2021年8月18日水曜日

アフガニスタン情勢の急進展をイスラエルは冷静にこう見ている。アフガニスタンが再びテロ活動の温床になる。

 


カブール空港でアフガニスタン人に銃を向ける米兵。同空港には数千名が押しかけ国外脱出を図っていた。August 16, 2021(Wakil KOHSAR / AFP)


スラエル政府関係者はアフガニスタン情勢を神経質そうに眺め、週末の政府転覆によりアルカイダがテロ活動を世界規模で展開し米国、イスラエルが標的になりかねないと見ている。


タリバン、アルカイダはアフガニスタン国内の米軍を放逐したことで、「大きく扉が開き」テロ活動をアフガニスタンから展開できるようになったとの感触が国防関係筋には強い。ある筋からはアルカイダがテロ活動を米国の「権益」に仕掛ける事態が極めて近い将来に発生するので米国は備えるべきとの声がある。


「アルカイダがアフガニスタン情勢に付け込んで戦闘員を募集しテロ襲撃を計画するのはまちがいない」と上記筋は見ている。


現時点でアフガニスタンの首都は空港除きタリバンが占拠しており、空港は米軍2500名が防御している。ペンタゴンは16日に米市民国外脱出を助けるため部隊を追加派遣すると発表。中央軍はタリバン関係者と接触し、撤収作戦中の衝突回避を協議したと伝えられる。


米国のアフガニスタン撤収についてイスラエルから公式コメントは出ていないが、国防上層部筋はBreaking Defenseに対し、域内各国からは米国の約束に幻滅を覚える日になったと述べた。


「米国が逃げ去る姿、あとにテロ集団による乱暴狼藉が残る形になったのは悪いサインで一部国への影響が避けられない」とイスラエル国防筋は述べている。


イスラエルの国防トップ、政界トップは異口同音に米国の退場でアフガニスタンが崩壊している一方で、イランが侵略行為を続けており、レバノンが政治的に不安定になっていることで域内で大きな火の手が上がるとの見方をしている。なかでもヨルダンあるいはイラクが「過激聖戦主義者の念入りな計画行為にふりまわされかねない」との見方がある。


バイデン政権によるアフガニスタンの扱い、さらに域内全体の扱いに不満を隠せない関係者もいる。「アフガニスタンで起こっているのはガソリンを火にまいたのに等しい」という声もある。


「中東へ悪影響が出る」と語るのは、退役中将エイモス・ヤドリンで軍事情報部門長を務めた。「域内ではエジプト、サウジアラビア、バーレーンが米国の同盟国だが、軍事危機の際に米国は頼れないと感じている。ここから引き出せる結論はこうした国がロシアや中国との軍事関係の強化に向かうことだ」


とはいえアフガニスタン崩壊で域内で提携先を求める各国からイスラエルに防衛関係強化をめざす機会が訪れるとヤドリンはみている。


他方で、アフガニスタンが9.11以前の状況に戻り、テロ活動の温床になるとの見方があり、イスラエルは自国の防衛体制強化も必要だとヤドリンは指摘している。


常にたがわず安全保障面のイスラエルの懸念事項はイランだ。


タリバンはスンニ派の強硬派集団でイランはシーア派のため、そのまま親交を深めることはない。だが米国はイランがタリバン支援を続け米国の域内権益を混乱させようとしていると非難しており、イランがアフガニスタンと長大な国境線を有していることから、アフガニスタン国内状況には当然関心を有していると解釈している。


イスラエルでイスラム界に詳しいモルデチャイ・ケダールはBreaking Defenseにイランはアフガニスタンへの影響力を強め、「采配を振る」ようになるとみていると語った。


「状況は悪い、とても悪い」とし、イランとタリバンは同盟関係にはないものの、両国のイスラム集団が共通利害から非イスラム国家を標的にしかねないという。


イスラエルにはバイデン政権が域内問題に対して意味のある対処をしていないと懸念を深めている。


アフガニスタン事情があわただしさを見せる中、先週CIA長官ウィリアム・バーンズがイスラエルを訪問し、イラン新大統領エブラヒム・ライシについてブリーフィングを受けていた。


その席上でCIA長官にはイスラエル筋からのデータを示され、イランが進行中の核交渉を利用して、イラン強硬派が実権を握り、レバノンの支配を強める動きを逐一見せつけようとしているとの見解を示されたという。


内部筋によればCIA長官向けのプレゼンでイランに向けたイスラエルの「眼と耳」による情報に長官も驚いたほどだったという。■


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Israel Braces For Renewed Terrorism Coming From Taliban-Led Afghanistan

By   ARIE EGOZI

on August 16, 2021 at 12:57 PM


2021年8月17日火曜日

英第六世代戦闘機テンペスト開発の動向。野心的な内容を見ると、実現すれば英国にF-35は不要になりそう。

 

 

 

国が国産ステルス戦闘機の実現という野心的な事業に向かっている。一方で同国はF-35事業でも中心的な参画国としての地位を守るとしている。

 

英政府はBAEシステムズのテンペスト戦闘機をユーロファイター・タイフーンの後継機として実用化をめざす。2021年3月に英国防省(MOD)はテンペスト調達の優先順位は高いまま今後数十年続くと議会に報告している。「テンペストは国内産業基盤を活用し第六世代戦闘機事業を英国中心に実現するものである」と議会向け説明にある。「完全デジタル事業としてコストを下げながら今までにない機能を実現し、国防調達の姿を一変させる」

 

テンペスト開発のパートナー国にイタリア、スウェーデンがある。英政府もテンペストのカギを握るのは海外投資の流入と認識しており、日本との提携可能性を模索している。

 

その他次世代機と同様にテンペストは独自のセンサー融合機能をめざす。搭載予定のテンペスト・多機能無線周波数システムMulti-Function Radio Frequency System (MFRFS) によるデータ収集プロトコルは「従来のセンサーの4倍の精度がありながら大きさは10分の一になる」とテンペスト事業に加わるレオナルドが説明している。MFRFSは情報にフィルターをかけプロセッサーで情報を動的に生成し、敵の動きから地形図までを提示する。

 

テンペストもF-35同様に空中指揮統制センター機能を実現し、情報を僚機に送る。テンペストは将来に向けたエイビオニクス実用化に大きく賭けており、BAEシステムズでは「ウェアラブル・コックピット」のインターフェースにより従来のアナログ式とともにデジタル入力を廃し、拡張現実(AR)の表示装置を人工知能機能の統合ネットワークがサポートする形で実現する。

 

テンペストでは従来と異なる試作機製作を念頭にしており、兵装レイアウトにもその思想が見える。イタリア空軍のエンゾ・ヴェチアレリ将軍はテンペストに指向性エナジー兵器を搭載し極超音速ミサイルに対応させる可能性を暗示している。「テンペスト機内には利用可能エナジーが潤沢なので指向性エナジーへの活用は否定できない」と述べ、テンペストにも極超音速ミサイル運用、無人機編隊運用の機能が盛りこまれることは以前から判明している。

 

テンペスト事業が開発段階を脱すると、英国のF-35調達の行方がわからなくなる。英国は「レベル1」協力国として138機調達を表明していた。ただし、発注は48機に留まる。138機目標の扱いで態度がはっきりしない。

 

テンペストは2035年までの初期作戦能力獲得をめざしている。■

 

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The Tempest Stealth Fighter's Can't Hide Its Achilles Heel

by Mark Episkopos

 

Mark Episkopos is a national security reporter for The National Interest.

Image: Reuters.


2021年8月16日月曜日

アフガニスタン崩壊。米軍が訓練してきた国軍が自壊したのはなぜなのか。ペンタゴンに戸惑いが広がる。

 

 

Twitter

カブール空港の混乱ぶり

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空軍輸送機に加え契約企業所属の航空機がアフガニスタンに向かい、同国内に留まる米国人、アフガン人数千名の国外脱出を助ける。タリバンがカブールに向かう中、ペンタゴン報道官ジョン・カービーが述べた。

 

先週木曜日に第二の都市カンダハールが陥落し、カービー報道官は「時間が貴重。このままではカブール包囲は時間の問題だ」とした。

 

ペンタゴン内部では迅速な事態の変化に戸惑いが生まれている。米国が訓練してきたアフガン軍がどうして簡単に崩壊しているのか。

 

米国は2002年以来でほぼ830億ドルもの装備、訓練をアフガニスタン国防治安維持部隊ANDSFに供与してきた。このうち航空機、車両だけで100億ドルに上る。

 

「タリバンの侵攻が早く、抵抗らしき抵抗がないことに驚いている」とカービーは述べ、米国から訓練を受けたアフガン軍の反撃を期待していた。

 

「空軍もあるし、装備は近代的だ。組織もしっかりしている」「この20年にわたりわが国が訓練を提供してきた。装備、機材で目に見える形で優位なはずだ。今こそ優位性を発揮するべきだ」

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安全保障専門家には米国はアフガニスタン崩壊を覚悟すべきとの声がある。米軍はアフガン軍を米国のイメージで訓練し、中央集中の指揮命令系統とし、西側の戦闘方法で訓練した。とはいえアフガニスタン駐留米軍でさえ、戦闘員の襲撃に非対称的対応に努めるよう自ら変革してきたのだが。 

 

「ハンビー、戦車、火砲、ヘリコプターがあれば強い軍隊になると考えていた」と語るのはバイデン政権のアフガニスタン構想に反対姿勢を取る民主主義諸国防衛のための財団で主任研究員を務めるビル・ロジオだ。装備品を惜しげなく与えたものの現地部隊に戦闘意欲は育たなかったという。

 

組織的な汚職体質に加えアフガン政府の統治体制が脆弱でアフガン軍への給与支払いが滞り、負傷しても十分な手当もできないまま状況は悪化していった。

 

政府監視プロジェクトの研究員ダン・グレイジアーは元海兵隊でこう語る。米国によるアフガン部隊向け訓練が始まったが、アフガン陸軍を自立機能させる全体計画は存在していなかった。米軍部隊もローテーションで出入りする中で訓練に一貫性が確保できなかった。

 

「最初から現地駐留専門家がないまま、陸軍、海兵隊が自分たちのイメージそのままに現地軍を訓練していった」(グレイジアー)バイデン政権は今年早々に今後もアフガン部隊向けの資金、装備の提供を続けると公約しており、米軍は撤退する中で、タリバンが進撃を続け政府軍が寝返る状況を見てロジオのような専門家には果たしてこれまでの米支援が続けられるのだろうかとの疑問が生まれていた。

 

「これ以上の装備品をアフガニスタンにつぎ込んでもアフガン部隊に戦闘意欲がないため無駄だ」とロジオを見ていた。

 

7月に入りアフガニスタン再建特別監査官が国防総省が37億ドルをアフガン軍向け燃料代に2010年から2020年にかけ出費しており、「さらに14.5億ドルを2025年度にかけ支出する案がある」ことを見つけた。「この燃料はDODがANDSF向けに調達した航空機、車両98億ドル用ならびにANDSFの各基地向け発電用だった」

 

アフガン空軍には20年で130機が供与されており、国防総省は追加機材を提供すると7月に発表していた。内訳はブラックホーク35機とA-29スーパートゥカーノ3機で米軍撤退後もアフガニスタン支援の姿勢のあらわれとした。うちブラックホーク3機が先月に引き渡されている。

 

追加機材の提供予定に変化はないかとの問いに国防総省から回答がまだない。供与してもそのままタリバンの手に落ちるだけだ。

 

警戒する議会は2022年度国防認可法の中にカブール陥落の場合は援助を止めるとの条項を盛り込んでいる。同法案では「タリバンまたは別のテロ集団に資金、補給品、その他を渡さない」こととある。

 

アフガニスタン全土でアフガン軍が急速に崩壊していることから数千名に及ぶ通訳者他米国を助けてきた国民の間に国外脱出がかなわず残留するのではとの懸念が強まっている。

 

米国はカブール空港への追加機材、人員の送付を急いでおり、米軍の国外脱出便のため滑走路を確保する必要がある。

 

アフガニスタンで弁護士として働くキム・モトリーは特別査証発行の支援をしている。モトリーは出国を急ぐアフガン国民から査証発行の遅れで不満が出ているという。

「米国に見捨てられるとの思いがある」「これは人権上の核爆弾で導火線に火をつけたのは国際社会だ」(モトリー)


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The US Spent $83 Billion Training Afghan Forces. Why did they collapse so quickly?

BY TARA COPP

SENIOR PENTAGON REPORTER, DEFENSE ONE

AUGUST 14, 2021


2021年8月15日日曜日

緊急 タリバンはアフガン空軍を捕獲し、米製軍用機を入手することになるのか

U.S officials formally deliver four Super Tucano attack aircraft to the Afghan Defense Ministry, in Kabul, Afghanistan, on January 15, 2016.

 

米国はスーパートゥカーノ攻撃機をアフガン国防省に供与していた January 15, 2016. HAROON SABAWOON / ANADOLU AGENCY / GETTY IMAGES

 

 

フガン国内治安維持軍は米国が支給した銃火器多数を放棄してきた実績がある。米軍撤退を受けてタリバンが支配地を増やす中、アフガニスタンは戦闘航空機材まで失うことになりそうだ。

 

 

アフガン空軍はタリバンへの空爆を続けており、ペンタゴンは事態はそこまでひっ迫していないとする。だが8月13日の報道ではタリバン戦闘員が装甲車両、小型観測無人機、飛行不能ヘリコプターを捕獲している。捕獲がさらに増えてもおかしくない。

 

「米国製装備が敵の手に落ちる事態は絶えず懸念対象だ」とペンタゴン報道官ジョン・カービーが8月13日述べた。「どうしたらその事態を回避できるか、防止できるか、今は予測できない」

 

6月30日時点でアフガン空軍には200機があったが、ミッション投入可能は167機に限られたとアフガニスタン再建担当の米特別監査官がまとめていた。機体の大部分はカブール、カンダハールの二か所から運用していた。だがタリバンは8月13日に航空基地含みカンダハールを占拠している。

翌14日にツイッターにブラックホーク他のヘリコプターがカンダハール空港でタリバンの手に落ちたとの投稿が現れた。ただし、信ぴょう性は確認できていない。こうした機材の多くは武装しているが、実際に威力を発揮するのはプロペラ攻撃機部隊20機程度あるA-29スーパートゥカーノで、近接航空支援用にアフガン部隊へ特別に支給された。レーザー誘導他の爆弾を運用可能だ。

 

アフガン政府軍にはその他MD-530攻撃ヘリ50機もあり、機関銃、ロケットの兵装がつく。またUH-60ブラックホークやロシア製Mi-17ヘリコプター、C-130輸送機、セスナ機も運用するほか、セスナの一部は武装型だ。米国は今後もこうした機材の運用を財政支援していくとカービー報道官は述べている。「アフガン空軍の戦力整備への支援の決意は今も変わらない」

 

ここ20年間に米国はアフガン空軍に130機超を供与してきた。国防総省は7月にさらにブラックホーク35機、A-29スーパートゥカーノ3機の追加供与を発表し、米軍撤退後もアフガニスタン政府支援を継続するとしていた。このうちブラックホーク3機が7月に現地到着している。

 

残るヘリコプター他機材の現状について国防総省の見解は出ていない。これ以上タリバンの手に落ちないよう引き渡しは停止しているのか。

 

タリバンはMi-35ヘリコプターを入手したといわれる。インド政府が供与したものだが、ビデオではローターが欠落している。またタリバンはMi-17ヘリコプター数機が格納庫に予備ローターや部品とともに入手したと発表している。MD-530の一機も捕獲したとするが、大きく損傷しているようだ。

 

稼働可能な機材を入手してもタリバンは適切な訓練がないためと運用に困難を感じるはずと、軍用機に詳しい筋は見ている。訓練を受ければ操縦可能だが兵装運用には別の訓練が必要となる。また機材は定期的保守管理が必要で、長期にわたり飛行を続けるのは困難だろう。

 

とはいえ、敵の手に落ちる前に米国は機材や航空基地を空爆する必要がある。カービーは具体的に述べなかったが実施となれば米軍が動くはずだ。「装備品の破壊となる事態は予測できない。同国政府の装備品活用にむけ支援を続けるのみだ」

 

別の可能性としてタリバンが捕獲機材をロシアや中国に売却し、技術情報が流出することがある。飛行できなくてもタリバンは捕獲機材の映像画像を強力なプロパガンダに利用するだろう。

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タリバンが各都市を奪う前から、供与済み装備品の状況を米国は把握していないとの声が出ていた。

 

昨年12月にアフガニスタン再建特別監察官はペンタゴンが「アフガニスタンへ供与済みで機微性の高い装備品で必要な要求を満たしていない。国家安全保障リスクを最小にとどめ、極秘技術の詰まった防衛装備品の移転や誤用を避ける要求だ」と指摘していた。

 

ジョー・バイデン大統領が米軍撤退を命じたことで、「近接航空支援の要請が増え、機材は酷使ぎみだ。また情報収集監視偵察任務も増える中、米軍の航空支援がないままアフガニスタン国軍は航空補給活動を続けている」と監察官は指摘していた。

 

全機材で推奨点検間隔を25パーセント伸ばしたまま運用が続いていると監察官は指摘し、「サプライチェーンに負担がかかり、定期点検を先送りし戦闘中の損傷に対応できなくなっている」という。■



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The Taliban Captured Helicopters. Can They Capture an Air Force?

These are the lethal warplanes that could fall under Taliban control.

By MARCUS WEISGERBER and TARA COPP

AUGUST 13, 2021


 

2021年度世界の5大軍事大国ランキング。世界の視点であらためて日本の実力を認識すべき。

 

 

界最強の軍事大国はどこか。一見単純な質問だが、実は複雑な要因が背後にある。各国の軍事組織はその国特有の事情の地理条件や地勢戦略にもとづき資源を投入する。この結果、強固な軍事力が生まれてもそのまま他国へ効力を発するものではない。軍事力ランキングを発表したGlobalFirepowerでは独特の計算式で各種要因を考慮し各国を比較している。

 

1.米国

 

米国は2021年もトップの座を守った。二位とは小さいものの、一貫して差を維持している。膨大な国防予算、大規模な産業基盤、巨大な人的資源に支えられ、米国は近代軍事力の基準全部をパスしており、量的、質的にも次点国を航空分野のほぼ全部で優位に立っている。現役空母も最多で、空母打撃群構想で世界各地への攻撃力を維持する。

 

2. ロシア

 

ソ連崩壊後の軍事力衰退を脱し、ロシアは近代化を広範に開始しており、とくに空軍、海軍の再整備に努めている。その成果が2021年に現れ、新世代戦略・巡航ミサイル潜水艦が登場し米国との質的格差が縮まった。新型海防艦他小型艦艇の整備はロシアが沿岸防備力の強化を図る姿勢を反映している。他方で、地上兵力では米国に対し大きく差をつけているが、装甲車両部門は別だ。空軍力も米国が有利でSu-57制空戦闘機に見られるように米国のステルス侵攻機材への防御に投資しているが、自国の侵攻機能整備は後回しになっている。

 

3. 中国

 

ロシア、米国とは大きく差をつけられているが、中国は相当規模の支出を継続して全軍の戦力増強を図っている。世界第二位の国防予算に加え軍務に投入可能な人口規模が最大という利点を生かし、中国軍は短期間で大幅に増強となる可能性がある。今後も野心的な装備品調達が続く見込んで、独自に空母打撃群を編成し、第六世代戦闘機や爆撃機の稼働を始めるものとみられる。

 

4. インド

 

国防費の規模、装備品の規模も上位三国から差があるもののインドは膨大な人口から軍事潜在力を秘めている。特に戦車部隊は一部旧式車両もあるものの強力な戦力を維持しており、沿岸防衛戦力、砲兵部隊も大規模だ。軍事装備品の輸入国の立場だがインドは新しい一歩を踏み出している。ライセンス生産の形だが技術移転が実現し、国産装備品の生産の基盤が生まれつつある。

 

5. 日本

 

日本は2020年にフランスを追い越し第五位についた。経済力、比較的大規模な防衛予算、国内インフラを背景に伸長した。航空戦力は強力で海軍分野も駆逐艦潜水艦で活発となっているが、地上兵力が小規模のためこの順位におちついている。■

 

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These Are the 5 Toughest Militaries in the World Today

by Mark Episkopos

August 13, 2021  Topic: Military Affairs  Region: Global  Blog Brand: The Reboot  Tags: U.S. MilitaryUnited StatesRussiaIndiaChinaJapanMilitary


2021年8月14日土曜日

未確認宇宙現象(UAP)の正体を探ろうとする民間科学者の動き。ペンタゴンの抱える機密データに頼らず、解明をめざす。もはや国家安全保障の問題という認識も。

 

 ターミナル1、ターミナル2共通記事です。


Oumuamua interstellar object

初めて見つかった星間物体オウムアムアの図。発見は2017年10月19日のことだった。

Credit: M. Kornmesser/ESO

 

400年も前にイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが一冊の本を著し、太陽系について別の見方を提示し、地球が中心ではなく太陽の周りを地球が回っていると主張した。

 

著書「天文対話」は物議を醸しだし、以後190年間出版禁止扱いとなった。懐疑派は天体望遠鏡を覗くことさえ拒否し、ガリレオの主張の裏付けとなる木星の月、土星の輪の観察を避けた。ガリレオは残りの人生を囚われたまま過ごした。

 

そのガリレオの名を使い、地球外生命による人工物を探知しようという科学者の一派がある。

 

ガリレオプロジェクトは未確認宇宙現象(UAP)の公開データベース整備をめざす。「目標は現在理解されている物理学に基づいて透明度の高い分析を行うこと」とハーヴァード大宇宙物理学者エイヴィ・ローブが記者会見で7月26日に語った。

 

「科学界にはシステム的科学的かつ透明性ある形で地球外技術の証拠を追い求める必要がある」「地球外技術が発見された場合の科学、技術、さらに世界全体への影響はとてつもなく大きくなるだろう」

 

民間資金で発足したガリレオ・プロジェクトと並行し、ペンタゴンは6月25日の報道発表で軍と情報機関によるUAP目撃事例144件の一次調査結果を議会に伝えたとした。目撃事例の大部分は物理的な存在とし、光学あるいは大気状況による錯視ではない。ただし、詳細情報につながる精度が足りない。「最も保守的な組織である政府がこれを公表したこと自体が異例で、頭上の空に人知では理解できない物体があると述べた」(ローブ)

 

「国家安全保障にかかわる問題だ」とローブは評した。だが目撃例は「軍人や政治家が解釈できるものではない。観察訓練を受けておらず、そもそも科学者ではないからだ。科学界が解明するべきで、天文学者が物体の本質を解明するように進めるべきだ」

 

ペンタゴンのUAPタスクフォースの結論は説明がつかない目撃談多数は米国の極秘技術と無関係ながら、軍のパイロット他信頼のおける人員がこうした事例を目撃していることだ。「そこに大きな意味がある」と語るのはルイス・エリゾンドで、2007年に発足した米政府のUAP調査をねらった高度航空宇宙脅威識別事業の責任者だった。

 

「30年にわたり、超特別な技術へ注意を払ってこなかった。だが、この考え方は終わった」とエリゾンドはワシントンポスト取材にこう述べている。

 

「我々の技術から50年から1,000年先の技術が対象だ。こうした技術なら我々の現有装備より高い性能を発揮できる。要するにいったい何を対象にしているのかわからなくなる。オプションはすべて示すべきだ」

 

ガリレオプロジェクトは研究分野を3つ想定する。UAPの高解像度画像を同時に多数の装置で撮影すること。次に星間物質の探査で、2017年に見つかった葉巻状の星間移動体オウムアムア(ハワイ語で偵察者)の例がある。さらに地球周回中の地球外生命による衛星の存在を確認することだ。

 

「UAPの多くで説明がつくようになればよい。蜃気楼や電磁効果あるいは地学上の現象かもしれない」とプロジェクトの共同創設者フランク・ローキン(バッカーグループ社長兼CEO、科学器具メーカー、本社マサチューセッツ)が述べている。「あくまでも不可知論でとらえ、データは公開する」

 

ガリレオプロジェクトはこれまでの目撃例の評価はしない。「こうした事案は交差検証、証拠に基づく科学的説明につながらないためだ」とローキンは述べた。「霧を取り除き科学的解析をデータを積み重ねて進める。政府所有のセンサーで得たデータは使わない。大部分が機密扱いのためだ」

 

プロジェクトはこれまで1.81百万ドルを集めており、天文望遠鏡のデータを活用する。同グループではオウムアムアのような物体を近い地点から観察すべく宇宙機打ち上げも企画している。■

 

Scientists Launch Privately Funded Hunt For Unidentified Space Objects

Irene Klotz August 05, 2021

https://aviationweek.com/defense-space/space/scientists-launch-privately-funded-hunt-unidentified-space-objects

 

米陸軍のレーザー搭載ストライカー車両が射撃実証を完了。成果は非公表だが、2022年度には実戦配備が始まる。レーザーの実用化は思ったより早く進展している。

  

Photo by Jim Kendall

 

陸軍は無人航空機システム(UAS)、ロケット弾、砲弾、迫撃砲弾(RAM)への対応を目指し、ハイテクレーザー兵器装備の整備を続けている。

 

陸軍の最新広報資料ではマルチドメイン作戦へ対応しつつ新型スタンドオフ機能を実現するとある。

 

中でも指向性エナジーの応用が最も進展しており、陸軍は24カ月でレーザーを車体に搭載し、戦闘用途の試作車を完成させた。

 

無人機やRAMにレーザーで対抗することで陸軍の防空ミサイル防衛体制が充実し、同時にシステム全体のライフサイクルコストが補給活動の必要が減るため低下する効果も実現する。

 

今夏、陸軍迅速能力整備重要技術開発室Rapid Capabilities and Critical Technologies Office (RCCTO)が航空ミサイル防衛機能横断チーム等とレーザー搭載ストライカーをオクラホマのフォート・シルへ持ち込み、指向性エナジー機動短距離防空Directed Energy-Maneuver Short-Range Air Defense (DE M-SHORAD)の戦闘発射実証を行った。実戦部隊をUASやRAMの脅威から防御すべくRCCTOはレーザー搭載ストライカー4両で1個小隊を2022年度までに整備する。

 

「レーザーの初めての戦闘応用となります」とL・ニール・サーグッド中将(極超音速・指向性エナジー・宇宙・迅速調達担当)は語った。中将はRCCTOも統括する。「現時点で技術は準備が整った。未来の扉を開く」

 

戦闘射撃想定ではストライカーに現実を想定したシナリオが準備された。陸軍にとっても初の出来事であり、今後のDE M-SHORAD装備に必要となる特性を考慮した。

 

「前例のない試みです」と語るのはG・スコット・マクロード大佐(RCCTOのDE M-SHORAD事業主査だ。「これまでどこにもない機能を実現し配備する。改修や性能向上ではない。わずか24カ月で政府民間合同で設計、統合の上実用環境で作動する装備に仕上げた」

 

Photo by Jim Kendall

 

DE M-SHORAD用の試作装備は陸軍が進める近代化戦略の一環で対空防衛、ミサイル防衛を意識している。戦闘射撃実証は7月に終わり、隊員は新型装備の取り扱い訓練を完了し、最新技術を通じDE M-SHORAD装備に習熟することができた。数日で装備の操作が可能となり、標的捕捉の技量を示し、交戦を実際を行えるようになった。

 

隊員を考慮した設計が試作装備のあちこちに見受けられる。例えば、訓練では民生用のゲーム用コントローラを使っており、標準型の軍用コントローラより使い勝手が良い。ストライカーの三次元モデルがハンドヘルド機器で使え、仮想的にシステムを移動でき、部品単位で分解できる。またオンラインでシステム研修資料にアクセス可能だ。

 

演習で隊員は実際の脅威を再現した戦闘シナリオを体験した。E M-SHORAD兵装システムは設計どおりの性能を実証し、22年度配備をめざし大きな一歩となった。

 

「今回の実証は迅速試作化の好例となった」とクレイグ・ロビン博士(RCCTOのDEプロジェクト室)が語る。「はじめて戦闘対応レーザーを一定の距離から脅威対象に向け放射した。まだ完全ではないものの、隊員のフィードバックを反映し、将来の指向性エナジー兵器としての完成度を上げていく」

 

「今回の試作品から学ぶ点は多い。2つの狙いがある。一つは隊員が安全に運用できる装備の設計、2番目は、確実に脅威に対応できるようにすること。技術開発は完了している。次は隊員に初の実戦能力を与えることだ」(サーグッド中将)■

 

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US Army evaluates laser-equipped Stryker combat vehicle

ByColton Jones

Aug 13, 2021