2022年9月16日金曜日

オハイオ州のホテルの一室でたった一回の週末で設計されたB-52が供用期間100年になろうとは誰も想像できなかった。

 

  

メリカの伝説的な爆撃機B-52ストラトフォートレスが初めて空を飛んだのは70年以上前で、供用期間が100年を超える可能性が高い。B-52は、B-1BランサーやB-2スピリット各爆撃機が退役した後も、飛行し続ける予定だ。 

 
 

長寿で幅広い能力を持つ同機で驚くべきことは、BUFF(Big Ugly Fat Fellow)と呼ばれる同機が、オハイオ州デイトンのホテルの一室に詰め込まれたボーイングのエンジニア数名でよりわずか1回の週末で設計されたことだろう。 


 
 

B-52が生まれたのは、P-51マスタングが現役の時代 

 
 


 

1957年、フライトラインに並んだB-52B (U.S. Air Force photo) 

 

B-52の活躍は、数十年にわたる紛争を超え、航空史に残るものだ。B-52は、戦闘航空の概念がジェット機時代へ生まれ変わろうとしていた時代に誕生した。 

 

1952年にB-52が初飛行した時点で、第二次世界大戦中のP-51(F-51)マスタングは、朝鮮戦争で活躍中の主要機材の一つだった。1955年にBUFFが就役する頃には、超音速ジェット機を搭載したF-100スーパーセーバーが運用を開始していた。 

 

しかし、変化の激しい時代に、B-52の後退翼とジェット推進は、時代に対応できるだけでなく、爆撃機への期待値を一気に引き上げ始めた。 

 

就役開始の1年後、B-52はビキニ環礁で世界初の熱核兵器の空中投下を行い、核兵器運用機能を証明した。翌年には、3機のB-52が空中給油により、わずか45時間19分で世界一周無着陸飛行を行い、その実力を世界に知らしめた。翌1958年には、別のB-52が世界速度記録を樹立する。さらに、無給油飛行距離の新記録も複数樹立するなど、B-52は数々の記録を打ち立てていった。 

 

戦争と高度を越えて 

 

B-52は5万フィート上空からの爆撃を念頭に開発されていたが、1960年にゲイリー・パワーズ操縦のU-2が撃墜された。しかし、空軍は同機を退役させるのではなく、レーダーが追尾できる400フィート以下の低空飛行爆撃機に移行できると即座に判断した。 

 

B-52はベトナム戦争で重要な役割を果たし、特にラインバッカーII作戦では729機のB-52がハノイなどの目標に15,000トン以上の爆弾を投下した。B-52はベトナム戦争で、超音速のMiG-21を2機撃墜したとされる 

1990年代の湾岸戦争でも、B-52は空爆作戦で重要な役割を果たした。 

 

「不朽の自由」作戦では、精密誘導弾でアフガニスタン地上部隊に近接航空支援を行うとともに、同地域の米軍の爆弾投下の少なくとも1/3を提供した。「イラクの自由」作戦では、B-52はAGM-86C通常型空中発射巡航ミサイルをスタンドオフ距離で発射し、爆撃機が目標の真上から爆弾を投下する以上の用途に活用できることを証明した。 

 

2021年9月、B-52は、26億ドルの民生用エンジン交換プログラム契約をロールス・ロイスに発注し、1960年代のTF33エンジンが新しいF130エンジンに交換され、2050年代まで飛行を続けることで、新しい命を再び手に入れた。 

 


 

プロペラ機版B-52の原型モデル 

 
 

B-52原案は一介の大佐に一蹴された 

 

1948年7月、ボーイングは創設間もないアメリカ空軍から、新型重爆撃機の設計・製造契約を受注した。3年前に最初のジェット戦闘機ロッキードP-80シューティングスターが就役していたが、当時ターボジェットエンジンは黎明期だった。P-80は時速600マイル、高度47,000フィートまで上昇できたが、燃料を大量に消費するエンジンでは、長距離爆撃機に適さないと考えられていた。 

 

1948年10月21日、ボーイングのプレゼンテーションチーム3名がライトフィールド空軍基地に到着し、B-29ストラトフォートレスのような第二次世界大戦を思わせるターボプロップエンジン4基を搭載した直線翼爆撃機案を持参してきた。ボーイングの航空力学部長ジョージ・シェーラーが、空軍の爆撃機開発責任者ピート・ウォーデン大佐に設計案を見せたが大佐は感心しなかった。 

 
 

B-52 design
 

 
 

プロペラ機B-52の設計変更案. 

 
 

ウォーデンにボーイングのターボプロップ爆撃機の設計案を中止させる権限はなかった。しかし、伝説的なカーティス・ルメイ(当時戦略空軍司令官)やケネス・ボナー・ウォルフ(航空資材司令部)といった有力な将軍たちが、後退翼ジェット爆撃機こそ未来だと考えていたことをウォーデンは知っていた。ウォーデンもこれに同意していた。 

 

ウォーデンはターボジェットエンジン搭載の新設計を提案と、設計の見直しをボーイングに依頼した。これは、ボーイングにとって、ゼロからの出発を意味する。ボーイングにとって幸運なことに、当時ウォーデンは知らなかったが、シェーラーはジェットエンジン搭載の爆撃機の可能性を研究した成果をブリーフケースに入れて持ち歩いており、再設計が可能と考える十分な根拠があったのである。 

 

そこで、ボーイングの技術担当副社長エド・ウェルズに電話し、ウォーデンの要望を伝えた。ウェルズは、その日の夕方にデイトン入りし、シェーラー、エンジニアのアート・カールソン、ヴォーン・ブルメンソールとホテルで合流した。 

 

4人は、シャイラーの初期データをもとに、直翼機ながらターボジェットエンジンを搭載したB-52の設計作業を急いだ。翌日の金曜日、ボーイングはジェットエンジンを搭載したB-52の設計図を携えて戻ってきたが、ウォーデンの評価はいまひとつだった。 

 

「まだ十分と言えない」。 

 

ウェルズは金曜の昼、大佐に「何ができるか考えてみます。月曜の朝、お目にかかります」と伝えた。 

 

The B-52's designers
 

(左から)ジョージ・シェーラー、ヴォーン・ブルメンソール、メイナード・ペネル、エド・ウェルズ、アート・カールソン。 Image courtesy of Boeing 

 

デイトンの週末が歴史を変えた 

 

設計チームにとって幸運だったのは、その週、ボーイングが2人のトップデザイナーを別の案件でデイトンに滞在させていたことだ。B-47が採用した後退翼の設計に携わったボブ・ウィジントンと、歴史に残るB-29プログラムでアシスタントマネージャーのメイナード・ペネルだ。この2人は、シャイラー、ウェルズ、カールソン、ブルメンタールと、狭くなったホテルの部屋で、スケッチや素早く書き込んだ数学的な計算に没頭していた。コンピューターが航空設計に使われるようになるのは、数十年後のことである。全く新しい爆撃機を設計するのは、この6人の男たちとその知恵に任されていたが、わずか48時間しか残っていなかった。 

 

金曜日の夜遅くには、新型爆撃機B-52の姿が見えていた。185フィートの巨大な翼を持ち、胴体から35度の角度で後方へ振り出した機体。その巨大な翼を飾るのは、当初予定の4基のターボプロップエンジンにかわり、8基のターボジェットエンジンとなった。 

 
 


 

1952年、飛行中のボーイングYB-52。 (U.S. Air Force photo) 

 

翌朝、シャイラーは近所のホビーショップを訪ね、バルサ材、接着剤、彫刻刀、銀色の塗料などを買い求め、ウェルズは、正攻法で機体設計図に取りかかった。残りのメンバーは、機体重量や性能の計算に集中した。 

 

日曜日に企画書が完成し、現地の速記者に清書してもらった。月曜日の朝には、33ページの企画書とあわせ、14インチの銀色の手作り模型も手にして、ウォーデン大佐の事務所に戻ってきた。ウォーデンは、新設計がすぐ気に入った。 

 

「これこそB-52だ」。 

 

わずか4年後に最初のB-52が初飛行した。ボーイングの伝説的なチームがオハイオ州デイトンの歴史あるホテル・バンクリーブで48時間かけて組み立てた小さな模型と図面集とほぼ同じ姿だった。■ 

 

Alex Hollings | September 13, 2022 

Alex Hollings is a writer, dad, and Marine veteran who specializes in foreign policy and defense technology analysis. He holds a master’s degree in Communications from Southern New Hampshire University, as well as a bachelor’s degree in Corporate and Organizational Communications from Framingham State University 

 
 

2022年9月15日木曜日

飛行中のドローンにワイヤレス充電する方法をDARPAが模索。空中給油機に充電ステーションの役割を与える構想。実現すれば航空戦術を一変しそうだ。

 

 

アメリカの秘密研究開発機関が航空機の未来で大きなヒントを出してきた

 

 

DARPA国防高等研究計画局は最近、バッテリー駆動のドローンを空中でワイヤレス充電する構想への情報提供依頼書を公開した。

 DARPA情報要求書では電気充電のプロトタイプに望む内容を説明している。「複数のアプリケーションで無線エネルギー伝送技術が商業空間の小さなアプリケーションで採用され始めているが、軍事アプリケーションの広い範囲内では、わずかに検討されているに過ぎない」。

 「無線エネルギー伝送に関連する複数技術が、無人航空機システム用に研究開発されている。これらのUASは、有機エネルギー貯蔵の重量を減らすため、指向性エネルギーを受取る可能性がある。このエネルギー伝送能力により、空中給油同様に、航続距離と作戦を延長する可能性がある」とある。

 DARPAは、電気燃料補給機の新しい機材をゼロから構築するのではなく、現行空中給油機を給電用に再利用する構想だ。「DARPAは、既存機材(特にKC-46とKC-135)を特定し、指向性レーザーエネルギーの受信能力を有するUASの範囲と能力を向上させることで支援する構想に関心がある」とある。DARPA文書では「エネルギー転送能力を備えた将来の高度なUAS部隊は、プラットフォーム間の物理的な接続なしに、モバイルエネルギー生産と配布の恩恵を受けるだろう」と説明している。

「現在、このエネルギーウェルのコンセプトは、戦術的な航空機の動作範囲、ペイロード、耐久性を拡張する従来型の空中給油として理解されている。だがパワービームの活用で、同じ給油機が、UASのネットワークへワイヤレス充電もできるはずだ。例えば、100kW級の連続的なレーザー出力を生成する発電要領と冷却機能を備えた翼下のパワービームポッドで実現できる」と、文書に記されている。

 軍用無人偵察機やその他機材の大半は、内燃エンジンを動力源としているが、全電動機、特に高高度を低速飛行する偵察機には、推進器の効果が大きくなる。また、電力供給の安定により、航空機搭載用のバッテリーを減らし、武器やセンサーに貴重なスペースと積載量を確保できる。

 今回の構想は、戦闘機を充電するものではないが、米国の有人・無人機が電動へ移行していることは明らかであり、充電タンカー機が必要となると浮き彫りにしているといえよう。■

 

 

DARPA Wants to Charge Drone Batteries From the Air | The National Interest

June 22, 2022  Topic: Drones  Blog Brand: The Buzz  Tags: DARPAAutonomous 

by Caleb Larson 

 

Caleb Larson is a multimedia journalist and defense writer with the National Interest. A graduate of UCLA, he also holds a Master of Public Policy and lives in Berlin. He covers the intersection of conflict, security, and technology, focusing on American foreign policy, European security, and German society for both print and radio. Follow him on Twitter @calebmlarson.

Image: Flickr



2022年9月14日水曜日

国防力の厳選は強い経済だ。インフレは2021年から始まり、今年がピーク。だが国防予算は1千億ドルも購買力を失い、防衛産業は撤退を考える動きが強まりそう。

 


2021会計年度以降の高いインフレ率のため、国防総省の購買力は500億ドル減少し、議会は現在の支出レベルを維持するためだけに、2023年度要求予算に少なくとも420億ドルを追加投入する必要があることが、新しい報告書で明らかになった。



全米防衛産業協会が9月13日発表した白書「インフレはいかにアメリカの国防を傷つけるか、そしてそれに対して何ができるか」は、2021年と2022年の国防予算は急激なインフレが始まる前の策定であるため、国防総省は購買力を大幅に失っていると指摘している。NDIAはNational Defenseの発行元。


「同様に、2023年予算はインフレ率がどの程度上昇するかが判明する前に議会に提出されているため、国防総省が望むプログラムへの必要資金を大幅に過小評価している」と報告書は述べている。


2021年のインフレ予測は2.3%だったが、実際は4.7%だった。同様に、2022年の予算は2.1パーセントのインフレ予測に基づいて策定されたが、実際のインフレ率は8パーセント以上である。この差額の効果は約9%、500億ドルの購買力低下につながるとしている。


計算は、公式予測に基づいており、報告書は、「つまり、提示された見積もりは、インフレによる有害な防衛上の影響を過小評価している可能性が高い」と指摘している。


「この損失は、数量の減少やメンテナンスの滞り、あるいはコスト超過やスケジュールの遅れとして現れるだろう」と、報告書は述べている。「このコストを最初に国防総省が負担するか、産業界が負担するかは、契約次第だが、資金がないままでは、国防への結果は同じである。資金が限られているため、過剰コストは中小企業に最も大きな打撃を与えるだろう」と述べている。


さらに、政府が既存契約でインフレ効果に対処しなければ、「選択できる企業は、防衛産業から商業市場へ転向し、(防衛産業基盤の)競争と多様性を低下させるかもしれない」と、報告書は続ける。


さらに悪いことに、米国が対テロ作戦から、近代化に多額の支出を必要とする互角の実力あるいはそれに近い相手との競争への移行を始めた時期に、インフレが加速した。報告書では、国家防衛戦略の近代化目標を達成するためには、国防費の実質成長率が3〜5%必要としている。


「これは2政権にまたがる戦略でありコンセンサスであるが、国防予算はインフレが始まる前に推奨成長率を反映しておらず、現在は逆に実質マイナス成長となっている」と報告書は続けている。


その結果、2021年から2023年にかけての実行損失の累積効果は1100億ドルに上るとしている。


議会はまだ2023年国防権限法や12の年次歳出法案を通過させていない。現時点では、2023年は継続決議で始まると予想され、2022年レベルの支出を維持し、毎月推定60億ドルの防衛支出力が損なわれると、報告書は指摘している。


報告書は、インフレの影響に対処するため、将来の予算上の課題と現在の執行危機という2つの線から、議会がとるべきいくつかの行動を提案している。


2023年予算について、報告書は議会に対し2つの提言している。第一は、インフレを考慮し、政権が要求する2023年予算に最低420億ドルを上乗せすることだ。2023年NDAAの下院版は370億ドル、上院版は450億ドルの予算増となったが、両院はそれぞれの法案を調整中で、最終予算に至っていない。


第二に、報告書は、議会が10月1日の新年度開始前に通過させるであろう継続決議に、インフレ調整を盛り込むよう推奨している。これで、「新たなスタートと調達量の変更を可能にし、さらなるプログラムの遅れを生じさせないようにすることができる」と報告書は述べている。


現在の予算執行に関し、報告書は議会に3点を提言している。


1つは、高インフレの開始前に締結された契約は調整し、将来の契約に自動インフレ調整条項を入れるよう指示し、「取得プログラムを安定させる」ことだ。


第二は、燃料運転資金を価格変動やショックに対応できるよう改定することだ。


3つ目の勧告は、データ報告での改善だ。「議会は、(国防総省が)問題に対処できた部分と、やり残したことを示すため、適切なデータ収集と定期的な進捗報告を実施するよう指示すべきである」。


さらに報告書は、インフレがピークに達したこと、2024年には通常レベルへ低下すること、議会が「2024年以降の予算に、実際の」2021-2023年のインフレへ補正し終えたトップラインに資金を供給すること、との3つの仮定を含んでいると指摘している。■



BREAKING: Inflation Costing Pentagon $50 Billion in Purchasing Power

9/13/2022

By Sean Carberry


ヴァージニア級SSNブロックVは史上最強の攻撃型潜水艦になる

 

Image of Virginia-class Submarine features. Image Credit: Creative Commons.

「オー!キャリー・ミー・バック・トゥ・オール・ヴァージニー」は、南北戦争中に南軍兵士がよく歌った歌である。言うまでもなく、南部連合はとうの昔に滅び、ヴァージニア州は連邦に復帰し久しい。ヴァージニアの名は、波の下で米国の権益を守るヴァージニア級原子力攻撃型潜水艦(SSN)に誇らしげに冠せられている。本稿では、ヴァージニア級(SSN-774)の最新ブロックVを取り上げる。

ヴァージニア級の由来

米海軍の公式情報ページでは、攻撃型潜水艦の任務と目的を次のように定義している。「攻撃型潜水艦は、敵潜水艦および水上艦の探索と破壊、トマホーク巡航ミサイルと特殊作戦部隊(SOF)による陸上への戦力投射、情報・監視・偵察(ISR)任務の遂行、戦闘群作戦支援、水雷戦に従事するよう設計されています」。

ヴァージニアは、米海軍の最新世代のSSNだ。以前には、1976年から1996年にかけて就役したロサンゼルス級62隻、1997年から2005年に就役したシーウルフ級3隻がある。先月発表された米国議会調査局の報告書によると、海軍は1998年度にヴァージニア級調達を開始し、2022年度までに合計36隻を調達した。ヴァージニア級は2011年度以降、年2隻のペースで調達されている。

ヴァージニア級は当初、大型で高価なシーウルフの安価な代替艦として構想され、冷戦時代にソ連の最新型潜水艦に対抗する設計とされた。ソ連崩壊により、シーウルフ級は絶滅危惧種になった。冷戦後、敵対する潜水艦はほとんど中止されるか、少なくとも大幅に遅れることになり、ハイテクを駆使したアメリカ艦は使命を失ったかのように見えた。そのため、シーウルフ型潜水艦29隻のうち26隻がキャンセルされた。

一方、小型でコストの安いヴァージニア級は、新技術を駆使し、世界をリードするSSNとなった。

ブロックVの登場

ヴァージニア級の最初の4ブロックは、生産効率とコスト削減に重点を置いた。ブロックIIIでは建造技術の向上が図られ、ブロックIVでは稼働率向上が図られた。しかし、新しいブロックVは、より目に見える強化がなされ、この艦の殺傷力の高めている。

H.I.サットンが2021年7月にNaval Newsに寄稿していた。「最新のブロックVヴァージニア級潜水艦は搭載ミサイル数を大幅に増加させるだろう。事実上、巡航ミサイル潜水艦(SSGN)になる。しかし、柔軟な対艦、対潜、情報、特殊部隊のプラットフォームが失われることはないだろう」「ヴァージニア級潜水艦はすでに重武装されている。各艦はトマホーク巡航ミサイルのような魚雷サイズの武器を最大37本搭載できる。うち12本は、ヴァージニア・ペイロード・チューブと呼ばれる2つの垂直発射システム(VLS)に搭載される。新しいブロックV(5)バッチでは、VLSに28個のスロットが追加される。これは魚雷サイズ兵装の76%増加である」。

トマホーク巡航ミサイルといえば、ブロックVでは、従来の陸上攻撃モードに加え、対艦能力であるブロックVaサブバリアントが追加される。この新しいトマホークが、対艦ミサイルのハープーンと比較して、どのような効果を発揮するかはまだ分からない。いずれにせよ、ブロックVミサイルは、最初のヴァージニア・ブロックVが潜水艦艦隊に加わる前に運用開始される。

ヴァージニアには通常の魚雷室が残され、最新版のアドバンスト・ケイパビリティ系列の大型魚雷を搭載する。ブロックVではハマーヘッド機雷を搭載するようだ、これは、旧型Mk.47潜水艦発射式移動機雷にかわるもので、密かに海底に配備される。海軍によると、ハマーヘッドは水中ドローンによって運搬され、有人または無人の潜水艦を「探知、分類、撃破」するという。

サットンは、潜水艦はおそらく新しい極超音速兵器を搭載すると付け加え、極超音速ミサイルを搭載する最初の潜水艦になる可能性が高いと指摘している。ロシアや中国が極超音速ミサイルを開発し、それを心配する声が後を絶たないことを考えれば、米国が完全に遅れをとっているわけではないことを、少しは安心させようというのだろう。

最後にはなったが、前述の兵器パッケージに加えて、ブロックVヴァージニアは米海軍史上最も重武装な攻撃型潜水艦となり、大型垂直配列の側面ソナーで探知能力が大幅に向上する期待がある。艦の側面に配置された6つの超近代的軽量広開口アレイがさらに加わる。

中国が潜水艦戦力整備を続けていることを考えれば、ブロックVヴァージニア級SSNはすぐにでも必要だ。■

Meet the Block V Virginia-Class Submarine: The Navy's Best Sub Ever? - 19FortyFive

ByChristian OrrPublished1 min ago

 

Christian D. Orr is a former Air Force Security Forces officer, Federal law enforcement officer, and private military contractor (with assignments worked in Iraq, the United Arab Emirates, Kosovo, Japan, Germany, and the Pentagon). Chris holds a B.A. in International Relations from the University of Southern California (USC) and an M.A. in Intelligence Studies (concentration in Terrorism Studies) from American Military University (AMU). He has also been published in The Daily Torch and The Journal of Intelligence and Cyber Security. Last but not least, he is a Companion of the Order of the Naval Order of the United States (NOUS). In his spare time, he enjoys shooting, dining out, cigars, Irish and British pubs, travel, USC Trojans college football, and Washington DC professional sports


2022年9月13日火曜日

米空軍で進行中の大型プロジェクトをまとめてご紹介。B-21、NGAD、T-7、新型ICBM、巡航ミサイル等。

 

B-21 Raider Credit: U.S. Air Force concept

 

空軍は創設75周年を迎え、互角戦力を有する国家との戦いに備え、大規模な近代化を行っている。これらの取り組みに、新しいステルス爆撃機や戦闘機、次世代兵器、50年以上ぶりとなる新型ICBMが含まれる。ここでは、空軍の未来を形作る重要プログラムをご紹介する。

B-21レイダー

ノースロップ・グラマンB-21レイダーは、同社のB-2スピリットとロックウェルB-1Bランサーに代わる、米空軍の次世代長距離ステルス爆撃機となる。空軍とノースロップは現在、来年の初飛行に先立ち、今年中に同爆撃機の一般公開をめざしている。6機がカリフォーニア州パームデールの秘密施設プラント42で生産中で、最初の機体は最近、負荷の校正テストを完了している。空軍はこの爆撃機を少なくとも100機、サウスダコタ州エルスワース基地、テキサス州ダイス基地、ミズーリ州ホワイトマン基地に配備し、近代化したボーイングB-52ストラトフォートレスと運用させる。空軍は、このプロジェクトへの支出を、研究、開発、試験、評価で33億ドル、調達で18億ドルに増やする。予算書によると、後者は今後5年間で195億ドルに増加する予定とある。

次世代制空優勢(NGAD)

空軍の戦術機で最重要の近代化プロジェクトは、最も秘密性が高く、ロッキード・マーチンF-22ラプターに代わる第6世代戦闘機だが、情報は限られている。次世代航空優勢(NGAD)機の動力源となるエンジンの最近の契約発表では、ボーイング、ロッキード・マーチン、ノースロップ・グラマンの3大企業が候補に挙がっている。フランク・ケンドール空軍長官は今年、議員に対して、このプロジェクトはエンジニアリング・製造開発段階に移行したと述べたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。この発言は、前空軍取得責任者のウィル・ローパーがNGADの飛行実証機が飛行したと公表してから約2年後のことである。ケンドール長官は、NGADシステムは高価で、単価「数億ドル」で、さらにステルス戦闘機と一緒に飛行する、同様に高価な無人戦闘機の開発も必要となると述べた。

F-35A


ロッキード・マーチン F-35A。出典:アメリカ空軍

空軍は、サプライチェーン問題、契約交渉、および大いに必要とされる技術アップグレードの開発の遅れの中で、ロッキード・マーチンF-35Aの調達を遅らせている。2023年度空軍予算案では、F-35Aを48機購入することになっており、予想されていた60機を下回っている。減額の最大の理由は、ブロック4に続く近代化プログラムのスケジュールと、予想される技術リフレッシュ3プロセッサーの進捗への不満である。しかし空軍側は、アップグレード準備が整えば、将来的に調達数は増加すると述べている。「F-35にこだわるのかと聞かれることがある。もちろん、私たちはF-35にコミットしています」とケンドール長官は述べている。「これらップグレードは、現在のPratt & Whitney F135パワープラントが提供できる以上の出力と冷却能力の大幅増加を必要とし、空軍はF135の大規模なアップグレードまたはAdaptive Engine Transition Programで開発中のPrattGE Aviationのエンジンをエンジン換装の可能性として検討してきた。Kendall長官は、次期予算案が展開される来春までに、この件に関する決定を下す予定である。

F-15EX


ボーイングF-15EXイーグルII。Credit: U.S. Air Force

空軍はカタール向けに開発されたF-15QAをベースに近代化したボーイングの新型機F-15EXイーグルIIを調達する方向へ変更した。F-15EXと選定されたGEエイビエーションのF100-PW-229エンジンは、F-15EXにより多くの武器を搭載を可能にする。先進的なBAEシステムズのイーグル受動的能動的警告生存システムにより、高度なレーダー警告、ジャミング、対抗措置が提供される。空軍は、2023年に同機購入を24機に減らし、80機で調達を終了する計画を発表したが、これは当初予定の144機から大幅減少となる。F-15EXは200機以上のF-15C/Dを置き換える計画だったが、削減された機体は訓練機とオレゴン州および沖縄の既存飛行隊のみをカバーすることになる。F-15EXは2機で同時に開発・運用テストが行われている。

T-7A


ボーイングT-7Aレッドホーク。 

 

ボーイングT-7Aレッドホークは、老朽化したノースロップT-38CタロンIIに代わる、米空軍の次世代戦闘機パイロットの練習機となる。この機体は、2023年半ばの本格生産開始と2024年の初期運用能力獲得の決定を前に、COVID-19パンデミック関連の問題とサプライチェーン不足による遅れに直面している。ボーイングは4月に、タスキーギ航空隊員へのオマージュである赤い尾翼が特徴的な同練習機機を一般に公開した。ボーイングは、デジタルエンジニアリングのおかげで、セントルイス工場で迅速かつ正確に同機を製造できたとアピールしている。この工場では、サーブの機体、GEのF404エンジン、その他のコンポーネント、生徒と教官のための「スタジアム」シートを備えた独自のコックピット、先進エイビオニクスなどを結合している。コックピットでは、バードストライク時の弱点がテストで判明し、問題視され、設計が見直されている。空軍はT-7の調達資金を初めて要求したがわずか1,050万ドルだ。しかし、2024年には3億2190万ドルに増加し、14機を購入する。空軍は最大475機のレッドホークを配備する計画だ。

 

給油機


ボーイングKC-46Aペガサス。 Credit: U.S. Air Force

 

米空軍の次世代タンカーがボーイングKC-46Aペガサスはボーイング767原型の燃料補給機で、開発上の問題で悪名高い存在となっている。8月時点で、空軍は61機を受領しているが、初期運用能力宣言をまだ待っている状態である。最大の問題は、前方のブームオペレーターと後方の給油システムをつなぐカメラ、センサー、スクリーンの集合体であるリモートビジョンシステムの問題だ。同システムは設計上、複数の重大欠陥の原因となっており、今秋に重要な設計審査が終了され全面的に見直される。空軍は2029年までKC-46を179機購入する計画で、残りの機体を近代化するために複数のルートを検討している。最初のルートがKC-Y「ブリッジタンカー」で、アップグレードされたKC-46とロッキード・マーチンLMXT(エアバスA330マルチロールタンカー輸送機を改造)の間の競争となる。しかし、空軍指導層は、要件が洗練されるにつれて、競争の可能性は低くなり、来年の春には最終決定がなされるだろうと述べている。さらに、空軍は次世代航空機「KC-Z」の開発を加速しており、当初の予定だった2030年を大幅に前倒しし2024年に代替案の予備分析を開始する。この航空機では、自律性と潜在的なステルス特性をもたらす、より飛躍的な技術革新が期待されている。

新型ICBMセンチネル


LGM-35A センチネル。 Credit: Air Force Global Strike Command

 

最近名称が変更されたLGM-35Aセンチネルは、以前は地上型戦略抑止力として知られていた。ノースロップ・グラマンがMinuteman III ICBMシステムの後継として開発した。ノースロップは、2029年までに初期運用能力を確保し、2075年まで使用する計画で、ミサイルと関連システムの133億ドルの契約を2020年に獲得した。システムの最初の飛行テストは来年の予定で、初期生産は2026年に予定されている。このシステムには、サイロの近代化や、国家核安全保障局が開発した新型W87-1弾頭を搭載するロッキード・マーチンMk21A再突入機など、いくつかの新しいコンポーネントが含まれる。

AIM-260 JATM


Lockheed Martin AIM-260 Joint Advanced Tactical Missile Lockheed Martin AIM-260 Joint Advanced Tactical Missile. Credit: U.S. Air Force

 

戦闘機分野でのNGADと同様に、空対空ミサイルでも空軍の最大の前進は高度なまで機密化されている。ロッキード・マーティンのAIM-260統合先進戦術ミサイル(JATM)は、AIM-120先進中距離空対空ミサイル(Amraam)の後継で、より長射程で飛行する。2019年に同システムが初めて発表されてから、空軍はその進捗を極秘に進めてきた。12月の演説でケンドール長官は、JATMは空軍の最優先事項の1つだと述べた。しかし、彼はAviation Weekとの最近のインタビューで、運用上のセキュリティ上の懸念を理由に、最新情報の提供を拒否した。2019年にプログラムを発表した際、空軍ライフサイクル管理センター関係者は、JATMは2021年にF-22で飛行し、2022年に運用される見込みと述べている。中国の長距離空対空ミサイル「PL-15」への対抗策として開発されており、空軍当局はアムラームを搭載したF-22が「アウトスティック」されることを懸念している。しかし、レイセオンは7月、同社の新型AIM-120D3が、Form, Fit and Function Refreshプログラムによるアップグレードで、PL-15の推定射程距離より遠くまで飛んだと発表している。

長距離スタンドオフミサイル

レイセオンは、ボーイングAGM-86 Air-Launched Cruise Missileに代わる核ミサイルAGM-181A Long-Range Standoff (LRSO) 巡航ミサイルを製造しており、2021年7月にエンジニアリングと製造開発で20億ドルの契約を獲得した。空軍の予算文書によると、LRSOはレガシー(B-52)と未来(B-21)の双方の爆撃機に搭載され、高度な統合防空システムを貫通して生き残る能力が期待されている。このプログラムは、重要な設計審査に先立って、設計を成熟させるための開発、検証、試験活動が行われている。同局は2023年度に研究、開発、試験、改造のために9億2890万ドルを要求し、今後5年間で合計64億5000万ドルを想定している。米国議会予算局によると、初期運用能力は2030年までに見込まれ、1,000基以上のミサイルが計画されている。弾頭には改良型のW80-4が搭載される予定だ。LRSOのその他詳細はほとんど発表されておらず、亜音速なのか高速なのか、非常にステルス性があるのかないのかが未公表のままだ。

極超音速ミサイル

AGM-183A Air-Launched Rapid Response Weapon


ロッキード・マーチン社製 AGM-183A 航空発射型高速応答兵器。 Credit: U.S. Air Force

 

空軍資材司令部長のデューク・リチャードソン大将Gen. Duke Richardsonによれば、空軍は極超音速開発の主要な取り組みにおいて「2頭の馬に乗っている」という。1つは、ロッキード・マーチンAGM-183A空中発射高速応答兵器(ARRW)で、今年の一連のテストの失敗により、先行きが不透明な状況に直面している。しかし、ブースターテスト2回に成功し、近い将来に予定されている最初の滑空テストで軍はその見通しに希望を維持している。空軍の予算計画では、試験の失敗を受けて、資金を調達から研究、開発、試験、評価へシフトさせた。ARRWの開発がさらに進む一方で、空軍とDARPAが開発した技術を組み合わせた「極超音速空気吸い込み指揮兵器コンセプト」の後続として、スクラムジェットによる2段式極超音速攻撃巡航ミサイルも開発中である。空軍はこのプログラムの開発費として2023年に3億1700万ドルを希望している。■

The U.S. Air Force’s Major Modernization Programs | Aviation Week Network

The U.S. Air Force’s Major Modernization Programs

Brian Everstine September 09, 2022

 

Brian Everstine

Brian Everstine is the Pentagon Editor for Aviation Week, based in Washington, D.C. Before joining Aviation Week in August 2021, he covered the Pentagon for Air Force Magazine. Brian began covering defense aviation in 2011 as a reporter for Military Times.