2018年2月26日月曜日

F-15近代化の方向を示すカタール向け新造機から航空自衛隊にも新しい可能性が見えてきた

これは期待できるニュースです。カタール向け新造機に盛り込む新技術で旧型機の若返りが出来ればこんなにコストパフォーマンスがいい話はありません。ひょっとしたらF-15も70年間飛び続ける機体になりそうです。ただし航空自衛隊の場合は改修してこなかった機材が半分あり、こうした追加回収できる対象が最初から限られてきますので、機数が不足します。であれば、まだ生産ラインが残っているうちに発注してはいかがでしょう。ボーイングは商売がうまいですね。F-15ラインのある旧マクダネル工場の地元も一安心でしょう。ミサイルトラックを作る、という構想もひょっとしたら実現しそうです。

 

New wings on Qatar F-15s pave upgrade path for USAF カタール向けF-15の新型主翼はUSAF機材改修能方向を示す


23 FEBRUARY, 2018
SOURCE: FLIGHTGLOBAL.COM
BY: STEPHEN TRIMBLE
ORLANDO

タール発注のF-15高性能イーグルで主翼が改修され同じ改修内容が米空軍F-15Cや各国空軍で供用中の機体でも耐用年数延長に使えるとボーイングが発表した。
カタール政府はボーイングに62億ドル契約でF-15QA(カタール向け高性能版)36機を昨年12月に発注し、これでセントルイスにあるボーイング生産施設には2022年までの生産が確保された。
F-15QAには新型コックピットシステムで大型画面等これまで同社が発表した内容を盛り込んでいるとボーイングでF-15事業を担当するスティーブ・パーカー Steve Parker 副社長が述べている。
FlightGlobalの2月22日インタビューでパーカーはF-15QAの主翼が再設計され内部構造が強化されながら空力特性には影響は出ないと答えた。再設計はボーイングが最近実用化した新製造技術で可能となったという。
F-15QAが開発段階に入るとボーイングには既存F-15Cでも主翼交換の需要が期待できる。ただUSAFが同機をあと二十年程度供用すると決めた場合だ。
これまで二十年以上にわたりUSAFはF-15Cの一部を2030年代末まで稼働させる選択肢を検討してきた。その場合の縦通材交換は一機100万ドルで済むとパーカーは述べている。空軍はF-15Cをさらに延長して供用する案も検討しており、その場合は主翼交換が必要となるという。
その上の供用期間延長は今のところ「必要とされていないが、可能性はある」とパーカーは語る。「空軍には選択肢を提供したい」
その他の顧客には日本の航空自衛隊があり、やはりF-15の構造改修で退役予定を先送りしたいと考えているとパーカーは指摘している。
ボーイングは2月22日-23日開催された航空戦シンポジウム会場に仮想現実展示で導入後45年が経過したF-15で可能な改修内容を示した。そこでは「一体型技術ポッド」のコンセプトを展示し、一体型タンクの代わりにポッドとし、ここに例えば側面監視合成開口レーダーを入れる。また「アンバー」射出ラックの搭載でミサイルが22発まで搭載できる様子も見せていた。
こうした改修でF-15の再活性化が期待でき、新型ミッションコンピュータ、電子スキャン式レーダー、新型電子戦装備、フライバイワイヤ機体制御、新規兵装ステーションやエンジンもより強力なGEエイビエーションのF110-GE-129換装が考えられるという。
カタールは36機発注したが米議会は72機までを承認しているのでボーイングは追加発注も期待する。このほかにドイツの要請で機密内容の説明開示も行っており、ドイツはパナヴィア製トーネイドの後継機候補として考えているとパーカーは言う。

「イーグルを大変身させます。イーグルはまだ終わっていませんよ。明るい未来がやってきます」(パーカー)■

研究開発資金を増額された米空軍のめざす新規案件は中国との対戦を視野に入れている

Aerospace Daily & Defense Report

USAF Speeds Next-Gen Fighter Family, With Eye Toward China 次世代戦闘機ファミリー整備を加速化し、中国との対戦に備えるUSAF

Feb 21, 2018Lara Seligman | Aerospace Daily & Defense Report


U.S. Air Force
ORLANDO, Florida—米空軍長官ヘザー・ウィルソンはここ数年で最大の研究開発財源を手に入れ、中心を中東での対テロ作戦から中国との直接対戦に変えようとしている。
そのカギが航空宇宙での優越性確保への投資とウィルソン長官は空軍協会主催の航空戦シンポジウムで語った。


NGAD、極超音速兵器
空軍は今後5年間に27億ドルを追加投入しほぼ100億ドルで「次世代航空優越」(NGAD)と呼ぶ一連の装備で航空優越性を今世紀中通じた確保を狙う。ここにF-22、F-35に代わる新型機の開発が入る。
NGADでは電子戦を「改めて重視する」とウィルソン長官は述べたが詳細は語らなかった。
中国が空軍にとり「脅威を与えている」ことは疑う余地がないと長官は強調。ロシアも周辺国には脅威だが中国ほどの急激な変化は示していないと語った。
「空軍として何をすべきかを考えると、特に中国の技術革新が予想以上に早く、わが方に脅威になっている」
NGAD開発を急ぐことともに空軍は議会が認めた追加予算で極超音速兵器技術の実用化も目指し、極超音速通常弾頭攻撃手段と空中発射式迅速対応兵器の二種類の試作型完成をめざす。


F-35は減速、既存機種の性能向上へ
空軍はF-35増産のペースを落とす一方で既存機種の近代化改装を重視する。F-15C、-E、F-16、F-22の各型だ。

宇宙装備の残存性向上
宇宙分野での優越性確保にも予算を投じる。ロシア、中国が米国の宇宙機材を脅かす能力開発に急いでいるためだ。空軍は宇宙配備赤外線衛星7号8号の導入を決定し、ミサイル監視体制を強化するが、今後登場する敵側の新技術の前に安全とは言えなくなってくる。そこで空軍は小型かつ機動性の高い衛星多数の整備に方針を切り替える。


新型軽攻撃機の導入
中東では空軍は新型軽攻撃機導入を目指し地上部隊防御を費用対効果を高い形で実現する。これで第四世代第五世代戦闘機を任務から解き、高度能力を有する敵との訓練に回すとウィルソン長官は説明。

「国家防衛戦略により過激主義には低水準支出で対抗していきます。F-22でアフガニスタンの麻薬工場を攻撃するのでは割が合いません。もともとの想定では敵との対戦で中心となるべき装備ですから」■

2018年2月25日日曜日

追い詰められた北朝鮮とオリンピック後の危機状態の再開(時計は再び動き出す)

オリンピックに北朝鮮が招へいされ、寝食どころかお土産までもらい大きな顔で参加している間に時計は止まっていたのか、それとも北朝鮮が実は着々と準備を怠っておらずさらに高圧的な態度をとるのか、3月になれば判明するでしょうね。その場合に、平和の錯覚から対話の重視(しか)主張しなかった人たちは自分の主張が通らない国際政治の現実に直面することになるでしょう。National Interest記事からです。



The North Korea Crisis Is Back 北朝鮮危機の再開




February 23, 2018

ランプ大統領がCPACで好戦的な発言をしている。オリンピック休戦を楽しめるうちに楽しめ。北朝鮮危機は再開し、あと二か月もしないうちに戦争の瀬戸際に立つだろう。
 新たな制裁措置を求めるトランプは正しい手を打ったと言える。自国民多数を強制収容所で拷問しながら米国に核攻撃の苦しみを与えようという国は無視できず真正面から対決すべきである。また対決こそトランプの選ぶ道だ。北が虚偽の宣伝工作でオリンピック期間中の応援団等でイメージを塗り替えようとする中、トランプ政権はだまされないぞとばかりに平壌が米本土攻撃可能案核兵器の完成をめざす間は決して手を下ろさないぞと示しているのだ。
 だが米政権にとって課題は明白だ。制裁で戦争は回避できるか、また外交交渉に道が開けるのか。あるいは武力衝突が始まり直ちに軍事力による惨状が生れ世界戦争につながるのか。

トランプの戦略  
 今日の状況は北朝鮮の弱体化を狙った制裁の結果であり、貿易制限を狙った制裁は多くが「毒蛇戦略」と呼び、同政権を痛めつけ最終的に交渉の席につかせることをねらう。
 政権関係者が言うような最大規模の制裁内容ではないが、積み重なる効果で北朝鮮は傷つき、エチオピアの三分の一程度の経済には打撃となる。なお、北朝鮮経済は韓国の経済規模の1パーセントにも達しない。
 また度重なる国連安全保障理事会決議以外にワシントン、ソウル、東京が独自に実施する措置や外交圧力で北朝鮮の現状は「最大限の圧力」戦略の対象で金正恩は苦境に立っている。北朝鮮の外貨準備が10月にも底をつくとの報道があり、現在のまま措置を続ければ北朝鮮は確実に国家破産に向かう。
 また制裁戦略に二番目の要素がある。トランプ政権は北朝鮮が核兵器を放棄する事態は生まれないと実は達観しているようだ。ただし、制裁で北朝鮮経済を痛めつける能力がワシントンについたことで核兵器、ミサイルの製造を進めることも妨害できるとわかった。米政権は北朝鮮の武装解除はできないとしても核兵器開発を遅らせることは可能と理解している。

次に起こることがカギだ
 一つの可能性は実際に発生することは少ないが北朝鮮が外敵の脅威にさらされていると判断し交渉の座に着くと決心することだ。
 事実、もし北がイヴァンカ・トランプの訪韓という絶妙な機会を活用すればこの展開は効果を生む。金政権が大統領令嬢に非公式会談あるいは公開の場で話合いたいと申し出ればどうなるか。
 イヴァンカは大統領令嬢であるとともに上級顧問である。報道から本人が大統領に入れ知恵していることは周知の事実だ。大統領の信頼厚い補佐官と直接話をする経路を開くのにこんなに良い機会はない。
 そこから緊張緩和への道が生まれるかもしれない。初回がうまく行けば、北も朝鮮半島非核化の大日程に合意するかもしれない。そうなればトランプ政権のめざす目標と合致し出口が見える。
 そのような交渉は容易ではなく何年もかかるだろう。だがもし北が抜け目なく生涯に一度の様な今回の好機を生かせば緊張はこれ以上高まらくなる。
 だが別のシナリオの方が可能性が高い。平壌が直ちに対話の席を離れミサイルテストや核実験を数日内に実施する可能性で、パラリンピックが終わる3月中旬以降に動きを示すだろう。
 金正恩は米韓フォールイーグル演習を未来永劫に行わないことを要求するのは確実だ。オリンピックのため延期されており、4月終わりに実施の予定だ。ペンタゴン筋では演習の中止は考えていない。
 パラリンピック閉幕は3月18日で演習日程について報道が出始めているが、北朝鮮が対抗して演習開始前にミサイルあるいは核弾頭実験を行うことやICBM発射を4月初めに強行することは十分予測できる。
 そうなると事態は悪化する。北朝鮮は大気圏内核実験を行うとしており、世界に自国核装備の威力を示す絶好の機会と実施に踏み出す可能性がある。
 そのため平壌はICBMを南太平洋へ向け発射し、放射性降下物で一帯を汚染するだろう。これが発生しなくてもトランプ政権は攻撃実施しか選択がないと判断するかもしれない。これは「鼻血」作戦でシリア攻撃時のような金正恩の核ミサイル装備に被害を与えない攻撃かも知れない。逆にトランプは北朝鮮政権の根幹を狙い懲罰的な空爆攻撃を選択するかもしれない。その場合に中国やロシアがどう反応するかは不明だ。
リンピックの緊張緩和は間もなく終わり過去の記憶となり、これまで誰も見たことのないような戦争の可能性が上がる。
Harry J. Kazianis serves as director of defense studies at the Center for the National Interest. You can follow him on Twitter: @Grecianformula.

Image: Reuters.

お粗末、トランプ訪中で核フットボール管理の米軍補佐官官の人民大会堂入場を拒もうとした中国

お粗末な話ですが、これが「大国」のレベルなのでしょうか。核抑止力の重要な要素に絡むだけに米側もピリピリしている感が伝わってきます。米国がなんでも米国のやり方を押し通すのに我慢ができないのはわかりますが、子供のいじめではあるまいし、あまりにお粗末ですね。中国が「成熟」するのには時間がかかり、また成熟の定義が世界の常識からかけ離れているのが問題なのですが。


Confusion Surrounds Confrontation With Nuclear Football During Trump's Beijing Visit トランプ大統領の訪中で核のフットボールをめぐる深刻な対立があった

The US Secret Service says no one got "tackled," but has not denied that an incident occurred while Trump was in China in November 2017.

米シークレットサービスは誰も「タックル」していないと語るが、トランプ大統領の11月の中国訪問中に事件があったと認める



BY JOSEPH TREVITHICKFEBRUARY 19, 2018
OLIVIER DOULIERY/ABACA/SIPA VIA AP


しく浮上した報道でホワイトハウス主席補佐官ジョン・ケリーと氏名不詳のシークレットサービス係官が中国保安部院といわゆる「核のフットボール」、アルミ製ゼロハリバートンブリーフケース内の安全通信装置をめぐり身体的な騒動を起こしていたことがわかった。この装置は米国大統領が核攻撃をいかなる場所からでも命じるために必要な装置。シークレットサービスは大統領の2017年訪中で発生した対立の間だれも「タックル」していないと述べ、事件が発生してないとは言っていない。
 2018年2月18日、Axiosが匿名取材源からこの事件を報じ、それによれば2017年11月9日、トランプ大統領が北京に滞在中に大統領随行員一行が人民大会堂に入ろうとしたところ中国側保安要員がフットボールを携行した米軍補佐官の入場を阻もうとした、理由は不明だ。軍補佐官は常時大統領のそばにいることが求められる。
 退役海兵隊大将ケリーは隣室にいたが何事かと急いで現場に出て指揮をとろうとした。軍事補佐官に鋭く命じ他の要員とそのまま入場するよう求めた。
 口喧嘩が過熱し中国保安要員はケリーの腕をつかみ遠ざけようとした。Axiosでは付近にいたシークレットサービス要員がその中国保安要員にタックルをかけたとあり、米高官に危険が迫った際の標準行動をとったことになる。


OLIVER CONTRERAS/SIPA USA VIA AP
ジョン・ケリー主席ホワイトハウス補佐官.


「ファクトチェック:シークレットサービス係官が大統領の2017年訪中時に訪問国関係者をタックルしたとの報道は誤り」と米シークレットサービスは公式ツイッターで2018年2月19日に書いている。この声明文の表現から事件はAxoisの取材源が使った表現より穏やかだったとわかるが、大統領随行員の人民大会堂入場を認めるかでひと悶着がなかったとは言っていない。
 これに対してAxiosはフットボール携帯の役目の補参官は終始黒塗りブリーフケースをしっかり管理しており、冷静な雰囲気が戻り事態はすぐに落ち着いたという。中国側は陳謝し、両国関係者はこの件は公表しないことで一致したという。


FACT CHECK: Reports about Secret Service agents tackling a host nation official during the President’s trip to China in Nov 2017 are false


 乱闘にならなかったとはいえ、フットボール携行の係官がトランプ大統領に随行することの是非が話題となった。キューバミサイル危機にさかのぼり、カバンの中身は変更されているが正式名称「大統領緊急時鞄」は歴代大統領の行くところ必ずそこにあり、核抑止力の信頼度を保証し、核攻撃の大掛かりな手順の一部としてフェイルセイフとなり、「政府機能継続」のカギにもなっている。
 大統領専用機エアフォースワンには独自の指揮統制機能があり、核戦略指揮統制機、安全地下壕他各種手段で政府高官の退避でも緊急時対応を確実にしている。その考え方は奇襲攻撃を米国に仕掛けても米政府の無力化は不可能であり大量報復攻撃を止めることはできないと敵勢力にわからせることにある。
SMITHSONIAN/JAMIE CHUNG
依然使われていたフットボールはスミソニアン博物館の米歴史コレクションとして展示されている
 鞄を実際に使うには大統領が常時携帯するカード「ビスケット」からコード入力で本人確認する必要がある。これで装置とリンクが国家軍事指揮センター(ペンタゴン内)と確立され、あるいは地上が破壊されればE-6BかE-4B空中指揮所になるかもしれない。そして核攻撃を事前設定の攻撃オプションの「メニュー」から命令する。メニューは米軍が用意する。フットボールを持ち運ぶ軍事補佐官の助言が出る場合もあろう。補佐官はいずれかの軍から派遣されるO-4以上の階級の将校(佐官)で手順とともに実施した場合の効果に通暁している。
 ジミー・カーター大統領が選択肢方式を求めたといわれるのは核兵器による最良の対応策を検討する時間が極めて限られるためだ。ミサイルが飛来する場合は15分しかない。鞄の中にミサイル発射を即座に実行する「赤い巨大ボタン」はない。
 大統領が核攻撃を命じる場合の詳細手順は以下を参照願いたい。
 フットボールとその管理者の話題がトランプ政権で出るのは今回が初めてではない。2017年2月、大統領就任直後に大統領のフロリダ別荘マーアラゴで招待客のリチャード・デアガジオが撮影した写真に写った米軍の「リック」が例の鞄を持っており、ソーシャルメディアで話題に上った。デアガジオは別荘で安倍晋三首相との食事テーブルで大統領が北朝鮮ミサイル試験の機密文書らしきものを眺める物議をかもした写真も撮影した人である。
 今回浮上した中国事件では中国係官がトランプ大統領随行員の人民大会堂入場を阻止した理由が不明だ。米政府は事前に保安関係の打ち合わせを中国担当者と行っているはずで、大統領訪問で常時実施されている。
 一方あるいは双方がプロトコールと手順に混乱したことが考えられ、人民大会堂にトランプの後に入るべき関係者がだれかで混乱があったのか。あるいは米側代表団への妨害を誰かが意図的に企画した可能性もある。
 昨年の訪中前にトランプは北朝鮮への核攻撃を匂わせながら中国政府の圧力が不十分と非難していた。
 米政府は北朝鮮の制裁逃れを助けているとして中国企業・人物を公式非難していた。まあタ米政府は北朝鮮が中国の港湾や運送機能を使って禁輸をすり抜けていることを監視し、大問題だと提起している。
 だが中国側が米大統領訪問でプロトコールや手順で冷遇するのは今回が初事例ではない。バラク・オバマ大統領がG-20サミットで杭州に到着した2016年9月、大統領は儀式ばった降機をせずエアフォースワンの下部扉から降りている。タラップ車両をめぐる対立が理由はだった。
IMAGINECHINA VIA AP
2016年G-20杭州サミットに到着したバラク・オバマ大統領がエアフォースワンを機体装備のタラップで降機している。


 米大統領の国際歴訪で米政府は独自にタラップ車両を現地に先行して送りエアフォースワン乗客の降機を行う。中国も当初はこれを受け入れたが、土壇場で心変わりした。
 米側保安担当は現地のタラップ運用業者が英語を解さないことに不満を覚え、中国側は英中バイリンガル業者の紹介を拒否した。結局中国側が折れて米要望通り米国製装備の使用を認めたが、その時点でエアフォースワンは着陸寸前だったので結局、機体装備を使った。
 「ここはわが国でここはわが国の空港だ」と中国関係者が声を張り上げて主張したといわれる。オバマ大統領一行が空港を離陸した直後のことだ。中国国営メディアはその後米政府と米メディアが単なる誤解をわざわざ取り上げたと批判したが、実態は意図した嫌がらせだったとの見方が強い。オバマ政権は中国に各方面で批判を加えており、南シナ海広域での領有権主張や人権問題もその例だ。
 トランプの大統領就任後の中国関連発言は硬軟取り混ぜているが、北朝鮮関連でこの傾向が強く、特に中国による交易へ風当たりを強めている。2018年1月には中国製洗濯機、太陽光パネルで保護主義の色彩が強い輸入課徴金の適用を発表しており、鉄鋼製品にも適用を狙っている。
 また新たに打ち出した国家安全保障・国防戦略ではともに中国を政治経済上の主要敵国と位置づけ核戦力検討案ではわざわざ中国に項目を割き、中国への抑止力を強調している。太平洋地区での米軍プレゼンス強化は中国の軍事力整備をにらんでおり、ハリー・ハリス海軍大将を太平洋軍総司令官から次期駐豪大使に任命したばかりでもある。
今後もそのため訪中で低レベルながら同様のプロトコールをめぐる言いがかりが繰り返されると予期すべきだ。だがジョン・ケリーや誰にせよ核のフットボールの現場で中国関係者が乱闘を仕掛ける状況を目にすることがないよう望みたいものだ。■

Contact the author: jtrevithickpr@gmail.com

2018年2月24日土曜日

北朝鮮制裁措置の違反船舶の海上取締を米沿岸警備隊が実施か

米沿岸警備隊に対応させるのは政治的に正しい方針でも、北朝鮮関連の国際常識に反する行動を見ると貧弱な警備船で大丈夫なのか、臨検に応じない場合どうするのか、さらに各水域に派遣するだけの余力があるのか疑問です。ヴィエトナム戦争では沿岸警備隊も動員されていましたが。そうなると海上保安庁も急に期待されそうですね。ただし尖閣等の警備が手薄になれば喜ぶ国があらわれそうですが。制裁はかなり効果を上げてきているので実効性を引き上げるべきで、北朝鮮封じ込めは今後何年も続く可能性があることに日本も注目すべきでしょう。

US reportedly planning high-seas crackdown on North Korea sanctions evaders by deploying Coast Guard force

米国が北朝鮮制裁措置逃れへの対応を沿岸警備隊に実施させる模様


us coast guard
夜間機関銃射撃訓練にあたる米沿岸警備隊カッター・ストラットン。US Coast Guard/Petty Officer Bryan Goff
  • トランプ政権はアジア内同盟国と北朝鮮制裁措置違反の疑いのある船舶を洋上摘発する準備に入った
  • 報道では米沿岸警備隊を投入するという
  • 2月23日に米国は北朝鮮海上輸送を対象に追加制裁措置を発表し国連にブラックリストも渡した
  • 北朝鮮は海上封鎖は戦争行為と受け取ると警告




WASHINGTON (Reuters) -トランプ政権は北朝鮮制裁違反の疑義がある船舶の取り締まりをアジア主要同盟数か国と検討中で、米沿岸警備隊がアジア太平洋海域で臨検を行うと米高官が述べている。
ワシントンは日本、韓国、オーストラリア、シンガポールの各国と取り締まり強化を協議中で北朝鮮が海上から核ミサイル開発に必要な物資入手を阻止しようとしている。
疑わしい船舶がすでに確認されているが、今回の戦略はさらに活動範囲を広げるものの海軍力で北朝鮮を封鎖する一歩手前で止めるのがねらいだ。平壌は海上封鎖を戦争行為と受け止めている。
戦略では疑わしい船舶を個別に追跡し禁制品を搭載していれば拿捕すると米高官は匿名条件で述べる。活動規模が拡大されれば太平洋軍の海軍艦船、航空機の投入も検討するという。
米主導のこの動きが報道されるのは今回が初めてで北朝鮮を交渉に向かわせ核兵器等の放棄実現に追い込みたいとするワシントンの問題意識を反映している。
北朝鮮が米本土攻撃可能な核ミサイルを完成させるまで数か月といわれる中、同国は国際制裁措置をかいくぐる密輸や海上での船舶間搬送で禁制品を入手していると米政府は把握している。
north korea ship to ship
米財務省発表の写真で北朝鮮とのつながった船舶間の物資搬送が確認された。US Treasury
「直接軍事行為以外のすべてで強化の必要があるのは間違いない。金正恩へこちらの真剣さを示す必要がある」と政府高官が語った。
ホワイトハウスは論評を避けている。
適用範囲は公海のみならず協力各国の領海内も対象とするがアジア以外はどこまでを範囲にするか不明だ。
また同日に米国が北朝鮮むけ貿易輸送に関与する企業・船舶を追加した制裁措置を発表し、国連にブラックリストを通告したのは、原油を入手し、石炭を販売する北朝鮮の不法活動をやめさせるのが米国の狙いだと示すものだ。
制裁強化に加え海上行動の追加で外交が辛うじて進む南北朝鮮で緊張要因になる。また米軍も各地に展開すればそれだけ戦力が薄くひきのばされ、域内関係国の負担増となるかもしれない。

相手船に乗り込むのか

対応策はまだ検討中だが北朝鮮の報復措置を引き起こす危険もあり国際社会も分断化されそうだ。
中国、ロシアは北朝鮮向け阻止行動の実力行使を国連の場で阻んできたが、新規措置でも踏み込みすぎだと反対しそうだ。匿名条件で中国関係者はこのような措置は国連主導のみで行うべきだと語った。
だがワシントンはすぐにでも措置強化に踏み切ると見られ、同盟各国との協議が不調に終わっても実施すると米高官は述べている。
さらに制裁逃れ船舶をへの法的措置も米国は検討中で、国連安全保障理事会決議を理由に公海あるいは関係国領海内での船舶臨検は可能と主張する。
ワシントンは海上での武力衝突を回避する観点で交戦規則を準備中だと関係者は述べる。
スティーブ・ムニューチン財務長官は2月23日ワシントンで記者団に船舶検査では係官乗船も排除しないと語った。
だが米関係者は個人的発言として臨検隊乗船には特に注意が必要だと述べる。
沿岸警備隊艦船の火力は貧弱で基本的に法取締が役割なので軍艦の代わりに投入されるとリスクがあることを米関係者は認める。
沿岸警備隊はアジア太平洋地区への所属艦船派遣の可能性について言及を避けているが、該当各国との連携は認める。「将来に警備船を配備するかは米外交政策の目標次第であり、船舶の稼働状況にも依存する」と広報官ディヴ・フレンチ少佐 Lieutenant Commander Dave French が述べた。

「協力国は多数ある」

韓国政府高官は「海上取締行動の強化」で協議があることを認め、先月のヴァンクーバー外相会議で米国務長官レックス・ティラーソンから各国に検討要請があったという。

「米韓両国含む各国と制裁措置の完全履行を検討中だが各国合同部隊の枠組みの話は聞いていない」と政策面に明るい日本の防衛省関係者が語った。
トランプ政権は東南アジア各国へ一層の協力を求めており、軍事力では期待できないものの船舶の動きでは情報提供が役立つと米政府関係者は解説してくれた。
US Coast Guard
沿岸警備隊カッターガラティン所属のMH-68スティングレイの銃手がサウスカロライナ州沖の麻薬輸送ルートで警戒中。Chief Warrant Officer Donnie Brzuska/US Coast Guard
「提携国が増えればそれだけ多くの資源を投入できる」とクリス・フォード Chris Ford 国際安全保障・非拡散政策担当国務次官補が述べる。ただしどの国と協議中かは明かしていない。
米政府が特に関心を示すのが洋上の船舶間物資搬送で北朝鮮はアジア各国港湾での貨物輸送が出来なくなったためこの手段をとることが増えている。
ロイターは昨年12月、ロシアのタンカーが洋上で北朝鮮に原油を受け渡した制裁違反を報じてた。ワシントンも中国含む数か国船籍の輸送船が原油製品、石炭の受け渡しに関与していることを突き止めている。中国は否定している。
中国領海付近では米国による臨検は避け、中国官憲に禁制品輸送を伝え中国による対策を求めると米政府関係者は述べた。
「すべての流れを止めるのは不可能に近いが、北朝鮮の代償を増やすことは可能」とバラク・オバマ大統領の下絵で国防次官(アジア関係)を務めたディヴィッド・シアー David Shear が語っている。■
Additional reporting by Michelle Nichols at the United Nations, John Walcott in Washington, Linda Sieg and Nobuhiro Kubo in Tokyo, Josh Smith and Hyonhee Shin in Seoul; Editing by Mary Milliken and Paul Thomasch

ロシアがシリアにSu-57を配備との報道の真偽、その意図は何か

Russia's Su-57 Stealth Fighter in Syria: “This Is Testing in Actual War" ロシアのSu-57ステルス戦闘機がシリアに展開、「実戦テスト」なのか




February 22, 2018

シアがスホイSu-57PAK-FA戦闘機の試作型2機をシリアのフメメイム基地に配備したようだ。
同ステルス戦闘機のシリア到着報道は未確認のままだが、実戦配備前の開発用機材を戦闘地帯に投入したとしたら極めて異例だ。ロッキード・マーティンF-22を1990年代末か2000年代はじめに技術製造開発(EMD)期間中に戦闘投入したようなものだ。ただし開発中機材を戦闘投入し運用上の知見・データを得ること自体はソ連時代からロシアは行っている。
「実戦テストのようなものですがソ連時代にも事例はありました」と総合欧州国際研究所(モスクワ)主任研究員ワシリー・カシンがNational Interestに述べている。
Su-57をシリアで運用する目的は運用データやエイビオニクス等の性能データを得るなのだろう。同時に限定的でも実戦投入の機会もあるはずだ。
「主目的と外れますが攻撃兵装も搭載するでしょう。レーダーも外国機標的に作動させるはずです。問題はテストをどう評価するかです」
Su-57はまだ開発段階だがシリアに展開させた機体はフル装備機で実戦同様のエイビオニクス搭載の可能性がある。カシンは後期試作型ではないかと見る。
一部には地政学の理由からSu-57派遣となったのではとみる向きもあるが、カシンはこれを否定。「政治的側面はないでしょう」
一番あり得るのはSu-57の設計を煮詰めて量産型に反映すること、実戦含む運用上の知見を得ることで、シリアが試験場になったということだろう。
「戦闘テストなのは最初から明らかで量産仕様の調整が目的でしょう」(カシン)
ロシア式のやり方は独特でリスクがないわけではないがシリア上空にSu-57を飛ばせば同機に関心を寄せる米軍としても情報面で大きな収穫になり、新型機をまじかで見られう。だが新型機、開発途上の機材はとかく技術面で故障を起こしやすく、クレムリンの選択はギャンブルと言ってよい。■
Dave Majumdar is the defense editor for The National Interest. You can follow him on Twitter: @davemajumdar.

Image: Creative Commons.