2023年8月29日火曜日

航自F-35が初の海外展開でオーストラリアに到着、日豪の防衛協力強化を示し、8月12日調印の両国協力協定の効果を早速見せつけた

 JAPAN-POLITICS-DEFENCE

An F-35 fighter aircraft of the Japan Air Self-Defense Force takes part in a military review at the Ground Self-Defence Force’s Asaka training ground in Asaka, Saitama prefecture on October 14, 2018. (Photo credit KAZUHIRO NOGI/AFP via Getty Images)

日本のF-35が初の海外訪問でオーストラリアに到着

オーストラリアは日本のF-35の到着を歓迎する一方で、もうひとつのパートナー米国とアメリカ海兵隊V-22の死亡墜落事故を調査する地味な仕事にも取り組んでいる

 本はF-35戦闘機2機を飛ばし、55人をオーストラリアに移動させた。


日本の空軍チームは土曜日にオーストラリア北海岸にあるRAAFティンダル基地に到着し、オーストラリアの "トップエンド "まで6,400キロ(4,000マイル)の旅をした後、火曜日まで滞在する。戦後日本が遠征航空作戦に従事したことは、アメリカを除けば過去に一度もない。日本人パイロットは伝統的に日本発着で活動していた。


オーストラリア戦略政策研究所の防衛専門家であるマルコム・デイヴィスは、電子メールで次のように述べた。「これはADF(オーストラリア国防軍)と日本の自衛隊の緊密な結びつきを強化するものであり、防衛協力関係を強化する手段として共通の能力(つまりF-35A)の機会を提供するものだ。東京とキャンベラは『中国』という懸念を共有しており、抑止戦略の訓練と協力のため共に取り組んでいる」。


デイビスは、遠征航空作戦の重要性にも言及した。「航空自衛隊が遠征航空展開の訓練を行い、RAAFが共通のプラットフォームを使用し外国の同盟航空部隊と協力するだけでなく、航空自衛隊が独自の方法でF-35Aをどのようにサポートするかを経験するのにも役立つ」。


8月14日のリリースでは、日本の航空自衛隊は、4機のF-35A、1機のKC-767、1機のC-130と1機のC-2、およそ160人の人員を含む、より大規模な部隊になると発表していた。本日発表されたオーストラリアの報道発表と航空自衛隊の発表の間に何が変わったのかは不明である。


本日のプレスリリースの中で、オーストラリア国防省の文民部長は、日本側の訪問を「両国関係における重要なマイルストーンであり、相互アクセス協定の下で実施される最初の活動」と、珍しいパブリックコメントを発表した。


グレッグ・モリアーティは、8月12日に発効したばかりの協定について言及した。この協定は昨年1月に両国政府が署名し、F-35の到着はその最初の現れだった。両国が真新しい協定にこれほど早く取り組んだという事実は、両国が急成長する軍事・外交関係の強化にどれほど力を入れているかを示している。

「あと数週間で、オーストラリアはこの訪問に報いるため、6機の空軍F-35Aを2023年の武士道ガーディアン演習で日本に派遣する」とモリアーティ氏は述べた。


モリアーティとオーストラリア空軍のロブ・チップマン空軍主席は、インド太平洋の安全保障における協定の重要性を指摘した。特にF-35Aをどう運用するかについての相互理解を深めることは、日豪両国がインド太平洋の集団安全保障に貢献するために不可欠とした。


この最新の動きは、ジョー・バイデン大統領が 「日韓米の新時代とパートナーシップ」と呼んだ結果を生んだ日本、韓国、米国の首脳によるキャンプ・デービッド会談を受けてのものだ。中国は、日本とのオーストラリア協定やキャンプ・デービッド会議について、太平洋NATOの創設に等しいと批判している。


米海兵隊オスプレイ墜落、3人死亡

オーストラリアは今日、日本とのパートナーシップを称賛しているが、最大の軍事パートナーであるアメリカとも、地味な仕事に取り組んでいる。


墜落事故は、オーストラリア北部ティウィの人里離れたメルビル島で起きた。アメリカ、オーストラリア、インドネシア、フィリピン、東ティモールの部隊が参加する「プレデターズ・ラン」演習中で、海兵隊員3人が死亡、乗員23人のうち少なくとも5人が入院した。


キャスリーン・ヒックス米国防副長官は本日、遺族に哀悼の意を表明するとともに、今回の事件は、米軍兵士がオーストラリアや日本とともに、「自由で開かれた平和で繁栄するインド太平洋を可能にする安全保障と安定へのコミットメントを集団的に堅持していることを思い起こさせるものだ」と述べた。


オーストラリアン放送協会の報道によると、地元ティウィの指導者たちは、ノーザン・テリトリーとその周辺に多数いる軍人と強い絆で結ばれていると語った。ティウィの長老であるバーナード・ティピロウラは、彼らの魂を休ませるための伝統的な儀式を準備するため、ティウィの人々と協力しているという。


「我々はこのような事態を目の当たりにして非常に悲しく思っている」と彼は語り、「それが失われた人々に申し訳なく思う我々の方法だからだ」と伝統舞踊を披露する予定だと付け加えた。


事故の原因究明は、オーストラリアとアメリカの当局が進めている。


Japanese F-35s make first foreign visit, landing in Australia - Breaking Defense

By   COLIN CLARK

on August 28, 2023 at 12:44 PM


2023年8月28日月曜日

米軍特殊部隊がワグネル戦闘員とシリアで直接戦闘していた。航空兵力の投入でワグネル部隊は壊滅された....

 


米特殊部隊がワグネル傭兵と4時間の激戦を繰り広げていた(2018年シリア)


 2018年2月、アメリカ人特殊部隊約40名、海兵隊員、シリアの同盟軍の小集団は、シリア東部の焼け焦げた天然ガス精製所内で、多勢に無勢で攻撃を受けている状況に気づいた。戦車含むロシアの装甲車数十両が、戦車砲弾、大砲、迫撃砲の雨の中、彼らの陣地に迫る中、米軍は、自分たちが直面している不利を十分に認識しながら、陣地を維持しようと身を潜めた。

 3時間の砲撃の後、ロシア傭兵とシリア傭兵は、厚さ11インチの前面装甲を持つ45トンT-72戦車の後ろから前進し、致命的な打撃を与えようと迫り始めた。AH-64アパッチ・ヘリコプター、AC-130ガンシップ、巨大なB-52爆撃機、F-15Eストライクイーグル、そしてF-22ラプターまでが、連携した破壊のオーケストラで攻撃部隊を蹂躙した。

 45分間、あらゆる米軍機が、傭兵部隊を地面に叩きつけ、死者数百名と何十台もの車両を跡形もなく消し去った。

 アメリカ軍とロシア軍が戦場で交わることになったらどうなるのかと何十年も考えてきた結果、カシャムの戦いは、ロシア政府がこの作戦やその後の失敗について一切知らなかったとしても、決定的な一瞥を与えてくれた。

 アメリカの特殊部隊員やワグネル・グループの傭兵の直接証言を含め、さまざまな公式・非公式の情報源からこの戦いをまとめることで、この信じられないような戦いがどのように展開されたのか、よく理解できるようになった。それは、乗り越えられないと思われる不利な状況に直面した際の勇敢さ、戦闘員同士の兄弟愛、そしておそらく何よりも、連携した航空戦力が戦場にもたらす驚くべき効果の悲惨な物語だ。

編集部注:本記事では、各種情報源から詳細を引用しているが、最も貴重な記事は、戦闘に参加した3人の特殊部隊兵士が語った戦闘の実録だ。ケヴィン・マウラーにより書かれ、2023年5月に『The War Horse』で発表された。「特殊部隊兵士がシリアで繰り広げたロシア傭兵との戦闘の詳細を初めて明かす」と題されたその記事は、こちらの this linkから読むことができる。

 2015年11月、米国はシリアへ派兵を開始した。シリアでは、ロシアに支援された残忍な独裁者と反体制派グループとの間で内戦が勃発し、「イスラム国」(ISIS)として知られるテロリスト集団が勢力を拡大していた。

 シリア政府、特にその指導者バッシャール・アル・アサドは、シリア民間人に対する化学兵器の度重なる使用により、アメリカの作戦の標的となることもあったが、シリアにおけるアメリカのプレゼンスと、シリア民主軍(SDF)と総称される反体制派への支援は、主に対テロ作戦に重点を置いていた。実際、ISISの脅威が増えたため、シリアの紛争当事者は争いを脇に置くことになった。アメリカの支援を受けたSDFグループは主に北東部でISISと戦い、ロシア支援を受けたシリア軍は西で同じことを行った。ユーフラテス川は、ロシア軍とアメリカ軍の間の非公式なデコンフリクトゾーンの役割を果たした。


 

ロシア通常兵力はシリアに展開したが、ロシアはワグネル・グループとして知られる準軍事傭兵部隊にも大きく依存していた。2014年にプーチンのケータリング担当だったエフゲニー・プリゴジンが設立したワグネルは、それ以降、アフリカや中東におけるロシアの対外軍事作戦の一部となり、クレムリンが関与を否定したい戦闘作戦にしばしば投入されていた。

 2023年6月、ウクライナで進行中の戦闘作戦がきっかけで、プリゴジンとロシア軍幹部との間に非常に公然と対立が生、ワグネル軍がモスクワを占領する意図でてロシアに事実上侵攻するという、一種の擬似クーデター未遂事件が発生した。この事件は結局、始まってすぐ終結し、ワグネルとクレムリンの関係は不確かなままだ。しかし、2018年では、ワグネル・グループはロシアの戦闘作戦と対外影響力強化に欠かせない存在だった。

 緊張が高まる中、米ロは当初、2015年10月にシリアにおける航空安全の覚書を順守し、すべての国の飛行士にシリア領空で一般的なプロフェッショナリズムを求め、急増する紛争を解決するためロシアと米国が関与できるデコンフリクト・チャンネルを確立した。 2017年までに24時間ホットラインに発展し、ロシア政府は通信を停止すると繰り返し脅したが、回線はそのまま維持された。

 しかし、シリアで活動するロシア軍とアメリカ軍の間で公然と敵対行為が行われる可能性を鎮めるためのこうした努力にもかかわらず、紛争の現実、そしてシリア軍とロシア軍の両方が見せたむき出しの攻撃性は、この合意がむしろ一方的なものであったことを繰り返し証明した。シリアが一般市民に化学兵器や神経ガスを使用し続けたことは、しばしばロシア支援によって可能になったり、少なくとも難読化されたりして、事態をさらに悪化させた。

 2017年4月4日、シリアの町カーン・シェイクフンで神経ガス攻撃により80人の市民が死亡したと報告された後、ドナルド・トランプ大統領はシリアのアル・シェイラト空軍基地への武力攻撃を命じた。東地中海で駆逐艦USSポーターとUSSロスから合計59発のトマホーク巡航ミサイルが発射され、シリアの防空施設、航空機施設、弾薬貯蔵施設などを一掃した。

 防衛隊とシリア軍がISISを解体すると、両軍は事実上の国境となっていたユーフラテス川を封鎖した。そしてほとんどすぐに、ロシアが支援するシリア軍は非連携の努力を完全に無視し始めた。

 2017年6月18日、シリア軍はユーフラテスに近いタブカのすぐ南にあるSDF支配下の町を攻撃した。アメリカ政府関係者がデコンフリクション・ホットラインを通じロシアと連絡を取ろうとしたところ、シリア空軍のSu-22がこの地域でアメリカ軍が支援するSDF部隊を爆撃し始めた。その結果、マイケル・"モブ"・トレメル中佐が操縦する米海軍F/A-18スーパーホーネットが、AIM-120 AMRAAMレーダー誘導空対空ミサイルでSu-22と交戦し、これを撃墜した。


 


 同様の事件は2017年9月にも起きており、ロシア軍機がSDF部隊とアメリカのアドバイザーがいることがわかっている位置を爆撃した。2度目の事件の後、両国の上級指導者たちは対テロ作戦の対立を解消するために再び会談した。白熱した交渉の中で、ISISと戦うブレット・マクガーク大統領特使は、アメリカはシリアにおける自国の利益や軍隊を守ることを躊躇しないと明言し、ユーフラテス川がロシアやロシアの支援を受けた軍隊にとって渡ってはいけない地点だと強調した。

 11月、アメリカとロシアの当局者は、ロシアが支援するシリア軍を川の西側に、アメリカが支援するSDFを東に配置することで正式に合意した。

 しかし、ロシアが中途半端な約束しかしていないことはすぐに明らかになった。米軍連合軍は、ロシア軍機とシリア軍機の両方がユーフラテス川を1日に6~8回通過していると報告し続けた。実際、ロシア軍の全飛行回数の推定10%が、ユーフラテス川国境を尊重する合意に違反していた。

 11月15日、ユーフラテス川の東を飛行していた米空軍のA-10戦闘機2機が、ロシアのSu-24フェンサーと衝突しかけた。その2日後、ロシアのSu-30フランカーが一線を越え、別の威嚇行動でA-10の真下を通過した。

 同じ日、2機のアメリカ軍F-22ラプターが、川の反対側で活動するロシア軍Su-24を迎撃した。ロシア機は、地上のSDF部隊の上空を模擬爆撃しながら通過するのを20分間シャドーイングし、航空優勢戦闘機を挑発して発砲させようとしたようだ。アメリカ政府関係者はラプターパイロットはロシア機に発砲する法的権利はあったが、エスカレートを防ぐために自制心を示したと述べた。

 「ロシアパイロットが意図的に我々を試しているのか、あるいは我々をおびき寄せて反応させているのか、それとも単なるミスなのか、我々のパイロットが見極めるのがますます難しくなっている」と司令部スポークスマンのダミアン・ピッカート中佐は語った。「最大の懸念は、ロシア機がわが国の空軍や地上軍への脅威とみなされ、撃墜される可能性があることだ」。

 今にして思えば、ロシア軍とシリア軍が、米軍がユーフラテス川東側の地域をどれだけ積極的に防衛するかを見極めようとしていたのは明らかだ。特に、アサド政権はSDFの支配地域内にある油田とガス田の支配権を欲して、ワグネル・グループに捕獲施設の生産収益の25%を提供するとまで言っていた。



 日量450トン以上のガスを処理できることから、シリアで最も重要な施設のひとつと広くみなされているコノコ天然ガス精製所の占領を計画し、ワグネル、そしてロシア政府が目をつけていたのは、おそらくその25%であった。2017年9月に米軍の支援を受けたSDF軍が占領した同施設は、ユーフラテス川東側、SDF支配地域内にあり、デルタフォース、特殊部隊、陸軍レンジャー出身の少数精鋭の米軍特殊作戦顧問団の本拠地だった。

 「我々は石油精製所を制圧しようとしたが、ヤンキーがそこを押さえていた」と、ワグネル・グループ傭兵が戦闘後に流出した音声記録で説明している。

 広大な施設内にアメリカ軍の小さな前哨基地があることはよく知られていたが、ワグネルグループの傭兵を中心に構成された部隊は、少数の親アサド派部隊の支援を受けながら、工場から1マイル(約1.6キロ)余りの地点で編成を開始した。午後3時までに、部隊は500人以上、装甲兵員輸送車、T-55戦車、T-72戦車、さらにワグネル部隊が直接射撃に使うため地面に水平に向けたZU-23対空砲少なくとも1挺含む27輌に膨れ上がった。

 20マイル先の作戦支援地に配置されたアメリカ軍は、ロシア軍とシリア軍の集結を注意深く見守り、カタールのアル・ウデイド空軍基地にある米軍航空作戦センターと国防総省に状況を伝えた。ロシア軍が2年後のウクライナ侵攻の前に活用したのと同じ手法で、集結したロシア軍は訓練を装い意図を隠そうとした。このようなロシアの常套手段を熟知していたため、現地の作戦担当者は戦いに巻き込まれつつあるのを確信した。

 ロシアのドクトリンでは、訓練に見せかけたことを要所要所でやることになっている。午後10時頃、ロシアの傭兵部隊は策略をやめて発砲した。


大混乱


突然の砲撃と迫撃砲の波がコノコ工場施設内のアメリカ軍分遣隊に降り注ぎ、30人の部隊全員が装甲トラックと急いで掘った土塁の後ろに身を隠すために急行する中、1機のMQ-9リーパー・ドローンが頭上を旋回した。戦闘が続く中、リーパーは頭上からAGM-114ヘルファイアミサイルの一斉射撃を行い、砲兵システムを1基破壊したが、雪崩のように押し寄せる兵器を遅らせることはできなかった。ミサイルが尽きても、リーパーは上空を旋回し続け、戦闘のビデオ映像を送信した。

 「おい、みんな、下の連中が攻撃されてるぞ」QRFチームのグリーンベレーの一人、チョーンシーがチームリーダーのアンドリューに呼びかけた。「行って対応しなければ」。

 アンドリューは初の戦闘配備の特殊部隊のチームリーダーだったが、ためらわなかった。二人と残りの10人のチームは、すでに戦闘装備を満載した装甲トラック5台に乗り込み、アクセルを踏み込んだ。彼らには少数の非装甲のSDFトラックと部隊が同行した。

 暗闇の中、暗視ゴーグルでクレーターだらけの車道を走行するチームは、接近を隠すことと、急ぎ接近する必要性とのバランスに苦心した。

 「暗闇の中で移動して、突然、土手を乗り上げスピードを落とし、別の土手を蛇行して通り抜け、また動き出すといった具体でした」と、ジョシュというQRFチームのもう一人のグリーンベレーは振り返った。

 グリーンベレーと海兵隊員が精油所に駆けつけるとき、彼らが提供できるのは肉体と弾薬だけだと十分承知していたことを認識することが重要だ。追加支援がなければ、彼らは進んでアメリカ人の血の海に飛び込み、自分たちの命を犠牲にしてでも戦友を助けようとした。

 「これから起こることを受け入れました」とジョシュは回想した。無線から聞こえた情報に、「仲間のために行かなければ と思ったんだ」。

 ロシア主導の部隊は地獄を解き放ち、50ポンド戦車弾、砲弾、迫撃砲が小火器のシンフォニーに衝撃的な打撃を加え、煙と榴散弾で空気を満たした。戦車装甲を貫通する武器がないため、米軍にできることは何もなかった。地球上で最も高度な訓練を受けた特殊作戦部隊でさえ、小火器で戦車隊を撃退することはできない。


戦場で最も賢い男


爆発音が前方の暗闇を引き裂くと、SDF兵士でいっぱいの急ぎ足のQRF車列の先頭のトラックが停車し、向きを変え走り去った。ロシアのスズメバチの巣に突っ込む気などSDF兵士にはさらさらなかったのだ。

 「戦場でいちばん賢い男だった」とチャウンシーは後に振り返った。すぐに、QRFチームに同行するSDF部隊もそれに続いた。

 絶え間なく続くと思われた砲撃の後、ロシア軍砲撃が小康状態になり、QRFチームは工場に到達する機会を得た。アンドリューは中にいる特殊工作員に連絡を取り、彼らが来ることを知らせた。防衛隊は赤外線レーザーを使い、QRFをアメリカ軍の周辺に誘導した。

アンドリューは、アメリカ軍とSDF兵士たちが、ロシア軍と対峙する土の堤防の上に防御態勢をとり、その隙間に砲弾のクレーターが散乱しているのを見た。「こっちはトラックの後ろに隠れて大砲を食らっているだけだ」と、現場指揮官はアンドリューに言った。

 一方、アメリカ政府関係者は、デコンフリクション・ラインを通じロシア代表と必死に連絡を取ろうとした。やっとの思いで電話をつないだが、ロシアは、ワグネル・グループが自軍の一部だと認めようとしなかった。

 しかし、興味深いことに、アメリカ政府関係者がロシア側と連絡を取ると、ワグネル軍に搭載されていた移動式地対空ミサイル・システムの電源が落とされたという。

 コノコ工場に戻ったアンドリューは、状況を把握した。アメリカの特殊部隊隊員、海兵隊、そして勇敢にも残って戦おうとするSDFの総勢は50人足らず、車両は6台で、500人以上の兵員、20数台の装甲車、そして一握りの戦車からなる敵軍に立ち向かっていた。控えめに言っても、非常に不利な状況だった。

 兵士たちの武装は機関銃と小火器だけだったが、QRFチームが持ち込んだ5台の装甲トラックは、赤外線光学装置付きのリモコン式50口径砲塔を装備していた。ZU-23対空システムは堤防に砲撃を開始し、1秒間に33発以上の大量の23ミリ弾を放ちながら掃射した。 

 「おい、このために給料をもらっているんだぞ」と、チョーシーはトラックの内部無線から他のグリーンベレーにアナウンスしたのを覚えている。「みんな、警戒して、意識して、目を見開いていてくれ。何か見えたら、距離、方角、何が見えたかを教えてくれ。そうすれば、その場で判断して、忙しくなるだろう」。


米軍の逆襲


徒歩で前進するワグネル部隊が、遠隔操作の50口径の光学系で見えるようになり、ジョシュが発砲を呼びかけた。もう一人のグリーンベレーが銃のコントローラーを操作して引き金を引いたが、何も起こらなかった。もう一度引き金を引いたが、やはり何も起こらなかった。ジョシュは安全装置が作動したままであることに気づき、素早く安全装置を解除した。前進してくる傭兵たちの白いシルエットが、大きな弾丸の衝撃でばらばらに砕け散るのを、ジョシュはサーマルカメラ越しに、目撃した。

 それは確かにロシア人の注意を引いた。ジョシュが回想するように、すべてのロシア兵とシリア兵が一斉に応戦し、地平線全体が光り輝いたように見えた。しかし、彼らの射撃は統制が取れておらず、ずさんだった。一方、米軍特殊部隊側はそうではなかった。

 ほぼ即座に、装甲トラックの50口径はリズムよく発砲し、銃身を冷やすために一時停止するのを同期させ、常に安定した弾丸の流れが放たれるようにした。その精度と射撃量の組み合わせは、前進する部隊に身を隠す以外の選択肢を与えなかった。

 「私たちは彼らよりずっと正確なんだ。金属に当たって火花が散るのが見えた。いい効果が出ているのがわかるし、要員を殺しているのもわかる」。

 ジョシュの50口径が底をつくと、彼は装甲車という比較的安全な場所を離れ武器を装填するしかなかった。彼は車両から降りると、遠距離焦点に設定された暗視ゴーグルで100発ベルトをつなごうと奮闘し始めた。作業中、砲弾が近くに着弾し、彼はトラックに叩きつけられた。イライラした彼はNVGを跳ね上げ、視界を確保するために赤いヘッドランプを点灯させた。

 しかし、彼が最後のベルトを積み込んだ直後、ZU-23特有のチョップ・チョップ・チョップという音が遠くから響き渡り、23ミリのトレーサー弾が彼の真上を切り裂いた。ジョシュはすぐに自分のミスに気づいた。

「バカ野郎」と彼は思った。「ヘッドランプを点けていたのに。ハッタリをかまされたんだ。ライトを点けちゃったんだ」。

 暗視装置と正確な射撃のおかげで、一瞬、米軍が優位に思えたが、その瞬間は長くは続かなかった。チャウンシーがワグネル軍との相対的な位置関係を地図に描いていると、無線が割り込んできた。

 「おい、でかい車両を見つけたぞ」別の特殊作戦部隊隊員が無線を通じ言ってきた。チャウンシーが聞くまでもなかった。それが戦車で前進していることを意味していることを知っていたからだ。


ここで終わりか...


彼らの位置からは、水平線上に10両のロシア軍戦車が、砲火の中を前進しているのが見えた。チャウンシーは、旧式ロシア戦車だと50口径直射砲に耐えられないかもしれないが、新しい戦車なら別だと知っていた。しかし、5発の弾丸が戦車の装甲を跳ね返す音が響いた。驚くことではないが、彼らの最大の武器でも戦車の前進を止められなかったことが、士気を低下させた。

 「おい、航空機はどうした?」チャウンシーは無線でアンドリューに呼びかけたが、誰も見当がつかなかった。F-15Eストライク・イーグルの巨大なレーダー・リターンやMQ-9リーパーが、もし撃墜できば、魅力的な標的となり、ひいてはロシアのプロパガンダの勝利になりかねない懸念から、司令部が航空支援のスクランブル発進を遅らせざるを得なかったことを、彼らは知る由もなかった。

 チャウンシーは再度状況を確認した。戦車は現在2,000メートル以内に迫っており、よく訓練された戦車乗組員にとっては至近距離である。背後には、装甲車に積まれた兵士や徒歩の兵士など、約500人の武装兵士がガスプラントを制圧し、中の人間を皆殺しにする機会をうかがっていた。戦車の前進を遅らせることができる武器がひとつもなければ、死は、いや、捕虜になる可能性さえも、目前に迫っていた。しかし、チャウンシーはまた、賭け金が天然ガス施設より高いことも知っていた。

 プラントを占領すれば、ワグネルはユーフラテス川の東側に足がかりを得ることになり、それを活用してSDF支配地域へ進攻を続けることができる。さらに、この数時間でプラントの防衛力を高めたのと同じ要因が、ロシア軍とシリア軍からの奪還を極めて困難にする。

 断固たる決意で、彼は無線でこう呼びかけた。

 誰もその命令に疑問は持たなかったが、ジョシュは頭の中で、ほぼ確実な死を意味することを認識していた。


ワグネルとの戦いの流れを変える


ジョシュは『The War Horse』にこう語った。「戻っれない可能性と和解しなければならなかったが、仲間を守り、なすべきことをすると思えば飲み込みやすかった」。

 チームは砲撃を続け、ワグネル部隊を後方に追いやった。しかし、1,000メートル台以上まで迫ってきた戦車の前進を止めることはできなかった。戦車は125ミリ砲弾を発射したが、奇跡的に車両を外し続けた。

 しかし、アメリカ軍にとって絶望的と思われたその時、最も近くにいた戦車が閃光を放ち、火球に包まれて隊列を止めた。

 頭上からジェネラル・エレクトリック製T700エンジンの独特のブザー音が鳴り響く中、西側にいた別の戦車もそれに続いた。AH-64アパッチ攻撃ヘリコプターのペアが近くの堤防後ろから現れ、M230チェーンガンで前進するロシア軍陣地に30ミリ砲火を放った。

 「ヘリが飛んできて、みんなを殴り始めた」と、あるワグネル傭兵は流出した音声記録で回想している。

 特殊工作員たちは50口径でもう一度発砲し、戦車にトレーサー弾でアパッチに標的を照射した。流れが変わり始めると、アンドリューの無線が鳴り響いた。

 「おい、爆撃機が来るぞ」。しかし、アンドリューの安堵はすぐ打ち消された。

衝撃的なアナウンスだった。アンドリューと彼のチームは、執拗な砲撃、迫撃砲、戦車の砲撃に何時間も耐えてきた。高高度を飛行する爆撃機はおろか、戦車を止めることもできず、彼らを支援するアパッチ・ガンシップでさえ、ロシア軍機を止めることはできなかった。

 しかし、ロシア爆撃機は来なかった。そのころには、アメリカのF-15EストライクイーグルとF-22ラプターが陣地に迫っていた。ロシア政府が認めようとしない戦闘で、ロシアの爆撃機を撃墜しようと躍起になっていたのだ。やがて、頭上の暗い空に爆撃機が現れたが、それはアメリカのB-52だった。側面からぶら下がる巨大な105ミリ榴弾砲を含むさまざまな武器で武装したAC-130ガンシップも現れた。

 その後、アメリカの航空戦力が戦場に殺到し、破壊の乱舞となった。米軍機はわずか45分でロシア軍を蹂躙し、数百人が死亡、生存者は命からがら逃げ出した。

 「生き残ったのは戦車1両とBRDM(装甲偵察車)1台だけだった」と、あるワグネル傭兵は流出した音声記録の中で説明している。「他のBRDMや戦車は戦闘開始数分ですぐにすべて破壊された」。

 戦闘が終わりに近づくと、特殊作戦チームは状況を把握した。SDF兵士1人が軽傷を負い、打撲傷を除けば、アメリカ人は1人も負傷していなかった。彼らは暗視ゴーグルで、ワグネル・グループの傭兵とシリア兵が死者を集めるために戻ってくるのを見守った。正確な死者数については、55人から300人まで様々な議論がある。

 「簡潔に言うと、我々はケツを蹴飛ばされた。ある隊は200人を失い、別の隊は10人を失った...3番目の隊については知らないが、そこもかなりひどい目にあった。だから、3つの隊が打撃を受けたんだ」とワグネル傭兵が言っているのが、流出した録音から聞き取れる。

 音声記録によると、ワグネル・グループの部隊は、アメリカ軍の陣地までわずか300メートルまで接近できたが、空軍の猛攻で進軍を止められたという。ロシア政府は、この不運な作戦への関与をいまだに否定している。■



How US Special Forces took on Wagner Group mercenaries in an intense 4-hour battle | Sandboxx


  • BY ALEX HOLLINGS

  • AUGUST 16, 2023

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北朝鮮がコルベット艦に核巡航ミサイルを搭載。核兵器体型の多様化を着実に進めつつある脅威に西側が対応を迫られる。

 コルベット艦は、対地攻撃型核巡航ミサイルの海上発射を念頭に建造された

 朝鮮の国営メディアは、西側ではアムノク級コルベット Amnok class corvetteとして知られ、朝鮮人民軍海軍で最大の艦で最も近代的な水上戦闘艦の新しい写真を公開した。興味深いのは、同艦が巡航ミサイルで武装していることで、核弾頭を搭載できる可能性が高く、北朝鮮の多様で増大する戦略兵器にまた新たなプラットフォームが加わる。

現地で661号哨戒艦として知られるこの艦の鮮明な写真が、北朝鮮国営メディアKCNAによって本日公開された。上と下の写真に見られるように、このシリーズには、北朝鮮の指導者である金正恩が見学した巡航ミサイル発射実験が写っているが、これらがいつ行われたのかは正確には明らかになっていない。

KCNAによると、金正恩は北朝鮮の東海岸のどこかでミサイル発射実験を監督したという。米国を拠点に北朝鮮を取材しているニュースサイト『NKニュース』のコリン・ズウィルコは、これを元山(ウォンサン)の北に位置する文川(ムンチョン)沖と特定している。

KCNAによれば、ミサイル発射は「艦船の戦闘機能とミサイルシステムの特徴」を検証するためで、同時に「実戦における攻撃任務」を遂行する乗員の能力を向上させたという。

「同艦はエラーもなく目標に素早く命中させた」と主張し、金正恩が「高い機動性と強力な打撃力、突発的な状況に対処するための戦闘態勢を常に維持している」と称賛したことを引用した。

また、KCNAはこれらの兵器を「戦略巡航ミサイル」と表現した。この文脈では通常、核弾頭の搭載、あるいは少なくとも核弾頭を搭載するオプションを意味する。

KCNAはこのミサイルを、以前は地上発射型として知られていたフワサル2と名付けた。潜水艦発射型も存在する可能性がある。地上発射型と艦船発射型のミサイルを視覚的に比較すると、極めて類似している。

一方、同艦の写真には、上部構造の後方に8基の巡航ミサイル発射管が設置されているように見える。ミサイルは垂直発射システム(VLS)ではなく、角度のついたコンテナから発射される。

ミサイルの性能は謎のままだが、NKニュースは、韓国の合同参謀本部(JCS)がオフレコのブリーフィングで詳細を提供したと報じている。JCSは、1発または複数発のファサル2が元山沖の「124マイル以下」の距離を飛行し、海上で目標に命中しなかったと述べたようだ。これは何らかの失敗があった可能性を示唆しているが、まだ不明であり、詳細そのものを独自に検証することはできない。

JCSは、韓国軍と米軍が「(艦船を)リアルタイムで監視していた」とし、発射実験に関する北朝鮮の声明は「誇張されている」とし、「(北朝鮮の説明には)真実と異なる部分が多い」と付け加えた。

現役のアムノク級コルベットは1隻しか知られていないが、水上戦闘艦からの巡航ミサイル発射能力を持てば、北朝鮮には重要な進展となる。

アムノク級は、他の艦船(大排気量の軍艦を含む)だけでなく、陸上の攻撃目標も長距離で攻撃できる可能性がある。さらに、通常兵装の巡航ミサイルはこうしたシナリオに役立つだろうが、核ペイロードのオプションは、平壌に韓国やその他の地域に対して核攻撃を仕掛ける新たなベクトルを提供することになる。核武装した巡航ミサイルは、敵の艦船群にも使用できる可能性がある。

アムノク級の最新の写真から明らかに重武装艦だとわかる。

巡航ミサイルだけでなく、この戦艦は100mm主砲を装備しており、他の艦船との交戦や陸上砲撃に使用できる。ミサイルや航空機を含む、より近距離の目標に対しては、6連装30mmガトリング型砲2基と、さらに6連装14.5mm機関砲2基で防御できる。

対潜水艦戦(ASW)では、前部にロケット支援深度爆雷の発射装置がある。533mm魚雷発射管と船体搭載型ソナーも装備され、包括的なASW能力を持つという噂もあるが、確認は取れていない。また、ヘリコプターを運用する装備もないため、ASWと対地戦任務の両方における可能性も低い。

アムノク級で不足していると思われるのは防空で、近距離砲は艦尾の6連装ランチャーによる携帯型防空(MANPAD)ミサイルで補われるのみである。これでは、近距離や低空での防御しかできない。また、対艦巡航ミサイルやその他の高性能な脅威に対処するには不向きである。

防空兵器の欠如は、北朝鮮軍が同艦の能力を誇張していただけに驚きだ。声明では、東海岸沖に「新型対空ミサイルを積んだ艦を常時配備する」計画があると述べている。これは、北朝鮮の排他的経済水域(EEZ)に進入する可能性のある米軍偵察機を、たとえ国際空域内でも撃墜する可能性があるという脅しと受け取られた。この脅しは威嚇に過ぎなかったかもしれない。同時に、米軍機のこの種の飛行に対する北朝鮮の怒りの問題は決して新しいものではないが、ここ数日、緊張が顕著に高まっている。

アムノク級の装備は中途半端な脅威に見えるだろう。しかし、それ以外の点では、北朝鮮艦隊の他の艦艇よりもはるかに近代的な艦艇であり、貴重な汎用性を提供することに変わりはない。

その一方で、アムノク級が1隻しか就役していないという事実は、北朝鮮の軍事態勢に対する全体的な影響が非常に限定的であることを意味する。

西側推定によると、アムノク級コルベット1隻は東海艦隊が運用しており、2017年頃から活動している。これが哨戒艦No.661であり、6月に初めて乗組員が乗船し、海上で目撃されたばかりであることから、最近になって現役に就いた可能性がある。

別の艦は西海岸にあるが、まだ配備されていない可能性があり、実際に完成したかは確認がとれていない。

さらに近代的なコルベット2隻が北朝鮮によって運用されている。西側ではトゥマン級、あるいはナンポ級として知られているが、アムノク級ほど先進的ではなく、戦略巡航ミサイル能力を欠いているようだ。

全体的に見て、北朝鮮の海軍力は、米海軍との比較はおろか、はるかに近代的で急拡大中の南朝鮮の海軍力にもまったく及ばない。

しかし、少なくともこの艦船に戦略巡航ミサイルを搭載する決定は、平壌がより高度で新しい運搬システムを開発し、核戦力を分散させることで撃破されにくくしようとする動きの一環である。大型で射程の長い大陸間弾道ミサイル(ICBM)、短距離弾道ミサイル、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)、巡航ミサイルがここに含まれる。近年、平壌はまた、地上発射巡航ミサイル、潜水艀から発射されるSLBM、極超音速ブーストグライドビークル、鉄道車両ベースのミサイル発射装置を実証している。

なぜ今、アムノク級がクローズアップされているかというと、これは韓国とアメリカが行っている大規模な合同軍事演習に対する計算された反応であることはほぼ間違いない。ウルチ・フリーダム・シールド演習は今日始まったが、演習は戦争の予行演習だとする北朝鮮当局者の怒りをすでに買っている。

このような合同演習は通常、ミサイル発射実験や国境北からの妨害行動によって迎えられるが、「ウルチ・フリーダム・シールド」は北朝鮮の核とミサイルの脅威に焦点を当てたものではあるものの、夏の恒例行事となっている。一方、今回の訓練は韓国軍によって "過去最大規模 "と宣伝されている。

同時に北朝鮮は、先週末にメリーランド州で開催された日韓米3カ国首脳会談に呼応して、武力を誇示している可能性もある。日米韓の首脳会談では、北朝鮮に対抗するため共同の取り組みを強化することが約束された。

巡航ミサイル搭載コルベットは1隻だけが活動していることが分かっているため、アムノク級は、少なくともさらなる船体が完成するまでは、日本、韓国、アメリカが戦わなければならない主要な脅威にはならないだろう。その一方で、同艦が戦略巡航ミサイルで武装しているという事実は、北朝鮮の核兵器が多様化し、より柔軟で、より標的を定めにくくなっていることをさらに証明するものだ。■


“Strategic” Cruise Missile Tested From North Korea’s New Corvette

BYTHOMAS NEWDICK|PUBLISHED AUG 21, 2023 1:45 PM EDT

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