2023年9月17日日曜日

中国・北朝鮮との二正面戦争を米国と同盟国に警告する報告書が発表された

 

People’s Liberation Army Navy aircraft carrier Shandong berths at a naval port in Sanya, China. PLAN Photo


国と同盟国は今後10年間、北東アジアにおける二正面戦争と核攻撃に備えるべきだ、と大西洋評議会の新しい報告書が警告している。

「中国や北朝鮮との)同時衝突のリスクは非常に高い」と、著者のマーカス・ガラウスカスは事前に録画されたビデオで語った。

「このような二正面戦争が)核攻撃にエスカレートした場合、その結末はとてつもなく大きくなる」。

最小限の限定的な核攻撃でも、軍事作戦を混乱させ、世論を煽り、エスカレートする危険性を急激に高めるなど、その戦略的・作戦的影響はほぼ間違いなく、直接的な物理的・戦術的影響をはるかに上回る。長期的には、このような「核のタブー」への明確な違反と核抑止力の失敗は、東アジアにおける限定的核攻撃の結果が世界的に波及し、何世代にもわたって感じられることを意味する。

そのような二正面戦争は、台湾をめぐる緊張がエスカレートしたり、北朝鮮がソウルに攻撃を仕掛ける、北京と平壌が協調するのいずれも必要はないという。報告書は、「米国と同盟国の能力、指揮統制の取り決め、態勢(兵力、基地、同盟国との協定を含む)は、中国や北朝鮮との同時衝突や限定的な核攻撃を防いだり、それらが起こった場合に強固な軍事的対応オプションを提供したりするのには適していない」と強調している。

ワシントンと、日本や韓国含む同盟国は、「第一の敵国と衝突しているときに、第二の敵国を抑止し、潜在的に打ち負かす必要がある」

報告書は、北東アジアで同時に2つの紛争に関与しなければならない状況に対応する第一歩として、米国が日本や韓国で軍事的プレゼンスを高め、台湾との交流強化を提言している。その理由として、「米国の主要同盟国やパートナー国が、中国や北朝鮮のいずれか、あるいは両方による限定的な核攻撃を伴う紛争に対して、知的かつ作戦的に、より良い備えができるようにするため」である。

さらに、イギリス、カナダ、オーストラリアといったその他同盟国からの海軍や軍用航空支援の目に見えるプレゼンスは「国際的なコミットメントと抑止力への貢献を強化する」ことにもなる。

2022年、北朝鮮は自国の存続を脅かす脅威から体制を守るため、戦術核兵器の開発を発表した。報告書はまた、中国の急速な軍拡を引き合いに出し、二正面作戦による地域戦争をより有利に進められるとしている。

このように新しく定義された評価は、ある地域での攻撃的な行為が他の地域にも影響を及ぼす可能性が高いということを再考させるものである。例えば半島では、「米国と韓国は、韓国を侵略から守るという、より広範な優先順位に重点を移すべきである。

今後10年間で、紛争が二正面作戦の核戦争に発展する可能性はいくつもあるが、報告書は、「(中略)現在、中国と北朝鮮の間には深い不信感が存在し、どちらも他方と戦う義務があるとは感じていないだろうが、これで両者との同時紛争の勃発を防ぐことはできないだろう」と述べている。■

New Report Warns U.S., Allies of Two Front War with China, North Korea - USNI News

By: John Grady

August 22, 2023 4:34 PM

About John Grady

John Grady, a former managing editor of Navy Times, retired as director of communications for the Association of the United States Army. His reporting on national defense and national security has appeared on Breaking Defense, GovExec.com, NextGov.com, DefenseOne.com, Government Executive and USNI News.



米海軍が期待する無人タンカーMQ-25の開発最新状況。空中給油だけが任務ではない。

 MQ-25 Boeing

Boeing Screencap


ボーイングのセントルイス工場で、MQ-25が生産ラインから静止試験へと移動した



 ーイングは、現在米海軍向けに開発中のMQ-25スティングレイ無人給油機の最初の量産前実機の姿を公開した。この時点まで、MQ-25デモ機(T1として知られる)が、スティングレイ・プログラムの「顔」として公開されてきた。ボーイングはこの機体を本物のMQ-25と説明しているが、この特定の機体がどのような計画なのか、はっきりしたことはわからない。

 ボーイングが本日公開したビデオでは、ボーイングのセントルイス工場で生産ラインから静的試験スペースに移される量産前のMQ-25が映っている。静的試験は、飛行させずに機体の構造的完全性を分析する。

 ボーイングによると、ビデオに映っているMQ-25は、静的試験にかけられる9機のうちの最初の機体だという。同機は、ボーイングが2018年に作業開始するため契約していた技術・製造開発(EMD)バリエーションの1つである可能性もあるし、飛行しない地上試験用である可能性もある。


移動中のMQ-25。ボーイングのスクリーンショット


道路で輸送される航空機。ボーイングのスクリーンショット


静的試験のあとドローンは疲労試験に進むと同社は指摘する。これは機体にさらなる応力を加えるもので、機体にどのように微細な亀裂が形成され、それがいつ限界の大きさまで拡大するかを明らかにすることを目的としている。これらは、量産前の機体で本格的な飛行試験を開始する前の耐空性に対する重要な安全性試験であり、機体の長期耐久性試験でもある。


ボーイングの静的試験施設でのドローン。ボーイングのスクリーンショット

新しいビデオで見られる胴体は、T1デモンストレーターに非常によく似ている。ボーイングが量産モデルのためデモ機の基本設計をどの程度手直しするつもりなのかは明らかではなかった。このようなやり方は、先進的な航空戦闘機のデモ機から量産型に移行する際に通常行われる。この場合、T-1の最も魅力的な特徴のひとつである機体上部のフラッシュマウント吸気口は基本的に同じで、ジェット機上部の追加吸気口も同じだ。機首には同じ3つのエアデータプローブがあり、独特な台形の排気口も同じである。これらのことから、T-1と量産型MQ-25の変更は比較的軽微であることがわかる。T-1が異なるミッションセットのために設計から作り直されたことを考えると、これは印象的なことだ。

 T1実証機は、頓挫した無人空母発射空中偵察・攻撃(UCLASS)プログラムで生まれた無人戦闘機の設計を適応させたものだ。UCLASSは、海軍が中止したマルチロール戦闘ドローンの入札であり、今日のMQ-25を生み出した空母搭載空中給油システム(CBARS)構想の直接の前身である。

 なお、ボーイングは何年も前からT1実証機をテストしており、2019年からはミッドアメリカ空港での飛行テストも拡大している。T1はそれ以来、米海軍の空母に搭載され、F-35CライトニングII、F/A-18Fスーパーホーネット打撃戦闘機、E-2Dアドバンスド・ホークアイ・レーダー機と給油試験を行ってきた。


米海軍空母の甲板上のMQ-25 T1。ボーイング


F-35Cに給油するMQ-25 T1。ボーイング


 今年4月時点だが、MQ-25プログラムは76機で構成され、うち4機は技術開発モデル(EDM)、3機はシステム実証試験品(SDTA)である。海軍の2024会計年度予算案によれば、残りの69機が量産型となる。

 MQ-25の初期運用能力は、以前は2025年と予想されていたが、製造の遅れにより、今年4月に2026年に延期された。遅れはまた、最初のEDM MQ-25が2022年の秋に引き渡されると以前に期待されていたプレプロダクションモデル開発にも影響を及ぼしている。EDMドローンは、ミズーリ州セントルイスのボーイング施設で実験作業を行った後、メリーランド州のパタクセントリバー海軍航空基地に移動し、飛行試験プログラムが開始される。ニュージャージー州のレイクハーストとフロリダ州のエグリン空軍基地での試験期間も実施される。

 ドローンが実用化されれば、海軍の空母航空団で重要な給油支援を行うことになる。専用のタンカー能力を持つことで、タンカー任務を担うF/A-18E/Fジェットが本来の任務に集中できるようになる。打撃戦闘機飛行隊の戦闘能力を拡大すると同時に、スーパーホーネットの一部機体を解放することにもなる。

 これに加え、MQ-25は海軍の情報・監視・偵察(ISR)任務においても重要な役割を果たす期待がある。海軍は、空母の非搭乗員部隊の拡大を積極的に推進しており、空母ベースの無人機との連携と制御は、海軍の将来の次世代空母戦闘機F/A-XXの重要なコンポーネントを形成する。

 したがって、MQ-25は、空母ドローン運用で重要な出発点となる。MQ-25プログラムから生まれる運用および指揮統制手順の多くは、より高性能な空母用無人航空機に引き継がれるだろう。

 MQ-25開発に関するボーイングの進展が最近後退しているにもかかわらず、今回の新しいビデオは、このプログラムが実に速いペースで進んでいることを示している。■


Our First Look At Boeing's Pre-Production MQ-25 Stingray | The Drive

BYOLIVER PARKEN, TYLER ROGOWAY|PUBLISHED SEP 14, 2023 9:41 PM EDT

THE WAR ZONE


2023年9月16日土曜日

モスクワの防空体制強化に躍起となるロシア、その分だけ前線に割ける装備が減るのでウクライナの戦略的な勝利につながる。

 

モスクワの政府ビル屋上に設置されたパンツィール迎撃ミサイル装備。The Drive




今年1月時点で、ロシアはモスクワがドローン攻撃を受ける可能性が大きいことに気づいていた。ウクライナは、中国のMugin-5のような市販キットから小型無人機を製造し、クリミアでの神風ミッションに爆発物を詰め込んでいた



こ数週間、モスクワで防空強化で必死の努力が続いている。英国防省は9月12日のツイートで、ソーシャルメディア上の写真に、ドローン攻撃から守るためにモスクワ周辺のタワーやスロープに新しい対空設備が設置されているのが写っていると指摘した。1918年のロシア内戦にさかのぼる防空地区を擁するモスクワは、世界で最も厳重に防衛された都市のひとつであることを考えると、奇妙に思えるかもしれない。反革命の複葉機による攻撃から街を守るため36門の高射砲が持ち込まれ、それ以来、第二次世界大戦と冷戦で大規模なアップグレードされ、100年にわたり準備されてきた。では、なぜ突然、このような活動が始まったのだろうか?


弾道防壁

モスクワの防空がどれほど大規模なものかを理解するには、郊外のフィラトフ・ルグを訪ればよい。クレムリンから16マイル、街の煙から離れたフィラトフ・ルグには、冬のスキーで人気の森林公園があり、夏の遊び場、ピクニックエリア、木製の動物彫刻が並ぶ散歩道などの設備が整っている。高い塀に囲まれたエリアには、さらに珍しい施設がある。16基の地下ミサイル格納庫のA-135対弾道ミサイル・システムが飛んでくるミサイルから街を守っている。

 これはモスクワを取り囲む5箇所のサイロのうちのひとつである。フィラトフ・ラグには、それぞれ53T6アムール(「ガゼル」)ミサイルが格納されている。発射時、ミサイルは静止状態からマッハ16、つまり秒速3マイル以上まで3秒フラットで到達する。弾丸のように、発射は目では追えないほど速い。

 弾道ミサイル迎撃は難しいことで有名だ。あるアメリカの技術者は、これを「弾丸に弾丸を当てる」と表現した。ロシアは迎撃ミサイルに10キロトンの核弾頭を搭載することで、この作業を容易にした。53T6の弾頭は中性子爆弾で、ミサイルが爆発に耐えると仮定しても、飛んでくるミサイルの電子機器を焼き、無力化する。

 ガゼルは大気圏内ミサイルで、ミサイルが地球の大気圏内に入ってから、高度60マイル以下のミサイルにしか命中しない。A135システムはもともと、メガトン級の弾頭を持つ51T6ゴルゴンミサイルの外側のリングを持っていた。

 A135は1960年代に製造されたA35の後継機で、核弾頭を搭載した迎撃ミサイル「スプリント」と「スパルタン」を備えたアメリカのセーフガード・システムに相当する。大きな違いは、セーフガードがノースダコタにあるアメリカの弾道ミサイルをソ連の先制攻撃から守るためのものだったのに対し、A135はロシア指導者を守るためのものだということだ。また、セーフガードは1976年に閉鎖されたが、A135は今も現役である。

 ゴルゴン・サイロは2002年にモスボール化されたが、近年モスクワはA135をA235に変身させるアップグレードに取り組んでおり、他の資産と統合し、弾道ミサイルだけでなく衛星も撃ち落とす新しい長距離ミサイルを追加している。

 A135は、飛来する脅威を探知し、位置を特定し、識別し、追跡するための複数のレーダー・アレイを備えた洗練されたものだが、小型無人機による攻撃には役立たずだった。低高度の標的には10キロトンの核兵器は使えないのだ。


誤った脅威

モスクワの統合防空システムも、理論上は小規模な脅威に対処できる。第1防空軍は、ネットワーク化されたレーダーとS-400とS-300PM2地対空ミサイルランチャー部隊で首都を防衛するため、S-50M対空防衛複合体を運用している。問題は、ドローンがレーダーに映らないことだ。このシステムは、高速で移動する大型ジェット機や巡航ミサイルに対処する設計だ。低速、低高度の脅威には対応していない。実際、防空レーダーは通常、鳥の群れである可能性が高いため、低速で移動する物体をフィルタリングしている。

 ロシア指導部で誰も、ドローンが問題になるとは考えていなかったようだ。シンクタンク「欧州政策分析センター」の論文によれば、「2021年の国家安全保障戦略も2014年のロシア連邦軍事ドクトリンも、ドローンを国家安全保障に対する脅威とは見なしていない」。2019年4月2日付の2030年までのロシア連邦の航空宇宙防衛の発展構想も、ドローンへの対抗に注意を払っていない。"

これは、埋めなければならない大きな盲点を残している。皮肉なことに、モスクワには1918年の複葉機と同様の性能を持つ無人機を止める能力はもはやない。



パニック対策

今年1月時点で、ロシアはモスクワがドローン攻撃に大きく開かれていることに気づいていた。ウクライナは、中国のMugin-5のような市販のキットから小型無人機を製造し、クリミアでの神風ミッションのために爆発物を詰め込んでいた。モスクワはウクライナの最も近い地点から300マイルも離れていない。ウクライナは西側に配慮しロシア本土への攻撃は控えていたが、ロシアによるウクライナへの大規模なミサイル攻撃やドローン攻撃が反響を呼ぶことは避けられないと思われ、ドローン攻撃は明らかな可能性に浮上した。

 ロシア当局は、国防省を含むモスクワの有名な建物の屋上にSA-22パンツィールを吊り上げることで対応した。パンツィールは自己完結型の対空システムで、8輪のカマズ製トラックに搭載されている。レーダー、双発の30ミリ速射対空砲、射程11マイルの地対空ミサイル用の最大12基のランチャーを備えている。

 屋根の上に30トンもの車両が止まっているというちょっと滑稽な光景は、モスクワが自国を防衛する準備ができていることを住民に安心させるだったのかもしれない。しかし、コメンテーターには、パンツィールがどれほどの防御を提供するのか疑問視している。シリアやリビアでの戦闘でパンツィールは防御するはずの無人偵察機によって破壊されてしまったのだ。

 2018年、ロシアの軍事専門誌『Arsenal of the Fatherland』に掲載された批判記事は、「シリアでは、パンツィールは軍事用UAV(無人偵察機)を含む低速で小型の目標を実質的に探知できないことが判明した」と主張した。同時に、この複合装備は定期的に偽の目標(基地の周囲を飛ぶ大型の鳥)を記録し、むしろオペレーターを混乱させた」と述べている。


ドローンによるモスクワ包囲

最初のドローンは5月にモスクワを襲い、その後の攻撃の波は7月、8月、9月と続いている。各攻撃の後、ロシア当局は必ず、攻撃してきたドローンを電子戦や対空兵器ですべて撃墜し、いかなる損害も落下破片によるものだと主張する。これを疑うには十分な理由がある。ロシア政府の省庁が3つ入る高層ビルが、3日間で2度もドローンに襲われた事実は、被害が無作為とほど遠いことを示唆している。近隣の空軍基地で航空機が破壊されたことも、無人機が通過していることを示唆している。


これで今回の一連の動きが説明できる。英国国防省が9月12日のツイートで指摘したように、ソーシャルメディア上の多くの写真には、モスクワ周辺の特別なタワーやスロープに設置されたパンツィールが写っている。

 これらのシステムの供給には限りがあり、モスクワの防衛に使われれば使われるほど、最前線で使える装備は少なくなり、ロシアの空軍基地や石油精製所もドローン攻撃を受けている。

 一方、ウクライナは1年以上にわたる開発と試作、そして数回の発射を経て、長距離攻撃ドローンの大量生産を始めている。関係者によれば、月産数百機の生産を目指しているという。これは、我々がこれまで見てきたものとまったく異なる規模の猛攻撃となるだろう。100年にわたる準備と土壇場での慌ただしさを経てもなお、モスクワは来るべきドローンの嵐に対処する準備ができていないようだ。■


Putin’s Blind Spot: Why is Russia’s Best-Defended City Unable to Stop Drone Attacks from Ukraine? - 19FortyFive

By

David Hambling


Author Expertise and Biography 

David Hambling is a London-based journalist, author and consultant specializing in defense technology with over 20 years of experience. He writes for Aviation Week, Forbes, The Economist, New Scientist, Popular Mechanics, WIRED and others. His books include “Weapons Grade: How Modern Warfare Gave Birth to Our High-tech World” (2005) and “Swarm Troopers: How small drones will conquer the world” (2015). He has been closely watching the continued evolution of small military drones. Follow him @David_Hambling.


黒海上空のロシアの英軍RC-135迎撃は意図的な撃墜につながる可能性があった。英露両国は穏便に済ませていたが、ペンタゴン情報リークで真実が明らかに。ロシア軍に色々な不備があることを露呈。

 

TV ZVEZDA SCREENCAP


2022年の事件に関する最新情報で、ロシアのSu-27は、RC-135を墜落させようと、2発目のミサイルで追撃した模様


 年9月、ロシアのSu-27フランカーのパイロットが、黒海上空でイギリス空軍のRC-135W偵察機の近くにミサイルを発射した事件について、さらなる詳細が明らかになった。このミサイル発射については、当時本誌も報じたが、ロシアは「技術的な誤作動」と説明し、英国防省もこの説明を公式に支持していた。その後、米国防総省からリークされた機密文書によれば、フランカーのパイロットが命令を誤解し、ミサイルは意図的に発射されていたという。英国公共放送BBCは2発のミサイルが発射され、1発目は目標を外したと報じている。


Su-27 Flanker

実弾空対空ミサイルで武装したロシアのSu-27フランカーをRAFタイフーンから撮影。クラウン・コピーライト クラウン・コピーライト


事実であれば、ミサイルが単に標的を外さなかっただけで、このエピソード全体が大きな外交危機と悲劇に近づいていた可能性を示唆している。

 BBCは、この危機一髪の出来事について、"事件を知る3人の西側国防筋の高官 "から詳細を得たとしている。

原文

RAFのRC-135とロシアのSu-27の遭遇は、昨年9月29日に黒海上空で起こった。最初の詳細は、ベン・ウォレス英国国防長官(当時)が10月の下院での演説で明らかにした。

 ウォレスは、イギリスのワディントン空軍基地から飛行していた「非武装のRAF RC-135リベット・ジョイント」が、ロシアのSu-27戦闘機2機から「相互作用」を受け、合計約90分間追尾されたと述べた。ロシア戦闘機の1機は、「RAFリベット・ジョイントの近辺で(目視範囲を越えて)ミサイルを放った」。

 英国防長官は、この出来事を「潜在的に危険な交戦」だが「意図的なエスカレーション」ではなかったと表現した。

 英国防長官はミサイルの「発射」についてこう述べた: 「当方の分析では、誤作動であった。ロシア政府関係者も同じ説明をしている」。


ペンタゴンからのリーク

しかし今年4月、米国防総省の機密文書数百件がリークされ、その一部として新たな説明が登場した。

 これらの文書は、Su-27のパイロットが地上管制インターセプト(GCI)のオペレーターから与えられた命令を誤解し、偵察機に向け意図的に空対空ミサイルを発射した可能性を最初に提起した。しかし、同記者は、ミサイルが技術的な故障に見舞われたことに同意している。


 英国防省は、国防総省の機密文書の信頼性にいち早く疑問を呈し、リークされた情報の「深刻なレベルの不正確さ」について警告を発した。国防省はさらに、「読者は、偽情報を広める可能性のある疑惑を額面通りに受け取ることに慎重であるべきだ」と付け加えた。

 しかし、リーク文書の主張は、ニューヨーク・タイムズの取材に応じた2人の無名米国防当局者により裏付けられた。うちの一人は、国際水域で起きたこの事件を「本当に、本当に恐ろしい」と表現している。

 同記事ではさらに、2機のSu-27はRC-135の目視範囲内にはいなかったが、目視範囲を超える空対空ミサイルを装備していたこと、ロシア軍パイロットの1人が英軍機のミサイル・ロックに成功したことなど、詳細が追加されている。記事は、事件はウクライナ戦争ですでに国際的なホットスポットとなっているロシア占領下のクリミア沖で発生したと述べている。


2013年11月、ワディントン空軍に着陸したイギリス初のRC-135Wリベット・ジョイント。


最新の暴露

BBCに語ったとある「西側上級防衛情報筋3名」の評価が正しければ、我々は今、何が起こった可能性が高いかについて、より明確な構図を手に入れたことになる。

 情報筋は、ニューヨーク・タイムズに語った情報筋と同様に、ミッション中にRC-135が傍受したロシア通信に関与していたと語っている。

 傍受された通信は、ロシア軍パイロットの一人がRC-135と交戦する許可を得たと勘違いしたことを示しているという。

 BBCによると、情報筋の一人は、パイロットが”You have the target"という趣旨の言葉を受け取ったという。このあいまいな言葉がパイロットの誤解を招き、意図的なミサイル発射につながった。

突然、事態を察知した2人目のロシア人パイロットは、ミサイルを発射した操縦士を諌めた。その結果、2人の間で罵詈雑言が飛び交う全面的な口論に発展した。最初のミサイルは「発射に成功したが、ターゲットにロックオンできなかった」とBBCは伝えている。「誤作動ではなく、失敗だった」。

 ウイングマンから指摘された後でも、最初のパイロットはRC-135に向け二本目のミサイルを発射した。BBCの説明によれば、同ミサイルは「単に翼から落ちただけで、武器が故障したか、発射が中止されたことを示唆している」という。

 もちろん、イギリス国防省とロシア側が当初主張し、ニューヨーク・タイムズ記事でアメリカ国防当局が繰り返したように、これは「技術的な故障」を起こしたミサイルの可能性もある。

 ウォーゾーンはイギリス国防省に説明を求めたところ、スポークスマンは次のような声明を出した:「昨年9月、黒海上空でRAFのリベット・ジョイント機とロシアのSu-27戦闘機2機が衝突した事件を受けて、前国防長官は透明性と安全性の観点から、事件発生から3週間以内に下院に報告した。

「我々の意図は常に、作戦の安全を守り、不必要なエスカレーションを避け、国民と国際社会に知らせることであった。今回の事件は、プーチンの野蛮なウクライナ侵攻の潜在的な結末を思い知らされるものだ」。

 これは本当に撃墜に近いものであり、少なくともパイロットの行動に関する限り、意図的なものであった証拠が増えつつある。緊張が高まる戦略的に重要な地域での日常的な作戦におけるロシア人パイロットのプロ意識について、非常に深刻な疑問を投げかけている。

 さらに心配なのは、今回の事態がまったく異常なものではなかったと思われることだ。今年3月の事件では、ロシアのSu-27が黒海上空でアメリカのMQ-9リーパー偵察機を墜落させた。その直後に国防総省が公開したビデオでは、Su-27の1機がドローンのプロペラに衝突したことが確認されている。とはいえ、フランカーのパイロットには勲章が授与された。

 9月29日の遭遇以来、NATO軍とロシア軍機の間の「空対空事件」は他にも報告されている。例えば、10月1日から2月22日の間に、英仏米の航空機が「ロシア航空機が哨戒機に接近した6回の出来事があった」と報告されている。ある事件では、2022年12月30日、2機のタイフーン戦闘機に護衛されたイギリスのRC-135が、100フィート以内に接近したロシア機に迎撃されたようだ。

 タイフーン戦闘機の護衛は、このニアミス以来、黒海上空でのRC-135ミッションの定期的な一部となっている。


 2014年6月、バルト海上空の国際空域でRAFタイフーンから離れるロシアのSu-27フランカー。このロシアの戦闘機は、レーダー誘導と赤外線誘導のR-27と熱探知型R-73空対空ミサイルで武装している。


 一般的に、ロシアのパイロットは国際空域でNATOや同盟国の航空機を攻撃的に迎撃することで知られている。特に国防総省は、ロシアのパイロットがプロ意識に欠けるとして非難するが、このような迎撃のうち、本当に無謀なものがどれだけなのかでは議論の余地がある。

 しかし、9月29日のRC-135とSu-27の遭遇の場合、結果はもっともっと悪くなっていた可能性があったことは間違いない。さまざまな安全策が、引き金をひきやすいパイロットやパニックに陥ったパイロットによって、本質的に上書きされてしまったのだ。結局のところ、国際空域に存在するはずの交戦規則で、このような事態は起こらないはずだった。通常であれば、パイロットが発砲したものが本物の脅威であるか、敵対的な意図を示すものであることを示すために、目視による確認が必要とされるはずだが、今回はそのどちらもなかった。また、何が起こっているかを確認するために、GCIステーションとのさらなる確認が必要だったはずだ。

 実際に敵対的な航空機であることを確認するためのすべてのステップとは別に、パイロットが誤ってトリガーを押してミサイルを放つことを防ぐために、武器のアーミングをめぐり物理的措置があったはずだ。一般的には、マスター・アームとラスト・アームのスイッチ、そしてトリガーそのものだ。

 単純なコミュニケーションの行き違いだけで、他の航空機、特にIDが確認されておらず、明らかに国際空域にいる航空機に発砲するまでに至ってはならない。

 ウォーゾーンは、元英空軍副司令官のグレッグ・バグウェル空軍大将に話を聞いた。彼は、NATOの作戦では、識別可能な簡潔なコードワードが使われていることを指摘した。

 「未確認機や未知の機体に使う単語は他にもたくさんあり、それを基に判断や行動を下し、それが何であるかを確認するために追加情報を加えなければならない」とバグウェルは説明した。コンタクト、ターゲット、ボギー、バンディットなど、私たちが使うような言葉を聞き間違えたとしたら、その男は『よし、発砲許可だ』と言って、文字通りラストアームのスイッチを入れ、引き金を引いて発砲したのかもしれない」。

 バグウェルはまた、Su-27のパイロットがウィングマンと今度の交戦についてクロスチェックしなかったのは異例だと指摘した。例えば、両方のジェット機が同じ時間に同じターゲットに発砲するのを避けるためであり、また単に自分が聞いたと思った命令が本当であったかどうかを確認するためだ。

 バグウェルはまた、自分のミスの大きさに気づいたパイロットが、最初の(レーダー誘導)ミサイルのロックを故意に壊してRC-135へのホーミングを阻止し、2発目のミサイルを投棄した可能性を指摘した。同時に、ロシア航空宇宙軍に存在する老朽化と、時には劣悪なメンテナンス基準が、純粋に2発のミサイルの故障を招いたのかもしれない。ミサイルが戦闘中に本来の性能を発揮できなくなることは、ほとんど新しい現象ではない。

 ミサイルは標的に到達しなかったが、英国とロシアの両国防省は、エスカレートを避けるため、"技術的な故障"というストーリーを押し通した。

 これは理想的な状況とは言い難い。特に、黒海上空では非常に定期的に監視飛行が行われており、ウクライナ戦争の結果、ロシアと西側諸国との間に緊張が高まっている背景がある。冷戦時代には、偵察機がソ連戦闘機と交戦した例が数多くある。その時代とは比較にならないが、9月29日の事件に関する最新の疑惑は、この種の空中戦に関わる高いリスクと、各方面における冷静な判断の必要性について、教訓を与えてくれる。■


Russian Su-27’s Missile Missed RC-135 Spy Plane After Deliberate Launch: Report

BYTHOMAS NEWDICK|PUBLISHED SEP 14, 2023 2:28 PM EDT

THE WAR ZONE


2023年9月14日木曜日

高度の機密状態を保つB-21レイダーで新たに公表された写真から機体、性能を推定する....

 


B-21 Raider Side View

USAF

ステルス爆撃機B-21レイダーは秘密のベールに包まれたままだ

 ワシントンD.C.郊外で開催された航空宇宙軍協会のメガ会議でのチャールズ・Q・ブラウン空軍参謀総長のスピーチで、間もなく統合参謀本部議長となるブラウンは、B-21レイダーの2つの新しい画像を発表した。ステルス爆撃機は昨年12月にロールアウトされたものの、いまだ秘密のベールに包まれたままだ。空軍制服組トップであるブラウンは、プレゼンテーションで特に画像について言及しなかった。

これまで、一般公開されたのは、爆撃機のお披露目で、非常に管理された環境で、真正面から見た1つのアングルのみ。コックピット部分の斜めからのクローズアップを除けば、それ以降公開された画像はすべて同じ真正面からだったが、徐々に機体の詳細がわかるようになってきた。そして今回、全翼ジェット機のデザインに関する重要なディテールを提供する初のクォータービューを手に入れた。また、新しい真正面からの画像では、爆撃機の実際の大きさがよりよくわかる。どちらの画像も、カリフォルニア州パームデールにあるノースロップ・グラマンの第42工場で撮影されている。

近日中にこの記事を更新し、完全な分析を行う予定だが、それまでの間、プレゼンテーション・ビデオから撮影されたこれらの画像をご覧いただきたい:

B-21 Raider Seen Like Never Before In New Images

米軍の国防映像情報配信サービス(DVIDS)のウェブサイトによると、これらの写真はいずれも今年の7月31日に撮影されたものである。これは、ノースロップ・グラマンが、量産前のレイダー1号機が初めて「電源オン」になったと発表した数日後のことである。これは、年内に予定されている初飛行に向けた準備の重要なマイルストーンである。

フランク・ケンドール空軍長官は、昨日行われた空軍・宇宙軍会議の傍らで行われたメディア・ラウンドテーブルで、本誌含むメディアに語った。「もしそうなると言ったら、非常に具体的な予測をすることになる。そして、まだ起こっていないことについての取得プログラムについて、そのようなことは決してしません。いいですか?「我々は初飛行の準備のために様々なことを行っている。「常にリスクはつきものだ。だから、予期せぬサプライズがないように......(サプライズは)買収プログラムにはつきものだ」。

分析

我々は、これらの新しい画像でB-21がより多くの形状から実際に機能する航空機に変身するのを見る。プロトタイプは、実際に飛行するために必要なシステムの大規模な艤装を経ている。

同機の四分の一ビューは、最大の発見を提供する。それは、以前の画像、コンセプト図面、プログラム情報、推論に基づいて行われた多くの仮定を確認するものだ。レイダーを構成する細かなディテールにも焦点が当てられている。

  • 初のB-21には、機体前方下部の左側に斜めに取り付けられたビッグ・エア・データ・プローブが装備されている。この不格好な機能は、B-21の初飛行とそれに続く一次飛行力学試験ミッションで航空データを収集するために重要である。

  • エア・データ・センサーはB-21の機体下部と上部に沿って見えるようになった。これらのフラッシュ・マウント・デバイスは、フライ・バイ・ワイヤ・コンピュータに完全に依存するレイダーの安定した飛行を維持し、正しい方向に飛行し続けるために絶対に欠かせないものである。

  • B-21には、胴体下部から前縁まで深く伸びた平らな棚のような延長部があり、アヒルの嘴のような外観をしている。この低い位置から観察できる特徴は、B-2に見られるものよりはるかに顕著である。この可能性は、B-21のレンダリング画像が増えるにつれて明らかになった。

  • レイダーのコックピットの窓は、ロールアウト前に描かれたレンダリングと同じように奇妙だ。側面の窓は小さく、奇妙な角度になっている。なぜそのようなデザインになったかについては、いくつか考えがあるが、横からのアングルでは非常に奇妙に見える。全体的に、レイダーからの視界は非常に狭いようだ。

  • 機体上部に点線で輪郭が描かれている射出ハッチパネルも不思議だ。これは、この機体でパイロットの視界がどれほど制限されるかを示すもう一つの指標だ。それらはまた、エイリアンのようなB-21のプロポーションを判断することの難しさを物語っている。コックピットは非常に小さいか、非常に高いかのどちらかだ。我々は前者に傾いている。私たちはまた、機体の膨らんだ背骨の上からのぞく空中給油マークも見える。

  • レイダーのインレットは、この設計の最もエキゾチックで困難な低視認性の特徴のひとつであるが、本当に深く「埋まって」いる。カメラ視点からは、機体の前縁の頂上にある。これは、レイダーが敵のレーダー、特に機体下方のあらゆる側面から放射されるレーダーから、いかにエンジンインレットを隠すかを示す。B-21の上昇限界が高くなる可能性を考えると、レーダーを持つ敵機のほとんどは、その上空で活動することはないはずだ。

  • また、B-21のエンジンインテークとナセルの部分がどれだけなじんでいるかがよくわかる。

  • ナセルの向こう側、機体中央の「こぶ」の側面に暗い部分が見える。これが何であるかは不明だが、B-21のまだ非常に秘密の排気システムの熱保護がここで見られるものである可能性がある。もしそうだとすると、このような用途にはかなり前方で胴体中央の高い位置にあることになるが。

  • B-21のギアドアも興味深い。B-2のような大きな台形の主脚ドアはない。B-21の主脚ドアは、B-2のような大きな台形ではなく、6面ドアになっている。より大きく重いB-2は、ダブルトラックの配置に頼っていた。

  • レイダーのノーズギアドアはおそらく最も興味深い。これは2つのドアに分かれており、どちらも機体の右側に開いている。B-2は前方に開く1枚のドアでエアブレーキのようなものを作り、さらに後方には伸縮後も閉じたままのサイドドアがあった。

  • B-21の飛行制御面も初めて見ることができる。主翼のアウトボード側に3つ、インボード側に1つのフラッペロンで構成されている。これは、内側と外側の2つのフラッペロンと後縁中央の可変ジオメトリー「ビーバーテール」を特徴とする、より複雑なノコギリ歯の後縁平面形状を持つB-2とは異なる。B-21の後縁はよりシンプルな「W型」で、低高度侵入任務が追加される前のB-2の姿に非常によく似ている。この件とその意味合いについては、こちらをご覧いただきたい。

  • B-21はすでに0001シリアルとエドワーズ空軍基地(ED)のマークで飾られている。

  • また、B-21の主翼前縁上部には複数の細長い開口部が見られる。これらの部分には、アクティブセンサーと特にパッシブセンサー用のさまざまなアンテナアレイが組み込まれているだろう。これらのアンテナ構造自体が耐荷重性を持つ可能性もある。

では、真正面からの画像に移ろう。

  • B-21の大きさ、特にコックピットのウィンドスクリーンがいかに小さいかがよくわかる。

  • コックピット前方には、B-2同様の2本のストリップがある。

  • エアデータ・プローブが一時的なプレートマウントから前方下方に伸びているのが見える。

  • これは、B-21のエアインレットとパワープラントのエンクロージャーが、機体の他の部分といかに調和しているかを示す別の眺めである。B-21のエンジンが2基なのか4基なのかはまだわからない。

  • B-21の機首下部の両側には、ある種のアレイを収納するように見える2つの小さな台形の開口部がある。これらは、シームレスなデータ通信、センサー、電子戦能力を持つノースロップ・グラマンのEMRIS(Electronically-Scanned Multifunction Reconfigurable Integrated Sensor)の形状に似ている。NGADプログラムについて最近述べたように、B-21はおそらくマルチモードAESAアレイを活用し、データリンク通信、センサー、電子攻撃の役割を果たすだろう。これには大きな意味がある。しかし、これらの開口部が何のためにあるのか、本当に搭載システムをサポートするものなのか、確かなことはまだわかっていない。

  • 飛行データ・プローブが取り付けられている開口部は、B-21の主要レーダー・アレイの1つ(両側に1つずつ)が入ることになっている場所かもしれない。それはB-2に基づく歴史的な位置であろうが、そのような集中型アレイから離れる新しいセンサーコンセプトが存在する可能性もあるが、現時点ではわからない。

今はわからない事が多すぎる。今後数時間のうちに、さらに追加することがあると確信している。■


B-21 Raider Seen Like Never Before In New Images | The Drive

PUBLISHED SEP 12, 2023 2:17 PM EDT

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