2021年9月2日木曜日

アフガニスタンと南朝鮮は同じではない。北朝鮮は注目を集めようとミサイル、核実験を行うだろうが、メディア等は過剰反応すべきではない。地政学的視点が今だから必要だ。

  

 

 

Afghanistan North Korea

Image Credit: KCNA/DPRK State Media.

 

イデン政権はアフガニスタン撤収を正当化しているが、各地の米同盟国に懸念を生じさせた。南朝鮮も例外でない。ただし、アフガニスタンのように現地国民が支援しない戦闘に米国は今後一切関わらないと主張すれば米国は完全に孤立してしまう。

 

アフガニスタンが朝鮮半島に与える影響は少ないと言ってい良いが、カブールの悲惨なイメージからヒステリーに近い反応が出ているのは確かだ。だが朝鮮民主主義人民共和国がタリバン勝利から得る恩恵は無に等しいようだ。

 

ピョンヤンは米国の屈辱を宣伝戦に利用しようとした。その一環で北朝鮮は避難民を発生させたのは米国で、しかも劣悪な扱いをしていると非難した。世界が目のあたりにした混乱状況について北朝鮮は「社会混乱と流血の対立の産物」と評し、「『人権』『民主主義』の隠れ蓑で侵攻介入した行為」の結果とした。今回の避難民は米国が戦闘を集結させたことで発生したのであり、あらたに戦闘を展開したわけではない。ピョンヤンも米国撤収を批判できなかった。

 

さらに北朝鮮はタリバン他急進イスラム勢力を一回も支援していない。無神論に立つ北朝鮮は各集団が反米の立場でも取り扱いに苦慮するはずだ。北朝鮮はハマス、ヒズボラと接触があるが、こうした勢力はむしろイランやシリアの庇護の下にある。

 

タリバン勢力の増進で米国には困った事態になっても、北朝鮮にはモデルとなりえない。北朝鮮の公式見解は朝鮮半島全体を代表するのは同国であり、再統一を同国主体で進めるというものである。北は南内部の反政府勢力を支援しておらず、朝鮮戦争勃発前でも同様だった。タリバンを連想させる勢力が南朝鮮にあったが、金日成が最高指導者の座に上る過程でこれを排除した。

 

近い将来をにらむと米国がROKから兵力を撤退する可能性はない。米軍のプレゼンスはピョンヤンにとって常に標的であり、特に金正恩の妹金与日の発言が激しい。カブール陥落の前から同女史は「半島の平和的解決には米国が侵略部隊、装備品を南朝鮮から撤収させることが必須条件だ」と発言していた。

 

たしかに米軍撤収議論は長くあり、国力の点で南が大きく北をリードする状況となっており、米国の財務状況の悪化が背景にある。とはいえアフガニスタン情勢で急にこの話題が浮上したわけではない。ROKとアフガニスタンの違いは大きい。断続的に事件があるものの、半島情勢は平穏である。米韓両国は相互防衛条約でつながっており、南朝鮮政府を当初発足させたのは米国だが、ワシントンの政策道具の座はとっくの昔に卒業している。両国政府、国民のきずなは堅固であり、朝鮮半島の持つ戦略価値は中央アジアよりはるかに高い。

 

さらにアフガンの混乱はピョンヤンの外交地位を強めるものではない。同国との交渉は漂流し、バイデン政権はアフガニスタンの後処理に気を取られる中、その他同盟国の懸念の火消しに追われ、当面北朝鮮との交渉を行う余裕はない。「今は北朝鮮より高い優先度の課題がある」とCNAのケン・ゴースも述べている。

 

2022年は米国で選挙の年であり、事態が急進展する余地は少ない。共和党が再び多数派となれば、政権の動きは鈍る。皮肉にもアフガニスタン後遺症は時間がたてば消えそうで、より深刻な問題の前に中央アジアは影を細めるだろう。

 

これまでも北朝鮮はミサイルや核実験でワシントンへ圧力をかけようとしていた。だが金正恩はドナルド・トランプとの三年前の会見以降は自制し、その後に対米会談が決裂しても同じ姿勢だった。

 

北朝鮮はCOVID-19のためほぼ鎖国状態にあるが、中国の食料エナジー支援でかろうじて経済を維持している。その中国も対米関係が悪化しているため、半島内の緊張を高めるのは得策ではないと考え、金正恩に分別ある行動を求めているようだ。

 

アフガン情勢を受けバイデン政権は短距離ミサイル発射など小規模な出来事に目をつむることになりかねない。だが米国到達も可能な兵器の開発テストとなればメディアは異常な関心を示し、米国の信用度が落ちたと騒ぎ立てかねない。このためバイデン政権は「怒りと火炎」の姿勢に転じ、予防戦争に進みかねない。そうなれば誰にとっても得にならない。

 

それでも南朝鮮の一部は気が休まらない。与党内には防衛体制強化を求める声がある。その一人Song Young-gil 議員は「アフガニスタンの危機を利用して自主防衛体制の実力、気概を強化すべきだ。そのため戦時統制権を回復すべきだ」とし、南朝鮮軍の指揮権に触れた。「韓米同盟は重要だが、自国は自分で守るという姿勢も重要だ」と述べた。

 

この姿勢は米韓両国にとって良い進展だ。こうした議論ができる良い進展だ。こうした議論ができること自体南朝鮮はアフガニスタンと違うことを示している。米国は二十年にわたり人的犠牲とともに数兆ドル相当をつぎこんだが、アフガン政府、軍ともに士気が低く米軍が正面に立たないとどこかへ行ってしまうのだった。ROKはまったくちがう。

 

アフガニスタン崩壊のショックの中、今回の事件を地政学のツナミのようにすべて飲み込むと取り扱う評論がある。だが、アフガニスタンはアフガニスタンの問題であり、それ以上二は広がらないことは明らかになってきた。確かに人道面で悲劇は続くが、ワシントンが世界各国で展開する軍事コミットメントに変化は皆無といってよい。南朝鮮もその一部だ。■

 

 

The Afghanistan Collapse: How Does North Korea See It?

ByDoug BandowPublished7 days ago

 

Doug Bandow, now a new 1945 Contributing Editor, is a Senior Fellow at the Cato Institute. A former Special Assistant to President Ronald Reagan, he is the author of several books, including Tripwire: Korea and U.S. Foreign Policy in a Changed World and co-author of The Korean Conundrum: America’s Troubled Relations with North and South Korea.


2021年9月1日水曜日

RQ-4Cの開発状況。着々と機能を拡大中で、供用開始となればEP-3、P-8の偵察任務を肩代わりする機材に成長しそうだ。

 



MQ-4C Triton unmanned aircraft system Naval Air Station Patuxent River


海軍のMQ-4Cトライトン無人機が先週大きな成果を上げた。海軍の同機開発主査が8月31日発表した。


ダン・マッキン大佐はセンサー機能を強化した新仕様機が8月26日にメリーランドで初飛行したとし、新たにカメラ、通信情報収集装備を搭載し「予想以上の性能を発揮した」という。


同機はノースロップ・グラマンのRQ-4グローバルホークの性能向上型で、海軍が進める広域海洋監視機能整備の一環として海上監視機能を強化すべく次世代センサーを搭載している。


ただし同機のコストは増加傾向にある。米会計検査院(GAO)は開発費用が2009年の35億ドルから2018年に61パーセント増の57億ドルになったと報告している。


トライトンは2013年初飛行し、24時間超の滞空性能を有し、航続距離は8,200マイルに至るとノースロップは述べていた。


今回の新仕様はIFC 4(統合機能性能4)あるいはmulti-int (複合情報収集機)と呼ばれ、海軍が目指す海上哨戒機能の実現で重要な存在となる。


完全機能を実現すると同機はEP-3の機能多数を引き継ぐことが期待されている。現有の海軍偵察機材は旧式化が進んでおり、最新の機材でも1997年引き渡しだ。


ノースロップの事業部長ダグ・シェイファーはP-8の一部ミッションも引き継げば、海軍は対潜ミッションに集中できるようになると発言した。


開発途中とはいえ、「完全作戦機材」2機が初期の装備仕様でグアム、日本から運営されており太平洋での海軍作戦を支援しているとマッキン大佐が述べている。2020年にグアムに初展開し、初期作戦能力(EOC)テストを行った。


最終的にトライトンを世界5方面(「オービス」)に投入するのが海軍の目論見で、グアムのほか、イタリアのシゴネラに配備するほか、米本土東西海岸でも供用するとマッキン大佐は述べた。


ノースロップは同機を計68機米海軍へ納入すると、初期作戦能力を2023年に獲得する。



「米海軍にとってトライトンは現在必要な機材で、将来は不可欠な機材となる」とマッキン大佐は述べている。■


Navy's New Triton Drone Getting Close to Taking Over for Older Patrol Aircraft

3 Aug 2021

Military.com | By Konstantin Toropin


島しょ部での戦いに特化した水陸機動団は中国も警戒するはず。抑止効果がどこまで期待できるかがカギだろう。

 

 

 

 

75年前に日本軍上陸部隊300名がクイーンズランド海岸に上陸していればオーストラリアの安全保障上で一大危機になっていたはずだ。

 

だが第二次大戦後の世界は大きく変わり、日本の水陸機動団(ARB)は侵攻部隊ではなく、タリズマンセイバー演習に参加しオーストラリア海岸に展開したのだった。

 

第二次大戦の傷ましい経験から戦後日本は6,852もの島しょで構成した国家ながら専用揚陸部隊は2018年まで編成してこなかった。

 

1930年代の日本海軍は海軍陸戦隊を呉、舞鶴、佐世保、横須賀の各海軍基地での養成を開始した。1941年には16個大隊の陸戦隊が整備され、フィリピン、蘭領東インド諸島、米アリューシャン列島のアッツ、キスカ、ニューギニアの上陸戦の先鋒部隊となった。

 

陸戦隊には落下傘部隊や戦車部隊もあったが、基本的に軽歩兵部隊で、米海兵隊と異なり、揚陸用舟艇は機械化していなかった。陸戦隊には降伏した敵兵の虐殺や最後の一兵まで戦う評判があり、1943年のタラワ攻防戦は血なまぐさいものとなった。

 

戦後日本では揚陸部隊は侵攻部隊と位置づけられ、自衛隊と平和憲法の下で不適当な存在とされた。だが自衛隊は遠隔島しょ部での武力衝突を想定し、「海上作戦部隊輸送艦」で敵部隊より先に部隊を送る構想を立てた。

 

日中間の緊張が21世紀に入り顕著となり、尖閣諸島ふくむ島しょ部が日中衝突の舞台になると注目された。

 

実際に中国研究者には人口が多い南西琉球諸島ベルトも中国の領土と堂々と主張する動きがある。中国が遠隔島しょ部を占領する懸念から2018年に水陸機動団が2,100名規模で発足し、佐世保に配備された。

 

その佐世保に海軍陸戦隊が置かれた経緯があるが、今回の新規部隊は陸上自衛隊の西部方面普通科連隊をもとに編成したものだ。

 

ARDBには800名編成の水陸機動連隊が二個あり、三個目が編成中で、発足すれば三千名の規模になる。支援大隊部隊として120mm迫撃砲を備える砲兵部隊、工兵部隊、補給部隊がある。

 

だが支援機能の中心が戦闘揚陸大隊でAAV-P7A1 揚陸装甲車両58台を運用し、艦艇から海岸まで時速8マイルで海上を進む。32トンの同車両は「アムトラック」と呼ばれ、21名を運び.50口径機関銃、手りゅう弾投射機を備える。ただし、アムトラックの装甲は薄く、実際にイラクの米海兵隊では多くの犠牲が発生している。

 

日本はMV-22Bオスプレイ17機も調達し、遠隔地島しょ部へ空からの兵力投入をめざす。オスプレイは高額装備で事故率の高さから日本国内で一般住民の配備反対もある。だが、ヘリコプターの垂直離着陸機能と固定翼機の速度と航続距離を兼ね備えた同機への期待は高く、九州から発進し南西部の最遠島しょ部も活動範囲に入る。

 

海上自衛隊が重要な補給任務を担う。おおすみ級戦車揚陸艦があり、1998年から2003年にかけ建造された14,000トンの艦内に16式高機動戦闘車両などの装甲車両多数を収容できる。また「ウェルデッキ」でLCACエアクッション艇を展開し隊員を上陸させる。おおすみ級は改装を加え、AAV-P7およびMV-22の運用能力を付与する。

 

海上自衛隊には小型LCM十数隻さらに540トン型多用途揚陸舟艇2隻もある。陸上自衛隊も独自に戦車揚陸艦を調達する動きあり、各種LST形式を検討しているが予算が不足している。

 

新規編成の水陸機動団が存在感を示したのが海外演習だ。2018年10月にARDB隊員50名がアムトラック4両で対テロ作戦演習でフィリピンのルソン島に現れた。日本の装甲車両が海外の地に上陸下のは第二次大戦後初のこととなり、まさしくその場所で日本陸軍の戦車部隊が米比連合軍と戦闘を展開したのだった。

 

2019年にはARDBは500名をアイアンフィスト演習でカリフォーニアのキャンプペンドルトンに送り、その後オーストラリアでも上陸作戦を展開した。

 

ただし、ARDBの作戦構想とはどういうものなのか。

 

日本がオーストラリア、フィリピン、米国と懸念事項を共有し、中国が太平洋島しょ部を占拠し、海洋交通を脅かす事態を憂慮しているのは事実だ。だが、現行憲法で日本は同盟国救援で部隊派遣できないことになっている。

 

そのため、ARDBの存在意義は個別具体的だ。日本の南西島しょ部を中国軍が占拠した場合に迅速に奪回することだ。日本の島しょベルト地帯はPLA海軍の作戦に制約を課すことになり、米国、オーストラリアの利益にもかなう。

 

3千名規模の旅団一個ではいかに有能でも大規模交戦の均衡は崩せない。そのためThe Diplomatでミーナ・ポールマンは「島しょ部が中国の手に落ちた段階で日本は敗北したのと同じ」と評している。その意見では日本はむしろ海上兵力や航空戦力の整備に注力し中国の第一列島線到達を防止すべきとする。

 

ただしその意見では揚陸旅団が小規模「グレイゾーン」となる中国の準軍事組織水上民兵や沿岸警備隊への抑止になる点を無視している。迅速かつ確実に島しょ占領部隊に対応できる水陸機動団の能力はこうした事態でリスク計算を根底から変える効果を生む。

 

さらに同旅団の揚陸能力は自衛隊の災害救助活動を遠隔島しょ部まで拡げる効果を発揮するはずだ。

 

当然ながら中国は揚陸部隊を復活させた日本を侵攻の先駆けと捉えるはずだ。だが、現実を見れば、日本は脆弱な遠隔島しょ部への武力侵攻に備え控えめに対応能力を整備しているに過ぎない。■

 

In an Island Battle, Japan’s Marines Have Some Surprises for China

by Sebastien Roblin

August 30, 2021  Topic: Marines  Region: Asia  Blog Brand: The Reboot  Tags: JapanMarinesChinaMilitaryAmphibious Warfare

 

Sébastien Roblin holds a Master’s Degree in Conflict Resolution from Georgetown University and served as a university instructor for the Peace Corps in China. He has also worked in education, editing, and refugee resettlement in France and the United States. He currently writes on security and military history for War Is Boring.

This article first appeared in July 2019.

Image: Reuters.



2021年8月31日火曜日

米軍はカブール空港にどんな装備品を残してきたのか。タリバンが利用できないよう破壊、機能喪失させたというが....

  

A screengrab from a video show members of the Taliban inspecting abandoned former US State Department CH-46E Sea Knight helicopters in a hangar at Hamid Karzai International Airport following the final withdrawal of American troops on Aug. 31, 2021.

VIA TWITTER

 

 

軍はほぼ20年にわたるアフガニスタン作戦を完了し、同国を完全撤退した。予想通り、最後に米軍は各種武器装備品を破壊あるいは使用不能にした。

 

米中央軍(CENTCOM)司令フランク・マッケンジー海兵大将は記者会見で以下の装備品を「非軍事化」したうえでハミド・カルザイ国際空港に残していったことを認めた。

 

  • ロケット弾砲弾迫撃砲弾対抗装置(C-RAM)少なくとも二個装備
  • 航空機計73機(米軍、アフガニスタン軍所属機)
  • 耐地雷待ち伏せ攻撃防御(MRAP)装甲トラック70両
  • ハンビー27台

US ARMY

A Centurion C-RAM defense system.

 

 

マッケンジー大将は上記装備を具体的にどう使用不能にしたのかについて説明していない。またC-RAMの型名称についても述べていない。C-RAMはハミド・カルザイ国際空港で本日もISIS分派の攻撃を防いだ。説明では二個装備程度とあるが正式な数にも触れていない。

 

米軍で供用中のC-RAMは一式15百万ドルのセンチュリオンのみである。現地ではロケット攻撃の際にセンチュリオン特有の20mmヴァルカン機関砲の発射音が聞こえたとの報道もある。

 

ハミド・カルザイ国際空港に設置したといわれるセンチュリオンの映像画像がいっさいないことに興味を惹かれる。ニューヨークタイムズはC-RAMが米大使館敷地内に設置してあったが、撤収時に使用不能にされたと報じていた。

 

マッケンジー大将は航空機についても詳しい機種別情報に触れておらず、一部は修理不能な状態と述べたに過ぎない。今回の機材はアフガニスタン空軍機材の大部分と思われる。

 

最終撤収時に同空港に合った機材にはA-29スーパートゥカーノ軽攻撃機、C-130Hハーキュリーズ輸送機、UH-60ブラックホーク、Mi-17輸送ヘリコプターがあった。その他機材は長年に渡り放置されていたものもある。L-39武装型ジェット練習機もそのひとつで、ツイッターで同型機が3機残っているのがわかる。

 

アフガン空軍へ供与した米製機材をタリバンの手に渡さないため米国はどのような手段を取るかがこれまでわからなかったが、ネット上に流出した写真ではアフガン空軍のUH-60ブラックホークの窓が破れ、扉が破壊されているのがわかる。

 

タリバンはすでに旧アフガン空軍機材を他の基地で捕獲している。またアフガン空軍要員も数十機で国外逃亡している。

 

それでもA-29やUH-60をタリバンが利用するのに時間がかかるかは疑問のままだ。

 

また本日出てきた映像ではタリバンがブラックホークを操縦している。

 

マッケンジー大将が言及した73機に米国務省のCH-46シーナイトヘリコプター7機が含まれるのか不明だ。国務省は各機を飛行不能としたうえでカブール空港に放棄したと述べている。別の映像ではタリバンがシーナイトを検分しているのがわかる。一部に同機をCH-47チヌークと混同する傾向があるが、いずれにせよ近年になり大幅改修された機材がタリバンの勝利の象徴となったのを見るのは悲しい。

 

タリバンの電撃構成で相当数のハンビー等車両も奪われた。MRAPやピックアップトラックもここに入る。とはいえ米軍がそれ以上の車両放棄をしていないのは朗報だ。

 

米軍は同空港他で相当量の物資を破壊して最終撤収を完了している。マッケンジー大将は記者会見でこのことに触れた。米軍部隊はアフガン軍向け小火器軽火器多数を破壊している。

 

それでも米軍が一部装備品を現地に残すことが予想されていた。センチュリオンは一式でもC-17での輸送が必要な大きさだし、積み下ろしに数時間がかかる。そのため、カブール空港に残すことにしたのだろう。ただし、装備の重要機能は破壊し危険を最小限にしつつ撤収に当たったはずだ。

 

マッケンジー大将は空港運営に必要な装備として、支援車両等はそのままタリバンに残したと発言。依然同国に残る米国人数百名の脱出用に同空港の再開は重要な意味があり、その他国で脱出を希望する国民にも同様だ。ただし、タリバンが脱出を認めた場合に限られる。

 

総合すると、機能するかは別としてカブールに残した装備品の全体像がこれから出てきそうだ。■

 

Everything We Know That The US Military Left Behind At Kabul Airport


Here's What The U.S. Military Left Behind At Kabul Airport

Aircraft, vehicles, and at least two defense systems able to shoot down rockets and artillery shells are just some of what was not airlifted out.

BY JOSEPH TREVITHICK AUGUST 30, 2021


北朝鮮がプルトニウム生産を再開か。ヨンビョン核施設に活動の兆候現る。国際制裁をものともせず核兵器開発を続ける北朝鮮の動きに警戒を。

  

Close-up of Radiochemical Laboratory complex, March 2, 2021.

2021年3月2日撮影の放射化学実験施設の衛星写真。 Satellite image (c) 2020 Maxar Technologies/Getty Images

 

朝鮮がヨンビョン核施設の原子炉運転を再開した模様と国際原子力エナジー機関(IAEA)が発表した。

 

原子炉は出力5メガワットと小規模だがプルトニウム生産が目的で、核兵器製造に用いる。

「2018年12月以降2021年7月まで原子炉は作動の兆候が皆無だった」とIAEA報告書は指摘している。

 

「だが、2021年7月に入ると冷却水の排水など兆候が現れ、原子炉運転との関連が見られた」(同報告書)

 

これに対し南朝鮮はIAEA評価を認めていない。

 

同国政府は北朝鮮の核・ミサイル活動を米国と共同で注視していると統一省報道官が8月30日に述べている。

 

報告書ではあわせてヨンビョンの放射化学実験施設で2月中旬から7月初めにかけて活動が続いたと指摘している。同施設は燃料棒再処理に使用される。

 

また報告書は原子炉や施設の状況を「大きく憂慮させるもの」と表現している。

 

IAEAでは評価の根拠として民間から購入した衛星写真としている。

 

北朝鮮国内の核活動査察は不可能となっている。同国は数年前に査察官を国外追放した。

 

北朝鮮を調査対象とする米スティムソンセンターが処理作業に触れ、1月撮影の画像で核兵器製造用のプルトニウム回収の準備に入っているようだと指摘していた。再処理作業でプルトニウムが入手できる。

 

北朝鮮は核兵器開発を続けているため国際制裁対象となっており、国際社会とりわけ近隣の南朝鮮、日本の懸念の種となっている。

 

2月に出た国連の内部報告では北朝鮮が長期にわたる制裁にもかかわらず核兵器開発を続けていると指摘していた。■


North Korea appears to have restarted controversial nuclear reactor


2021年8月30日月曜日

8月に三日間連続で宮古海峡上空に無人機各型を展開したPLAの狙いにもっと関心を。(ISRは本ブログの大きな柱)

 

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Photographs of Chinese drones flight in the East China Sea and the Miyako Strait taken by Japanese fighter jets in August 2021.

統合幕僚監部

 

 

国人民解放軍の無人機が東シナ海から宮古海峡にかけ飛行し、航空自衛隊は三日連続で戦闘機を発進させた。中国軍の無人機運用能力が向上してきたことに加え、東シナ海からフィリピン海にかけての水域が通商路として重要なため、日本も対応を連日迫られた。

 

今回の飛行活動8月24日に始まり、 Tengoen TB-001スコーピオン中高度長時間飛行(MALE) 無人機が東シナ海から沖縄の北西方面に飛んだ。翌日はハルビン BZK-005 MALE型無人機が宮古海峡を行き来した。8月26日にはTB-001が再び宮古海峡上空に現れた。三例とも航空自衛隊がスクランブル出動し、中国無人機の様子を監視した。

 

8月25日26日の両日には山西Y-8Q哨戒機一機、Y-9JB電子情報収集機一機が無人機に随行していた。

 

BZK-005系統の無人機は長距離情報収集偵察監視(ISR)用の機材で連続40時間の飛行が可能とされれていた。標準型のBZK-005は2006年に姿を現し、推進式プロペラ一基、後退翼、機体後部は双胴式で、2018年にPLAは武装型BZK-005Cを公表している。

 

同機の主センサーは機首下のタレットに搭載する電子光学赤外線フルモーションビデオカメラだ。昨年に別の型BZK-005Eが搭乗し、レーダー装置を機首下につけており、電子光学タレットは機体下の別の位置に変更されている。

 

航空自衛隊が公表したBZK-005が宮古海峡上空を飛ぶ写真ではさらに仕様が変わっていることがわかる。機首下にレドームをつけ、胴体下に光学タレットがわかる。BZK-005は見通し線外での作戦を衛星経由の操作で実施し、多用な情報集任務につくようだ。

 

防衛省

 

防衛省

 

 

TB-001スコーピオンも長距離対応無人機で機体後部が双胴式になっているが、BZK-005とは異なる形状だ。スコーピオンは大型でTengoenが初めて製造した無人機だ。同社は2016年に創立された新しい企業だ。機体はエンジン二基でプロペラを左右で高翼方式の主翼下で回す。

 

BZK-005と異なり、TB-001は当初から武装無人機の設計であり、主翼下にはハードポイント四か所があり、胴体下にセンサータレットがつく。航空自衛隊公表の同機写真では主翼下には何も装着していなかったが、あきらかに追加センサーをつけており、おそらくレーダーあるいは電子情報収集ポッドが胴体下についているのが見える。また機体全体にわたりアンテナがはりめぐらされている。とはいえ、双発の同機は多様な情報収集機能が付く点でTB-001より先を行っており、レーダーも機首につくし、完全視界線外での運用が可能だ。

 

防衛省

 

防衛省

防衛省

 

防衛省

 

 

今回の無人機各型で中国は多様な情報収集を重要地点で展開できる能力を誇示した。多用な機能で地図作成、防空体制の発する電子信号の収集、さらにレーダー地図作成、船舶の写真撮影まである。中国の空母部隊が宮古海峡を通過することが通常のことになってきた今日ではこうした活動は特に重要な意味を有する。

 

中国の無人機は一見高性能に見えるが、冷静見ればMQ-1、MQ-9クラスに匹敵するに過ぎない。中国は高高度飛行監視機能を有する機材で優位を発揮しようと開発を進めている。だが現状の非戦闘型無人機を飛ばすだけで航空自衛隊の待機戦闘機はスクランブル対応させることができる。

 

三日連続で無人機を投入したことからこれまでと異なる海軍艦艇の動きが実現しそうだ。中国軍艦三隻(駆逐艦2隻、フリゲート艦一隻)が宮古海峡を8月24日通過している。

 

とはいえ、無人機三機の投入で中国の無人機運用能力が着実に上がっているのがわかる。インド太平洋で次の戦術・戦略課題になるのが容易に想像できる。■

 

この記事は以下を再構成し人力翻訳でお送りしています。

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Japanese Fighters Intercept Three Chinese Drones In As Many Days

It isn't clear if the surge in Chinese drone presence over the East China Sea is indicative of a new trend or prelude to a major naval movement.

BY JOSEPH TREVITHICK AND TYLER ROGOWAY AUGUST 26, 2021

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