2023年9月4日月曜日

九段線から十段線へ。中国の領有権主張はとどまる所を知らない。今回はインド、ネパールにも波紋。沖縄も入っているのに、日本メディアには報道しない自由を行使していていいのだろうか。

 


中国の新しい10段線地図がインド太平洋全域で反発を受けている


新発表の地図は、インド、ネパール、ベトナム、マレーシア、台湾から鋭い反応を呼び起こしている。地図はインドで開催されるG20サミットの1週間前に発表された。習近平国家主席は出席しないと言われている


 今週、中国が南シナ海の大部分に対し違法な領有権主張を更新し、インド国境沿いにも新たに領有権を追加する公式地図を発表したことを受け、怒りの波が南シナ海周辺とインド全土に広がっている。

 中国による最新の覇権主義的行動は、中国天然資源省が28日に発表した「新標準」地図の形で現れた。新しい地図は、中国が主張し、国連の海洋法法廷によって却下された9段線の主張を繰り返す一方、台湾周辺とインド北部の新たな領土を主張している。習近平国家主席が最新のBRICsサミットで「覇権主義は中国のDNAにはない」と宣言した数日後のことである。

 中国が一方的に2つの新領土を主張し、インドとネパールを怒らせている。しかし、インドだけではない。

 キャンベラにあるオーストラリア戦略政策研究所のインド太平洋専門家マルコム・デイヴィス Malcolm Davisは、「中国がインドの領土(アルナーチャル・プラデシュ州とアクサイチン州)を中国領土と主張していることが争点のようですが、同時にロシア領土(ボリショイ・ウスリースキー島)や南シナ海全域、台湾の領有も主張しています」と言う。

 台湾の近くにダッシュ記号が描かれているのは、中国が琉球の日本の島々も自国の領土と見なしているのではないかという指摘もある。中国は以前、インド領や南シナ海、台湾の領有権を主張していたが、ロシア領の領有権を再び主張し、日本領の領有権も主張する可能性が出てきた。インド側は怒っており、中国に正式に抗議している。モスクワがウクライナ戦争で北京の支援を必要としていることを考えると、ロシアがどう反応するかはわからない。

 インド太平洋の主権問題ではよくあることだが、実際に何が起きているのかについては、専門家で見解が異なる。シンガポール国立大学のイアン・チョン Ian Chong 准教授は、新しい地図に新しい領有権の主張が含まれているかと問われ、「このタイミングは驚きだが、領有権の主張は新しいものではない」と答えた。

 「おそらく、フィリピンとベトナムが、中国船舶による放水砲の使用を公表し、彼らの船舶を阻止したことと関係があるのでしょう」とチョンは続けた。「もしかしたら、ベトナムとインドが2016年の仲裁裁判所の裁定を支持したことと関係があるかもしれない。しかし、これはすべて推測である。公式な説明はまだない。ではなぜロシアを引き入れたのか?」


各国の反応

新しい地図は、インド、ネパール、ベトナム、マレーシア、台湾からの鋭い反応を呼び起こした。新しい地図は、習近平が出席する予定だったインドでのG20サミットの1週間前に発表された。

 インド外務省のアリンダム・バグチArindam Bagchi報道官は水曜日の声明で、「インドは、インドの領土を主張するいわゆる2023年の中国の『標準地図』について、中国側と外交ルートを通じて強く抗議した」と述べた。「我々は、これらの主張には根拠がないとして拒否するこのような。中国側の措置は、境界問題の解決を複雑にするだけだ」。インド軍と中国軍は、中国が領有権を主張する2地域をめぐる国境戦で何度も殺し合いをしており、最初の戦闘は1962年に起きている。

 「マレーシアは、サバ州とサラワク州付近のマレーシア領海一部を中国に属するとする中国の2023年標準地図を認めない」と外務省は8月30日の声明で述べた。

 その1日後、フィリピン外務省は声明を発表し、「中国の2023年版標準地図を拒否する...南シナ海における中国の境界線を示すとされる9本の破線(現在は10本の破線)が含まれているためだ...フィリピンの地形と海域に対する中国の主権と管轄権を正当化しようとするこの最新の試みは、国際法、特に1982年の国連海洋法条約(UNCLOS)の下では根拠がない」と述べた。

 中国外務省の王文斌 Wang Wenbin 報道官は8月30日の定例記者会見で、「南シナ海に関する中国の立場は一貫しており、明確だ。中国当局は毎年、様々な種類の標準地図を定期的に発行しており、これは社会のあらゆる部門が標準地図を利用できるようにし、地図の標準使用に関する国民の意識を高めることを目的としている。関係者が客観的かつ理性的な見方をしてくれることを願う」。 前日、王報道官はインドの抗議に対し、同じような形で、より慇懃な態度で答えていた。「私たちは、関係者には客観的かつ冷静になり、この問題の過剰解釈は控えるよう願う」。

 この表現は、今年シンガポールで開催されたシャングリラ対話で人民解放軍トップの発言と興味深い関係がある。李尚武将軍 Gen. Li Shangfu は、中国軍が東シナ海や南シナ海で、国際水域にいる他国軍に、なぜ危険で非専門的な行動に頻繁に出るのかという質問に対し「余計なお世話だ」と言い切っていた。

 最新の地図は、中国の「10段線」に正式なお墨付きを与えるもので、従来の「9段線」からアップグレードしている。国連法廷で中国の主張は国際法上正当性がなく、中国が主張する領土は法律上も歴史上も根拠がないとの裁定が下されている。

 それ以来、中国は世界で最も手付かずのサンゴ礁を破壊して海軍基地や空軍基地を建設し、排他的経済水域内のサンゴ礁で部隊に補給しようとするフィリピンの小型船舶に放水したり、乗組員をなぶり殺したりしている、  USSチュンフンがカナダのHMCSモントリオールと台湾海峡を通過航行した際には威嚇し、他国の艦船や米軍機の周辺では、好戦的で時には危険な作戦行動をとった。


パラオ、米沿岸警備隊を歓迎

注目すべきタイミングとして、太平洋の島嶼国家パラオは8月23日、米国沿岸警備隊との協定に署名し、パラオ職員が乗船することなく、パラオに代わり沿岸警備隊艦艇を排他的経済水域で航行できるようになった。

 「この協定は、パラオの排他的経済水域を監視し、違法・無報告・無規制の漁業から守り、パラオ海域で不審な操船を行う招かれざる船を抑止するのに役立ちます」とスランゲル・ウィップス大統領 President Surangel Whipps は声明で述べた。

 パラオは、他の太平洋諸国と同様、国防を米国に依存している。そのため、この協定が太平洋の小国が従うべきモデルになり得るかという疑問が生じる。もしそうなら、マーシャル諸島とミクロネシアは「候補になりうる」と、この地の独立系シンクタンク、ローウィー研究所のミハイ・ソラ Mihai Sora は言う。

 「しかし、太平洋諸国も主権侵害に非常に敏感であり、現段階で同様の合意を求めてアメリカのドアを叩く国が多いとは考えにくい」とソラは付け加えた。「アメリカは、太平洋島嶼国との関係において、このような案を持ち出す前に、外交的な下準備が必要だ」。

 もっと根本的なことを言えば、中国の第っk簿漁船団や沿岸警備隊がEEZに入るのを阻止することを明らかに目的としているこのようなパトロールは、この地域の緊張を和らげるのに役立つのだろうか、それとも高めてしまうのだろうか?

 米国は、パラオのような島国への安全保障支援の拡大は、ルールに基づく秩序と地域のパワーバランスの強化に役立つと主張するだろう。しかし、多くの太平洋諸国の代表は、その反対を主張している。地域の安全保障を強化することは、紛争のリスクを増大させるというのだ。今回のケースでパラオは米国にこのような支援を明確に求めたようだ。■


New Chinese 10-Dash map sparks furor across Indo-Pacific: Vietnam, India, Philippines, Malaysia - Breaking Defense


By   COLIN CLARK

on September 01, 2023 at 8:39 AM


新発想のロータリーエンジンが軍の需要に応える日がまもなくやってきそう。新興企業リキッドピストンの挑戦に注目。

LiquidPiston XTS-210

LiquidPiston's XTS-210 rotary engine is about the size of a basketball but could replace generator ... [+]LIQUIDPISTON


ネティカット州を拠点とするリキッドピストンLiquidPistonは、稼働中の小型戦術発電機30,000台を置き換え、ドローンに電力供給する新型ロータリーエンジンの開発で、陸軍および空軍と契約を結んだ。

約20年前に設立された同社が、国防総省に貢献できるようになったのはごく最近のことだ。同社はマサチューセッツ工科大学(MIT)からスピンアウトし、共同設立者のアレック・シュコルニク Alec Shkolnikは人工知能とロボット工学の博士課程に在籍していた。

ウクライナ生まれの物理学者である父ニコライとともに、シュコルニクは、過去60年にわたって自動車や航空機などで動力源となってきた古典的なヴァンケル式ロータリー・エンジンに新たなひねりを加えた。

リキッドピストンの高効率ハイブリッドサイクル(HEHC)ロータリーエンジンは、新しいアーキテクチャと新しい熱力学サイクルをベースにし、サイズ、重量、出力(SWaP)が重要となる小型発電やパワートレイン用途に適している。

「このエンジンは、従来型に比べ5倍から10倍も小型・軽量であるため、国防総省内でも応用可能性が見つかっている。どこへ行っても、どんな用途でも、より大きなパワーとエネルギーは好まれます」とアレック・シュコルニックは断言する。

これが関心を集め、過去2年間に陸軍と空軍から、中小企業技術革新研究(SBIR)と直接開発を合わせて10件の契約(総額約2000万ドル)を獲得した。各契約は、移動式発電と小型ドローン推進システムの両方をカバーしているが、リキッドピストンは、現場で使う小型発電機にまず焦点を当てている。

「移動式(陸軍)指令センターを分散する動きがあります。陸軍が理想とするのは、1つを失っても機能を維持できるようにすることです」(シュコルニク)。

しかし、陸軍にとって差し迫った焦点は、数十年前から実戦配備中のガスおよびディーゼル駆動の小型発電機セット(ジェネセット)の置き換えだ。

陸軍の小型戦術電力(STEP)プログラムでは、「効率性、信頼性、機動性、保守性の向上」を提供する新世代ジェネレーターを検討している。様々なサイズと出力が更新対象で、このうちリキッドピストンは、小型、低・中出力の発電機に焦点を当てている。

「当社が開発中の発電機は、現在配備されている3kWから10kWの発電機に代替できる可能性があります。陸軍はそのことに興奮しています。なぜなら、論理的に、サポート対象を1つにする方がずっとシンプルだからです」とシュコルニクは言う。

リキッドピストンが開発したロータリーエンジンは、手のひらに収まるサイズから、最大1,000馬力を出力するエンドテーブルサイズのパワープラントまでスケーラブルとなっている。これらのエンジンは、同社が「Xプラットフォーム」と呼ぶ、ローターとシャフトの2つの可動部しかないアーキテクチャーの基本設計を共有している。

このシンプルさが、STEPの主要特性である信頼性とメンテナンス性を高める。また、小型でも出力が得られるため、小型車両搭載型発電機(陸軍の新型歩兵分隊車両のような軽量プラットフォームに搭載される可能性がある)や、トラックやトレーラーを必要としない携帯型発電機も可能になる。

「2人から4人で発電機セットを移動させることができれば、それは本当に新しい能力です」とシュコルニクは付け加える。

設計は、2サイクルまたは4サイクル運転が可能で、ガソリン、灯油、水素、ディーゼル燃料に対応する。このような柔軟性は、戦術用パワープラントを単一燃料(JP-8/F24)に統一し、ロジスティクスの課題を大幅に簡素化したい陸軍が強く望んでいるものである。

リキッドピストンは、陸軍C5ISRセンターの資金援助に基づき、バージニア州を拠点とするエンジニアリング会社、パーソンズPSN コーポレーションと830万ドルの契約を結び、XTS-210(210cc)ロータリーエンジンを、陸軍の先進中型移動電源(AMMPS)ジェネレータの要件に対応させ、陸軍が実地試験する小型10kWジェネレータに統合させる。新しい発電機は、現在のAMMPSシステムの約4分の1のサイズと重量で、燃料消費量も同程度となる。

シュコルニクによれば、1.5フィート×1.5フィートの箱に収まり、重量は200ポンド未満で、トラックに搭載可能で、8時間持続する独自の燃料供給以外に、外部タンクから供給することもできる。

シュコルニクは「ヴァンケル・ロータリー・エンジンを裏返しにした」と説明する。リキッドピストンのHEHCエンジンは、ヴァンケルのようにピーナツ型のハウジングの中に三角形のローターを採用するのではなく、エピトロコイド型(ピーナツ型)のローターがトライローブ型(ほぼ三角形)のハウジングの中で回転する。

これによって、古典的なアトキンソンサイクルとオットーサイクルの特性を組み合わせたサーマルサイクルを使用できる。「当社のエンジンは、(ヴァンケルよりも)はるかに高い圧縮比を実現できます」とシュコルニックは説明する。「吸気と排気を非対称にポートすることで、定容量燃焼と過膨張を実現することができます」。

その結果、ロータリーにつきもののオイル消費とシーリング問題を克服し、小型で高回転のパッケージで競争力ある出力が得られる。Xロータリーエンジン設計の高速回転特性は、発電機モーターと相性が良く、小型化が可能だ。

このようなパッケージングの利点により、小型ロータリーは、独立型ユニットとして、あるいはハイブリッドシステムの一部として、ドローンに動力を供給する候補となる。リキッドピストンは、陸軍の将来戦術無人航空機システム(FTUAS)用のハイブリッド電気Xエンジン(HEXE)推進システムを開発するため、陸軍からフェーズII SBIRを受けている。

FTUASは、陸軍の既存のTextronRQ-7 Shadow ISRドローンを、滑走路に依存しない新しいVTOL UAVに置き換える構想だ。Shadowはガソリン燃料を動力源としているが、陸軍は、より長い耐久性と静かな動作が可能なJP-8/FT-24燃料のハイブリッドシステムを動力源とする後継機を望んでいる。

リキッドピストンのHEXE推進システムは、ジェット燃料でエンジンを空中で再始動できる一方で、全電気、エンジンのみ、またはその両方の組み合わせの間で、必要に応じて動力を切り替えることができる。HEXEはまた、空軍のAFWERX技術推進部門の関心を引き、6月に同社に1500万ドルのSTRATFI(戦略的資金調達)契約を授与した。

米空軍は、重燃料とハイブリッド形式の空中および地上動力アプリケーションの両方に関心を示している。リキッドピストンの当面の目標は、来年末までに先進的な試作型エンジンと発電機を陸軍に納入することだとシュコルニックは言う。そして、他の防衛関連の新興企業と同様、その補完的な目標は、生産契約が実現するまで存続することである。

そのため、研究開発資金を獲得してから本格的な生産契約やサービス契約を獲得するまでのギャップである「死の谷」を越える必要がある。リキッドピストンは、防衛関連の新興企業と同じく死の谷の課題に直面しているが、別の問題にも対処しなければならない。

「陸軍、海軍、空軍の誰もが、より多くの(戦術的な)パワーを望んでいますが、それを前進できるプログラムの所有権を本当に持っている人はいません」とシュコルニックは言う。実際、陸海空軍のどこにも、戦術戦力の中心的な取得組織・団体は存在しないようだ。その代わり、軍の戦術的パワー要素は、要求の包括的なビューの恩恵を受けることなく、特定のプログラムに縛られている。

本誌は、国防革新ユニットに、国防総省全体で拡大し続ける戦術的パワーの必要性の取得と維持を指揮する中央組織が存在しないことを認識しているか尋ねた。これまでのところ、DIUから回答はない。しかし、リキッドピストンのCEOによれば、同社は長年にわたり、その能力と、戦術的パワーの取り組みを一元化することの利点を国防総省に啓蒙してきたという。

また、追加投資を確保するため、あまり知られていない道を歩んできた。リキッドピストンは、株式クラウドファンディングを早くから採用してきた。2016年以前は、投資家が新興企業に資金を提供するには(あるいは彼らと資金調達について話し合うには)認定を受ける必要があったが、規制されたクラウドファンディングの出現により、シュコルニックは、同社が研究開発の道を歩み続ける金を調達する機会を得た。

「それは画期的なことでした。私たちは規制CFラウンドを3回行い、300万ドルを調達し、法定限度額を達成しました」。

同社は2021年以降、10,000人以上の投資家にレギュレーションAによる株式公開を行い、約3,000万ドルの追加資金を調達している。(レギュレーションAは、SECの登録要件を免除するもので、企業は登録せず証券を募集・販売できる。)

「それは私たちにとって素晴らしい方法でした。私たちがやっていることを理解してくれる多くの人々と共鳴しているのです」とシュコルニックは熱く語る。「古いエンジンと当社のエンジンの写真を見たり、新しいロータリーの内部の写真を見たりする。彼らは興奮し、投資する」。

このような戦略は、防衛分野の新興企業であまり議論されてこなかったが、検討する価値はある。リキッドピストンはまた、バッテリーが十分なパワー、コスト・軽量化、ロジスティクスの簡素化などを提供できない商用スペース(補助動力装置など)における機会(同社は84点の特許を保有している)を活用することも計画している。

同社が伝統的な動力システムを開発したことは、斬新なエンジン技術の継続的な利点と魅力を実証している。共同設立者であるシュコルニクの父親は、2000年代初頭に燃料電池やスーパーキャパシタなどの技術に取り組んでいたときから、長期にわたる可能性を認識していた。■

Rotary-Engine Generators Could Put New Spin On Military Tactical Power

Eric TeglerContributor

https://www.forbes.com/sites/erictegler/2023/08/10/rotary-engine-generators-could-put-a-new-spin-on-military-tactical-power/?ss=aerospace-defense&sh=497dfa9031e2


Aug 10, 2023,09:15am EDT


2023年9月3日日曜日

ロシアと北朝鮮の関係強化に警戒すべきだ。ロシアの戦争継続を北朝鮮が補完し、北朝鮮の物資不足をロシアの物々交換が助けている。中国と合わせ、こんな国が常任理事国という国連体制が破綻している証拠だ。

  シア・中国両国は国連で制裁イニシアチブ採択を阻止しているだけでなく、制裁に日常的に違反している。


ロシアは現在、ウクライナ侵攻を維持するために、北朝鮮とイランの両方から戦争兵器を調達している。

すべての始まり

2022年6月、北朝鮮外交官がロシア外務省で会議に出席し、ウクライナ東部での役割について議論したと報じられた。平壌の代表は、戦争でロシア軍が押収した西側の武器へのアクセスを望んでいたと伝えられている。

交換条件として、彼らは人的資源を提供した。2022年8月、北朝鮮はウクライナ東部に派遣する労働者を選定したと報じられた。また同年8月、北朝鮮はモスクワに "10万人の志願兵 "を提供したと報じられた。

2022年9月、米政府当局者は、ロシアが北朝鮮から数百万発の砲弾とロケット弾を購入していると述べた。11月、米政府は再び、北朝鮮が相当数の砲弾をロシアに密かに出荷していると報道陣に伝えた。

国家安全保障会議のジョン・カービー報道官は、その時点ではロシアに届いたかはわからないと述べた。さらに、「我々の情報によれば、彼らは中東や北アフリカを経由させることで、供給方法を不明瞭にしようとしている」と付け加えた。シリアもその可能性はあるが、イランの可能性が高い。イランはすでにロシアに無人機を供給し始めていたのだから、なぜ北朝鮮の軍需品をこの地域を通してロシアに輸送しても不思議はない。

証拠が浮上している

12月には、北朝鮮がロシアと北朝鮮の国境を起点に鉄道を利用してロシアに輸送している可能性が高いことを示す画像が公開された。つまり、少なくとも今のところ、北朝鮮は武器を輸送し、イランやシリアを経由する中東ルートと、鉄道システムを直接利用する2つのルートでロシアから物々交換で支払いを受けているようだ。

ホワイトハウスは12月、北朝鮮がロシアの民間軍事会社ワグネル・グループに最初の武器出荷を行ったこと、さらに多くの軍事装備が納入される予定であると確認した。

2023年1月、カービーは北朝鮮がロシアに弾薬を提供し続けていると報道陣に伝え、国家安全保障会議は武器を運搬するロシアの鉄道車両の画像を公開した。2月までに、衛星通信は北朝鮮とロシアの間の鉄道輸送が大幅に増加していることを示した。北朝鮮は、こうした初期の武器提供と引き換えに、ロシアから石油、ガス、小麦粉を受け取っていると伝えられている。

ついに8月、米財務省は、ウクライナでの戦いのために北朝鮮と協力してロシアに武器を運び込んだとして、ロシアの複数の団体と個人に制裁措置を発動した。制裁対象となった個人と団体は、武器や軍需品20種類以上の購入を組織し、代金支払いに物品を使用していたとされる。

7月20日、米国務省はロシアの複数の団体を制裁したが、ワグネル・グループへの武器輸送を可能にしたとして、北朝鮮の武器商人も制裁した。国務省の文書を引用すると、「リム・ヨンヒョク(リム)は、その財産および財産上の利益がブロックされている人物であるエフゲニー・ヴィクトロヴィチ・プリゴジンを実質的に支援、後援、または財政的、物質的、技術的支援、あるいは物品またはサービスを提供したため、第1節(a)(vi)(B)に従って指定される」。

北朝鮮国籍のリムは、プリゴジンを支援し、ロシア連邦への軍需品輸送を促進した。2019年の国連専門家パネルの報告書によれば、リムは以前、悪名高い北朝鮮のフロント企業KOMIDのシリアでの副代表だった。中東とのつながりはありそうだ。

封じ込めが必要だ

2022年から北朝鮮とロシアは武器取引を開始し、北朝鮮からロシアに通常兵器や軍需品が納入されている。こうした取引は現在も続いており、ロシアがウクライナとの戦争を続ける限り続く可能性が高い。北朝鮮は、現在進行中の戦争で使用する武器や弾薬をロシアに運ぶため、鉄道輸送と海上輸送双方を利用しているようだ。

このように、北朝鮮とロシアの間に新しいタイプの関係が生まれている。モスクワは北朝鮮が必要とする資源や食糧を提供し、平壌はロシアが必要とする軍事装備を提供する。

この関係が発展し続けるにつれて、こうした武器移転を封じ込めなければならない。■


About the Author 

Dr. Bruce E. Bechtol, Jr. (Ph.D. Union Institute), is an award-winning professor of political science at Angelo State University and a retired Marine. He was formerly on the faculty at the Marine Corps Command and Staff College (2005–2010) and the Air Command and Staff College (2003–2005). Dr. Bechtol is a 19FortyFive Contributing Editor. 


2023年9月2日土曜日

海自の次期イージス艦ASEVはここがちがう。中国の055型大型駆逐艦とともに巡洋艦の域に近づく。イージス・アショア導入を阻止した住民の意思がこの新型艦になった。

 



Japanese Ministry of Defense

日本が巡洋艦に近いミサイル防衛任務に特化したマルチロール艦を建造する

 弾道ミサイル防衛(BMD)艦2隻を新たに建造する日本の防衛装備整備計画が新たな展開を見せ、関係者はマルチロール指向の巡洋艦に近い設計に焦点を当てている。実現すれば、は第二次世界大戦後で最大の日本の水上戦闘艦となる。

この種の艦船が大型になる傾向は分かっていたが、日本は柔軟性のない、専用BMD艦をこれまで建造しており、今回は船体形状から、揚陸強襲艦とも共通点が多いように見える。

この開示は、本日発表された2024年度最新防衛予算概算要求に含まれている。これはまた、日本の過去最大の529億ドルであり、ライバル、特に中国と歩調を合わせる緊急性を反映している。

防衛予算要求で優先される支出は、イージスシステム搭載艦Aegis system equipped vessel, ASEV)2隻で、それぞれ26億ドルかかると予想されている。

コンピューター画像では、「まや」級(日本の最新型イージス護衛艦)と全体構成が似ているものの、新型艦はかなり大きくなる。また、レーダーは艦橋上部に格納され、喫水線よりはるか上空に設置されるため、水平線を長く見渡せるようになる。日本は、「まや」、「あたご」、「こんごう」各級のレーダーアレイをできるだけ高い位置に取り付けることを優先してきた。しかし、今回はさらに前進させる大きな特徴となる。

防衛省によると、新型ASEVは全長約620フィート、ビーム82フィート、標準排水量12,000トンになる。これに対し、「まや」クラスの設計は、全長557フィート強、ビーム約73フィート、標準排水量約8,200トンだ。一方、米海軍のタイコンデロガ級巡洋艦は、全長567フィート、ビーム55フィート、標準排水量約9,600トン。

サイズは、タイコンデロガ級が新しいASEV設計に近いが、それでもかなり小さい。Naval News報道によると、新型艦は米海軍アーレイ・バーク級フライトIII駆逐艦の1.7倍の大きさになると指摘している。

武装に関して言えば、新型ASEVは以前の検討よりはるかに幅広い能力を持つように計画されている。

同艦の兵器システムの中心は、さまざまな脅威に対する防空・弾道ミサイル防衛用のSM-3ブロックIIAとSM-6ミサイルだ。SM-3はミッドコースの弾道ミサイル迎撃ミサイルで、米海軍の主要BMD兵器であり、日本はSM-3ブロックIIA計画で米国と提携している。

一方、SM-6は、自衛のための対空・対艦能力と、終末弾道ミサイル防衛能力を提供する。SM-3の補完として使用され、主要防衛ラインを突破した弾道ミサイル「リーカー」や、ASEV自体への対艦弾道ミサイル攻撃に対処する。SM-6はまた、極超音速兵器による攻撃を迎撃する限定的な能力も備える(現在、米国の兵器庫でそれが可能な唯一の兵器である)。新型艦は、新兵器の追加を含め、時間の経過とともに対超音速兵器能力を拡張していくだろう。

しかし、防衛省によれば、この艦船には現在開発中の12式対艦ミサイルの高性能バージョンも搭載する。これにより、対空/対弾道ミサイルの役割を超えた運動能力を持つことになる。最後に、2032年度からは、ASEVは、主に敵対的ドローンに対して使用する高出力レーザー兵器を搭載する予定で、また、米国製トマホーク巡航ミサイルも日本に配備され、陸上攻撃や長距離海上攻撃用途に十分に利用できるようになる。

SM-3、SM-6、トマホークミサイルはすべて垂直発射128セルに収容される。アートワークでは、12式が艦の中腹にある角度のついた発射管に搭載されている。ASEVはまた、まや級などと同じMk 45 Mod 4.5インチ砲を装備する。

新型ASEVのその他の詳細には、乗組員が約240人であることが含まれており、まや級護衛艦が約300人の乗組員によって運用されていることから、高度な自動化が組み込まれることを示唆している。乗組員確保は現在、日本にとって大きな懸念事項であり、深刻な採用問題が乗組員の少人数化(および乗組員の待遇改善)を必要にしている。

現在の計画では、海上自衛隊は2027年度に1隻目のAESVを受領し、翌年度に2隻目を引き渡すことになっている。

2隻のAESVのほか、海自の主要計画には、「もがみ」級をベースとする4500トン級フリゲート艦12隻の新造、F-35B短距離離着陸(STOVL)ジェット機を搭載可能にするための「いずも」型ヘリ空母2隻の追加改修、川崎P-1をベースとする新型電子戦機の開発、滑空位相迎撃ミサイル(GPI)での米国との共同開発などがある。

しかし、AESVは予算要求の中で目立つ項目であり、その大きさだけが理由ではない。

BMD能力を拡大しようとする日本の努力は、特に好戦的になりつつある北朝鮮からの攻撃を防御するためのものだが、イージス・アショアの設置計画を中止して以来、長年にわたっていくつかの興味深い展開をみせてきた。この構想は、予算上の問題、技術的な問題、レーダー照射による健康への影響の可能性に対する国民の懸念など、さまざまな問題の中で、2020年に正式に中止された。

当時私たちが調査したように、以前のAESVコンセプトは、全長約690フィート、ビーム約130フィートの船だった。この時のAESVの全体的な外観は、LPD-17(サン・アントニオ級水陸両用輸送ドック)をベースとした米海軍のBMD艦構想に酷似していた。

多くの点で、この初期の日本のコンセプトは、イージス・アショアの能力を取り込み、それを浮揚させ、より多用途で生存可能なものにした論理的結論であった。このような艦船は、高速である必要も他の任務が可能である必要もなく、本質的には、非常に強力なロッキード・マーチン社製AN/SPY-7能動型電子走査式航空捜索レーダーと多数のミサイルのための浮遊プラットフォームである。

LPD型のBMD艦が検討されていたのと同時に、まや級駆逐艦に近い形になる可能性を示唆する別の報道もあった。要件や運用上のニーズの更新によって、寸法や外観が再び変わる可能性がないとは言えないが、これは現在起こっていることのようだ。

日本がなぜLPD型から従来の水上戦闘艦に近いデザインに切り替えたのかという疑問に答えるため、本誌は防衛アナリストで、東アジアの防衛技術開発を長年観察してきたアレックス・ラックに話を聞いた。

ラックは、海上自衛隊が艦艇数や個々の戦闘能力への懸念を強めている中で、この変更は非常に理にかなっていると見る。BMD専用のプラットフォームというよりは、新設計はよりマルチロールであり、「まや」級の後継艦として機能することを意味する。

つまり、海上自衛隊はイージス搭載した水上戦闘部隊を増やし続けることができるのだ。現在、「まや」級2隻、「あたご」級2隻、「こんごう」級護衛艦4隻の計8隻で構成されている。

「北朝鮮の脅威を主な対象とする非常に専門的なBMD設計に資金を注ぎ込むことは、5年前よりも望ましくなくなりつつある」とラックは主張する。「代わりに、日本は「まや」/「こんごう」級の後継に変更し、弾道ミサイル防衛に強く焦点を当てただけなのだ」。

BMDが重要な要件のままであるため、AESVはラックの言う「発電、スペース、重量に関する増大する問題 」に対処するため、より大きな艦体を必要とし、同時にアップグレードと進化にむけ将来の成長機会を提供する。

ラックが指摘するように、まや級とその前の駆逐艦は、本質的にはアーレイ・バーク級派生型であり、したがってアーレイ・バーク・フライトIIIと同じ基本的な問題に悩まされている。ラックが説明するように、「この問題に対処するため、新しい、かなり大きな船体が必要でり、また、SM-3/SM-6やCEC(Cooperative Engagement Capability)による艦隊防空、(12式対艦ミサイルによる)水上、そしておそらくは陸上攻撃など、他の能力を提供する優れた性能を海上で提供する必要がある」。

多用途の水上戦闘艦を大規模に整備するのは、急成長する中国人民解放軍海軍(PLAN)に対する根拠のある日本の懸念によるところが大きい。

最新のAESVの設計と、PLANの055型「スーパー駆逐艦」との対比も興味深い。

中国の055型駆逐艦との比較

アレックス・ラックもまた、この比較で見解を述べている。「両者はほぼ同じような大きさで、日本艦はおそらく12,000トン以上であろうと予想している。どちらも、ミサイル駆逐艦をミサイル巡洋艦に移行させようとする世界的な傾向を示している」。

しかし、055型が空母打撃群の支援を含むより広範な役割をカバーする一方で、水上行動群の中心でも活動するという違いがある。同時に、中国の驚異的な造船能力のおかげで、055型はすでに多数の建造が始まっている。

日本にとって、最新鋭AESVは、中国、北朝鮮、ロシアによる脅威を考慮し、弾道ミサイル防衛を強化する必要性と、海洋領域で中国に追い越されつつある中で、水上戦闘艦部隊の規模と柔軟性を拡大する必要性との間の融合を提供するように見える。■

Japan's Missile Defense Ships Will Now Be Multi-Role, Cruiser-Like

BYTHOMAS NEWDICK|PUBLISHED AUG 31, 2023 2:09 PM EDT

THE WAR ZONE


2023年9月1日金曜日

J-20戦闘機の任務、性能について大胆に推理してみた.....実態は予測と大きく異なる可能性

 中国のステルス第5世代J-20...任務なきジェット機?

J-20の実際の目撃情報はほとんどなく、同機はステルス性の爆弾運搬機であり、明確な任務のない対地対艦攻撃機ではないかと疑う声もある

中国のJ-20

機動性があり、高速で、空を支配するF-22の競合機、先進的なAI対応の前方センサーノード、陸上攻撃や水陸両用攻撃を支援する爆弾運搬車、敵の防空を破壊できるステルス性の航空覇権プラットフォーム、先進的な空対空攻撃プラットフォーム......これらはすべて、中国の急成長するJ-20で可能な任務である。

公開情報によれば、現在208機以上のJ-20第5世代ステルス戦闘機が運用されているにもかかわらず、同機は不思議なほど姿を見せない。

J-20が実際に「目撃」されたことはほとんどなく、明確な任務もなく、ステルス爆弾運搬機や対地対艦攻撃機ではと疑う声もある。

飛行時間が少ないということは、J-20のパイロット訓練やパイロット経験が少ないということでもあり、J-20の任務や意図、実際の能力について疑問が残るもう一つの理由でもある、と元政府関係者は指摘する。

具体的には、「台湾の防空識別圏におけるPLAの飛行活動」と呼ばれる、専門家研究グループによる未発表の研究論文が、台湾のADIZに対する中国軍機の侵入回数を記録している。台湾国防省がまとめたデータに基づき、調査結果をまとめた。

その調査によると、中国軍機による台湾のADIZ空域侵犯は2020年から2023年の間に3倍に増加し、挑発的な航空機行動や威嚇戦術が大幅に増加している。

台湾ADIZにJ-20はあらわれていない

機種別でのADIZ違反が数年にわたり正確に記録されているが、研究者によれば、台湾のADIZでJ-20が目撃されたことは近年「一度も」ないという。第5世代ステルス戦闘機の準備とパイロットの訓練、そして戦闘機が任務遂行可能であることの重要性を考慮すると、台湾のADIZにJ-20が存在しないことは、特に不可解だ。

確かに、2021年の972機から2022年には3,119機に急増した違反飛行は、戦争訓練や侵略の準備、潜在的な新技術のテストや関連する作戦概念、そしてもちろん台湾や米国の地上・海底資産の広範な監視の実施など解釈できる。

中国は208機以上のJ-20を保有

2022年11月、いくつかのニュース出版物や公的な情報源に掲載された高解像度の写真によって、208機以上のJ-20戦闘機が製造されたことが明らかになった。中国空軍に関するオープンソース資料を公開している専門家によれば、J-20は2022年までに合計4つのバッチが引き渡され、それぞれの出荷ごとに18機、46機、56機、70機が納入されたという。

中国の新聞は、J-20の成熟度、デモンストレーション、WS-15国産エンジンなどの技術について書いている。しかし、訓練任務を除けば、J-20は間近で見られる可能性のある地域近くではあまり飛行していない。これは、ある著名な中国の専門研究者や元米軍高官の考えで、おそらくJ-20は台湾の防空、偵察機や戦闘機に至近距離で見られるのを防ぐために、台湾のADIZ内での飛行を控えているのだろうと示唆した。

J-20に明確な任務があるのだろうか?パイロットはJ-20の性能パラメーターや技術力をテストするため、実機で訓練しているのだろうか?PLA空軍はJ-20に、一般に認識されているのとまったく異なる任務を与えているのだろうか?これらは妥当な疑問である。F-22のような制空権を持つステルス戦闘機として宣伝されているにもかかわらず、おそらくJ-20ははるかに脅威的ではなく、地上攻撃を支援する「爆弾運搬車」タイプの航空機としての運用を意図しているのだろう。

ある経験豊富な中国軍事アナリストは、中国の既知の "Train As You Fight"(戦うように訓練せよ)という命令と実際のJ-20の訓練実践との間に多少の行き詰まりや断絶があるように見えると指摘した。J-20が水上で目撃されたり、何らかの訓練を受けたりすることがほとんどないのであれば、中国のJ-20部隊は戦闘に適していないのではないかと疑わざるを得ない。J-20のパイロットは、さまざまな条件で実際に航空機を操縦せずに、海上での戦闘任務やそれに伴うあらゆる変動要因に備えることができるのだろうか。 確かにパイロットは、雲を見通す能力、不明瞭な気象状況での操縦能力、正確な空対地や空対空の照準を行う能力を評価し、練習する必要があるだろう。

純粋な速度と推力重量比という点では、J-20はF-35よりも速いが、F-22ラプターほどではないと報告されている。J-20の最大速度はマッハ2.0で、J-31の最大速度はマッハ1.8とされている。J-20とJ-31の速度はどちらもF-22のマッハ2.25より低いが、F-35のマッハ1.6より速い。F-22はまた、世界で最も先進的な推力重量比を持っているため、敵の空対空ミサイルや空対地ミサイルを、他の追随を許さない方法で操縦し、方向を変え、出し抜くことができる。

J-20は爆撃機か

J-20は、F-35が18,000ポンドの兵器を搭載して離陸できるのに対し、27,998ポンドの内部および外部兵器を搭載して離陸できるため、1回のミッションでF-35より多くの兵器を運搬できる「爆弾運搬車」で運用される。しかし、内部および外部の武器をフル装備すると、敵の防空に対してより大きく正確なレーダー・リターン信号を発生させるため、ステルス性が損なわれることは間違いない。

ステルス特性は、航空機から放出される、あるいは航空機を取り囲む温度が周囲の温度と一致する、あるいはある程度一致する場合に最適化され、それによって熱シグネチャーを隠す、あるいは取り除くことができる。

これとは対照的に、F-35とF-22の主翼は、徐々に傾斜した水平翼である。短い突出した、しかし整列した、あるいは傾斜した主翼と、それに続く長い主翼は、ステルス性能を向上させる試みかもしれない。二重翼のフォーメーションは、それぞれの側で空気力学的な気流の速度を妨げることができ、温度管理がうまくいく可能性があるようだ。

米軍の公開出版物で機密扱いのないオープンソースの資料を作成・公開した元専門家や米政府高官のトップは、J-20が台湾のADIZから姿を消したのは、任務範囲にも関係している可能性があると示唆している。J-20は必ずしもF-22のような制空権任務用に作られたわけではなく、細長い胴体で大型化されているからだ。このことは、空対空の戦闘でどの程度まで機動し、優勢に立つことができるのかという疑問を投げかけ、中国がこの機体に限定的な役割を意図している可能性を示唆している。この点については未知の部分が多く、航続距離やセンサーの忠実度、搭載コンピューターの処理速度など、判断が難しい要素に左右される可能性が高い。J-20のセンシング、ターゲティング、コンピューティングの程度を見極めるのはかなり難しいかもしれない。しかし、数年前に中国政府が支援する環球時報の記事で、J-20はルネブルグレンズなしで飛行しているのが「目撃」された。

エンジン構成とステルス性能

興味深いことに、J-20はF-35と対照的にF-22を彷彿とさせるデュアルエンジン構成であることが明らかになった。これは、F-22のようなスーパークルーズ・テクノロジーを実現しようとしているのかもしれない。

また、J-20の機体上面には、F-22の上面とほぼ同じように見える丸みを帯びた二重の「こぶ」がある。対照的に、F-35は胴体上部に丸みを帯びた放物線のようなものが1つあるのに対し、J-20とF-22は胴体上部が平らで、丸みを帯びた2つのエンジン通路が混在している。このような設計はまた、F-22で可能だと知られているような操縦、ベクタリング、空中戦能力を最大化するための努力かもしれない。

これらすべては、速度、ステルス性能、操縦性など、J-20のさまざまな特性について重大な問題を提起している。J-20の仕様の多くは単に謎のままだが、外見上の類似性にもかかわらず、同機はF-22やF-35に真に匹敵するものではないかもしれない。ステルス戦闘機の最終的な成功はステルス構成に関係するが、その真の優位性はセンサー、武器、エイビオニクス、温度管理、内部構造にあるかもしれない。

また、J-20がF-35に匹敵する照準センサーやコンピューティングを持たなければ、他の属性はさほど問題にならないだろう。要するに、OODAループ(Observation:観察、Orientation:方向づけ、Decision:決断、Action:行動)を完成させ、敵の意思決定サイクル内、もしくはそれより先に行動できる航空機が、敵に攻撃されるよりも早く敵を撃破することで優勢になる可能性が高い。このプロセスを完了するには、迅速なセンシング、コンピュータ処理、データ分析、統合が必要であり、これらはすべてF-35の特性である。

J-20対F-22

多くのトップ・オブザーバーによれば、制空権を握るF-22よりスピードが劣り、推力重量比も弱いJ-20は、大型で間違いなくステルス性に劣り、F-22に真に匹敵する機体にはなりそうにないという。ロンドンを拠点とするRoyal United Service InstituteのJustin Bronkは、数年前のエッセイの中で、J-20は空中でアメリカのF-22に劣勢を強いられるだろうと指摘している。

ブロンクは、J-20は「重く、敏捷性に劣り、製造と運用にコストがかかる。また、F-22の性能や敏捷性には太刀打ちできない」とした。

J-20の機体は、傾斜した水平翼の短いセットに続いて、胴体の後端を横切って整列した大きな構造を持っている。おそらくこれは、胴体の両側を通過する気流を分断するか、滑らかにするためだろう。高速で気流が発生すると、敵の防空網に探知されやすい熱サインが発生する可能性がある。

J-20はまた、東シナ海や南シナ海にほとんど出撃していない。J-20は、中国本土から台湾までの100マイルを飛ぶことはできるが、陸上発進のステルス・プラットフォームとして、あまりステルスでない大型タンカーと運用しなければ、到達距離は限られるかもしれない。

中国政府が支援する環球時報には、J-20の飛行能力と指揮統制能力を称賛する米空軍大将(ウィルスバック)の言葉を引用し、「目撃」または遭遇したと報じた過去の事例がある。しかし、目撃されたことの全容を見極めるのは難しいかもしれないし、米空軍の将軍たちはしばしば、J-20がもたらす潜在的な脅威に懸念を表明している。しかし、2022年のCNN報道では、米太平洋空軍司令官のケネス・ウィルスバック米空軍大将が、「F-35」が中国のJ-20を迎撃したと述べており、この事件は非常に重要である。 CNNのエッセイによれば、同将軍は、航空機が "東シナ海上空で互いに接近した "と説明している。

J-20の能力と任務計画は、その訓練任務や目に見える飛行が目立たないことから、当面、つかみどころのないままであろう。J-20はPLA空軍にとって、国境を越え第5世代の航空戦力を投射するという点で特に重要である。J-20は陸上運用機であり、空母発進の第5世代機J-31はまだ登場していない。しかし、中国の海岸線から数百マイル以内で作戦が行われるのであれば、J-20は重要な役割を果たす可能性がある。

おそらく中国は、インドがF-35を保有していないことから、J-20をインド国境沿いで決定的なアドバンテージを提供できる航空機と見なしているのではないだろうか?あるいは、中国はJ-20のような「爆弾運搬車」を、台湾の防空を狙い攻撃するプラットフォームとして想定しているのだろうか?あるいはその両方か?これらのシナリオのどちらも、J-20が制空権を握る戦闘機や、次世代防空網を破壊できる高機動ステルス機であるということにはならない。したがって、F-22やF-35とよく比較され、米国の第5世代機とある程度似た構成であることが明らかになっているにもかかわらず、中国のJ-20は、広く認識されているのと異なる運用コンセプトと任務範囲を持つ可能性がある。■

China's Stealthy 5th-Gen J-20 .. A Jet Without a Mission? - Warrior Maven: Center for Military Modernization

Kris Osborn is the President of Warrior Maven – Center for Military Modernization. Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army—Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has appeared as a guest military expert on Fox News, MSNBC, The Military Channel, and The History Channel. He also has a Masters Degree in Comparative Literature from Columbia University