文総統を訪問するかもしれないというニュースが流れて以来、中国共産党が繰り返し出す大声に、米国下院議長が屈したように見えてしまう。

 

ペロシが譲歩すれば、面目を失うことになる。そして、アメリカは中国に対してだけでなく、同盟国や友好国に対しても面目を失う。インド太平洋におけるアメリカの地位は低下する。

 

北京は間違いなく、このような事態を引き起こしたいと思っている。中国共産党が、平時外交を別手段で行う戦争とみなしていることを忘れてはならない。中国共産党は24時間365日、絶え間なく心理的、メディア的、法的手段の「三戦」で政治的、戦略的環境を自らに有利になるように形成する努力をしている。喧伝することで、発言者の計画実行を抑止する。党所属の記者である胡志仁は、今回の訪中を中国への「侵略」と定義し、米軍戦闘機が台湾領空に侵入した場合には、暴力的な手段を用いるべきと主張している。

 

そして実際、ここ数カ月、人民解放軍は北京の思い通りにするため暴力を行使する傾向が一層強まっている。

 

5月下旬、中国のJ-16戦闘機が南シナ海上空でオーストラリアのP-8偵察機を迎撃した。中国軍のパイロットは豪州機の直前を横切り、エンジンに向けチャフを放った。チャフとは、敵のレーダーを欺くアルミニウムやアルミニウムでコーティングされた繊維などの反射材の散布だ。これを至近距離で使うのは大変なことで、飛行士なら誰でも知っている。例えば、航空母艦での飛行作業の前には、乗組員が飛行甲板に出て「FODウォークダウン」を行う。これは、超高速で回転する繊細なタービンに吸い込まれると「異物障害」を引き起こす可能性のある小さな破片を拾い上げる作業だ。

 

異物損傷は、最悪の場合墜落の可能性もある。この事件を武力攻撃と断定しても、オーストラリアには当然の権利だった。墜落させるような損害を故意に与えることは、より高次の侵略行為だ。中国の「グレーゾーン」作戦は、暴力によらないあらゆる手段を駆使し、地政学的な利益を少しずつ獲得していく。この不透明なアプローチは、中国の敵対勢力に、引き金を引かせ、戦争勃発の責任を負わせる。あるいは、中国の意向に逆らわずに権益を放棄させることがねらいだ。

 

PLA司令官は、武力行使に抵抗がないようだ。もしそうなら、重大な影響を及ぼすエスカレーションが始まる可能性がある。中国はグレーゾーンを脱しつつあるのか。

 

台湾訪問を実行する場合、議長一行はどのように行動すればよいのか。裏を返せば、筆者は胡錫錦の意見に賛成だ。1948年から1949年にかけてのベルリン大空輸で、飢餓に苦しむベルリンに貨物機が護衛機なしで向かったように、ペロシ乗機は戦闘機の護衛なしで行くべきだ。トルーマン政権は、人道的任務につく非武装航空機を撃墜するむき出しの侵略行為にスターリンがひるむと判断し、戦闘機を随行させない決定を意識的に下した。

 

しかし、習近平中国共産党総書記は、1948年のソ連と同じように、賢明な自制心を発揮する可能性が高い。つまるところ、米国議会と中華民国の結びつきは今に始まったことではない。ペロシ議長の台湾訪問が実現しても、これまでの慣行から大きく逸脱しないだろう。ニューポートにあるペル国際関係・公共政策センターに足を運べばいい。ペルセンターには、ロードアイランド州選出の故クレイボーン・ペル上院議員の執務室が再現されている。事務所に飾られた外国の賞や勲章を見るだけでも、ペルと台湾の関係がうかがえる。賞や勲章を全部同時につけていたら、ペルは立っていられないほどだっただろう。そして、ペルは議会内でも台湾との友好関係において、孤立していなかった。議員からの支持は超党派で、広く、そして明らかに誠実だった。

 

では、中国共産党は本当にペロシの台湾訪問で喧嘩を売っているのだろうか?そうでないことを祈るが、すぐに分かる。では、習に返す。■

 

 

WRITTEN BYJames Holmes

James Holmes holds the J. C. Wylie Chair of Maritime Strategy at the Naval War College and served on the faculty of the University of Georgia School of Public and International Affairs. A former U.S. Navy surface-warfare officer, he was the last gunnery officer in history to fire a battleship’s big guns in anger, during the first Gulf War in 1991. He earned the Naval War College Foundation Award in 1994, signifying the top graduate in his class. His books include Red Star over the Pacific, an Atlantic Monthly Best Book of 2010 and a fixture on the Navy Professional Reading List. General James Mattis deems him “troublesome.”


Would China Really Start a War over a Nancy Pelosi Visit to Taiwan? - 19FortyFive

 

ByJames HolmesPublished3 hours ago


緊急 ペロシ議長訪台は確実。面子を失うのを恐れるPRCが何をするかわからない危険な状態

  

China Makes New Threats As Rumors Swirl That Pelosi’s Taiwan Visit Is Imminent (Updated)


下院議長ナンシー・ペロシ。米空軍C-40輸送機。gillfoto via Wikicommons / Nathan Howard/Getty Images


米空母打撃群が台湾付近を航行中、下院議長が「あえて」台湾を訪問すれば、中国は「待機している」と表明

ンシー・ペロシ下院議長の台湾訪問の可能性はまだ確認されていないが、訪問の予想だけでなく、間近に迫っているという報道が相次いでいる。バイデン政権も、ペロシが台湾訪問を怖がる必要はない、と新たな見解を示したようだ。中国当局は、ペロシが台湾島に「行く勇気」があれば、人民解放軍が「傍観する」と発言するなど、異常なまで強い脅しをかけ続けている。

 

CNNは、米国と台湾の匿名当局者の話としてペロシ議長の訪台は事実で、一晩滞在すると報じた。これは、ペロシがマレーシアに立ち寄った後、火曜日の夜か水曜日の朝に台湾に向かうかもしれないという、過去24時間以内の他の報道を受けてのことである。台湾はすでに8月2日火曜日だ。

 

下院議長は現在、議会代表団とともにマレーシア、日本、韓国を訪れる予定の地域ツアーの最初の訪問シンガポールに滞在中だ。本稿執筆時点では、ペロシ事務所、米国政府、台湾政府のいずれも、台湾訪問を正式に認めておらず、可能性があるとも言っていない。ペロシ議長の日程表を引用した以前の報道では、先週時点では「暫定的なもの」と見られていた。

 

ペロシと他の代表団がどのように台湾に到着するかは不明。この地域の空域で何が起こっているのかについて、非常に優れた情報と一般的な状況認識を持つ中国当局を、確立された飛行計画から外れて台湾に向かうことによって、驚かせる可能性は低いように思われる。

 

過去1年ほどの米国議会関係者の台湾訪問では米空軍のC-17グローブマスターIII貨物機を使っていた。これまでのところ、ペロシは空軍のC-40C(ボーイング737シリーズの軍用機)を使用しており、彼女と他の代表団は台湾に向かう前に防御性能の高い機体に乗り換える可能性が出てきた。C-40Cには安全な通信システムや熱探知ミサイル対策が施されている。

 

中国政府は、ペロシが台湾を訪問しないよう警告する脅迫状を次々と発表している。米国では、議会議長が台湾を訪問するのはごく普通のことだが、北京当局にとってペロシは特別な存在である。米国では下院議長が政府高官として3番目に位置し、大統領と副大統領が共に死亡するなどして職務を遂行できなくなった場合、次席の最高責任者に就任する。下院議長が最後に台湾を訪問したのは1997年、ジョージア州選出のニュート・ギングリッチだった。この危機は米中関係における重要な出来事で、その後数十年にわたる人民解放軍の大規模な近代化努力、特に空母戦力整備の野心を支える重要な推進力となった。

 

中国外交部の趙立堅報道官は本日、定例ブリーフィングで記者団に対し、ペロシ議長の台湾訪問は、米国政府内での立場から「深刻な政治的影響」を及ぼすと述べたばかりである。また「中国人民解放軍は決して傍観することはない」とも述べた。

 

「中国は主権と領土を守るため、断固とした対応と強力な対抗措置を取る」と趙は続けた。「どのような措置を取るかについては、もし彼女があえて行くのか、様子を見ましょう」。

 

数週間前から、中国の軍用機がペロシを台湾に運ぼうとする飛行機の進行を妨げようとしたり、嫌がらせをしたり、もっと悪いことをするのではないかと懸念されていた。このため、ホワイトハウスと米軍は、議長が台湾に向かうのを思いとどまらせるために水面下で動いてきたと伝えられていた。米中関係は、台湾をはじめとするさまざまな地政学的・経済的問題をめぐり、すでに低調な状態に陥っている。しかし、最近その立場はかなり軟化しているようで、ペロシが本当に台湾に向かうという証拠をより多く示している。

 

「ペロシ議長が近い将来、本当に台湾に向かうという確証を得ました。中国の暴言には何の理由もない。行動を起こす理由もない」。国家安全保障会議の戦略的コミュニケーション担当コーディネーター、ジョン・カービーは、本日、CNNの朝の番組「ニューデイ」のインタビューで、「議会指導者が台湾に旅行することは珍しいことではありません」と述べた。「私たちは国として、中国のレトリックや潜在的な行動に脅かされるべきではない。これは議長にとって重要な旅であり、我々は彼女をサポートするためできることは何でもする」と述べた。

 

カービー報道官は、ペロシ議長が台湾に行く予定であることを肯定も否定もしなかった。同報道官はまた先週、週末に行われた演習にもかかわらず、PLAが台湾の反対側で積極的に軍備を増強している兆候はアメリカ政府はつかんでいないと述べている。中国軍はすでに台湾海峡沿い含む地域に空軍、海軍、陸軍の広範な部隊を配置している。

 

ペロシとアジア歴訪に同行する代表団が台湾に立ち寄るかどうかはわからないが、現在、議会ではそのような訪問に幅広い超党派の支持がある。米国政府は台湾と複雑な関係にある。北京政権は台湾をならず者国家として扱い、米国当局は台湾を技術的に独立した国とは認めていない。法律上、米国当局は、台湾の地位が最終確定するまでは、台湾のカウンターパートと外交的に関わり、台湾の軍事支援を行う権利など留保している。

 

さらに、今日の国家安全保障会議のカービー報道官発言は、バイデン政権が、アメリカの議員にできること、できないことを中国当局に指図させていると公に見られることに関心がないことを明確にしている。バイデン氏自身、これまで何度も、米国政府は中国の侵略から台湾を守るために積極的に軍事的な準備をしていると公言してきたが、その後、北京からの反発を受けて、政権は何度も水を差すような発言を繰り返してきた。

 

懸念されるのは、ペロシが台湾に行こうとすれば、中国政府が異常なまで攻撃的な行動を取らざるを得なくなるという、パーフェクトストームが発生していることだ。米軍や台湾軍がペロシ議長らの台湾訪問をどのように保護するか(戦闘機の護衛など)によっては、何らかの小競り合いが発生する可能性があり、さらなるエスカレーションを引き起こす危険性がある。

 

米海軍の超大型空母USSロナルド・レーガン(CVN-76)が、フィリピン北東で西太平洋を航行しており、ここ数日、台湾へ移動しているように見えると報告されていることは、注目に値する。USNI Newsの報道によると、同空母打撃群には、海兵隊のF-35B統合打撃戦闘機を積む揚陸強襲艦USSアメリカとUSSトリポリが随伴している。これは非常に有能な航空・海軍部隊で、どのような危機が発生しても対応できる態勢を整えているように見える。

 

もう一つの選択肢は、ペロシがC-17のような機体ではなく、より目立たない機体を使うことだ。例えば、空軍のC-146Aウルフハウンド特殊作戦輸送機は、民間風の塗装が施され、政治的な敏感さのために注目を集めたくない任務に使用される。昨年、台北の松山空港でC-146Aが飛行しているのが目撃された。その際、地元メディアは、嘉手納基地から台湾に飛んだ同機が、台湾のアメリカンインスティチュートのディレクターで事実上のアメリカ大使であるサンドラ・ウードカークに小さな荷物を運んできたと報じた。

 

同時に、ペロシや議員連がC-146Aで台湾に入ると見られると、中国当局からアメリカ高官に忍び足を強いるというジャブを受け、アメリカ国内でも政治批判を受ける可能性がある。

 

また、民間機で移動する可能性もあり、その場合、乗機への行動は、象徴的なものであっても、中国にとり複雑なものになる。ペロシ一行が今週、実際に台湾を訪問するかどうか、また訪問した場合、どのような行動に出るかは別として、米中両国は、この問題をめぐり、外交上で衝突コースにあるように思われる。

 

その結果、米中両国の瀬戸際外交がどのような形をとるか、米中双方の当面の対応と長期的な展望は、時間が経たなければ分からない。

 

更新:午後2時35分

国家安全保障会議戦略広報調整官のジョン・カービーは本日の記者会見で、先週の公式見解から大きく変わり、中国軍がナンシー・ペロシ氏の台湾訪問に対抗して「さらなる措置を講じる可能性がある」兆候を米当局が把握していると述べた。また、米当局はこれに対し「囮になることも、妨害行為をすることもない」と付け加えた。

 

中国軍がどのような手段を準備しているのか、詳しく聞かれたカービーは、可能性を提示した。台湾海峡での各種ミサイルの発射、台湾の防空識別圏(ADIZ)内の国際空域への大量の軍用機の飛来、大陸との事実上の海上国境であるいわゆる「中央線」の横断、PLA演習の増加、海峡に対する中国の完全主権という法的に疑わしい主張をさらに主張しようとする、などが考えられる。これらはすべて、中国当局が過去に台湾政府および米国の支援者との緊張が高まったときにとった行動である。

 

カービーは、「北京の行動は意図しない結果を招きかねない」と警告し、状況をエスカレートさせる可能性があるとし、「我々は威嚇されることはない」と述べた。

 

カービーは同日、CNNのインタビューで、ペロシ議長に台湾を訪問する権利がある、米国政府はペロシの安全な旅行を確保する責任がある、米国の対中・対台湾政策は変わっていないことなど基本点を繰り返した。また、ペロシが台湾に向かう予定があるか確認は避けたが、米軍機に乗っていることから、「いつかは分かるだろう」と述べた。■

 

 

China Makes New Threats As Rumors Swirl That Pelosi's Taiwan Visit Is Imminent

 

BYJOSEPH TREVITHICKAUG 1, 2022 1:54 PM

THE WAR ZONE


2022年8月1日月曜日

台湾はなにのために戦っているのか---蔡英文総統寄稿の2021年Foreign Affairs記事より

 

 

2015年9月、台湾・嘉義市での選挙集会での筆者 Billy H.C. Kwok / The New York Times

 

今回は昨年の寄稿ですが、蔡英文総統(大統領といったほうがいいのかも)のエッセイをご紹介します。日本人にも台湾の価値を真剣に認識させてくれますね。

台湾と民主主義のための戦い

国際秩序を変えるのは善の力だ

蔡英文

湾の物語は、民主的かつ進歩的な価値を維持しながら、その存在への絶え間ない挑戦に直面している国の回復力そのものである。台湾の成功は、優れた統治と透明性を特徴とする民主主義を断固実践すれば何が達成できるかを示している。

しかし、台湾の物語は、私たち自身の民主的な生活様式を維持することだけを意味するのではない。それは、台湾が地域と世界の安定を守る努力にもたらす強さと責任感についても言える。台湾の2350万人住民は、努力と勇気をもって、国際社会で自分たちの居場所を作ることに成功した。

COVID-19の流行から、権威主義政権は、自分たちの統治モデルが21世紀の要求に民主主義よりも適合していると、かつてないほど確信するに至った。このため、イデオロギーの対立が激化しており、台湾は対立するシステムの交差点に位置する。民主的で西洋的でありながら、中華文明の影響を受け、アジアの伝統を受け継ぐ台湾は、その存在と継続的な繁栄によって、中国共産党のシナリオに対する侮辱であると同時に、地域での野心に対する障害にもなっている。

台湾があきらめず、民主主義を受け入れ、国際機関から排除されても責任あるステークホルダーとして行動する姿勢は、新たなイデオロギーの衝突の最前線に立つ自由民主主義国家としての価値を世界に再認識させている。中国共産党の脅威が認識されるようになった今、各国は台湾との協力の価値を理解する必要がある。そして、もし台湾が没落すれば、地域の平和と民主主義的同盟体制に壊滅的な影響を与えることを忘れてはならない。そうなれば今日の世界的な価値観の対立において、権威主義が民主主義に優越すると示すことになる。

インド太平洋の未来

世界で最も急速に成長中のインド太平洋地域の行方が、さまざまな意味で21世紀を形作る。この地域の出現は、(貿易、製造、研究、教育などあらゆる分野で)無数の機会を提供する一方で、新たな緊張と体系的矛盾をもたらし、賢く対処できなければ、国際安全保障と世界経済に壊滅的な影響が生まれかねない。緊張をもたらす最大要因は、自己主張が強く、自信に満ちた権威主義の台頭であり、これは第二次世界大戦後、国際関係を規定してきた自由民主主義秩序に挑戦するものだ。

北京は台湾への野心を捨て去りはしなかった。しかし、長年にわたる中国軍への2桁投資、台湾海峡および周辺海域での拡張主義的行動により、北京は平和的解決へのコミットメントに代わり、ますます攻撃的な姿勢をとっている。2020年以降、人民解放軍の航空機や艦船は台湾海峡での活動を著しく活発化させており、台湾南部の防空識別圏にほぼ毎日侵入し、台湾と中国大陸の暗黙の中央線(海峡の中央を北東の日本の離島付近から南西の香港付近まで走る)を横断している。

台湾は、自由民主主義と権威主義の世界的な争いの最前線にいるのである。

このような憂慮すべき事態にもかかわらず、台湾の人々は、民主主義は譲れないと全世界に示している。人民解放軍の侵入が毎日のように繰り返される中、台湾は圧力に屈しないが、国際社会の支持を集めても冒険主義に走ることはしない、という両岸関係への私たちの立場は不変である。つまり、地域の安全保障の維持は、台湾の全体的な政府政策の重要部分であることに変わりはない。しかし、現政権が2016年以降繰り返してきたように、平等の精神で政治的前提条件なしに進められる限りは、北京との対話にオープンであることも表明し続けている。そして、北京政権に対する理解を深めるため多大な資源を投入している。これにより、誤解や誤判断のリスクを減らし、両岸政策で正確な意思決定を促進できる。私たちは、脅威と機会の両方を含む外部環境への明確な理解を維持しながら、台湾の課題に対応するため準備を確実に進めることを望む。

同時に、台湾は他の地域のアクターと協力し安定を確保することに全力を尽くしている。例えば、3月に台湾と米国は沿岸警備隊作業部会の設立に関する覚書に調印した。同部会は、米国と台湾の沿岸警備隊間のコミュニケーションと情報共有を改善し、海洋資源の保護や違法・無報告・無規制の漁業の削減など、共通の目標に向けた協力強化を促進するものである。このような理解は、インド太平洋地域の他のパートナーとの非軍事的事項に関する協力拡大の足掛かりとなるはずである。

台湾はまた、現在および将来の課題に備えるため、軍の近代化と再編成に向けた一連の取り組みを開始した。戦闘機などの伝統的なプラットフォームへの投資に加え、台湾は機動性ある陸上対艦巡航ミサイルなど非対称能力の整備にも大型投資を行っている。2022年には「国防総動員局」を発足させ、訓練と装備の整った予備軍が正規軍を確実にバックアップする軍事改革を行う。こうした構想は、台湾の自立と備えを最大化し、負担を支払う意思を示し、安全保障パートナーの支援を台湾が当然視しないことを示すものである。

At a Taiwanese military exercise simulating a Chinese invasion in Pingtung, Taiwan, May 2019

2019年5月、台湾・屏東で行われた台湾軍の演習 Tyrone Siu / Reuters

地域の安全保障に貢献する台湾の取り組みは、これにとどまらない。東シナ海や南シナ海、台湾海峡での武力衝突を防ぐため、近隣諸国と全面的に協力している。台湾は北日本からボルネオ島に至る第一列島線上にあり、この線が武力で断ち切られれば、国際貿易が中断され、西太平洋全体が不安定になる。言い換えれば、台湾防衛に失敗すれば、台湾人にとって破滅的であるだけでなく、70年にわたりこの地域の平和と並外れた経済発展を可能にしてきた安全保障の構造を覆すことになる。

台湾は軍事対立を望んでいるのではない。平和的、安定的、予測可能で互恵的な隣国との共存を望んでいる。しかし、もし台湾の民主主義や生活様式が脅かされれば、台湾は自衛のため必要なことは何でもするだろう。

台湾モデル

台湾の歴史は苦難と達成に満ち、歴史の著者は台湾の人々である。過去数十年間、私たちは逆境と国際的孤立を克服し、近代政治史上最も成功した民主的移行を成し遂げた。この達成の鍵は、忍耐力、機知、プラグマティズム、諦めない姿勢であった。台湾人は地域の微妙なパワーバランスと支援の必要性の両方を理解し、声高に主張したり冒険したりするより、現実的な協力の方が良い場合が多いこと、他者を挑発したり体制を押し付けたりするよりも進んで手を貸す方が良いことを心得ている。

台湾の人々が常にコンセンサスを得てきたわけではないが、時とともに集団としてのアイデンティティが形成されてきた。世界との交流の中で、私たちは自分たちの価値観を吸収し、それを地域の伝統に融合し、自由で進歩的な秩序と台湾人としての新しい感覚を作り上げてきた。

このアイデンティティの核となるのは、民主主義の受け入れであり、これは数十年にわたる権威主義的な支配の末に台湾人が選択し、戦ってきた事実の反映だ。台湾人が一度その選択をしたら、もう後戻りできない。不完全でも、民主主義は私たちのアイデンティティーの譲れない一部だ。この決意が、台湾に21世紀の挑戦に立ち向かう強靭さをもたらし、苦労して勝ち取った民主主義制度を損なおうとする内外勢力に対するファイアウォールを提供しているのである。

北京は台湾に対する野心を決して捨てていない。

この民主主義受け入れの根底には、台湾の将来は台湾人が民主的な手段で決定するものであるという確固たる信念がある。台湾人は、未来がどのようなものであるべきかという点では異なるが、民主主義と、私たちのアイデンティティを損ない、私たちが大切にしている生活様式を変えようとする外部の努力に対抗するための価値と制度へのコミットメントでは、一致している。私たちの大多数は、民主主義が台湾にとって最良の政治形態と考え、それを守るため必要なことを進んで行っている。信念は日々試されているが、台湾の存在そのものが脅かされるようなことがあれば、国民が立ち上がることに疑いの余地はない。

台湾では、市民社会が常に大きな役割を担ってきた。国民党による権威主義的な統治の時代には、檀会運動が戒厳令解除と台湾の民主化を推進し、戒厳令の解除に貢献した後も、政府権力に対する積極的かつ効果的なチェック機能を提供し続けた。今日、台湾の市民社会が統治に果たす役割の大きさは、地域のどこにも例を見ない。これは、選挙で選ばれた議員と市民の間の信頼関係の反映であり、その結果、選挙を通じて、あるいは選挙間の政策に影響を与えている。

台湾の市民社会は、台湾の国際的地位の確立にも不可欠であることが証明済みだ。台湾は国連をはじめとするほとんどの国際機関から排除されているため、孤立する可能性もあったが、台湾は国民の多大な創造力と能力を活用し、中小企業、非政府組織、さまざまな半公的団体を通じ、世界とのつながりを構築することを可能にした。多数国が台湾を公式に承認しないことは、障害となるどころか、非対称的な思考を強いられ、非伝統的なチャンネルを通じて世界との関わりを深めることで、台湾の存在を否定する努力に対抗することになった。

つまり、数十年にわたる孤立にもかかわらず、台湾国民は国際社会に自らの居場所を作ることに成功し、台湾そのものを経済大国に、そしてインド太平洋地域で最も活気のある民主主義国家のひとつに変身させたのである。

 

Getting vaccinated against COVID-19 in Taipei, Taiwan, September 2021

 

2021年9月、台湾の台北でCOVID-19のワクチン接種を受ける。Ann Wang / Reuters

 

ルールの変更

 

台湾は、その存在に対する並外れた挑戦にもかかわらず、自由民主主義国家として生き残り、さらに繁栄することができたが、これは国際関係の一般的なルールにとって重要な意味を持つ。国際社会でより有意義な役割を果たそうとする私たちの試みは、地域政治の変化という背景の下、自由主義的な国際秩序への強い挑戦と、その野心を行動に移す経済力・政治力に支えられて発展しているのである。このような権威主義的な野心がもたらす潜在的な影響に対する認識が高まるにつれ、より多くの国が、台湾との関わりについてこれまで想定し、課してきた制限を再検討することを望むようになってきた。

 

台湾は、経済大国と参加型民主主義国家としての進化を通じて、気候変動や新しい病気、核拡散やテロ、人身売買やサプライチェーンへの脅威など、地球規模で影響を及ぼす新たな課題の解決に貢献しようとしており、多くの意味ですでに役割を担っている。COVID-19の大流行は、世界が相互に結びついており、地球の片隅で病気が発生すれば、数カ月で大流行する可能性があることを示した。多くの場合、新たな緊急事態の発生と拡大のスピードは、国家や既存の国際機関の対応能力を超える。将来の緊急事態に備えるために、国際社会は現在の構造に固執するのではなく、むしろ包括的な方向へと進まなければならない。

 

昨年春にCOVID-19感染者が急増した台湾は、民主的なシステムがパンデミックに効果的に対応できること、人工知能、ビッグデータ、監視ネットワークの力を活用し、収集した情報を責任を持って活用できることを世界に示した。また、パンデミックは、台湾がその経験を世界と共有し、苦労している国々に待望の医療援助を提供する機会にもなった。世界保健機関(WHO)など国際機関から長い間排除されてきた台湾では、国際的なパートナーとの協力やコミュニケーションの方法を独自に開発するほかなかった。国連をはじめとする多国籍機関から排除されていることが、レジリエンスを高め、あらゆる種類の課題や危機に対処するための新しいアプローチに拍車をかけている。

台湾は冷遇されているにもかかわらず、気候変動枠組条約などの国際的なプロトコルを遵守し、国内法を改正し、複雑化する課題に対応するための独自の方式を模索してきた。また、台湾はパートナーと共に地域発展に積極的に取り組んでいる。2016年には「新南向政策」を打ち出し、南・東南アジアの国々やオーストラリア、ニュージーランドとの貿易・投資パートナーシップ、教育・人的交流、技術・医療協力を通じ地域の繁栄を促進している。また、台湾は経済界を通じパートナーに投資を行い、安全なサプライチェーンと地域発展を同時に促進している。

台湾が没落すれば、地域の平和と民主的同盟体制に壊滅的な影響を与える。

実際、台湾はハイテク産業のリーダーであり、教育を受け、グローバル化した労働力を持つことから、半導体、バイオテクノロジー、再生可能エネルギーなど、国際協力がこれまで以上に必要とされる分野において、安全なグローバルサプライチェーンの構築に貢献できる立場にある。特に半導体産業は、グローバル・サプライ・チェーンを破壊しようとする権威主義政権の攻撃から自国と他国を守る「シリコンの盾」として重要な役割を担う。私たちは、地域のハイエンド生産ハブ構想により、グローバルなサプライチェーンの確保における台湾の役割をもっと強化し、グローバルなサプライチェーンにおける台湾の地位を確固たるものにしようと努めている。台湾はコンピュータ・チップ製造以外にも、高精度製造、人工知能、5Gアプリケーション、再生可能エネルギー、バイオテクノロジーなどの分野で活躍しており、人為的な混乱に耐えうる、より多様でグローバルなサプライ・チェーン構築に貢献している。

さらに台湾は、教育、公衆衛生、医療、自然災害防止など、さまざまな分野の専門知識と能力からソフトパワーを引き出している。これらの分野では、台湾の専門家や機関が地域的な役割を担う。例えば、台湾の大学は、地域の他大学と協力し、中国語教育を展開する用意がある。医療施設では、医療技術や経営に関する専門知識をアジア各地のパートナーと共有している。また、主要国との協力により、途上国へインフラ投資を行い、効率性を高めると同時に、グッドガバナンス、透明性、環境保護を推進する用意がある。同様の取り組みは、米国との協定を通じて、中南米や東南アジアでのインフラ融資、投資、市場開発に関する協力の強化となっている。つまり、台湾は、地域と世界の平和的発展と繁栄にとって重要な力となり得るのである。

民主主義の価値観

台湾は、自由民主主義秩序と権威主義的代案間の争いの最前線に位置し、世界の民主主義を強化する上で重要な役割を担っている。2003年、台湾は地域初の民主化支援・擁護のための民間団体「台湾民主基金会」TFDを設立した。米国の国家民主基金や英国のウェストミンスター民主基金に倣い、台湾民主基金会は国内外の民主的発展や人権を擁護する非政府組織に資金を提供する。また、参加型予算編成などのメカニズムを通じてガバナンスへの市民参加を促進し、毎年開催される「Asia Young Leaders for Democracy」プログラムなどの取り組みを通じ、若者の参加を促す活動も行っている。2019年、TFDは宗教の自由に関する初の地域フォーラムを開催し、台湾政府は宗教の自由に関する初の特命大使を任命した。

台湾は、民主主義、男女平等、報道と信教の自由に関する強力な記録で、アジアでますます厳しくなる環境に直面している、多くのグローバルな非政府組織の拠点にもなっている。国境なき記者団、国家民主主義研究所、国際共和国研究所、安全保障政策ヨーロッパ価値センター、自由フリードリヒ・ナウマン財団などが台湾に地域事務所を開設している。台湾では、当局による監視、嫌がらせ、妨害の脅威に常にさらされず、この地域で重要な活動を継続できる。また、インド・太平洋地域への進出を希望する国際機関にも便宜を図り、台湾を民主主義共同体の利益の推進拠点にしている。

長い間、冷遇されてきた台湾が、世界的な勢力になる準備が整ったといえよう。

一方、台湾、米国、その他のパートナーが共同で運営する「グローバル協力・訓練フレームワーク」GCTFは、世界各国との専門知識の共有を可能にし、法執行、公衆衛生、グッドガバナンスなどの問題に対する創造的な協力を育んできた。最近のGCTFの活動では、台湾が豊富な経験を持つメディア・リテラシーと民主国家が偽情報に対抗する方法に焦点を当てた。

過去5年間に台湾で開催されたGCTFのワークショップには87カ国から2,300人以上の専門家や政府関係者が参加し、今後も台湾と米国を含む世界各国との協力関係を強化するための場として拡大していく予定だ。台湾は、地域の平和と安定のために、多くの問題で米国と緊密に協力している。私たちは、米国や他の有志国と政治的・経済的に緊密なパートナーとして、より大きな責任を担っていきたい。

善のための力

権威主義的な体制がもたらす脅威は、民主主義国家に警鐘を鳴らし、自己満足からの脱却を促した。並外れた課題は残っているもの、世界の民主主義諸国は現在、その価値を守り、硬直化した制度を刷新するため努力している。同盟関係も国際社会の利益のために再燃しつつある。

台湾は領土では小さいかもしれないが、世界的に大きな存在感を示すことができ、この存在感が世界にとって重要であることを証明している。台湾は、存亡の危機に直面しながらも耐え抜き、インド太平洋地域にとって不可欠な存在となった。台湾の人々は、民主主義が永続的な道であり、唯一の選択肢であることを知っているのである。

過去2年間のCOVID-19パンデミック対応、世界各国への支援と協力は、台湾が果たすべき重要な役割と台湾が重要な理由あと示すもう一つの例となった。今後も、台湾のハイテク産業、特に高度な半導体の生産は、世界経済の原動力となることだろう。また、民主的な生活様式を守りつつ、さまざまな国との関係をバランスよく保つ台湾の能力は、この地域の他の国々を刺激し続けることだろう。

私たちは、決して挑戦から逃げなかった。世界は困難な道のりを歩んでいるが、台湾にはかつてないチャンスがある。特に、民主主義諸国が権威主義諸国との交際や貿易の必要性と、自国社会を定義する価値や民主主義の理想を守る必要性との間の適切なバランスを見出そうとする中、台湾が解決の一部とみなされるようになるはずだ。長く、冷遇されてきた台湾は、国際舞台でその能力に見合った役割を果たし、世界的な勢力になる準備ができている。■

Taiwan and the Fight for Democracy

A Force for Good in the Changing International Order 

By Tsai Ing-wen

November/December 2021

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