2022年3月23日水曜日

ウクライナ戦で早くもロシア戦車の10%を喪失。戦車の時代は終わったのだろうか。

 


A piece of a Russian tank along a road outside of Kharkiv, Ukraine.

ウクライナ・ハリコフ郊外で放棄されたロシア戦車の砲塔部分。ロシアは新鋭戦車部隊の一割を喪失したとの試算がある。Sergey Bobok/AFP via Getty Images


一次世界大戦以降の陸上戦で重要な柱は戦車だ。ウクライナでは、無人機と最新鋭軽火器に支えられた士気の高い歩兵が、戦車を前線で排除できると示している。



 粗い粒子の画面の十字線が、野原に潜むオリーブグリーンの巨体をとらえる。画面が一瞬かすみ、ミサイルが消えていく。6秒後。ドカーン。

 ロシア軍のT-72戦車がまた1台、行動不能に陥り、乗員は死んだようだ。

 肩ごし発射のジャベリン最新鋭ミサイルではない。ウクライナ製の対戦車弾Stugna-Pで、お世辞にも洗練されているとは言えない。兵士数名が三脚上にミサイルを設置し、戦車が射程に入るのを待つ。リモコンパネルで操作する兵士はミサイルが命中するまでターゲットにレーザーで照射したり、自己誘導させる。

 非常に効果的だ。オープンソースの兵器追跡サイト「オリックス」によれば、ロシアは少なくとも270台の戦車を3週間で失っている。

 ウクライナ防衛は効果を上げており、アナリスト多数が、ロシアの失敗は、前線兵器としての戦車自体に原因があると考えている。

 戦車の戦術的弱点を示す新たな証拠は、専門家の言葉を借りれば「衝撃的」であり、軍事史の遺物となるかで議論を呼び起こしている。

 低価格無人機が低高度で戦車を攻撃している。防衛部隊は焼け焦げた郊外で戦車を待ち伏せ、新世代の「撃ちっぱなし」武器で、志願兵でも、戦車殺しを簡単な仕事にしてしまった。

 世界各国の政府にコンサルティングする軍事戦略家のエドワード・ルトワックEdward Luttwakは、「戦う決意が固い歩兵は、大量の使い捨て対戦車ロケットで、超強力になった」とInsiderに語っている。

 戦車は80年以上にわたり陸戦の王者だった。敵陣地を突き崩し、歩兵に新たに獲得した地点を保持させるのが戦車の仕事だ。だが戦車には、バズーカや無反動ライフルなどの携行武器や、映画「プライベート・ライアン」に登場する「粘着爆弾」のような即席爆発物に弱い問題があった。


戦車は、時間の経過とともに、掃討任務に移行していく

 しかし、ウクライナにおけるロシア戦車の攻撃効果の低さを見れば、技術、特に高性能弾と誘導ミサイルの進歩で、戦車が時代遅れになるほど、対戦車防御が有利に傾いていることがわかる。

 Insiderの取材に応じた一防衛アナリストは、戦車の役割を、最前線で活躍したルネサンス時代の矛と薙刀で武装したスイス槍兵になぞらえている。 

 当時は歩兵が、そして今は戦車が担う前衛は、これからは無人機やロボット車両、長距離攻撃システムに役目を譲る可能性が高い。

 元米国陸軍レンジャーで、新しいアメリカの安全保障センターCenter for a New American Securityの研究部長ポール・シャールPaul Scharreは、「戦車は時間とともに、戦場を掃討する役割に移行していくでしょう」と述べている。


「ポイント・アンド・シュート」

肩撃ち兵器が、戦争を変えている。


 短時間の訓練で、歩兵のみならず志願兵でさえも戦車に勝てる。発射後すぐに移動したり、身を隠したりできるのがジャベリンだ。戦車の装甲の一番弱い上部に命中させるモードもある。ウクライナでは、開戦以来、予備役に同兵器を訓練してきた。

 イギリスとスウェーデンで設計されたNLAW(次世代軽戦車兵器)も、使い方は比較的簡単で、重さはビール1ケースと同程度。肩に担ぎ、半マイル以内の標的を数秒間追尾してから、発射する。その後はサイルの誘導装置が作動する。

「NLAW軽戦車兵器は、プラスチックの筒にロケット弾を搭載したのが、大きな違いがあります。指差して撃つだけ。トラック一台でキーウの街角に500発を配送できます」(ルトワック)

 NLAWはまさにウクライナのような戦争に対応できる設計だ。

 「NLAWは、建物上部から木の陰や溝と、ほぼすべての位置から攻撃できる」と、兵器メーカーSAABはウェブサイトで宣伝している。「45度下に発射でき、建物の中から、地下から、あるいはほとんどの戦車で射程外の2階から撃てる」

 SAABのパンフレットがいうように、戦車は市街地で、あるいは都市に接近時に最も脆弱となる。街角で待ち伏せされたり、窓から発砲され逃げられたりする。戦車にとって既知の危険だが、第二次世界大戦やベトナム戦争で戦車が地上で直面した事態をはるかに超えている。

 100年前、英国は戦車を陸上戦艦と考え、ほぼあらゆる地形を踏破し、速度と火力の比類ない組み合わせで敵を驚かせる装甲の塊になると考えた。戦車は第一次世界大戦中、塹壕戦の膠着状態を打破するため初めて配備された。

 戦艦同様に、戦車は燃料を大量消費するが、攻撃力を発揮する。米M1A2主力戦車は、重量73トン以上、120mm弾を発射する。ただし重い装甲とミサイルジャマーを持つ同戦車でさえ、市街地では危険だ。

 世界は都市化している。世界銀行によると、2045年までに60億人が都市部に住み、軍隊が戦いを強いられる都心部と郊外がさらに拡大する。

 ウクライナは郊外の輪郭部で、ロシアの優位性を否定している。ロシアの進攻は、キーウ近郊で停滞し、士気の高い戦闘員に鉢合わせした。戦闘は数週間にわたり街区単位で行われている。

 キーウの北西に位置するイルピンでは、ウクライナ火砲が射程内に入った装甲車隊を打ちのめし、部隊や志願兵の小チームが対戦車兵器で待ち伏せしている。キーウの東にあるブロヴァリで、ある中尉がニューヨーク・タイムズに語ったところによると、彼女のチームは主要高速道路や大通りに対戦車兵器を設置し、Stugna-Pミサイルの3マイル射程内に入るのを待ち伏せしている。

 そして、無人機がある。戦闘機サイズから手のひらサイズまで、各種あり、無効化する技術対策が進行中だ。しかし、無人機のメーカーや機種は多岐にわたり、妨害、混乱、破壊の各面で万能な方法は存在しない。


A collage of four screenshots from what Ukrainian forces say is the viewfinder of Bayraktar TB2 drones targeting Russian-controlled assets

ウクライナのバイラクター無人機によるロシア軍への攻撃の様子 Ukraine Armed Forces/Facebook/Insider


ウクライナ戦では、無人機が優位性を示している。トルコ製TB2が装甲車両の近くで待機し誘導ミサイルで攻撃し、標的の位置を砲撃部隊に中継している。TB2は貧者にとってのMQ-9リーパーの存在で、セスナ機ほどの大きさで、丸1日以上滞空し最大4発までミサイルや爆弾を発射し、基地に戻り再充填する。

 CNASのシャールは、「ウクライナ軍は実際に、ロシア装甲車に対して、TB2やもっと小さな無人機で大きな効果を上げている」「無人機は低空飛行が可能で、パイロットを危険にさらさず、空からの攻撃に非常に有効だ。

 さらに小型の無人機も役割を果たす。バイデン政権はウクライナに「スイッチブレード」100機を送る。バックパックほどの大きさの単発機で、カミカゼ攻撃で装甲車両を破壊できる。


これでは戦闘を続けられない

ロシア軍指揮官は誤判断で、軍の潜在能力を無駄にしている。戦車もこの一部だ。

 戦車を泥の中で進める自信がないため、幹線道路上を走らせている。ロシアの戦車は、それを守れる歩兵を出し抜く。

T-72の航続距離は約600マイル、重量は40トン、燃費は1ガロン当たり1マイル以下だ。ウクライナでは、多くが給油トラックから離れすぎたり、乗員自身の妨害を受けているという。ほとんど道路に張り付き、オフロードを走る、分散する、位置を隠すことはほとんどしていない。火砲の射程圏内で集団行動し、大損害を被ったこともある。

 欧米アナリストの多くは、ロシアが複合兵器能力を整備した兆候は皆無に近いと見ている。例えば、航空戦力と火砲が連動して戦車を支援する想定だ。

 戦車推進派は、ロシア戦車の場合は戦術が悪いせいと考え、アメリカでの戦車中心の陸上戦想定がすぐに変わることはないと見ているのだろう。


 ロシア軍は複合兵器運用に無能

 戦車は長い間、米陸軍のドクトリンの中心であり、中心的な役割を担ってきた。

 バルジの戦いで包囲された101空挺師団を救ったのは、パットン率いる第3軍の戦車部隊であった。1991年の湾岸戦争では、アメリカ軍戦車がイラク軍戦車を撃破した。73イースティングの戦いでは、戦車9台のアメリカ軍が、数でまさるイラク軍戦車部隊と遭遇し、これを撃破する典型的な戦車部隊の激突があった。

 73イースティングのイーグル戦車部隊の司令官で、後にドナルド・トランプ大統領の下で国家安全保障顧問を務めたH・R・マクマスター退役中将Lt. Gen. H.R. McMasterは、Insiderのメールインタビューで、「機動保護火力は今後も戦闘と勝利に重要」と述べた。

「接近戦に決定的な武器はない」とマクマスターは続け「地形に制限があったり都市部で敵の防御を崩すには、指揮官は歩兵と機動的な保護火力、そして火砲や航空機の攻撃を統合しなければならない。

「ロシア軍は複合武器作戦において無能に映る。

 とはいえ、地上や空から発射される誘導弾が課題だ。戦車支持派でさえ、戦車は軍艦同様に、装甲やミサイルへの防御システムが必要と認めている。

 歴史家ジェレミー・ブラックJeremy Blackは、2020年の著書『Tank Warfare』で、戦車を無人機や無人陸上車両を発射・制御する母艦に改造する提案をしている。

 無人機で武装しても、対抗兵器が強力で精密になるにつれて、戦車の役割は縮小する可能性が高い。

 NATO軍とロシア軍の通常兵器での衝突はどうなるか、という質問にシャールは「理想的な対応策は、戦車を前線に送り込むことではなく、長距離砲やミサイルでロシア装甲車両の前進を攻撃することだ」と答えた。

 「装甲車は来るだろうが、前方の装甲車隊を瓦礫にした後の第二波だろう」と。■



Ukraine has destroyed nearly 10% of Russia's tanks, making experts ask: Are tanks over?

Sam Fellman and Mattathias Schwartz


2022年3月22日火曜日

米国内のロシア製防空装備をウクライナへ送る作戦が進行中か。米国には訓練、開発用にこれまで入手したロシア製装備が多数ある。

 A US Air Force-owned Soviet-era SA-13 Gopher surface-to-air missile system.

USAF

 

米国には長年に渡り捕獲、差し押さえその他の方法で入手したロシア製防空装備システム各種があり、ウクライナへ送り実戦投入させようとしている。

 

政府は保有するソ連時代の防空装備品をウクライナへ搬送しつつあるとウォール・ストリート・ジャーナルが伝えた。長年に渡り米軍や情報機関が入手し、訓練に使用してきた装備品だ。いわゆる外国製物資活用(FME)プログラムがウクライナが切望する防空能力の供給源となる可能性をThe War Zoneは以前から主張してきた。

 

 

 記事では米政府機関が段取りをつけているとあるが明確ではない。米軍が全体を進めている様子だとあるが、ペンタゴンはコメントを拒否している。

 また記事では米政府が米陸軍レッドストーン武器庫(アラバマ州ハンツビル)からC-17グローブマスターIII輸送機で一部装備品をウクライナへ発送したとあり、レッドストーンは陸軍の航空ミサイル本部(AMCOM)の所在地だが、国防情報局(DIA)のミサイル宇宙情報センター(MSIC)もあり、FMEに関与している。DIAが国防総省のFME事業全体を統括している。

 米軍はウクライナ向け軍事装備品の搬出や調整に非常に熱心に動いている。その一環に各種防空装備品があり、特に肩のせ式地対空ミサイル別名携行型防空装備(MANPADS)がある。さらに米政府関係者はウクライナ軍が習熟ずみの装備品供与に重点を置く。The War Zoneではこの構想のメリットを先に説明している。とくにウクライナ軍が装備品を第一線に迅速かつ平易に展開できるのが利点だ。ウクライナの地上配備防空装備こそロシア軍による航空優勢確保を阻止するため重要な存在だ。

 だが最終的にどの装備品がウクライナに手渡されるのかは不明だ。ジャーナル紙記事ではSA-8ゲッコーについてのみウクライナ軍に手渡されると明記している。SA-8はロシア軍が9K33オーサと呼ぶ、車輪走行式の短距離地対空ミサイルだ。DIAのMSCIに同装備が少なくとも一式あると判明している。

 

USAF

米軍が保有するSA-8ゲッコー

USAF

米空軍第547情報隊保有の SA-8 ゲッコー

 

 匿名筋からジャーナル紙にS-300長距離地対空ミサイル装備(NATO名SA-10グランブル)を米政府はこっそり1994年にベラルーシから入手しており、米国内に残っているとの情報を伝えている。

 ソ連時代あるいはロシアになってからの防空装備でウクライナも供用中の装備品が他に米軍在庫にあるのかは不明だ。米軍のFMEエコシステムは情報機関コミュニティが大半を取り仕切り、外国製軍事装備品の入手方法そのものが機密とされているだけに全体も秘密のままだ。

 確実とは言えなくても可能性があるのが米政府がFMEでの保管中装備でウクライナ支援する決定をしたことで、DIAや陸軍に限らず各方面から装備品を集めることにした点だろう。米空軍にもSA-8の実機があり、ウクライナ軍でも供用中のSA-13やSA-15ガントレットも保有している。このうち後者二型式はロシアでは9K35ストレラ-10、9K332トーM2Eと呼ばれ、ともに装輪式短距離防空装備だ。

 

USAF

2011年の演習でSA-15Bガントレットがアラスカのエイルソン空軍基地に到着した

 

 米国がFMEを通じて保有するソ連/ロシア製移動式防空装備も多数あるといわれ、その他ウクライナ軍でも活躍しそうな装備にブク対空装備がある。米軍が保有する外国製MANPADSも各種あり、これもウクライナへ搬送されそうだ。

 こうした外国製装備品が機能するのか疑問もある。また比較的少数のこうした装備品をウクライナへ送ることが有益としても、米軍の演習や開発に必要なこうした装備品を送ることによるマイナス面も発生しよう。

 あわせて、ウクライナ軍は総動員なまで追い込まれており、どんな種類の軍事装備品提供でも断われる状況でもない。使い慣れた防空装備品なら即戦力になる。米軍が供与する装備品にはもともとウクライナ政府から米国が入手したものもあり、FME装備品でウクライナは大きな供給源で、戦闘機からレーダーまで提供してきた。

 米政府についていえば、FME在庫の装備品は米国の最良でウクライナへ手渡せる利点もある。米政府は同盟国協力国と協力してソ連時代やロシア製の防空装備品を探し回っており、ウクライナへ供与できる装備も見つかるだろう。ただし、他国の中には政治的理由のため取引に慎重だったり複雑な規定を有するものがある。

 

ELLSWORTHSK VIA WIKIMEDIA

米政府はスロバキア保有のS-300装備、部品類をウクライナへ送るため同国と協議に入っている。

 

 米軍自身が現実世界で驚異となる装備品を必要としてきたが、今や実機でなくてもシミュレーターや代理装備で相当部分を再現できると考えるようになっているのかもしれない。さらにロシアがウクライナで敗北すれば、米FMEに新品のロシア防空装備が加わる絶好の機会になる。その他装備品や関心を集める素材もあるはずだ。

 

 ソ連時代ロシア製防空装備が米軍のFME事業からウクライナへの移動が実際に一部始まっているのであれば、実際に供与された装備品の種類がすぐ判明してもおかしくない。いずれにせよ、ウクライナ軍は追加防空装備を喉から手がでるほど欲しいはずで、自国の空での優位性確保が不可欠であることにかわりない。■

 

 

Secretive American Stocks Of Soviet Air Defense Systems Are Headed To Ukraine: Report

The US has captured, snatched, or otherwise acquired various Russian-made air defense systems over the years, and now they could fight in Ukraine.

BY JOSEPH TREVITHICK MARCH 21, 2022

 


米国がついにウクライナに無人機装備の供与を決定。ISR機能の拡充となれば地上部隊に有利な状況が生まれそう。

 


Pentagon Sends Drones to Ukraine


 

中高度を飛ぶグローバルホークや高高度のU-2など、ウクライナ軍に大きな効果をもたらす可能性のある作戦システムが多数ある。

 

イデン大統領は、国民向けテレビ演説の後で、ウクライナ向け8億ドル支援パッケージに署名し、あらたに無人機装備も含まれている。

 

 

無人機をここに来て供与する意味

 

今回は無人機が含まれたが、これまで国防総省や国家安全保障の指導層が言及したり強調してこなかったので、非常に重要だと思われる。

 米国製無人機の技術的洗練度を考えれば、ロシアの地上の動向を追跡し、地上にいるウクライナの防衛隊に重要なデータをネットワーク送信する能力に極めて重要な意味がありそうだ。

 大統領発表を受けて、ロイド・オースティン国防長官は声明を発表し、ウクライナへの米国の全体的な支援との関連で、新展開を発表した。

 「大統領が署名した2022年度ウクライナ補正予算を根拠とする追加権限により、米国防総省は第5回大統領令による安全保障支援を迅速に進めている」と述べた。オースティンは国防総省声明で、「本日の最大8億ドル相当の支援で、政権発足以来の米国の安全保障支援の総額は20億ドル以上となる」と述べた。

 総合支援パッケージは、弾薬、武器システム、肩撃ち防空迎撃ミサイルのほか、無人機も含む。

 無人機は、ウクライナ人がロシア軍の動きに関する重要な情報を得るまでの時間を短くすることで、実質的に貢献できる。例えば、キーウに迫るロシア攻撃部隊の動きをリアルタイムで伝えるデータがあれば、防衛拠点に分散するほぼ機動部隊が大きな恩恵を受ける可能性が高くなる。

 中高度を飛ぶRQ-4グローバルホーク、高高度のU-2、あるいはレイヴンのような近接市街戦に適した地上ユニット統合型手投げ式無人機など、ウクライナ地上軍に大きな価値をもたらす作戦システムが数多く存在する。

 小型無人機が地上部隊に組織的に配備され、ロシア防空網のレーダー圏内で活動すれば、ロシア軍を待ち伏せで殲滅を狙うウクライナ軍に重要な戦術的情報を提供するだろう。

 もちろん、ロシアの防空網がどこまで整備されているかという問題はあるが、地上の動きや熱源など、敵活動を検知できる超長距離センサーはますます充実している。

 また、無人機オペレーターは、機体が予測可能な経路をたどらないように、また防空レーダーや迎撃ミサイルの影響を受けにくい経路を進むように、戦術を調整できる。また、探知を回避する設計の中・高高度の無人機や、防空レーダーの開口部下で活動できる小型無人機も存在するようだ。

 合わせて、地上の指揮統制技術をウクライナに供与することも考えられる。戦闘の変化の速さを考えると、重要情報が地上の戦闘部隊に早く届けば届くほど、侵攻してくるロシア軍に対して成功を収める可能性が高くなる。■

 

Pentagon Sends Drones to Ukraine - Warrior Maven: Center for Military Modernization


KRIS OSBORN, WARRIOR MAVEN

MAR 17, 2022

 

 

Kris Osborn is the defense editor for the National Interest and President of Warrior Maven - the Center for Military Modernization. Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army—Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has appeared as a guest military expert on Fox News, MSNBC, The Military Channel, and The History Channel. He also has a Masters Degree in Comparative Literature from Columbia University.


2022年3月21日月曜日

ウクライナばかりに目を奪われてはいけない。日本周囲で気になるロシア、チュウゴクの海軍部隊の動きをまとめてみました。

 

ニミッツ級空母USSエイブラハム・リンカン(CVN-72)から発艦するF-35CライトニングII は海兵隊戦闘攻撃飛行隊(VMFA)314「ブラックナイツ」の所属機。 March 15, 2022. US Navy Photo

【黄海上空で米海軍航空部隊が示威行動】米第7艦隊は、北朝鮮の大陸間弾道ミサイル発射を受けて、2022年3月15日黄海で空母機が航空示威行動を実施したと発表した。

USSエイブラハム・リンカン(CVN-72)の海軍F/A-18E/Fスーパーホーネットと海兵隊F-35CライトニングII共用打撃戦闘機、および米空軍機が国際空域に展開した。

声明では、北朝鮮が2月27日と3月5日に相次いで行ったICBM発射は、国連安全保障理事会決議と国際公約への公然たる違反であり、近隣諸国と国際社会に脅威を与えていると述べている。

米国は、「米国および同盟国の安全確保のため必要なあらゆる措置を今後も取る。DPRKがもたらす脅威に対処するため、同盟国・協力国と緊密な連携を維持している。韓国と日本の防衛に対する米国のコミットメントは揺るぎないものだ」と声明にある。

リンカンは1月22日にカリフォルニア州サンディエゴを出港し、西太平洋で活動中。

【フィリピンがPLANによる領海侵犯に抗議】フィリピン外務省は月曜日、1月29日から2月1日にかけての人民解放軍海軍(PLAN)によるスールー海侵犯について、中国大使を召喚すると発表した。フィリピン政府は問題のPLAN 艦船は、艦首番号 792 の東調級Dongdiao-class電子偵察艦とし、許可なくフィリピン海域に侵入し、パラワン州のクヨ群島とミンドロ州のアポ島海域に到達した。

フィリピン海軍のフリゲート艦BRPアントニオ・ルナAntonio Luna(FF-151)が PLAN 艦に警告したが、PLAN は無害通航と主張したうえスールー海に3日間にわたり滞留し、フィリピン艦から繰り返しフィリピン海域から直ちに出るように指示されても活動を続けた。

「国際公約を守るフィリピンは1982年の国連海洋法条約(UNCLOS)第52条に基づき、無害通航権を認めている。しかし、PLAN792艦の行為は無害通航に当たらず、フィリピンの主権を侵害した」(声明文)。

【北海道付近でのロシア艦艇の動き】3月10日にロシア艦艇10隻が日本を通過したが、3月14日にも太平洋から日本海に航行するロシア艦が目撃された。

Japanese MoD images

水上艦3隻とキロ級潜水艦3隻のグループが宗谷海峡を、1隻が津軽海峡を通過した。

統合幕僚監部は、3月14日の報道発表で、宗谷岬の南東約130kmの海域で、水上艦3隻とキロ級潜水艦3隻が北西に航行するのを確認したと述べた。水上艦は艦番号で駆逐艦RFSマーシャル・シャポシニコフ(543)、ミサイル範囲計測船RFSマーシャル・クリロフ(331)、救助タグSB-522だった。

各艦はその後、ロシアのサハリン島南部と日本の北海道北部を隔てる宗谷海峡を西進した。統合幕僚監部によれば、駆逐艦「まきなみ」(DD-112)が監視を行ったという。

月曜日の2回目の発表では、同日午前9時にロシアの兵器輸送船が本州の尻屋崎の東北東約70kmを西に移動するのを探知し、その後、津軽海峡を西に移動し、日本海に航行したとある。また、掃海艇「いずしま」(MSC-687)がロシア艦を監視したと発表された。

津軽海峡は本州と北海道を隔て、宗谷海峡と同様、日本の領海は両端のわずか3カイリの国際海峡である。津軽海峡は、3月10日に10隻が通過していた。

今回のロシア艦船は、1月から2月にかけての大規模演習に参加したロシア太平洋艦隊の一部であり、演習終了後に母港へ向かったとみられる。■

US Carrier Fighters Overfly Yellow Sea in Response to North Korean Missile Launch - USNI News

By: Dzirhan Mahadzir

March 15, 2022 1:56 PM


兵站が追いつかないロシア軍、精密誘導弾の在庫も低下し、無差別攻撃に踏み切っているのか。ウクライナ戦をどう決着させたいのか。

  

 

A Ukrainian serviceman guards his position in Mariupol, Ukraine, Saturday, March 12, 2022. Ukrainian military says Russian forces have captured the eastern outskirts of the besieged city of Mariupol. But Russia is struggling to supply its forces with the most basic requirements three weeks after its troops invaded Ukraine, a senior U.S. defense official said Thursday, March 17, 2022.

ウクライナのマリウポリで防衛に当たるウクライナ軍隊員。 Saturday, March 12, 2022. ウクライナ軍によると、ロシア軍は包囲都市マリウポルの東部郊外を占領した。しかし、ロシアはウクライナに侵攻して3週間、物資補給に苦労していると、米国防当局高官が2022年3月17日木曜日に述べた。(Mstyslav Chernov/AP Photo)

 

シアが隣国ウクライナに侵攻し3週間が経過したが、ロシア軍は基本物資の補給に苦しんでいると、米国防当局高官が3月17日述べた。

 

 

 「明らかに、3週間後にこの状態になるとは想定していなかった。補給線が凍結する中、燃料補給し、部隊へ糧食、武器弾薬を供給するのに奮闘する(一方で)非常に強固なウクライナの抵抗に会っている」と、同高官は言った。

 ウクライナ戦争が始まって以来、ロシア軍の進軍ペースは、プーチン大統領の期待より遅いと、この同高官は述べている。

 ロシア軍のウクライナ進攻は、第一週から補給不足のため行き詰まっていたと同高官は述べた。

「1週目に、ロシア軍が兵站と維持を適切に計画していなかったのがわかり、燃料や食料の補給に苦労していた」と同高官は語った。「現地で部隊の維持に苦労している」

 米国はまた、ロシアの士気が「指導力の低下、部隊の任務や目標に関する情報の不足」や「ここまで激しく抵抗を受けていることへの驚き」のため低下している「逸話的な兆候」を見てきたと、当局者は語った。

 ウクライナ外務省によれば、ウクライナ軍はロシア軍約14,000人を殺害し、ジェット機86機、ヘリコプター108機、戦車444台、装甲車1,435台を破壊したという。米国は今日まで、どちらの軍の損失数も確認できていない。

 これまでのところ、プーチンは、数カ月かけてベラルーシやロシアとの国境沿いに積み上げた17万人以上の部隊や装備を送り込んで以来、ウクライナに追加の物資や装備、部隊を移動させていない、と同高官は述べている。

 しかし、開戦3週間後で補給の必要性が深刻になっていることは「注目に値する」とした。

「ロシアが戦闘力の大部分を利用できる一方で、補給と調達について話しているのは、長期化を心配し始めているためだろう」と同高官は述べた。

 3月17日時点で、ロシア軍はキーウに前進しておらず、首都中心から約18マイル東に留まっているという。ウクライナ軍は、ロシア軍の攻撃にもかかわらず、ブロヴァリーの制圧を防いでいる。

 キーウの北約88マイルにあるチェルニヒフは孤立したままで、南部のマリウポリも1週間以上にわたって長距離ミサイル攻撃を受けている。

 ウクライナ南西部の黒海では、フリゲート1隻、水陸両用艦2隻、水雷戦艦1隻など、ロシア海軍の水上艦艇が確認されている。ただし、揚陸強襲が迫っているとの指摘はない。

 ロシア軍は依然停滞しているが、同高官は、ウクライナは「静的な環境ではなく、多くの戦闘が行われている」と述べた。

 「前進できない理由は、(ウクライナ人が)ロシア軍に非常に積極的に抵抗しているからであり、双方が膠着状態にあるわけではない」と、当局者は述べた。「ウクライナはロシア軍のあらゆる動きに積極的に抵抗している 」。

 開戦以来、ロシアはウクライナへ1000発以上のミサイルを発射したと同高官は語った。ここ数日、侵略軍は非精密誘導弾に頼ることが多くなっており、命中精度が低いため、民間人に多くの犠牲が出ている。

 ロシアの補給問題も、非精密弾の使用増加の原因かもしれない、と同高官は言う。

「精密誘導弾を節約しているか、不足し始めた可能性がある」。

 ウクライナでは、ロシア軍が攻撃を続けており、病院や学校、集合住宅などの民間インフラが攻撃対象となっており、民間人多数が死亡している。■

 

Pentagon: Russia still struggles to feed troops and fuel tanks three weeks into its invasion of Ukraine | Stars and Stripes

BY CAITLIN DOORNBOS  • STARS AND STRIPES • MARCH 17, 2022

 

CAITLIN DOORNBOS

Caitlin Doornbos covers the Pentagon for Stars and Stripes after covering the Navy’s 7th Fleet as Stripes’ Indo-Pacific correspondent at Yokosuka Naval Base, Japan. Previously, she worked as a crime reporter in Lawrence, Kan., and Orlando, Fla., where she was part of the Orlando Sentinel team that placed as finalist for the 2017 Pulitzer Prize for breaking news. Caitlin has a Bachelor of Science in journalism from the University of Kansas and master’s degree in defense and strategic studies from the University of Texas at El Paso.


ウクライナ軍の抵抗を支えるジェベリン、スティンガー、NLAWのミサイル兵器。西側はさらに供与し、ロシア軍は損害を覚悟することになる。

 


A Ukrainian Territorial Defence Forces member holds an NLAW anti-tank weapon, in the outskirts of Kyiv, Ukraine, Wednesday, March 9, 2022.

キーウ郊外で対戦車兵器NLAWを持つウクライナ領土防衛軍隊員(2022年3月9日撮影)

March 9, 2022. AP Photo/Efrem Lukatsky

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  • ロシア軍はウクライナの抵抗に苦戦を強いられている

  • ロシアの装甲車両や航空機は、西側装備で強化されたウクライナ軍に阻まれている

  • 対空ミサイルのスティンガー、対戦車ミサイルのジャベリンとNLAWがウクライナ防衛に欠かせない存在となっている 

シア軍は、20万人近くの兵力と装甲車数千台を戦闘機や軍艦が支援する侵攻部隊を編成したが、ウクライナ侵攻が始まり3週間、主要目的を達成することができないままだ。

 ロシア軍は、48〜72時間の電撃作戦でウクライナを降伏させる想定だったが、ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は激しい抵抗を続け、首都キーウ含む主要都市は依然ウクライナの手にあり、モスクワのみならず世界中が驚いている。

 ウクライナ人の気概と戦場での知識が防衛に大きく貢献しているが、NATOやEU諸国が提供した装備品もロシア侵攻を食い止めている。

 ウクライナは西側諸国から数十億ドル相当の兵器を受け取っており、今週も米国が10億ドルの安全保障支援を行ったが、中でも兵器システム3点が際立っている。

 米国製のFGM-148ジャベリン、FIM-92スティンガー、英国とスウェーデンの設計による次世代軽量対戦車兵器(NLAW)だ。


ジャベリンとNLAWの威力は高い



 戦車や装甲車は、ロシア軍の戦術思想の中核をなす。ロシアの大隊戦術集団battalion tactical groupsは、強力な火力で抵抗を圧倒するべく機械化された編成である。

 しかし、BTGは対戦車防衛ジャベリンに弱い。ジャベリンは発射後すぐ再使用可能な誘導ミサイルだ。

 ジャベリンは発射管と、制御装置や昼夜兼用の光学照準器を備えた制御ユニットの2つで構成する。ジャベリンミサイルの先端には赤外線ホーミング誘導装置があり、発射後に隊員は移動して反撃をかわす。

 ジャベリンは1発20万ドル近くと決して安くないが、「だから頻繁に撃つことはない」と、州兵部隊に配属されたグリーンベレー隊員はInsiderに語っている。

 「通常、(軍事訓練)クラスでは、優等生だけが実弾を発射する。他の生徒は実弾を込めない武器で手順を学びます。しかし、実弾を撃たなくても、発射手順や順序のマスターができます」と、同上グリーンベレーは述べている。


Ukraine Javelin anti-tank missile

2022年2月、ウクライナで行われた訓練で、対戦車ミサイル「ジャベリン」を発射するウクライナ軍。Ukrainian military/Handout via REUTERS


 ジャベリンの効果は、大きさとは関係なく、ターゲット対応の柔軟性にある。

 戦車など装甲車両に対して、ジャベリンは高い攻撃角で装甲が最も薄い車体上部を狙い攻撃する。

 侵攻前、ロシア戦車兵は戦車上部にカゴをつけ、ジャベリンを先に爆発させ、威力を弱める対抗策を講じた。だがロシア戦車何百台が破壊されたことから、有効でなかったことがうかがえる。

 建物やバンカーなどの静止標的には、ジャベリンは直線状で攻撃する。米国の特殊作戦部隊は、アフガニスタンでジャベリンを対人攻撃に使用したこともある。

 「ジャベリンは対人攻撃にも非常に有効です。何十万ドルもする対戦車兵器システムが対人用攻撃のオプションになるとは、普通考えないでしょう」と、元海軍特殊部隊SEALの将校はInsiderに語っている。





 SEAL隊員は、アフガニスタンでジャベリンを「広範囲に」使用したと、匿名の同上元将校は言う。

 「ジャベリンでタリバンを何人も殺した有名な隊員がいます。距離が長いので、作戦環境には理想的だった」と元シールズは語った。

 ウクライナ軍は、英国が供給する対戦車兵器「NLAW」も使用している。NLAWは米国製ジェベリンより性能は劣るが、操作が非常に簡単で、150ミリ高性能対戦車弾頭を搭載し、殺傷力も高い。

 NLAWはジャベリンと同様に上方から攻撃できるが、有効射程は約800mとジャベリンの2000mに比べ短い。


スティンガーの恐るべき定評

US Army soldiers Stinger missile Bulgaria

実弾演習でミサイルを発射する米兵たち(2019年6月13日)。US Army/Sgt. Thomas Mort

 

 量的・質的に圧倒的な優位性があるのに、ロシア空軍はウクライナ上空を支配できていない。これは、ウクライナの抵抗に関するロシアの誤った認識とロシア人指揮官の「リスク回避」であると米国当局が述べていることの反映だ。

 しかし、ロシア軍機はウクライナ上空に展開しており、ロシア軍の占領と保持を可能にし、ウクライナ軍を攻撃できる。

 ウクライナ軍は、ロシアの戦闘機、爆撃機、ヘリコプターをウクライナ上空で自由に行動させないため、スティンガーミサイルなど携帯型防空システムを頼りにしてきた。

 米国は1月、他国がスティンガーをウクライナに送るのを許可したが、スティンガーから機密資料を取り除く方法が判明するまで、自らはスティンガーを送れなかった(侵攻後に可能となった)。


Ukraine Stinger missile airport

キーウ空港で、リトアニアから届いた米国製スティンガーミサイルやその他の軍事援助を積み込むウクライナ軍(2022年2月13日)SERGEI SUPINSKY/AFP via Getty Images


 スティンガーは、アフガニスタンでソ連軍に対し使用され有名になり、恐ろしいほどの評判を得ている。

 有効射程距離は15,000フィートで、12,000フィート以下を飛行する標的ならほぼ全部に命中させることができる。赤外線シーカー弾頭で航空機の熱源(通常はエンジン)に狙いを定め攻撃する。

 軽く使いやすいので、一般兵士や州兵、さらには過激派組織までも、航空機を撃墜できる。

 「ジャベリンもスティンガーも、比較的簡単に使える。CIAがアフガニスタンでソビエト軍に対抗するため、読み書きのできない人々にスティンガーの使い方を教えたのを思い出してほしい」と同上グリーンベレーは述べ、「ジャベリンは少し複雑ですが、敷居は比較的低い」と言う。

 米国は2022年3月17日、ウクライナ向け追加安全保障支援パッケージを発表し、スティンガー800発、ジャベリン2000発が含まれ、米国提供の合計数は、それぞれ1400発4600発になる。追加パッケージには、軽量対人兵器1,000発とAT-4無誘導携帯型対人ミサイル6,000発も含まれる。

 「米国と同盟国および協力国は、ウクライナ支援で武器装備品供与を急増すると完全に約束し、更に増やす。在庫品からの搬送を追加するからだ」と、ジョー・バイデン大統領は水曜日に述べた。■


 

Easy-to-use handheld weapons provided by the US are helping Ukrainians shred Russian tanks and aircraft

 

https://www.businessinsider.com/javelins-stingers-nlaws-help-ukraine-destroy-russian-tanks-aircraft-2022-3

 

Stavros Atlamazoglou 23 minutes ago