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初飛行からわずか2カ月で生産開始 B-21レイダーの開発プロセスは航空業界の常識を破るスピードで進行している。中国にとっては心配のタネだ。

 

対中戦を見越して期待が高まるB-21レイダーですが、どうもこれまでの航空機開発の常識を破る画期的な開発方式が進行しているようです。いわゆるプロトタイプも作戦仕様のようで、生産開始までこれまで数年かかっていたのをスピードアップしています。拙速で失敗にならないよう祈るばかりですが、この方式が成功すれば以後の新型機開発の様相も大きく変わりますね。あるいは『闇』の機材開発ではこの方式がすでに常識なのかも。The War Zoneの記事からのご紹介です。


Flight testing of the B-21 Raider at Edwards Air Force Base in California is now underway.

The B-21 seen during its maiden flight from Plant 42 in Palmdale, California, in November 2023. (Andrew Kanei photo) Andrew Kanei




最も先進的な戦闘機材の生産契約を結んだと米国防総省が発表した


国防総省は、B-21レイダー・ステルス爆撃機の低速初期生産契約をノースロップ・グラマンに交付したと発表した。ブルームバーグが最初に報じたが詳細は発表されていない。


「B-21レイダーの生産は前進している」と、ウィリアム・ラプランテ国防次官(取得・維持担当)Dr. William LaPlante, Undersecretary of Defense for Acquisition and Sustainmentは声明で述べた。「地上試験と飛行試験の結果、そして製造に関するチームの成熟した計画に基づいて、B-21の低率生産の開始にゴーサインを出した」。

 ラプランテは、ノースロップ・グラマンに与えられた契約の金額、それがカバーするレイダーズの数、その契約の一部としてこれまでに建設中のものがあるかどうか、あるいはその正確な発注日については明言していない。国防総省は情報提供を拒否した。

 サーベラスというニックネームの爆撃機は、現在カリフォーニアのエドワーズ空軍基地から試験飛行中だ。飛行したレイダーは、6機の試作機のうちの1機。初号機が飛行している間に、さらに5機が製造中である。うちの1機は地上試験用の機体とされているが、米空軍とノースロップ・グラマンが策定した計画によれば、5機の「フライヤー」のうち数機かは最終的に運用機材となる。

 最初のレイダーは、2023年11月10日にカリフォルニア州パームデールにある空軍のプラント42にあるノースロップ・グラマンの施設からエドワーズまで初飛行を行い、2022年12月3日にプラント42での式典で盛大に一般公開された。


The B-21 Raider at Plant 42 in Palmdale, California. (Northrop Grumman photo)

The B-21 Raider at Plant 42 in Palmdale, California. (Northrop Grumman photo)


「このプログラムの重要な特徴のひとつは、敵対国に対して信頼できる抑止力を提供するために、最初から大規模に生産することを前提に設計されていることです」とラプランテは語った。「大規模に生産し、戦場に投入しなければ、能力は意味をなさない」。

 つまり、最初のB-21が成熟の域に達し、その構成が従来の意味でのプロトタイプではなく、ほぼ量産機を表しているということである。これは、航空機の開発とテストを加速し、コストを削減するためのプログラムの目標であった。



 声明の中で、ノースロップ・グラマンは、B-21がプログラム・ベースライン・スケジュール内で飛行試験に入った後、契約を獲得したと述べた。

 「試験機は、すべての飛行性能とデータ要件を達成し、生産の準備ができていることを示しました。世界初の第6世代航空機として、B-21は、データ、センサー、武器の高度な統合を通じて能力と柔軟性の新時代を提供し、進化する脅威に打ち勝つため迅速なアップグレードが可能であり、米国の航空戦力で将来の基幹となります」。

 国防総省と同様、ノースロップ・グラマンは、この契約がいつ結ばれたのか、金額はいくらなのか、何機契約されているのか、低料金の初期生産契約では何機が建設中なのかに明言を避けた。

 ラプランテのレイダーに関する最新のコメントに添えられた声明で、米国防当局者は「B-1BランサーとB-2スピリットに代わり、新たな世界的脅威に対する戦略的抑止力を提供する」と述べた。B-21レイダーは2020年代半ばに就役する予定で、生産目標は最低100機だ。

 関係者は空軍迅速能力局(AFRCO)が取得プログラムを管理していると述べた。

 「AFRCOの戦略に、可能な限り量産型に近い試験機を作ることがある。伝統的な飛行プロトタイプでのアプローチではなく、B-21試験機は、量産機と同じ製造プロセスと工具を使用し、ミッションシステム含め製造される。開発におけるこのアプローチは、より迅速に生産を開始するための基礎を築いた」。

 ノースロップ・グラマンとの連携で、空軍は機材のライフサイクル全体を通して、B-21のためのデジタル・エコシステムに投資している。「生産ラインで使用されるエンジニアリングと製造のデータは航空機と一緒に提供され、最新のコラボレーションとメンテナンスツールと組み合わされる」。

 以前にもお伝えしたように 「初飛行の日程は何度も延期されたが、B-21プログラムの作業はここ1年ほど、全般的に活発なペースで進んでいる。レイダーの初期型機体内部のシステムは、2023年7月に初めて電源投入され、9月にはエンジン試験運転、10月にはタクシー試験が行われた。そしてこのすべてが11月の初飛行に結実した」。

 B-21は、成熟したシステムや半成熟のシステムと、他のプログラムから学んだ教訓を活用した先進的な機体を組み合わせることで、リスク軽減のために特別に設計された。B-21のサイズはB-2より小さく、ペイロードは大幅に減少しているが、航続距離は非常に長い。この航空機はシステム・ファミリーの一部であり、その多くは影に隠れている。ロングレンジ・スタンドオフ(LRSO)ステルス核搭載巡航ミサイルがファミリーの一部である。いわゆるRQ-180戦略偵察機もファミリーの不可欠な一部であると考えられている。しかし、これらは通信やネットワーキングを含む他の多くの進歩を含む大規模なエコシステムの2つの側面にすぎない。

 現在B-1Bが配備されているサウスダコタ州のエルズワース空軍基地は、レイダーズの最初の運用飛行隊を受け入れる予定だ。現在B-2が運用されているミズーリ州のホワイトマン空軍基地と、同じくB-1Bの基地であるテキサス州のダイス空軍基地も、将来的にレイダー飛行隊を受け入れることになっている。

 B-21が少量の初期生産に入ったことは、今後ますます攻撃的になる中国に対し重要な役割が期待されている同機にとって朗報だ。  B-21は今後長年にわたり、米軍の核抑止力三本柱の中心的な構成要素となるだろう。レイダーはまた、敵の領土の奥深くに探知されず侵入する能力を備えた、主要な通常型長距離攻撃能力を提供するように設計されている。

 木曜日の朝には、レイダーについてもう少し詳細がわかるかもしれない。ノースロップ・グラマンが第4四半期と2023年のカンファレンス・コールを開催するからだ。

 同プログラムで詳細を極秘にしているが、プログラムの飛行テストが進むにつれて、公式の場で詳細が判明するかもしれない。■


B-21 Raider Now In Production Just Two Months After First Flight


BYHOWARD ALTMAN|PUBLISHED JAN 23, 2024 1:34 PM EST

THE WAR ZONE


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