2016年8月22日月曜日

★★★世界第二位になった日本の空母部隊を空母と呼ばないフィクションはいつまで続くのか



国内では護衛艦といい、英語呼称では駆逐艦としていますが、各国がDDHを空母と呼ぶことに海上自衛隊は頑なに抵抗しているのか、あるいは抵抗しているのは政府だけで、海上自衛隊は異なる意見を有しているのか、早晩明らかになるでしょう。(海上自衛隊はいずも級では固定翼機の運用に向けた改装を検討しており、いよいよ日本も空母を空母と呼ぶ時代がすぐそこまで来ています)



Japan Builds New Aircraft Carriers - is Now 2nd in the World With Carriers

WE ARE THE MIGHTY
Tuesday at 11:01 PM


  1. かつて日本は世界第二位の空母部隊を有していた。1941年12月のことで、6隻の正規空母、軽空母5隻があり、正規空母2隻が建造中だった。当時の米海軍は正規空母7隻を運用中だった。
  2. 今日の日本の空母部隊は再び第二位の規模となった。現在3隻が就航中で一隻が建造中だ。空母なのに空母と呼ばず、はるなしらね級ヘリコプター搭載艦四隻と交替するとの印象を前面に出している。この四隻は5インチ砲と8セルのASROC発射機を前方に搭載し後部には駆逐艦として異例の大きさの格納庫があり、SH-3シーキングヘリコプター3機を搭載し、後にSH-60に変更した。
  3. ひゅうが級「ヘリコプター護衛艦」がニミッツ級空母に随航すれば大きさは違うもののひゅうがの空母形状は明らかだ。ひゅうがと姉妹艦いせは排水量19,000トンでタイランドのチャクリ・ナルエベトの11,500トン、イタリアのジュセッペ・ガリパルディ(10,500トン)、スペインのプリンシペ・デ・アストゥリアス(16,700トン)を凌駕する。ひゅうが級には16セルの Mk 41 VLSでRIM-162発展型シースパローミサイルやRUM-139垂直発射式ASROCを発射し、三連装324mm魚雷発射管を備えるが、主任務はヘリコプター運用にあり、18機まで搭載できる。ある意味で旧海軍の航空戦艦伊勢、日向に匹敵する。
  4. ひゅうがでV-22運用をしたこと、スペイン等の小型空母でもAV-8Bハリヤー運用をしていることに注意が必要だ。ひゅうがは最高速度30ノットで艦首方向で必要な風速を確保でき重装備V/STOL機の運用に役立つ。
  5. 最新の空母(日本はヘリコプター駆逐艦と呼称)はいずもだ。排水量は27,000トンで28機搭載可能でスペインのフアン・カルロス一世、イタリアのコンテ・ディ・カボールにほぼ匹敵し、退役した英海軍インヴィンシブル級より2割ほど大きい。英海軍は同級でハリヤーを運用していた。
  6. いずも級はひゅうが級より対空、対潜装備を省略している。いずもの兵装はファランクス近接防空火器とMk 31発射機によるRIM-116ローリングエアフレームミサイルのみだ。いずもは就航中でかがが建造中。いずももヘリコプター駆逐艦と呼ぶが、実質的な空母であるのはあきらかだ。■


★★★ノースロップのT-X参入機体が姿を現した




Aerospace Daily & Defense Report

Northrop T-X Breaks Cover At Mojave

Aug 19, 2016 Guy Norris | Aerospace Daily & Defense Report

LOS ANGELES – 米空軍T-X次世代練習機としてノースロップ・グラマンが採用をめざす機体がモハーヴェカリフォーニアで地上走行テストを開始した
  1. 機体は同社内部のScaled Composites特別事業部が設計し、今週から高速地上走行テストを開始した模様。低翼単発機で空気取り入れ口が左右にあり、尾翼は通常形状。
  2. T-38との類似性に加え、同社が以前断念したF-20タイガーシャークの特徴も見られ、空気取り入れ口前にエリアルールを採用し遷音速性能を確保し、垂直尾翼につながる背部も特徴的だ。機体底部はV字型になっており、三輪式降着装置がつき、機首と後部ノ降着装置との軸距は大きく取られている。
  3. 機体画像が8月19日に公表されたが、機体は簡素な後縁フラップと水平安定板を逆上半角をつけて配備しているようだ。またエンジンはアフターバーナーがないが実証機のみの措置なのか不明。同社からは2015年12月に機体コンセプト図が公表されており、空軍の求める高G持続時間、迎え角での機体制御、旋回性能を実現しつつ機体価格を一定範囲に抑える設計だと説明していた。
  4. FAA機体登録情報では同機はモデル400の名称で、Scaled Compositesの設計番号が付いている。エンジンはジェネラル・エレクトリックF404-102D単発で、FAA登録は2015年6月中旬。
  5. ノースロップはT-XではBAEシステムズL-3と組んでおり、同機の初飛行を年末までに行う。T-X競作ではロッキード・マーティンKAIがT-50Aを原型に、またボーイングSaabが新型機をそれぞれ提案する。レセオンはレオナルドとT-100としてレオナルド(アレニア・アエルマッキ)M-346高等練習機を推している。
  6. T-Xの提案要求は12月に空軍が公示する予定で、契約交付は2018年早々となる。T-Xは2034年に投入され、その前に初期作戦能力を2024年に獲得する見込みだ。■


2016年8月18日木曜日

☆完成に近づく中国初の国産空母




China's first indigenous aircraft carrier nearing completion

Sean O'Connor, Indianapolis - IHS Jane's Defence Weekly
17 August 2016
  
衛星画像で見たが大連乾ドックでの001A型空母の艦体はほぼ完成し、航空機昇降機、艦橋ほかを待つ状態になっている。 Source: CNES 2016, Distribution Airbus DS/© 2016 IHS

エアバスディフェンスアンドスペースの8月11日撮影衛星画像で人民解放軍海軍(PLAN)の大連での建艦状況がよくわかる。初の国産空母001A型航空母艦(CV)の他、052D型誘導ミサイル駆逐艦数隻も確認できた。
衛星画像では001A型空母がほぼ完成している状況がわかる。乾ドック隣接の大物組立作業場ふたつがほぼ空になっており、艦体建造が完成に近づいている。残る構造物据え付けを待つ状況だ。
艦橋関連が据え付けを待つ状況で、大物組立作業場では艦橋の前後部分が確認できた。
大連では052D(DDG)三隻の建造が進行中。一隻が乾ドック内にあり、二隻は岸壁に係留されている。一号艦は完成しており、海上公試中だ。二隻目は今年8月3日に進水し、艤装工事を待つ状態にある。
同じ造船所の北側には二号艦があり、センサー、兵装等はこれから搭載するようだ。特に前方に130mm主砲、垂直発射装備があり、センサー類では366型レーダーが艦橋上部に取り付けられるはずだ。■


2016年8月17日水曜日

★F-5E対MiG-21の知られざる空戦 勝敗は?



F-5やMiG-21は当時から途上国向けの機体と言われてきましたが、実際の空戦が1970年代に発生していました。機材の性能よりも訓練含む支援体制の質が空の上で大きな結果を生むという事例ですね。日本にも参考となるのではないでしょうか。

We go to war so you don’t have to

Which is Better, the F-5E Tiger II or the MiG-21?

A forgotten African war answered the question

by TOM COOPER
ノースロップF-5EタイガーII、ミコヤン・グレビッチMiG-21のどちらが優秀かとの問かけは数多くあり、答えも多様にあったはずだ。軽量かつ安価で取り扱い容易な両機種は合計で15千機も生産され、最盛期には60カ国以上の空軍が供用し、今でも両機種が稼働している国がある。
  1. 実は両機種の対戦事例があり、しかも一回だけでなかった。忘却の彼方に過ぎ去ったる戦いの帰趨を決定したのが両機種による初の空中戦だった。
  2. 1970年代中頃のエチオピアは政治的混迷を深め軍事クーデターで米国寄りのハイレ・セラシ皇帝が排除された。1974年のことで血なまぐさい内戦が三年間続いた。
  3. エチオピア連邦のエリトリア、オガデン、ティグレイの三州では小規模内乱が全面戦争になり、エチオピアは崩壊一歩手前で軍と治安維持部隊は混乱し、主権維持もおぼつかない状態になった。
  4. そこでソマリア政府はかねてから狙っていた政治目標「不当に占領されたソマリア領土」の回復で絶好の機会ととらえた。特にソマリア系住民の多いオガデンを第一目標とした。
米空軍の訓練を受けたエチオピア空軍第五飛行隊のパイロットたちPhoto via S.N.
  1. ソマリアの戦闘構想は比較的単純でソ連軍事顧問の助けも借りた情報評価に基づきエチオピア軍は簡単に崩壊すると見ていた。
  2. そこでソマリアは全軍の準備態勢を整え、1977年7月13日に国境を超え侵攻を開始し、地上部隊支援に25機ほどのMiG-17とMiG-21が29機を投入した。パイロット全員がソ連で訓練を受けていた。
  3. 緒戦成果から情勢評価が正しいことが裏付けられた。二週間をかけずソマリア陸軍機甲部隊はエチオピア陣地を突破し、エチオピア空軍のF-5E一機がSA-7グレイル携帯ミサイルで撃墜され、ハラール飛行場を爆撃しエチオピア航空所属のダグラスDC-3が一機破壊された。またMiG-17二機編隊がエチオピア空軍のダグラスC-47輸送機を撃墜した。
  4. エチオピアはソマリアと外交関係を1977年初頭に断絶しており、混乱したアディスアババのエチオピア政府はオガデン状況を把握できずにいた。
  5. 軍は総動員令を発表したが体制整備に数週間が必要でオガデンの陸軍部隊は気が付くと敵に包囲され前線から遠く離れていた。上記C-47はこのためソマリアのMiGに撃墜されたのだ。
  6. ただしエチオピア空軍は無力化に至っていなかった。1940年代50年代を通じ英国とスウェーデンの助力で誕生した空軍は1960年代には米国から大量支援を受けた。小規模だがエリート部隊で選り抜きの人員がそろい、国内外で訓練を十分受けていた。
オガデンの戦いで始めてMiG-21撃墜を上げたべザビ・ぺトロスはF-5EタイガーIIとソ連MiG-21初の空戦で勝利をおさめたこととなった。 Photo via S.N.
  1. 中心装備は十数機のノースアメリカンF-86セイバーとノースロップF-5Aフリーダムファイター戦闘機隊だった。1974年までのエチオピアは米国と関係が良好でマクダネルダグラスF-4ファントムを要望したが米政府は代わりにノースロップF-5EタイガーIIを供与した。AIM-9サイドワインダー空対空ミサイルとウェスティングハウスAN/TPS-43Dレーダー二基を搭載していた。
  2. ところが国内混乱と人権遵守状況を理由にエチオピアへ手渡されたタイガーは1976年の8機にとどまる。しかしソマリアとソ連の戦前予想と異なり、エチオピア空軍パイロットはソマリア侵攻前の数か月を座して待っていたわけではなかった。
  3. ソマリアが国境付近で軍備増強に走っているとの情報報告を受けて、エチオピア空軍は空戦演習を強化しF-5Eは戦闘哨戒飛行を開始する。こうしてエチオピアのF-5EとソマリアのMiG-21の対戦は不可避となった。
  4. 最初の対戦は1977年7月24日でタイガー2機編隊が同じく2機のMiG-21を迎撃し、地上誘導でエチオピア編隊二番手のベザビ・ペトロスが初の確認撃墜成果を上げた。F-5EがMiG-21の初の対戦となった。
ラジェス・テフェラは確定4機撃墜でエチオピアF-5Eパイロットでトップとなったが、不幸にもソマリア防空網により1978年9月1日撃墜され、10年間をソマリア刑務所で過ごしたPhoto via S.N.
  1. 翌日にラジェス・テフェラがオガデンを巡る戦いで最大規模の空戦で大きな成果を上げた。F-5E三機編隊を率いて、MiG-21四機編隊がMiG-17四機編隊を援護するところを迎撃した。
  2. エチオピア所属のタイガー編隊が現れるとソマリアMiG-21の二機が空中衝突した。うち一機はハルゲイサ航空基地司令が操縦していた。ラジェスは機関砲で三機目を撃墜し、ウイングマンのバハ・フンデとアフェウォク・キダヌが四機目を仕留めた。ラジェスはMiG-17編隊も狙い、二機をAIM-9ミサイルで撃墜した。
  3. 7月26日にラジェス・テフェラとべザビ・ぺトロスはエチオピアの前線航空基地ヂィレダワに向かうMiG-21二機を迎撃した。今度はべザビがサイドワインダーでMiG一機を破損させ、ラジェスが20ミリ機関砲でとどめをさした。
  4. 三日後にはバハ・フンデによる初めての撃墜が確認された。この成功でエチオピア空軍隊員は敵の補給部隊を数回撃破し、ディレダワの戦いの勝利に大きく貢献した。この敗北でソマリア軍はオガデン侵攻を1977年8月に停止した。
  5. この中でアフェウォク・キダヌがMiG-21を一機撃墜したがアシェナフィ・ツァディクが撃墜された。アシェナフィとラジェスはオガデンを巡る戦いで最後となったMiG-21の2機を1977年9月1日に撃墜した。
ソマリアのMiG-21MF米軍が1992年にモガデシュ国際空港を占拠した際に放棄されているのが発見された。F-5Eと同等の性能で一部では優れていたものの訓練を十分積んだエチオピア空軍の敵にはなれなかったClaudio Toselli Collection photo
  1. これでソマリア空軍は戦力を失った。その後もオガデンで作戦を展開したが、これだけの損害は補充できなかった。エチオピアは空の優勢を確立し、空軍は系統的な攻撃をソマリア軍の補給線に加えた。
  2. それから一か月もせずにエチオピア国内に突入していたソマリア陸軍は補給を絶たれ、糧食、弾薬、燃料、さらに戦闘車両も不足し、前進できなくなる。エチオピアのF-5Eはこうして決定的な勝利をオガデンで勝ち取り、エチオピア政府指導部がキューバとソ連から支援を得る時間を稼ぎ、エチオピア軍は反攻攻勢をかけソマリア軍をオガデンから1978年4月に駆逐している。
  3. 戦闘終結後の解析は明白だった。F-5EはMiG-21に優位性を示し、速度だけでなく操縦性が低中高度で優れ、航続距離や搭載兵装も優位だった。
  4. 米顧問団によるエチオピア向け訓練も質面での優位性を後押しし、訓練内容が現実を反映していたことはソ連教官から訓練を受けたソマリア軍より明らかだった。■


2016年8月16日火曜日

シリア内戦>F-22がSu-24を迎撃し、米特殊部隊を守る


US Dispatches F-22 Stealth Fighters to Intercept Syrian Aircraft

POSTED BY: BRENDAN MCGARRY AUGUST 20, 2016

An F-22 Raptor from the 43rd Fighter Squadron takes off in Savannah, Ga., during Sentry Savannah 16-3, Aug. 2, 2016. The F-22 is a fifth-generation, single-seat, twin-engine, all-weather stealth tactical fighter aircraft developed for the U.S. Air Force. (Photo by Solomon Cook/U.S. Air Force)第43戦闘機中隊のF-22ラプターがジョージア州サヴァナから離陸しセントリーサヴァナ16-3演習に参加する。2016年8月2日撮影。 (Photo by Solomon Cook/U.S. Air Force)


米軍が8月19日F-22ラプタ-ステルス戦闘機の二機編隊を発進させシリア空軍のSu-24フェンサーを迎撃させていたことがわかった。シリア機はハサカ近郊を飛行していた。匿名を条件のペンタゴン関係者が明らかにした。
  1. 米機からシリア機に交信を試みたが反応がなかったとCNNのバーバラ・スターが伝えている。
  2. ラプター編隊はフェンサー編隊を追跡し、該当地区で展開中の米特殊部隊を守ったが、武器は使用していないとロサンジェルス・タイムズのW・J・ヘニガンが伝えている。
  3. 前日にシリアSu-24編隊がクルド人部隊を空爆しており、米軍も戦闘機を緊急発進させている。空爆地点のそばには米特殊部隊がいたとMilitary.comのリチャード・シスクが報道している。
  4. シリア空軍機が20日にも問題のシリア北東部ハサケ市錦江の上空に現れ、米軍事顧問団への危害が発生しないよう警告を出したとAFPが報道している。
【危険なほど混みあうシリア上空と米ロの思惑】
  1. 今回の事件で改めてシリアの領空と戦場が混雑していることが明らかになった。五年に及ぶ内戦でシリア国内は大きく傷ついており、米軍、ロシア軍がそれぞれの思惑で空爆を続けている。米側はシリア反乱勢力と組んでイスラム国(ISIS)と連携した勢力を狙い、バシャル・アル-アサド大統領の放逐を狙うが、ロシアは同政権を支持している。
【F-22の投入事例】
  1. F-22はロシア空軍ツポレフTu-95爆撃機編隊をアラスカ、カリフォーニア沖合でそれぞれ2015年に迎撃出撃したことがあり、2013年には米軍MQ-1プレデター無人機が国際空域を飛行中に迎撃しようとしたイランのF-4ファントムに対して出撃したこともある。■

★★★F-15戦闘機とSu-35Sはどちらが優秀なのか


米空軍ではF-15Eが主力となっていますが、日本ではJ型の原型であるのがC型なので今後も威力が期待できるのかが関心事でしょう。Jは相当の改良を経ていますが、もはや原型とは異なる機体と言って良いのではないでしょうか。F-35導入でめどがついてきたようなので、いよいよF-3開発に注力していくのでしょうが、残るF-15にも十分な配慮で供用年数を延長してもらいたいものです。

Visit WarriorUSAF F-15E vs. Russian Su-35S - Who Wins?

SEBASTIEN ROBLIN
12:22 AM

米F-15イーグルは露Su-35S「フランカーE」より優れているといえるのか。以下詳細に見てみよう。
  1. 第四世代戦闘機で最優秀と言われるSu-35SとF-15の比較を聞かれることが多い。
  2. F-15は第四世代戦闘機の定義を作った機体で1970年代に登場し、大幅改修を受け時代に合わせた性能を維持しており、今後数十年後も数百機が稼働する見込みだ。
  3. 一方Su-35はSu-27フランカーの改修型で新型エイビオニクスと武装を搭載し、推力方向偏向エンジンとレーダー波吸収塗装を採用した。
  4. Su-35Sについては筆者以外にNational Interestでデイヴ・マジュンダーが二機種が空戦をした想定をうまくまとめている。その結論はかなりの接戦になるというものだった。技術では優劣がつかず、結果を制するのは支援体制やパイロット訓練としていた。
  5. では両機種の優劣をミッション別に見てみよう。

センサーとステルス性能
  1. Su-35Sは強力なイルビスEパッシブ電子スキャンアレイレーダーを搭載し400キロの有効範囲がある。同レーダーは地上目標にも有効だ。だがF-15のAPG-63 V3アクティブ電子スキャンアレイレーダーはさらに優秀で妨害に強く、解像度も高く、追跡されにくい。
  2. Su-35には赤外線捜索追尾システム(IRST)があり、50キロ内の航空機位置をおおまかに把握できるとし、短距離ならステルス機を探知できる可能性がある。F-15にはIRSTは装備されていない。
  3. ただし追加ポッドが利用可能となりつつある。タロンHATEポッドによりIRST効果がF-15に利用可能となりデータ融合機能も他機や地上装備間で可能となる。さらにF-22ラプターと相互ネットワーク構築も可能となる。これはラプターが非標準型データリンクを使っているためで、ラプターを先に飛行させ、敵目標を探知し戦術データをミサイルを満載したF-15へ送り、安全な距離からミサイル発射が可能となる。

  1. F-15はステルス機ではなく、レーダー断面積は平均5平方メートルだ。Su-35はステルスを意識し、レーダー断面積は平均で1ないし3平方メートルと言われる。そうなるとSu-35がレーダー画面に現れるのは遅くなるだろうが、1平方メートル大なら最新装備で長距離探知が可能で長距離ミサイルの標的にできる。
有視界外での空戦はどうか
  1. 最新空対空ミサイルは100キロ超の有効射程がある。米空軍では有視界外 (BVR) 戦が21世紀の空戦の中心になると確信しており、ミサイル射程範囲を拡大しようとしている。これに対しロシアはこの考え方に懐疑的で電子妨害装置や回避行動で被害は避けられるとする。ロシア機材もBVR対応を想定しているものの、BVRのあとには短距離交戦が控えると見ている。
  2. 兵装搭載量ではSu-35にはハードポイントが12箇所以上あるがF-15Cには8箇所しかないのでSu-35が有利となり、ミサイルを多数運用すれば命中の可能性が高まる。だがこの優位性は一時的にすぎない。ボーイングがF-15改修策で16発搭載を想定しているからだ。実現すれば後方に位置するF-15が「ミサイルボート」となり、F-22が探知した敵標的を攻撃できる。ただし当面はF-15はミサイル発射数で劣る。
  3. F-15、Su-35はともに長距離レーダー誘導空対空ミサイルを搭載する。AIM-120D(射程160キロ)とK-77M(200キロ)だ。両ミサイルは基本的に同等の存在でシーカー性能がこれから整備されていけば、最大距離からの発射が戦闘機に対しても可能となり撃墜の可能性が高まる。
  4. Su-35も超長距離(300から400キロ)のR-37Mミサイルを発射し、空中給油機やAWACS支援機を狙うだろう。
  5. Su-35には有利点がもうひとつあり、L175Mキビニー・レーダー妨害装置だ。米AESAレーダーは妨害に強いと言われているが、AIM-120ミサイルの搭載レーダーは別だ。キビニーが防御する機体を狙うミサイルは失敗に終わる可能性が高い。イーグルが搭載する戦術電子戦対抗システムは1970年まで遡るもので、新型装置はイーグル2040改修一式で提案されている。
有視界内の場合
  1. イーグルは高い操縦性を有した機体だが、重戦闘機でも高い旋回性、上昇の途中でも高い加速が可能となったのは主翼荷重の低さと高推力重量比によるものだ。
  2. ただしSu-35は独特の機体だ。ヴェクトル推力変更可能なターボファンでノズルを独立操作し、急旋回とともに高迎え角では通常の戦闘機では無理な操縦が可能だ。低速域ではSu-35がF-15をあしらうだろう。
  1. 兵装は両機種は互角でそれぞれ熱追跡AIM-9XとR-73ミサイルを使うだろう。両ミサイルともにヘルメット内視界で機体方向外にも発射できる。両ミサイルは70から80パーセントの命中確率を有すると言われる。
  2. 威力のある短距離空対空ミサイルが機体を敵方向に合わせなくても発射できることで近距離交戦では機体の操縦性は意味が減る。
対地攻撃ではどうか
  1. Su-35Sは17千ポンドの弾薬を搭載し、対地攻撃にはハードポイント14箇所を使う。F-15Cはゼロだ。純粋な制空戦闘機のためだ。(公平を期すと、対地攻撃は全く想定外ではない。イスラエルが70年代にイーグルでイラク原子炉攻撃に成功している)
  2. F-15Eストライクイーグルは兵装23千ポンドを搭載する。ストライクイーグルはF-15Cと同等の速度で空対空装備もほぼ同数搭載できるが機体操縦性はやや低くなるのは機体重量が増えたためだ。
  3. ロシア軍は米軍ほど精密誘導兵器を利用しておらず、投入可能な種類も少ないが、Su-35にはイルビス-Eレーダーの対地攻撃モードで精密誘導兵器を十分運用できる。
整備維持はどうか
  1. 米国は高価格機材を長期間供用する傾向がある。ソ連時代含むロシアは価格を重視し供用期間は短く、一方で整備工数は高くなる傾向がある。Su-30フランカーのように信頼性で問題が発生した例がある。
  2. Su-35ではこの問題を解決すべく6,000時間使用に耐える仕様になっている。F-15CおよびEはそれぞれ8千、16千時間の想定で、C型は耐用年数延長も実施されるだろう。一方でSu-35各機は製造したてで耐用年数は十分あるが、F-15機材の大部分は1970年代や1980年代の製造だ。
次世代のF-15
  1. ボーイングは高性能ステルス版のF-15サイレントイーグルの営業をここ数年展開しており、イスラエルが導入するかもしれない。さらにボーイングはF-15Cの性能改修パッケージをイーグル2040C名称で提唱している。
  2. サイレントイーグルやイーグル2040で現行F-15の弱点が解消できるのだろうか。
  3. まずSu-35の操縦制御面での優位性は当面揺るがないだろう。サイレントイーグルはレーダー断面積を前面では0.1平方メートルにし、Su-35の十分の一と豪語しているようだが、後方と側面ではステルス性がない。実戦では後方側面のステルス性があったほうが良い。
  4. イーグル2040CパッケージはIRST及びF-22互換性データリンクをタロンHATEポッドで実現し、ミサイル搭載量も倍増させる。
まとめると
  1. 将来の空戦の効果はミサイルと電子対抗装置の性能に左右され搭機体性能は二の次になりそうだ。とくに非ステルス機材の場合二個の傾向が強い。
  2. それでもSu-35はドッグファイトの王座につき、高性能多用途ミサイル発射母体として対空対地双方で威力を発揮するだろう。ただしAESAレーダーがないのが惜しい。
  3. 現行型F-15は高性能レーダーを搭載し航空優勢を実現する戦闘機としてその能力を維持している。F-15Eはその中で対地攻撃に威力を発揮する兵装搭載量の多さが利点だ。改修型F-15は対空戦兵装の搭載量が増えデータ融合効果を艦船、衛星、航空機と発揮する。サイレントイーグルは限定的とはいえ前方ステルス性能が期待できる。Su-35は全体100機弱がロシア、中国、マレーシア、アルジェリアで供用されることになっているが、若干追加発注が生まれるかもしれない。米国では2020年代以降にかけてF-15Eが200機、F-15CとDがややそれより少ない機数稼働することになる。世界各地ではこれ以外に400機がサウジアラビア、イスラエル、韓国、シンガポール、日本で供用されている。■

----This Story Was Originally Published in The National Interest----
Sébastien Roblin holds a Master’s Degree in Conflict Resolution from Georgetown University and served as a university instructor for the Peace Corps in China. He has also worked in education, editing, and refugee resettlement in France and the United States. He currently writes on security and military history for War Is Boring.


★航空自衛隊がF-35A1号機写真を公表 テキサス州フォートワース



JASDF releases images of first F-35

Gareth Jennings, London - IHS Jane's Defence Weekly
15 August 2016


  
航空自衛隊向けF-35A1号機の写真が初飛行・引き渡しに先立ちフォートワース工場で公開されたSource: Japan Air Self-Defense Force
日本向けのロッキード・マーティンF-35AライトニングII打撃戦闘機JSF一号機の写真が公表された。撮影場所は同社フォートワース工場内で撮影時期は8月中旬という。
写真は航空自衛隊が8月14日に公表し、機体には69-8701(別称AX-1)がつき飛行テストをへてルーク空軍基地(アリゾナ)の国際訓練部隊へ数週間で引き渡し可能になっている。
日本は今後5年でF-35A計28機を導入する。うち6機の正式契約が完了。最終的には42機導入し、三菱重工がライセンス生産したマクダネル・ダグラスF-4J改と入れ替える。
2014年6月25日に小野寺五典防衛相(当時)がF-35は当初は三沢基地に配備すると発表していた。三沢には平成29年度中に4機が配備され、運用部隊は301空あるいは302空となる見込みだ。■

2016年8月15日月曜日

もし戦わば② 戦艦大和 対 戦艦ビスマルク


世の東西を問わず歴史が好きな人にとってIFの世界はたまらない魅力がありますね。あくまでも遊びの世界なのであまり目くじらたてないでください。
We go to war so you don’t have to

The Japanese battleship ‘Musashi’ in 1942. Photo via Wikimedia

A Clash Between German and Japanese Battleships Would Have Been Mighty

And ugly for the losing side

by ROBERT FARLEY

第二次大戦時の巨大戦艦、ドイツのビスマルクと日本の大和の直接対決シナリオが想像できるだろうか。難しいが不可能ではない。
マルヌ会戦が逆の結末となり、ドイツが1914年秋にフランスを破ったとする。1940年春と同じ状況だ。
ドイツと英国は海軍軍備で和解し、ドイツ帝国はヨーロッパ大陸を手に入れ、英帝国は存続を保証された。
第一次大戦前からドイツは太平洋に相当の領土を確保していた。第一次大戦に勝利しドイツは領土拡張に乗り出していただろう。特に中国を。すると、日本はドイツと摩擦を起こしていたはずだ。

The German battleship ‘Bismarck.’ Photo via Wikimedia
両艦の特徴
アイオワ級やHMSヴァンガードを除き、ビスマルク級と大和級は世界最大級の戦艦だった。
ビスマルクと姉妹艦ティルピッツの排水量は約5万トンで30ノットが出せ、主砲15インチ8門を砲塔4つに搭載。装甲は合計19千トンだが第二次大戦の標準仕様で建造された。これに対し大和級は排水量7万2千トンで主砲は18.1インチ三連装三砲塔形式で速力は27ノット。装甲の合計重量は22千トンで近代的な艦体設計だ。
ドイツがビスマルク級戦艦を極東まで回航し、第一次大戦前から確保している青島軍港を本拠地とした仮定とする。航続距離が長いドイツ戦艦は通商破壊も想定し、太平洋でも十分活躍しただろう。またドイツには高速戦艦もあり、大西洋に強力な艦艇を残していたはずだ。
The Japanese battleship ‘Yamato’ in 1941. Photo via Wikimedia

海戦の展開

開戦となりビスマルク、ティルピッツ及び小型艦(重巡2、駆逐艦6)は青島からトラック島へ移動する。
機動部隊は別地点で投入中のため日本帝国海軍はHIJMS大和およびHIJMS武蔵をドイツ艦隊を捕捉撃滅すべく派遣する。
ドイツ戦隊は速力差3ノットを活かし、日本部隊を振り切り、交戦を避けられる。ただし日本には地理上の優位性があり、各拠点基地から旧式艦を随所に配備しており、脱出経路を警戒している。
長門はじめ旧式戦艦部隊と交戦せずギュンター・ルッチェンス提督は日本帝国海軍の最新鋭艦艇との交戦で運を試す決断を下す。ルッチェンスは日没前交戦を期待した。なぜなら日本側が夜戦で優位とを知っているからだ。ドイツ艦にはレーダーがあるにもかかわらず。
砲門を先に開いたのはドイツでだが一撃離脱できないことがすぐわかった。ルッチェンスは日本巡洋艦・駆逐艦による魚雷攻撃の射程に入る前に叩く決断をする。ドイツ情報部は93式魚雷の性能を評価し、遠距離から大型艦を撃沈できると知っていたのだ。
ビスマルクが大和を、ティルピッツが武蔵に主砲を発射し、ビスマルクは日本旗艦に初弾から命中を上げる。
だがすぐに日本側も反撃を開始し、18.1インチ主砲が火を噴く。日独双方とも火器管制は優秀だが、結果は一方に傾く。ビスマルク級15インチ主砲は発射回数が高いが命中しても日本主力艦に与える損害は軽微だ。(ただし日本艦も上部構造物は相当損傷する)
これに対し18.1インチ砲が命中すると即座に深刻な打撃を与える。長距離から着実にドイツ艦に命中していくが、損害を区画でくいとめる両艦に致命的な損害にならない。ただし、ビスマルク、ティルピッツとも速度が低下し、離脱の可能性が減る。
小型艦同士の海戦も始まり、これは日本に有利となる。日本側は24インチ「長槍」魚雷の有効範囲で一斉にこれを発射。ドイツ艦三隻に命中。巡洋艦駆逐艦各1が甚大な被害だ。日本側砲撃でドイツ戦隊の動きが鈍り、日本の補助艦艇がドイツ側に当たり、戦艦部隊はドイツ戦艦部隊に集中できる。
日本側砲撃は正確度をあげ、ドイツ艦の上部構造物がますます破壊されていく。速力差の優位が消え、ドイツ側は重武装大型艦と長期戦に巻き込まれたことを自覚する。日本側の優位性が明らかになり、ドイツ艦の火砲発射間隔が長くなり不正確になる。
駆逐艦雪風、磯風が勇猛果敢にドイツ巨艦二隻に近距離で魚雷攻撃を加え、両艦に命中する。
ドイツ各艦は日本側へ意味ある交戦能力を喪失し、強力な戦艦火砲を一方的に受けている。
日本側巡洋艦駆逐艦はドイツ側の同等勢力を排除し、主砲と魚雷で攻撃を開始する。ドイツ主力艦二隻が日本帝国海軍の攻撃を受けても驚くほどの残存性を示している。
二時間が経過し、ティルピッツで艦内爆発が発生しまもなく転覆沈没する。日本部隊はビスマルクに火砲を集中し、ビスマルクも停止し発砲を停止する。大和艦上の見張り員がビスマルクが降伏するのを見つける。命令はドイツ戦隊に伝わり戦闘が終わる。
雪風の拿捕隊が傷ついたドイツ戦艦に乗船し、日本各艦からも損傷復旧部隊が合流する。ドイツ乗員も手助けし、鎮火と浸水は一定範囲に抑える。大和がビスマルクが曳航し、タグボート到着まで待つ。
ビスマルクは日本軍艦籍に入るが、その後戦闘に加わることはない。修理が複雑かつ高価すぎるためだ。ただし乗員大部分は戦闘を生きのびた。

まとめ

大型艦で相当の攻撃に耐えられるはずのビスマルク、ティルピッツが他国海軍の高速戦艦との比較では高評価されなかった。
大和、武蔵は史上最大かつ強力な戦艦であったが、(米アイオワ級には不利な点もあった)ドイツ艦を凌駕し簡単に撃破していただろう。
ただし帝政ドイツの野望は忘れてはならない。日米両国が太平洋で19世紀末から20世紀初頭にかけて展開した政策(特に米のフィリピン併合)によりドイツは域内での領土野心を一層堅くしていたのだ。
日本は第一次大戦を英仏の側に立ちドイツ等へ宣戦布告した。連合軍体制がもし崩れたとしても日本はやはりドイツと対立するはずだっただろう。■
Robert Farley is author of The Battleship Book and Grounded: The Case for Abolishing the United States Air Force. He serves as a senior lecturer at the Patterson School of Diplomacy and International Commerce at the University of Kentucky.