2022年1月4日火曜日

F-15Jの近代化改修事業にGO。ボーイングが契約交付受け、2028年までに約100機をセントルイスで改修する。F-3登場までのつなぎか。


 

 

Photo by Curt Beach

 

ーイングは米空軍ライフサイクルマネジメントセンターより471.3百万ドル相当の契約を交付され、「日本向けスーパーインターセプター」の実現を始める。

 

 

 

2021年12月30日付国防総省の契約公示に、「日本向けスーパーインターセプター」(JSI)仕様改修契約の記載があり、航空自衛隊保有のF-15MJ約100機改修に必要な設計業務、開発業務を進め、あわせてウェポンシステムズ練習装備4機の開発、試験、納入を図る」とある。本事業はミズーリ州セントルイスで有償海外援助のみで実施し、2028年12月31日を期限とする。

 

 

 

 

2020年11月、日本が現有機材のコックピットを一新し高性能ミッションコンピュータ、レーダー、電子戦装備を更新し、さらに国内調達でデータリンクを米製データ共有装備と互換性を持たせた形で導入するとの記事がForbesに出ていた。

 

ただし、詳しい筋によればF-15Jの機体構造に大きく手を加えず、エンジン換装もなく、フライバイワイヤも搭載されない。航続距離を延長することはなく、EXなど高性能版イーグルなみのペイロード増加も行わない。

 

Boeing nabs $471M for Japanese Super Interceptor program

NEWS

AVIATION

ByDaisuke Sato

Jan 3, 2022

 

About this Author

Daisuke Sato

Daisuke Sato is defense reporter, covering the Asia-Pacific defense industrial base, defense markets and all related issues.

 

 


2022年1月3日月曜日

冷戦時代の遺物Tu-160ブラックジャックの本当の戦力は? 時代に取り残されつつある巨大機をロシアが今後も維持できるのか注目

  

Russian Tu-160 Bomber. Image Credit: Creative Commons.

 

衛アナリストが苦労するのは敵側の装備品の能力と限界の把握だ。推測や仮定を相手国の装備品に当てはめるのはさして難しくないのだが、相手国装備品が秘密のベールに覆われていたり、宣伝工作が強いと性能や効果を実際以上に評価しがちだ。

ロシア軍事産業専門誌にTu-160「ブラックジャック」戦略核爆撃機に関し興味深い記事が出た。ロシア流の視点で戦略核抑止航空兵力が直面する課題をまとめている。

著者はアンドレ・ゴルバチェフスキAndrey Gorbachevskiyで記事への批判にこたえ続編も発表している。レーダー専門家で1980年代から防空技術開発に携わっている。

今回の記事からロシアの核抑止力の優先順位について異論があるのがわかり、かつロシアから見て北米の防空体制がどう映っているかもわかる。

Tu-160 ブラックジャックは絶滅を待つ恐竜なのか

ツボレフTu-160(NATOコードネーム「ブラックジャック」は大型可変翼爆撃機でマッハ2飛行が可能で亜音速巡航で長距離飛行が可能だ。ブラックジャックが供用開始したのは冷戦末期で、ロシアは同型機の生産再開に巨額予算を投じ、現在16機ないし17機が飛行可能となっている。

Tu-160の主任務は長距離核巡航ミサイルを発射し米国内の重要標的を攻撃することで、ロシアの地上配備核兵力が敵の先制攻撃で破壊された場合に世界規模での「第二波攻撃」を実施することにある。さらにTu-160には米海軍空母打撃群撃破の任務もある。

ゴルバチェフスキの記事は21億ドル相当を投じ近代化改修したTu-160M2爆撃機を10機追加生産するとのロシア政府発表を受け出たものだ。これは常軌を逸しているとし、特に供用期間を通じ高運用コストを指摘している。

レーダー断面積が10から15平方メートルに及ぶことから「電子戦装備があるといってもTu-160のように大きな存在を隠せない」と言い切っている。

Tu-160M2は新鋭電子戦装備を搭載しているが、ゴルバチェフスキは今日のアクティブ電子スキャンアレイ(AESA)レーダーに対抗するには搭載する1980年代製バイカル・ジャマーの出力は10倍以上に強化する必要があると試算している。そのためには機内発電容量を増やし、当然重量増に対応することになる。

ゴルバチェフスキはTu-160は小型の米B-1Bに劣ると主張し、ソ連時代の設計のTu-160は超音速ダッシュ飛行が可能だが、B-1BのRCSはずっと小さいと指摘。

Tu-160 Bomber. This file comes from http://vitalykuzmin.net

Tu-160. Image: Creative Commons.

 

「大部分の飛行を亜音速とする戦略爆撃機が高度10千メートルで飛ぶ場合、Tu-160が最高速度マッハ2.05を使うのは全行程の1%未満だろう。最高速度モードを使うのは敵戦闘機の追尾を振り切るときだけのはずだ」

北極越え攻撃も楽ではない

ではロシアはTu-160の核攻撃ミッションをどんな想定なのか。ゴルバチェフスキは大西洋上空を西方へ向かうのは非実用的とする。NATOの監視体制や米沿岸をカバーするレーダー網のためだ。太平洋方面に飛ばせば、運用基地の選択の幅が狭いが、同時に出発地点近くに米軍基地が多数ある。

ヨーロッパでの通常兵器爆撃ミッションはどうか。これも実行不能とゴルバチェフスキは見る。「NATOレーダー網と迎撃戦闘機が充実しておりTu-160で侵入可能となるのは自軍戦闘機多数が援護する場合に限られ、かつ長距離防空体制が未整備の地点に限られる」

そうなると最も成功の可能性が高いのは北極圏越えルートだ。ただし、アラスカからカナダへ2,300マイルの中距離レーダー網がある。ゴルバチェフスキ記事ではDEWライン(遠距離早期警戒の意味)とあるが現在はNWS(北方警戒しシステム)に改称されている。

北方警戒システム

 

NWSを構成するのは強力なAN/FPS-117フェイズドアレイレーダー15か所(有効範囲287マイル、高度100千フィート)で、その他AN/FPS-124レーダー(39か所、70マイル、49千フィート)がAN/FPS-117の隙間を補完している。

ゴルバチェフスキはこう述べている。「Tu-160でこの警戒網を探知されずに突破するのは高高度でも低高度でも不可能だ。DEWラインのレーダー数か所を破壊しその隙間から侵入しても、防衛側は迎撃戦闘機を即座に発進させる。同様に電子戦装備で各レーダーを制圧しても同じだ。そのため、Tu-160は巡航ミサイルをDEWライン手前100から400マイルで発射して、探知されずに基地に戻るだろう」

ワシントンDCはNWSから4,000キロ離れている。Kh-102巡航ミサイルの有効射程5,000キロでTu-160の探知問題を回避できるのだろうか。

ゴルバチェフスキはそううまくいかないとする。たしかにKh-102超低空巡航ミサイルのレーダー断面積は1平方メートルにすぎず、20-40キロに接近して初めて探知可能となる。だがこれだけでは十分ではない。

「地形を利用して巡航ミサイルがDEWラインをすり抜けたとしよう。ミサイル一本二本程度でもAWACS機が離陸し、戦闘機を誘導すれば残りのミサイルも見つかってしまう。さらに巡航ミサイルには中央、南方にも早期警戒レーダー網が待ち構える」

E-3セントリーAWACSは低空飛行する巡航ミサイルの探知も100キロ離れていても可能だとゴルバチェフスキは指摘する。

さらにE-3が誘導する米防空機材にはF-16C/Dがあろ。APG-83SABRレーダーを搭載し巡航ミサイル探知能力を強化している。またF-15C/F-15EXにはさらに強力なAPG-63(V)3 AESAレーダーがつき、400キロ先で爆撃機を探知できる。ゴルバチェフスキはカナダ北方の防衛にはF-15C二機編隊5あれば十分」とみている。

そこでゴルバチェフスキは「米国領土に接近すれば、さらにAWACSが離陸し、北方防空ラインを突破した巡航ミサイルも迎撃される。このため標的に到達するミサイルは数本に減る。ということで巡航ミサイルによる核攻撃には期待できない。多数が目標到達できず撃破されるだろう」

そこでICBMがロシアの核攻撃手段として優れている。米国のミサイル防衛能力は限定的で5ないし6発の迎撃しかできないとゴルバチェフスキは試算している。

とはいえ、米国筋は巡航ミサイルをここまでうまく迎撃できるか自信が持てない。米空軍はステルス性能が劣るB-52でAGM-86B核搭載巡航ミサイルを運用し、射程が「わずか」2,400キロしかなくても十分と自信を示しており、スタンドオフ攻撃は有効に実施できると見ている点を指摘しておこう。しかもロシアの防空体制に対空ミサイル多数と超高速MiG-31迎撃機が展開する中での話だ。

地理条件と性能が自信の裏付けだ。まずNWSレーダーがアラスカからカナダに広がり、米本土攻撃にバッファーとなっている。ロシア爆撃機は春か遠方で攻撃兵器発射を迫られる。さらに米空軍は航空優勢の確保は可能で、非ステルス爆撃機の攻撃は排除できると考えている。さらに米国も核搭載ステルス巡航ミサイルLRSOを開発中でロシア防空体制突破を狙っている。

米空母を狙えるか

Tu-160の二次的任務にKh-15対艦弾道ミサイル(射程187マイル、マッハ5)を最大24発搭載し長距離洋上攻撃がある。だが、ゴルバチェフスキはKh-15でなく、低速低空対艦巡航ミサイルの使用を想定している。

ここでもTu-160では米空母任務群の攻撃が成功する可能性は高くないと見ている。防空体制が多層構造になっており、スーパーホーネット戦闘機、E-2Dホークアイ早期警戒機さらに護衛に当たるアーレイ・バーク級駆逐艦が対空ミサイルを発射し、強力なレーダーで接近を拒むためだ。

ホークアイを前方に配備すれば、Tu-160は500マイル先で探知されるとゴルバチェフスキは試算し、一方でTu-160が空母を探知可能となるのは250マイル地点でこれはスーパーホーネット戦闘機の戦闘航空哨戒半径(CAP)内に入る。

CAPがない場合でも護衛艦艇の電子攻撃のためTu-160はもっと前進しないと標的のロックができず、空母がミサイルシーカーの「キルボックス」外へ出てしまう可能性もある。

ゴルバチェフスキは改修してもTu-160M2の生存性は大きく変わっておらず、ステルス性能を大きく変えておらず、エンジン空気取り入れ口にも手を加えておらず、レーダー波吸収剤を施してもレーダー断面積は大きく減っていないと見る。

さらにその後出た反論記事でゴルバチェフスキはロシアはステルス爆撃機(PAK-DA)を開発する、あるいは既存戦略爆撃機の廃止を主張している。新造のTu-160については「第三次世界大戦に参戦可能な機体は平時や局地戦で有効な機体と異なるはずだ」と述べている。■

Russia's Tu-160 Bomber: Can It Strike America or Sink an Aircraft Carrier? - 19FortyFive

BySebastian RoblinPublished2 days ago

WRITTEN BYSebastian Roblin

Sébastien Roblin writes on the technical, historical, and political aspects of international security and conflict for publications including the 19FortyFive, The National Interest, NBC News, Forbes.com, and War is Boring. He holds a Master’s degree from Georgetown University and served with the Peace Corps in China.  


2022年1月2日日曜日

PLAN空母遼寧が20日にわたる演習を終え寄港。まだまだ低戦力とはいえ侮ってはいけない。もちろん日本は同部隊の動静を海空から監視しています。

 

統合幕僚監部

 

  • 日本の防衛省発表の写真で遼寧艦上で戦闘機、ヘリコプターの活動が認められる。同艦には5隻が随行している

  • 航続距離を伸ばした艦載機の導入で同艦の戦闘能力が増えたとコメンテーターが評している


国初の空母遼寧をはじめとする部隊が沖縄東方で戦闘機、ヘリコプターの運用演習を展開しており、同艦の戦闘能力向上を専門家が指摘している。



部隊は海軍艦艇6隻で遼寧、055型駆逐艦、052D型駆逐艦各1、054A型フリゲート艦2、901型補給艦1が沖縄県北大東島東方300km地点を12月26日航行したと防衛省が発表した。


同省公表の写真ではJ-15戦闘機、Z-9、Z-18の各へリコプターが遼寧艦上で確認され、J-15が発艦する写真もある。


統合幕僚監部



日本は駆逐艦いずもおよび戦闘機数機を送り、中国部隊の動向を監視した。


遼寧は先週から太平洋で外洋訓練を展開している。


遼寧に随行する055型駆逐艦南昌Nanchang、054A型フリゲート艦 日照Rizhao、補給艦呼倫湖Hulun Lakeが先週水曜日に男女群島西方350㎞地点で見つかり、宮古海峡を通過し翌日太平洋に入っていた。


海上自衛隊では052D誘導ミサイル駆逐艦廈門Xiamenも宮古海峡を通過したのを確認している。


中国軍で教官を務めたコメンテーターSong Zhonpingは演習を見ると遼寧は多用な機材を運用し戦闘能力を獲得したようだと述べる。


「航続距離が異なる機材の戦闘機、早期警戒機Z-18を運用することで戦闘力をフル編成した。比較的強力な防衛能力が外洋部分の海空で実現した」


S・ラジャラトナム国際研究院(シンガポール)のコリン・コーCollin Kohによれば遼寧はJ-15戦闘機を最大24機のほかヘリコプターを搭載する。「すべて訓練用で今後の基礎を築く意味がある」


二年前就役した国産建造初の空母山東Shandongは海南省を出港し「戦闘を意識した演習」を南シナ海で展開すると共産党を代弁する人民日報が12月26日に報じていた。


演習では戦闘機着艦、ダメージコントロール、海上捜索救助を行うと同記事にあるが、演習地点や時期は触れていない。


両空母は近日中に合流し、台湾や米国を意識した運用に入ると軍事観測筋は見ている。


空母三号艦も建造が進んでおり、これあmでの二艦より大型かつ高性能になるとの予想がある。商業衛星写真では同艦建造は上海で相当の進展を示しており、進水は三ないし六カ月以内と思われる。


コーによれば003型空母となる新型艦の航空戦力規模は米超大型空母に近いものになる。■


Chinese aircraft carrier's Pacific drills 'show boosted combat capability' | South China Morning Post

Pacific drills show China's first aircraft carrier has boosted its combat capability, experts say


Teddy Ng , South China Morning Post Dec 27, 2021, 10:59 PM

Additional reporting by Amber Wang.



続けて、中国空母部隊の帰港についてUSNI Newsが以下伝えています。


中国空母遼寧(16)が洋上給油を受けた。 December 2021 deployment. PLAN Photo

民解放軍海軍の遼寧空母群が2021年12月30日に母港青島に戻ってきた。PLANは同部隊は訓練を成功裏に終えたと公式発表した。

訓練は20日にわたり、同空母群は黄海、東シナ海を通過し宮古海峡から西太平洋に入った。各種想定で総合訓練を行ったと発表にある。12月9日に黄海で捜索救難訓練、戦術航空作戦としてJ-15戦闘機、Z-9Z-18の各ヘリコプターを運用した。発着艦訓練は昼夜通して行われた。

J-15 艦載機が遼寧(16)から発艦した。December 2021 deployment in the Western Pacific. PLAN Photo 海上自衛隊のいずもが写っている。

同部隊はその後西太平洋で戦闘能力を試し、対空対潜戦の訓練意外に指揮統制機能、補給活動、戦隊調整を試した。PLAN公表の写真では遼寧(艦番号16)が901型補給艦と補給活動演習を行う様子がわかる。

PLAN発表にはその他艦の言及がなかったが、日本の統合幕僚監部から遼寧に加え、駆逐艦南昌(101)、フリゲート艦日照(598)、901型補給艦を12月15日男女群島西方で視認され、南東に移動し、12月16日に宮古島と沖縄の間から太平洋に進出したと発表が出ていた。

日本側報道資料によれば12月19日、20日に上記四艦に駆逐艦厦門(154)、名称不詳の054A型フリゲート艦が合流し空母航空運用など演習が展開された。統合幕僚監部の12月27日発表では、遼寧空母群が12月25日に沖縄と宮古島間を通過し東シナ海に入ったとある。

この間は一貫して他国艦船航空機が同空母群の動静を監視していたとPLANが発表している。発表では国名を上げていないが、PLAN公表の写真には海上自衛隊のヘリコプター空母JSいずも(DDH-183)が付近に写りこんでいる。

J-15 が遼寧 (16) から離陸した December 2021 deployment. PLAN Photo

日本側発表ではいずもが遼寧空母群を東シナ海から西太平洋への移動中一貫して監視したとあり、その他駆逐艦あきづき(DD-115)、P-1海洋監視機が厚木航空基地、P-3オライオンが那覇航空基地からそれぞれ対応したとある。さらに日本側発表では航空自衛隊戦闘機もスクランブル出動し、遼寧からの航空機ヘリコプター運用に対応したとある。

遼寧空母群の航海と活動は国際慣行に沿ったものであったが、日本付近での行動は10月の軍事行動に続き懸念を生んだ。10月にはロシア中国の連合部隊が本州東方公海上を移動し、両国は今後も合同海上演習を続けると述べていた。

Chinese Carrier Strike Group Liaoning Returns From Deployment

By: Dzirhan Mahadzir

December 31, 2021 1:57 PMUpdated: January 1, 2022 1:56 PM

ついでに中国側の見方もお伝えしましょう。環球時報の記事です。

 

寧空母群が12月30日公海での演習を終えた。同群は黄海、東シナ海、西太平洋で21日にわたる演習を展開し、全体としての実戦対応力を引き上げた。

 

近距離で外国艦艇航空機が監視を展開したが中国部隊は難なく対応し、自信を深めた。

 

訓練を成功裏に終えた遼寧空母群は山東省青島に12月30日午前入港したとPLA海軍が報道発表した。

 

同群は黄海、東シナ海から宮古海峡を通過し西太平洋各地に展開し、総合的かつ実戦を意識した訓練を展開したと同上発表にある。

 

訓練では実戦シナリオを使い各種装備を組み合わせた訓練を展開したとあり、公海上での運用を意識し同群全体の戦闘能力向上につながった。

 

演習は12月9日に捜索救難訓練で幕を開け、黄海でJ-15戦闘機を全天候下で離着艦させた。

 

その後遼寧空母群は西太平洋へ移動し、高度警戒態勢のまま戦闘の各段階に応じ複雑かつ流動的な海上空中の状況への適合を試した。

 

西太平洋で同群は海上状況が悪かったが各種戦闘シナリオで対空対潜戦の腕を磨いた。J-15戦闘機は昼間夜間問わず第一列島線外に展開し、戦闘哨戒飛行のほか指揮統制機能、システム構築、戦力調整や総合支援も行った。

 

演習を通じ外国艦船航空機が繰り返し近距離での偵察を試み、中国空母部隊の動静を探り、追尾してきた。中国側は冷静に対応し、艦載機を発進させたとPLA海軍は公表している。

 

J-15が発艦する写真に日本の事実上の空母いずもが近距離を航行する姿が映り込んでいる。いずもには054A型フリゲート艦が追尾していた。

 

中国中央テレビが12月30日放映した映像はJ-15コックピットからのもので、外国のF-15戦闘機を追尾していた。

 

各演習で公海上での戦闘支援能力が向上し、中国空母群の戦力が本国から遠く離れた地点でも有効なことを示せたと海軍問題に詳しいテレビ評論家Song Zhongpingが環球時報に伝えている。

 

外国軍の近距離での監視偵察に適切に対応したことでPLA海軍は戦力の充実にあわせ自信を示せたと専門家は見ている。■

 

Aircraft carrier Liaoning wraps up open sea exercises and deals with foreign close-in reconnaissance

By Liu Xuanzun

Published: Dec 31, 2021 01:02 AM

https://www.globaltimes.cn/page/202112/1243847.shtml


 

 


2022年1月1日土曜日

新年早々物騒なニュース:中国のとんでもない噂 本当なら中国経済は超インフレに突入し、世界経済も大打撃。COVIDに続き再び中国が混乱の原因になるのか。

 


造幣局が「公式」偽造紙幣2兆元を印刷?


中国国家紙幣印刷造幣局の陳耀明が自首してきたとのニュースがネット上に流れている。2兆元(約36兆円)の「同数紙幣」を私的に印刷した疑いだ。


陳耀明氏は造幣局内の材料を利用し2兆元相当の偽札を印刷したという。紙幣には発行済み番号が再び印字されているので流通すれば同じ紙幣が存在することになる。



中央銀行の公表文によると、2021年11月の流通通貨(M0)は8兆7400億元なので、2兆元は23%を占める。


もし、2兆元の「本物」の偽札が流通していれば、間違いなく巨大なインフレを引き起こし、物価高騰と国の経済破綻を招く。


12月22日、中国人民銀行は、「性質の悪い噂」と一蹴した。 「人民元の印刷と発行には厳格な作業手順と技術基準があり、中国人民銀行は常に法律に従い作業を実施している。 当行は、このような風説の流布を厳しく非難し、公安当局に通報ずみ」と述べている。


https://www.163.com/dy/article/GS107F8F0552I9XH.html


中国では現金で買物するとまず偽札チェックを受けるのが普通です。それだけ贋札が流通しているため、電子決済に一気に走ったという事情もあるのでしょう。日のないところに煙は立ちません。中国経済が2022年大変な境遇に陥ることが予想されます。波乱の予感がします。


令和4年 2022年 年頭のご挨拶

 者のみなさまへ

あけましておめでとうございます

昨年もいろいろなニュースをお伝えしてきました。

今年も防衛関係、先端技術関係を中心に海外のニュースをお伝えしてきます。


今年の干支は壬寅で、

何か大きなことが始まる年になるのか、他人便りでなるようになるだけの年になってしまうのか、注目ですね。日本の防衛では引き続き進化が続くと思いますが、国民の意識と知識がまだまだ追い付いていません。中国ではなんらかの望ましくない変動が露呈してくるでしょう。北朝鮮は世界の関心を集めようと懸命に画策するはずです。


メディア関係者の皆様には例えばF-35をF35に勝手に改称する「慣行」を改めてもらいますようお願いします。また、そろそろ防衛専門のスタッフをそろえてもらい、知見を集積してもらいたいですね。


今年のカウンターは 8233885 からスタートです。








2022年最初の記事は、潜水艦発射長距離巡航ミサイルの検討に入った日本の新しい安全保障構想についてです。

 新年あけましておめでとうございます。

第一号記事として日本の安全保障上で重要な内容を選びました。例によって中国、北朝鮮の権益を代弁するような「平和」勢力が国会内外でノイズを上げそうですが(本人が否定しても結果的にそうなっているのでこれはヘイトではありません)、2022年は日本の安全保障が実効性を向上するための大きな一歩になりそうな予感がします。今年もご愛顧のほどよろしくお願いいたします。


JMSDF

 

 

日本がめざす潜水艦発射ミサイルは対地・対艦両用で中国、北朝鮮への抑止効果を期待する。

 

 

本が潜水艦で新型長距離巡航ミサイル運用を行う検討に入っており、射程620マイルのミサイルを2020年代後半に配備するとの報道が入ってきた。

 

 

ミサイルは国産開発で海上自衛隊にスタンドオフ攻撃機能が実現し、水上艦や陸上施設を標的とし、中国や北朝鮮による脅威を相殺する効果が期待される。

 

報じたのは読売新聞で匿名の複数政府筋が海上自衛隊で供用中の潜水艦並びに今後就役する潜水艦に長距離巡航ミサイルを搭載する案を検討中と認めた。搭載するミサイルは12式亜音速対艦ミサイルを原型とする。同ミサイルは陸上自衛隊が供用中で現在の射程は124マイル程度。発射方法として垂直発射方式(VLS)と魚雷発射管の双方を検討する。現行の海自潜水艦にVLSは搭載されていない。また潜水艦で何発のミサイルを運用するかも不明だ。

 

JGSDF

陸上自衛隊の12式対艦ミサイルの試射.

 

 

読売新聞記事では潜水艦による対地攻撃を強調し、「敵ミサイル発射基地を正当防衛として」攻撃するとある。ただし同記事掲載の図には潜航中の潜水艦が敵水上艦も攻撃する姿があるが、対艦ミサイルを先に搭載することが記事からわかる。「敵攻撃手段の有効射程外からの敵艦へ反撃」とあり、同兵器を「将来は敵基地攻撃に転用する」とある。最終的に同じミサイルで対艦攻撃と対地攻撃双方に対応させることとし、トマホークIVあるいはノルウェーがI開発の共用打撃ミサイル(JSM)と同様になる。日本は後者をF-35ステルス機用に導入している。

 

「正当防衛」を強調するのは攻撃行動を排除する現行憲法の枠内で自衛隊を運用する配慮のためだ。ただし、憲法で想定した状況は急速に変化しており、固定翼機運用の航空母艦の調達も実現している。

 

新型長距離巡航ミサイル開発の大工程は未発表だが、2020年代末に供用開始するとしたら相当野心的な構想だ。とくにVLSを既存艦あるいは今後建造する艦に搭載しようとすれば相当の工事となる。南朝鮮が建造中の島山安昌浩Dosan Ahn Changho級ではVLSを順次拡大し6本を今後10本にし、巡航ミサイルや弾道ミサイルを運用するといわれている。こうした順次拡大方式を日本も採用するかもしれない。また魚雷発射管を利用するミサイルを既存艦に搭載し、VLSは今後建造する艦に搭載するのだろう。

 

海自潜水艦はハープーン対艦ミサイルを搭載しており、魚雷発射管で運用するが、射程距離は今回構想の新型ミサイルより短く、対地攻撃能力もない。海自のUGM-84LハープーンブロックIIの有効射程は80マイル程度だ。

 

記事では岸田文雄首相がめざす国家安全保障戦略に「敵基地攻撃能力」を盛り込むとある。同戦略は2022年末に公表の予定で、防衛外交両面での中長期指針となる。潜水艦発射式ミサイルは目標達成の手段となり、海自には22隻の通常動力型潜水艦があり、現在2隻が加わる予定なので十分な規模といえる。ただし、空中発射式や艦上発射式巡航ミサイルで要求にこたえられそうだ。

 

12式対艦ミサイルの射程延長も進行中で、航空自衛隊のF-15Jに搭載する案もある。

 

12式の射程延長作業は2018年度から始まっているが、昨年12月に同ミサイルで設計変更の方針が発表され、搭載燃料増加のため大型化、推進部分を高高度飛翔に最適化することになった。飛翔距離は560マイルになり、さらに930マイルまで延長される。第一期の射程延長でも今回想定の新型巡航ミサイルと同程度の射程が実現する。もっと重要なのは12式も地上目標攻撃が可能なことで、レーダー断面積の縮小対策で探知されにくくなる。ただし、射程延長型12式を潜水艦発射用にする言及はなかった。

 

とはいえ、12式改良は2019年度から2023年度までかかると見られ、今回発表の潜水艦発射式巡航ミサイル構想に符合する。

 

12式陸上発射式対艦ミサイルとは:

 

対艦対地両用で長距離射程の巡航ミサイル12式は海上自衛隊にも有益な装備となる。海自は急拡大するPLAN水上艦艇部隊へ対応を迫られており、日本周辺以外に南シナ海、東シナ海ではとくに後者に尖閣諸島があり、PLANは空母打撃群まで整備している。

 

合わせて対地攻撃仕様の新型ミサイルで日本は中国や北朝鮮の弾道ミサイル能力を標的におさめる装備を入手できる。北朝鮮は弾道ミサイル発射をたびたび行い、日本近海に着弾させている。重要な軍事施設や国家指揮統制施設、航空基地、防空施設を標的とするのが海自長距離巡航ミサイルの有事対応となろう。

 

中国あるいは北朝鮮が日本を攻撃してくれば、潜水艦の対地攻撃巡航ミサイルで反攻する。敵第一撃で日本の航空戦力や水上艦艇が大損害を受けても潜水艦発射ミサイルは有効な手段となる。海自潜水艦の攻撃効果への期待以外にそもそも海自潜水艦は世界最高レベルの通常型潜水艦で、静粛度にすぐれ、リチウムイオン電池まで搭載している。

 

12式改良を念頭に長距離対応巡航ミサイルの開発は相当進んでいるのだろう。未確認情報だが、たいげい級一号艦はVLSあるいは魚雷発射管の評価に供され、艦寸法とくに上部構造を拡大しているのはVLS搭載を試す狙いがあるともいわれる。

 

日本はトマホーク巡航ミサイルを米国から調達する案も検討していた。2017年にこのサイトでお伝えしている。スタンドオフ報復攻撃手段として北朝鮮のミサイル発射施設に向け発射する構想だった。今回発表の長距離巡航ミサイル構想と並行しているが、日本が当初想定したのは陸上発射型のトマホーク導入で、潜水艦発射式ではなかった。その後トマホーク導入に進展がないが、ブロックIV仕様の同ミサイルは日本の求める性能に完璧に符合している。

 

新型対地攻撃ミサイルの潜水艦搭載に加え日本国から遠く離れた地点への攻撃能力を導入すれば従来の「専守防衛」が大きく変わる。ミサイルをVLSセル発射用に改装するのは容易で海自水上艦艇での運用も可能となろう。明らかなのは日本の戦略姿勢では長距離攻撃能力を潜水艦のみならず広範な手段で実現する要求が急速に強まっていることだ。■

 

Japan Wants To Arm Its Submarines With Long-Range Cruise Missiles: Report

The missiles would offer land-attack and anti-ship capabilities and would be expected to serve as a deterrent to China and North Korea.

BY THOMAS NEWDICK DECEMBER 30, 2021

https://www.thedrive.com/the-war-zone/43683/japan-wants-to-arm-its-submarines-with-long-range-cruise-missiles-report