2021年6月11日金曜日

2030年米中が台湾をめぐり開戦に....IISSシミュレーションでわかること。中国は台湾防空網を機能喪失させ、米空母も無力化する。

 



How Chinese Unmanned Platforms Could Degrade Taiwan’s Air Defense and Disable a US Navy Carrier

2009年の建国60周年軍事パレードに登場した中国製無人機ASN-207

Credit: AP Photo/Vincent Thian, File


ここがポイント: 台湾をめぐる米中対決の架空戦シナリオで新技術がどう投入されるが見えてくる


国が台湾侵攻に踏み切った場合、米国は台湾を防衛できるのか、いやそもそも防衛すべきなのかと米国内の国防、外交両面で議論がかわされている。軍事技術の進展ぶりのためこの答えが出しにくくなっており、とくに人工知能、サイバー、ロボット、極超音速の分野で海峡を挟む中国、台湾間のバランスが質的量的にどう変わるのかという疑問はそのまま米中間にもあてはまる。


こうした新技術が東アジアの軍事バランスにどんな影響を与えるのかを理解すべく、本稿では台湾をめぐり米国と中国が軍事衝突した想定のシナリオを2030年の想定で提示する。以下のシナリオでは人民解放軍(PLA)が無人機(UAV)を大量投入し、台湾の防空体制の機能を低下させ、無人水中機(UUV)群が米海軍の空母打撃群(CSG)をフィリピン海で標的にすると想定した。2030年の架空シナリオでは新技術が作戦構想に加わり、将来の状況でどんな判断を統帥部が下すかを考察している。また、記事の後半では中国で新技術がどこまで進展しているかを取りあげる。シナリオはあくまでも新技術の威力を示しつつ、作戦概念とあわせ指導部の決断に触れるものであり、2030年代に想定される現実政治の課題解決を示すものではない。


2030年シナリオ:中国無人装備により台湾防空体制が機能低下し、米海軍空母が稼働不能となる


中国中央軍事委員会の統合参謀議長は満足している。議長は空海双方でもっと積極的に無人装備を投入すべきと説いてきたが、「守旧派」が有人機、艦艇こそ攻撃作戦の中核だと主張する前に苦戦してきた。それが台湾、米国を相手に開戦三日目にして議長の推す無人装備が効果を実証している。各司令部にほぼ同時に情報が入ってきたのだ。人民解放軍空軍(PLAAF)のUAVsおよび人民解放軍海軍(PLAN)のUUVsが成功をおさめ、台湾の中長距離防空体制を圧倒し、米海軍フォード級空母USSエンタープライズがフィリピン海で行動不能になっている。



PLAAFはGJ-11無人戦闘航空機(UCAV)を200機近く投入し、ISR、電子戦、兵装とそれぞれ異なる仕様で台湾の中長距離防空陣地40か所を攻撃した。この攻撃はPLAAFが2028年に採択した「敵防空体制制圧」作戦構想の最終段階となった。UCAV攻撃に先立ち弾道ミサイル、巡航ミサイルによる攻撃があり、極超音速ミサイルも投入され台湾の指揮統制拠点を狙ったほか、サイバー攻撃で台湾のレーダーや宇宙配備ISR衛星システムを一時的だが機能低下させた。


議長は洪都GJ-11の活用を強く進め2022年に量産を始めさせたほか、第15期五か年計画の下でGJ-11の第二生産ラインも稼働させ、2030年までに長距離UCAVを200機調達する目標に向かっていた。「消耗品扱い」の各機が真価を発揮した。十数機ずつに分かれたUCAVはPLAAF操作員がひとりで衛星リンクで制御し、台湾に残るMIM-104ペイトリオット、MIM-23ホークのほか天弓II、IIIのSAM陣地を全部攻撃した。


だがもっと大きなニュースがフィリピン海から入ってきた。USSエンタープライズに武装UUVの大群がAI応用のセンサーを搭載し、PLANの093A商II級原子力攻撃型潜水艦 (SSN)群から発進させた。エンタープライズ空母打撃群の探知範囲より外から各SSNが十数機のUUVを発進し、各UUVはCSGの航行予測地点で待機させた。これまでに海中設置センサー網や通信ブイをあらかじめPLANが台湾へ向かう航路に設置していたことでデータは得られた。


議長は「スマート機雷」作戦構想を強く推進し、潜水艦発進式のUUVsを数週間にわたり待機させる、浅海域では海底に待機させ、攻撃命令が下れば、一斉に大群で敵を攻撃する構想だ。この実施を早めようと議長は既存兵装の改造案を提唱し、大型魚雷Yu-9がUUVに転用された。UUV大群はCSGの防御網を突破し、対抗策を数で圧倒し、アーレイ・バーク級誘導ミサイル駆逐艦一隻が水没し、エンタープライズの各30トンプロペラ四基を稼働不能にし空母は戦闘不能となった。米海軍もこうした攻撃を想定し対抗策を練っていたが、PLAは米民間企業が進める対抗策を諜報活動の対象とし、あらかじめ対抗策を無効にできたのだ。


2021年時点での新技術の現状:中国のUAV


中国の2019年版国防白書では「長距離精密インテリジェントかつステルスの無人兵器装備の開発がトレンドとなっている」と強調していたが、UAV大量投入技術では無人装備を集団で相互連携して使用することが共通の目標だが、現状はまだ開発初期段階であり、今すぐにも戦場の様相を一変せせるわけではない。中国は非武装型、武装型I双方のISRの開発をここ20年展開している。2018年版白書では北京合同軍事技術学院のUAVシステム開発が具体的な目標を設定し、2035年までに軍事UAV技術で世界のトップに立つとしている。第14期五か年計画(2021年-25年)でもUAV開発を重視している。2020年9月には「自殺攻撃無人機」200機の編隊で戦闘攻撃のシミュレーションを実施している。この際は中国電子情報技術学院が発射管方式で各機を飛行させた。同様なテストは2017年にもあり、UAV100機に偵察行動を同時に取らせた。


中国は大量のUAVを艦艇、地上車両、ヘリコプター、爆撃機から展開する構想だといわれる。国際戦略研究所(IISS)による研究では中国国防産業秋はUAV/UCAVを20型式以上開発中とあり、そのうち少なくとも15型式が中国本土から台湾に到達する能力があるという。2030年シナリオに登場したステルス無人機GJ-11はPLAAFの第178旅団によるテスト評価作業を新疆で受けているとの報道がある。


現在の中国におけるUAV開発やPLAによる将来のUAV戦力の著述からPLAがUAVを広範に投入する構想を持っていることがわかる。ISR、空中早期警戒、攻撃、有人機と投入する忠実なるウィングマン機能、サイバー、電子戦用途だ。PLAの著述ではとくにUAV大量投入による攻撃を重視している。中国人戦略専門家二名による分析では、UAV大量投入により「全方位防衛網突破」が可能となり、多方面から飽和かつ合同攻撃を実施し、サイバー攻撃、電子攻撃に加え運動エナジー効果が期待できるとある。



2021年時点での新技術の現状:中国のUUV


中国の軍用UUVに関する公開情報は皆無に近い。PLANが2019年に初公開したUUVはHSU001の名称で水中ISR任務に特化しているようだったが。しかし、HSU001は兵装ペイロード搭載も可能だ。Yu-9魚雷の改装がここに加わるとは思えないが、電動推進は魚雷で応用される傾向が出ており、長距離長時間の稼働が可能となるとUUVに近くなり、長時間水中待機させれば機雷と同じ効果が実現しそうだ。


UUVやUUV大量投入を成功させるためには技術課題が多い。たとえば、通信や航法の問題があり、攻撃用に使おうとすると水中送信に反応時間と低帯域が付きまとい、敵の探知するおところとなる。光通信では有効距離が限られ、UUVの大群を制御するのは複雑な作戦環境ではヒトによる制御が不可欠となる。現在のバッテリー技術では2030年時点でのUUV長時間運用は実現困難だ。PLANのUUV運用は米国等西側各国より遅れる観がある。


中国が整備を進める無人海洋観測ネットワークに近年開発中の各種自律水中グライダーが加わっている、PLAが無人装備に強い関心を示していることがわかる。海洋観測活動に加えPLANは従来から西側海軍の優勢を非対称的に覆す手段として機雷戦を重視しており、UUV運用はISR、対潜戦、機雷戦、補給活動を中心とするPLANは今後は既存の大型魚雷を「スマート兵器」に転用するR&Dを進めるだろう。これにより自律運用型の機雷原が2030年までに出現する。PLANはUUVと有人潜水艦の同時運用で先を行く西側との差を急速に詰めてくるだろう。米国は2020年時点で水中戦力は潜水艦の隻数だけでは評価できないと公言している。


台湾に向けた武力侵攻の課題の解決のためPLAは一貫して米CSG戦力の無効化へ最大の関心を向けている。中国の最新の軍事目標は台湾作戦の早い段階で成功を確保することで、最大の標的が米CSG戦力である。このため奇襲性のある新型兵器を投入することが戦略目標となる。通信、航法、自律運用の技術が進展しており、新たな戦力が今後も実用化されるはずだ。


結語


今回のシナリオで主に二つの点を明らかにした。まず、将来の軍事衝突の行方を決するのは各種要素の相互関係であり、この重要性を強調した。要素には軍民の人間としての動き、新規運用コンセプトや方針、柔軟な戦力構造、新技術がある。二番目に、シナリオでは将来の軍事衝突における技術決定論的は側面に光を当てた。4IR技術で優位であっても将来の戦場で勝利を自動的におさめることにはならない。技術優位性を過信すれば、各種要素による出費となり逆の結果になる可能性もある。


最後ながら、注意点がある。将来の戦闘予測の歴史はひどい結果に終始してきた。ごくわずかの予測が的中したにすぎない。今回のシナリオがそのまま実現しないこともありうる。とはいえ、架空シナリオで今後の姿を予測することは有益だ。ローレンス・フリードマンの著書“The Future of War: A History”を引用する。「想像の産物は今後発生する事態に備える際に選択肢の絞り込みで効果を発揮し、また実際に先見の明を発揮することもある。このため、真剣にとらえる必要がある。ただし、疑い深く取り上げるべきである」■


This article has been adapted from a chapter in the 2021 Regional Security Assessment, which is published annually by IISS.

AUTHORS


How Chinese Unmanned Platforms Could Degrade Taiwan’s Air Defense and Disable a US Navy Carrier

By Franz-Stefan Gady

June 08, 2021

 

Franz-Stefan Gady is a Research Fellow at the International Institute for Strategic Studies (IISS) focused on future conflict and the future of war. Follow him on Twitter.


2021年6月10日木曜日

どう考えてもおかしい。韓国の原子力潜水艦調達の狙いは北朝鮮ではなく、日本だ。実現しないことを祈りましょう

 

 

 

 

 

ここがポイント:韓国が原子力潜水艦を運用しても北朝鮮の核・非核戦力を阻止できない。

 

 

し隣国が北朝鮮なら強力な陸軍、空軍に強力な兵装を搭載し、ミサイル防衛の整備も必要になる。

 

原子力潜水艦で外洋を航行させても無用だ。敵は首都から30マイル先に布陣しているのだ。

 

にもかかわらず、南朝鮮は原子力潜水艦導入を真剣に検討している。南朝鮮海軍は検討チームで原子力潜水艦開発を研究しているのを認めている。

 

「長期的に原子力潜水艦導入を捉え、専用チームを立ち上げている」と海軍当局は議会で答弁したと聯合通信が伝えている。

 

現時点でプロジェクトは構想段階のようだ。「専用チームがあるからといってすぐにでも導入を目指しているわけではない。何も決定されているわけではない」「主に情報収集だ」と海軍関係者が述べている。

 

原子力潜水艦取得が話題に上るのは今回が初めてではない。2003年に南朝鮮はメディアにこの件が漏れて、検討を棚上げした。「その後2017年に国防部が民間機関を通じて研究をし、軍は改めて導入の必要を意識した」と聯合通信にある。

 

南朝鮮は通常型潜水艦建造計画を進めている。2018年にKSS-III級潜水艦(3,700トン)の一号艦が進水し、同級は9隻建造し、巡航ミサイルや弾道ミサイルを搭載する。「軍は3,000トンの張保皐Chang Bo Go-III級を原子力推進化する案を推すとの見方がある」と聯合通信は伝え、「2031年までに同級の国産建造を始めるべくプロジェクトが立ち上がっておrい、早ければ今年にもシステム開発が始まる」

 

だが疑問は残ったままだ。南朝鮮に原子力潜水艦が必要な理由とは何なのか。国の威厳が一つの答えだ。だが米オハイオ級は19千トンの大きさで建造費維持費も高額にもかかわらず、KSS-IIIのような大気非依存型艦よりノイズが大きいのが事実だ。

 

南朝鮮が対処すべき脅威は北朝鮮の核兵器だろう。弾道ミサイル、さらに大量の戦車部隊や特殊部隊が控え、さらにソウルを「火の海」に一変させる長距離砲やロケットが隠されている。原子力潜水艦ではこのいずれも阻止不可能だ。たとえ弾道ミサイルを搭載したとしても。

 

だが、南朝鮮は原子力潜水艦が抑止力を生むと考えている節がある。原潜は海洋奥深くに長期間潜み、北朝鮮がDMZを突破し侵攻してくれば、潜水艦からミサイルを発射し報復攻撃を加える。おそらくもっと重要なのは、米国に依存せず南朝鮮が独自に運用することだろう。

 

だがこの用途で原子力潜水艦が必要になる理由とは何か。イスラエルの通常型ドルフィン級潜水艦は核搭載巡航ミサイルを搭載しているといわれる。紅海から東地中海に展開すればイランも攻撃範囲に入る。南朝鮮海軍でも通常型潜水艦で日本海からピョンヤン攻撃は可能だ。

 

そうなると最終的な疑問はこれだ。北朝鮮を米韓の強力な軍事力で食い止められないのであれば、米国の核兵器体系でも抑止できないのなら、南朝鮮の原子力潜水艦一隻で抑止効果が期待できるはずがないのではないか。

 

北朝鮮は南の最大の敵ながら、潜在的な敵はこれ以外にもある。日本と南朝鮮の緊張はここにきて高まっており、日本の哨戒機と南朝鮮海軍の駆逐艦で発生した事件もあった。南朝鮮潜水艦の弾道ミサイルは日本に照準を合わせるのではないか。あるいは日本経済を圧迫すべく通商路を襲撃するのかもしれない。

 

両国間の軍事衝突が発生するとは思えないが、ミサイル搭載の南朝鮮原子力潜水艦が実現すれば、北朝鮮より日本にとって不愉快な装備になりそうだ。■

 

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Does South Korea Really Need Nuclear Submarines?

June 10, 2021  Topic: Submarines  Region: Asia  Blog Brand: The Reboot  Tags: SubmarinesMilitaryTechnologyWorldNuclear Submarines

by Michael Peck

 

Michael Peck is a contributing writer for the National Interest. He can be found on Twitter and Facebook.

This article first appeared in October 2019.

Image: U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 2nd Class Shaun Griffin


日本ではだれも報道しないCovid-19発生源調査。報告書が出た後の対応はこうなる。

  

Coronavirus Origins

雪嵐が中西部を襲った2021年2月16日に電話報告を受けるジョー・バイデン大統領

(Official White House Photo by Lawrence Jackson)

 

Covid-19発生源の調査が始まった。道は平易ではない。ジョー・バイデン大統領が情報各機関に起源を90日以内に突き止める調査を命じ、何らかの答えが出てくる。実験室の漏出事故なのか、自然発生説が改めて確認されるのか、あるいは結局結論が出てこないのか、のいずれにせよ結果が生む影響は大きい。

 

調査結論が出て終わりではない

 

情報操作が武器になっている今日では、ウィルス陰謀説に政府への不信が加わり、調査結果が出てそれで終わりになるとは到底思えない。研究部門はじめ専門家でも意見が分かれる中で、中心となる情報各機関には評価の面で向かい風だ。情報機関は事実を暴くというよりも、自らが関与していたり、結論を都合よく取り繕い、事実を隠ぺいするのではないかとみる向きが国内外に多い。米陸軍が武漢にウイルスを持ち込んだとの主張があったことを思い起こしてもらいたい。何らかの結論が出てもゆがんだ意見が逆に出そうだ。

 

調査作業がこれから90日後に答えをだすはすだが、そのあとは、わが国外交政策や安全保障、公衆衛生、さらに国内情勢を平穏に保つ必要がある。調査結果と結論が出てそれで終わりではないのである。

 

調査結果後が大事だ

 

外交面では、民主体制国家間で連携を強める好機となる。分断化リスクもある。インド太平洋のみならず各国を巻き込んで進めるべきだ。同盟国友好国を同じ方向にまとめるためには、最初から各国を関与させるべきだ。中国当局を排除した協議ではまずい。世界保健機関も同様だ。排除すれば敵意が増殖する。中国にはドアを開けておく必要がある。ただし、中国が透明性や協力関係を拒む予測があるのだが。民主国家群の中に強固な連携が生まれ、自由で開かれたインド太平洋への支持を確保する。次の感染症の予防管理も含まれる。

 

武漢実験施設の管理のまずさを指摘する結論へ中国からは猛烈な反発が出るだろうし、流行発生後の管理方法も指摘されたくないはずだし、国際協力の不足も同様で、動物からヒトへの感染説も同じだ。こちら側は情報作戦力を強化し、調査結果への疑問や反発を想定し、あらかじめ準備をしておく必要がある。その中で、非難対象は中国政府であり、中国国民ではないと一貫して伝えるべきだ。9/11直後にジョージ・W・ブッシュ大統領が米国内のイスラム教徒に危害が及ばないよう配慮した事実を思い出してほしい。ただし、ウィルスの被害を考えると全く同じにはいかないだろう。

 

国内で備えるべきこと

 

国内ではアジア系や太平洋島しょに出自を持つ市民への乱暴な言動が随所に見られるのが現状だ。こうした状況を放置すれば悲劇の上乗せになる。ドナルド・トランプの実験室漏出説で世論が二分されている。専門家も当初は公の場で意見を述べなかったものの、ここにきて自由に主張し始めている。新情報が出てくれば、2019年末に発生した実験施設での発症事例に再び関心が集まり、再調査を求める声は必至だろう。過激対応は避けたいが、事実が公になればゼロとはいかないだろう。

 

米国はじめ世界各地での発症数、死亡数は本当に悲劇だった。発生後の医学調査分析は世界にとって救いになるべきであり、各方面の関係悪化を招いてはならない。■

 

 

筆者ウォーレス・C・グレグソンJr はCenter for the National Interest で中国太平洋部部長。2005年に海兵隊を中将で退役した。退役時職責は米海兵隊太平洋地区司令官、太平洋方面艦隊海兵隊部隊総監、太平洋地区海兵隊基地群司令。オバマ政権でアジア太平洋方面安全保障問題次官補。

 

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Coronavirus Origins: What Happens When We Have the Answer?

ByWallace GregsonPublished13 hours ago

 

 

 


2021年6月9日水曜日

台湾への連日のようなPLAAF機接近飛行のいやがらせは、第三次中東戦争の前にイスラエル空軍が展開した欺瞞作戦に通じるものがある。警戒すべきだ。

 

ここがポイント: 連日のような中国機の台湾近辺への飛行接近とイスラエルが六日間戦争前にエジプトを対象に展開した欺瞞作戦の間に戦略的な類似性があることを見逃してはならない。

 

54年前の1967年6月5日早朝、イスラエル空軍(IAF)がエジプトの主要航空基地、防空陣地、指揮命令所へ奇襲攻撃をしかけ、六日間戦争が始まった。同日午後までにIAFはエジプト航空基地17か所を500ソーティーで攻撃していた。エジプト空軍は約200機を失い、大部分は地上で撃破された。IAFは同時にシリア、ヨルダン、イラクにも攻撃を実施し、同日夜までに航空優勢を確立できた。奇襲攻撃によりイスラエル陸軍部隊はシナイ半島の奥深くまで侵攻し、6月10日までにシナイ半島はイスラエルの占領地となった。さらにガザ回廊、西岸地区、東エルサレムに加えゴラン高原も占領した。驚くほどの規模で戦勝できた背景に航空戦力の存在があり、地上部隊は敵機の妨害を受けずに進軍できた。さらにIAFは近接航空支援(CAS)を自由に展開しつつ、敵部隊を制圧できた。

 

だが、なぜIAFはエジプトを奇襲攻撃できたのか。またこの事例は今日の台湾にも教訓となるだろうか。

 

IAFは数年間にわたりネゲブ砂漠上空への飛行を繰り返していた。エジプト軍も最初こそ、レーダー追尾し、戦闘機をスクランブル出撃していたが、あまりにも長く続いたことで事態に慣れ、そのうち真剣に取り合わなくなった。六日間戦争の二年前、IAFはほぼ毎日地中海方面へ機体を飛ばし、波頭ギリギリの低空飛行でエジプトレーダーの追尾を無効にし、その後上昇して帰投することを繰り返していた。そこで、6月5日早朝のイスラエル奇襲攻撃だが、エジプト防空部門は毎日繰り返されるIAF機の飛行だと警戒していなかった。IAFによる欺瞞作戦が効を奏した。無害なフライトを繰り返して奇襲攻撃が成功した。

 

これは中国人民解放軍空軍(PLAAF)が台湾の防衛識別圏(ADIZ)内への飛行を繰り返している事態に重なる。PLAAFは台湾ADIZ内に昨年以来ほぼ毎日機体を飛ばしており、台湾海峡の中央線を越えさせ、台湾防空体制にゆさぶりをかけている。2020年1月から10月にかけ、台湾空軍(中華民国空軍ROCAF)のスクランブル回数は2,972回になり、PLAAF機を台湾ADIZ内でインターセプトした。台湾国防部は2020年9月からこうした侵犯事例を発生の都度公表している。

 

PLAAF機インターセプトに機体を発進させるのは高い負担につく。台湾は2020年度国防予算の9パーセントに相当する10億ドルを支出している。それ以外にもROCAF戦闘機が恒常的にスクランブル発進していることで機体の疲労破損が進み、整備費が上昇し、いざというときに対応可能な機数も減る。

 

今年3月にこうしたスクランブル対応が大きな負担となったとの認識で、ROCAAFはPLAAF機体がADIZに進入しても毎回スクランブルせず、レーダーと対空ミサイルでPLAAF機の動向を追尾監視することとした。これに対し中国はほぼ連日の台湾ADIZ侵入のペースを緩める兆候を見せていない。4月12日にPLAAFは25機と最大規模の航空展開を見せ、うち14機が瀋陽J-16攻撃戦闘機、成都J-10多任務戦闘機4機、西安H-6戦略爆撃機が4機だった。

 

こうしたPLAAF機の動きの背後にある意図の解釈には諸説あり、バシー海峡の監視活動、台湾軍や米海軍に自軍の威容を見せつける、新型機を動員しての長距離演習だとか、米台両国への政治的なメッセージとの解釈があり、真相はわからない。とはいえ、中国機の展開状況と六日戦争前のエジプトへのイスラエルの欺瞞作戦に類似性が見られ、深刻に受け止めるべきである。■

 

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Why Israel’s 1967 Surprise Attack on Egypt Is a Warning for Taiwan

June 7, 2021  Topic: Taiwan  Region: Asia  Blog Brand: The Buzz  Tags: TaiwanIsraelSix Day WarMilitaryIsraeli Air ForceChinese Air Force

by Adam Leong Kok Wey

Dr. Adam Leong Kok Wey is associate professor in strategic studies and Deputy Director of Research in the Centre for Defence and International Security Studies (CDiSS) at the National Defence University of Malaysia.

 


2021年6月8日火曜日

MQ-25スティングレイが初の空中給油に成功。艦載無人給油機の実用化に大きな一歩となった。IOC獲得を2025年目標とし、タンカー任務以外にも期待が広がる。

 MQ-25 refueling

Boeing 

 

ーイングMQ-25スティングレイのテスト機T1が初の無人給油機として有人機への空中給油に成功した。MQ-25を空母航空団(CVW)に加えようとする米海軍に大きな一歩となった。

 

海軍航空システムズ本部(NAVAIR)とボーイングが本日発表した内容ではT1テスト機はF/A-18Fスーパーホーネットへの空中給油に2021年6月4日に成功したとある。MQ-25はイリノイ州マスクータのミッドアメリカ空港を離陸し、主翼下の空中給油タンクAerial Refueling Store (ARS) からスーパーホーネットへの給油に成功した。

 

BOEING

6月4日、MQ-25のT1がF/A-18Fへ空中給油に成功した。

 

戦闘機が給油前に無人機に20フィートまで接近した。給油機は曳航するバスケット状のドローグをスーパーホーネットの標準型給油受け口に接続した。両機は実際の給油時の速度、高度を維持したとボーイングは発表。

 

「今回のフライトは空母運用につながる基礎となり、有人機無人機チーム構想の能力を拡げる」と無人航空攻撃兵器の事業評価室長ブライアン・コーリ海軍少将が述べている。「MQ-25により将来の空母航空戦力の飛行距離、飛行時間が大幅に伸びる。空母の搭載機材を増やす野と同じ効果が生まれる」

 

「今回の歴史的な達成はボーイング=海軍チームがめざすMQ-25による空中給油能力の実用化に大きな意味がある」とボーイング・ディフェンス・スペース&セキュリティ社長兼CEOリーアン・キャレットもコメントを発表した。「近い将来に無人装備を防衛作戦に安全かつ確実に統合する際にチームの作業が推進役となっている」

 

「無人給油機により攻撃機材が給油機任務から解放され、空母航空団は飛行距離を伸ばし、柔軟かつ高い機能を発揮できるようになる」と海軍無人空母航空機材事業室の主査チャド・リード大佐も述べている。「MQ-25がF/A-18への空中給油に成功したことでMQ-25が空母搭載への道を着実に歩んでいることが証明された」

 

初の有人機向け空中給油作業で各種データが収集できた。両機間でどんな空気力学が発生するのか、また誘導制御システムの信頼性についてだ。こうしたデータが集まり、テストチームは無人機側の飛行制御ソフトウェアに必要な改良を検討する。

 

6月4日の実証は史上初の無人給油機による有人機向け空中給油となったが、空中給油に無人機を使う発想は以前からあるものだ。

 

2015年にノースロップグラマンは海軍とともに完全自律式の空中給油に成功した。この際はX-47B無人戦闘航空システム実証機 (UCAS-D)がボーイング707改装タンカーから給油を受け、初の無人機への空中給油となった。

 

U.S. NAVY

X-47Bは初の自律空中給油の実証に2015年4月22日成功した。チェサピーク湾上空だった。 

 

これに先立ち、2012年にはDARPAの高高度空中給油開発事業で完全自律空中給油を無人機間で実証している。この際は改装したRQ-4グローバルホーク2機を接近飛行させ、プローブ-ドローグ方式で接続させた。

 

今回のMQ-25による初の空中給油の前に同機のデジタルモデルによる空中給油シミュレーションが相当回数にわたり実施されていた。

 

NAVAIRは「T1のテストは今後数カ月にわたり続け、飛行性能の限界を徐々に伸ばし、エンジンもテストし、空母艦上での取り回し実証も今年後半に行う」としている。初めて搭同機を載する空母もUSSジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-77)と決まった。

 

MQ-25はARSポッドを搭載したままで飛行を昨年12月から始め、T1はこれまでミッドアメリカセントルイス空港を本拠地として飛行を続けてきた。同機の初飛行も同空港で2019年9月に行われた。ARSの製造はコバム社が行い、同社はF/A-18スーパーホーネット用の給油用ポッドを流用している。

 

米海軍の最新予算要求文書では「MQ-25スティングレイによりCVWミッションの有効飛行距離が伸び、現在痛感されている空母打撃群(CSG)のISR能力不足を部分的にせよ解消し、将来のCVW給油機不足を補うことが可能となり、攻撃戦闘機不足を緩和しつつ、F/A-18E/Fの機体寿命を維持する効果が期待できる」とある。

 

MQ-25では給油ミッション以外に情報集監視偵察(ISR)任務も行わせるとしている。また、これ以外の可能性もある。

 

とはいえ、MQ-25で期待される性能内容は以前あった無人空母運用航空偵察攻撃機(UCLASS)構想より現実的な範囲におさまっている。UCLASSはステルス無人機として高度な防空体制を突破し、攻撃任務と合わせISRミッションも行う想定だった。この点で、MQ-25実証機はUCLASSの焼き直しであり、ステルス機能を保持しているが、機体上部に設けられた空気取り入れ口機構など高度な内容も実現している。

 

他方でMQ-25のT1は専用テスト機として今後のスティングレイの完成形ではない。まず技術生産開発(EMD)用に4機が2018年契約に基づき完成する。昨年はさらに3機の改修契約を海軍はボーイングに交付している。タンカー/ISR任務に加え、各機で海軍は初の空母搭載無人機を使い「海上運用のC4I無人機技術の実証を試み、多任務UAS実現に道を開き今後の脅威に対応させたい」としている。

 

数か年かけてボーイングはEDM機材を納入し、セントルイスでテスト作業を続ける。機材はその後パタクセントリヴァー海軍航空基地(メリーランド)に移り、残りの飛行テストに供される。テストはレイクハースト(ニュージャージー)やエグリン空軍基地(フロリダ)でも展開される。

 

ただし、MQ-25事業に遅延が発生している。海軍は設計と機体強度の適正化のため設計作業が中断したこと、製造工程で見つかった品質問題(詳細不明)に加えCOVID-19大流行の影響が製造、引き渡しに発生したと述べている。このためEDM一号機の引き渡し時期がはっきりしない。とはいえ、同機の飛行テストは2022年度に始まる予定だ。

 

海軍はMQ-25を72機導入する計画としており、2025年度に初期作戦能力獲得を目指し、まずE-2部隊でスティングレイと共同運用訓練を行う。

 

ともあれ、今回MQ-25実証機で初の空中給油に成功したことは重要な一歩となり、海軍は初の艦載無人機の実現に近づいた。■


追補

 

米海軍の報道機関向け発表で6月4日の歴史的フライトの詳細が以下明らかになった。T1ととんだF/A-18Fは海軍テスト評価飛行隊23(VX-23)の機体だった。

 

フライトは4.5時間におよび、F/A-18Eが無人機に接近し、標準的な目視観察位置につき、ホース、ドローグの様子を点検した。スーパーホーネットが接続前位置につくと地上のMQ-25操作員がF/A-18に無線交信し、バスケットが稼働した。戦闘機側が無人機に接近し、後流の影響を調査した。テストパイロットによれば無人機から戦闘機への影響は無視できる範囲であり、安定度はかなり高かったという。

 

F/A-18はいったん後退し、T1がホース、ドローグを展開すると、スーパーホーネットがその様子をチェックした。無人機主翼下から展開するドローグの見易さもその一つで、これまでは戦闘機中心線下にポッドがあるためだ。一回目のコンタクトは燃料を通過させず、その後実際に燃料を投入したコンタクトを高度10千フィートで実施した。

 

T1の主翼タンクとARSには燃料配管がないため、今回の給油ポッドには500ポンドしか搭載されていなかった。合計325ポンドの燃料を移送し、次に高度15千フィートで別の給油を試み、今回は燃料を流さず接続だけした。

 

海軍の説明では今後六カ月にわたりT1で空母運用実証を行い、給油対象機材にE-2を加えるという。T1を停泊中の空母に搭載し、艦上での取り回しを実証する。同機にはカタパルト発艦、拘束回収の装備は搭載していない。本来、MQ-25は空母運用想定にもかかわらずT1にこの装備がない点に関心を覚える。

 

EMD機材一号機は2022年秋の引き渡しになる。外観上はT1と大きく異なる機体にはならない。エンジンもロールスロイスAE3007Nターボファンで共通だ。

 

EMD-1の製造はセントルイスで進行中で、EMD機材は7機と静止試験用2機が発注されている。初期作戦能力獲得は2025年早々に予定されている。■

 


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The Navy's Tanker Drone Makes History By Refueling A Manned Aircraft For The First Time (Updated)

BY THOMAS NEWDICK JUNE 7, 2021