ウクライナが西側供与の装備を巧みに使い、ロシアに対抗していることはお伝えしたとおりですが、今度はT-90を仕留めた大手柄の乗員へのインタビューが出てきました。装備供与に及び腰になりつつある西側の風潮に対し、意図的にリークしたニュースかもしれません。ウクライナメディアを紹介する形でThe War Zoneの記事が出てきましたのでお伝えします。
TCH screencap
ウクライナのブラッドレーがロシアのT-90M戦車との決闘に勝利したのはビデオゲームのおかげだった
ロシア軍T-90M戦車との乱戦をビデオに収めたブラッドレーの砲手と操縦手が、その顛末を語った
ロシアのT-90M戦車への攻撃を撮影したウクライナのブラッドレー戦闘車砲手は、ビデオゲームのプレイがその交戦に役立ったと語る。
ウクライナのメディア『TCH』のインタビューで、「セルヒー」と名乗るこの兵士は、ドイツでのブラッドレー訓練から12月にウクライナに戻ったばかりだと説明した。車長でもある彼と操縦手のオレクサンドルが、一緒に任務に就くのは2回目だった。第47機械化旅団に所属する彼らの仕事は、ロシア軍戦車の砲火を浴びながら塹壕内の部隊を守ることだった。
125mm砲で武装したロシアの最新鋭戦車T-90Mに、ブラッドレーの25mm連装砲で立ち向かうのは危険だったとセルヒイは言う。「とても怖かった。「でも、よくやったと思う」。
ブラッドレー戦闘車の砲手セルヒイがロシアのT-90M戦車に着弾させた直撃弾のひとつ。(TCHスクリーンショット)
「戦車が視界に入るということの意味は、うまく表現できない。訓練で『視界に戦車が映るなんて神さまの思し召しだ』と言っていた。偶然にそうなった。
セルヒイは、その別のブラッドレーに何が起こったかについては説明しなかったが、それは昨日書いた2つ目のビデオに映っている。
ともあれ、セルヒイのブラッドレーが戦車を攻撃する仕事を引き継いだ。ブラッドレーのブッシュマスターM242 25mm自動砲の徹甲弾で「全力射撃 」した。
One of several direct hits Bradley Fighting Vehicle gunner Serhiy was able to land on a Russian T-90M tank. (TCH screencap)
だが弾丸に問題が発生した。このとき、ビデオゲームでの経験が役に立った。
「ビデオゲームを思い出したんだ。打ち方も場所も。何が何でもあいつを止めなくちゃと思った」。
多くのビデオゲームが、特定の装甲車両、特に戦車の装甲が最も薄く、かつ/または重要な部品が露出している部分に命中させる必要性を強調している。戦車の装甲は前面が最も厚く、後面は薄い。他にも、例えば砲塔と車体の間の側面にも弱点が存在する。センサーを破壊して戦車の目をくらませるだけで、戦車は修理は可能だが戦場では役に立たないまま、ミッションキルになることもある。
戦闘のビデオを見た2人の装甲専門家が裏付けるように、セルヒイは別の種類の弾丸に切り替え、戦車の光学系を狙い始めたと語った。彼は弾の種類を明言しなかったが、専門家が言うように、ブラッドレーは通常、対装甲弾と高火力弾を持っている。
「対装甲の問題で、私は彼が離れられないように目くらましを始めた」とセルヒイは言った。予想通り、彼は戦車の光学系を破壊してミッション・キルを達成した。
ブラッドレーの乗員になる前、セルヒイは歩兵部隊で、オレクサンドルは補給部隊で車両運転手をしていた。
「私は砲手であり指揮官であるが、彼は私よりも重要な存在だ。「彼が私を連れ出してくれるなら、私は幸せです」。
TCHによると、二人はアヴディフカの臨時道路整備場でインタビューを受けた。
整備士たちがブラッドレーのトラック部分を修理していると、別のブラッドレーが通りかかったが、地雷の破片でサイドスカートの装甲に穴が開いていた、と記者は説明した。
「F1カーのように、やってきてはすぐに直し、去っていく」と整備士の一人は語った。
ドネツク州アヴディフカ近郊で損傷したブラッドレー戦闘車両を修理するウクライナの整備士。(TCHスクリーンショット)
米国が約束したブラッドレー約200両のうちの1台のそばに立ちながら、2人は同車両を賞賛した。
「この車両は敵の計画を台無しにしている。「彼らは本当に私たちを捕まえようとしている」。
ブラッドレー戦闘車両の外でインタビューに応じるセルヒイ(左)とオレクサンドル(TCHスクリーンショット)
ロシアに本格侵攻を断念する気配がないことを考えれば、近いうちにまたセルヒイと彼の乗組員が狙われる可能性が高い。■
Video Games Helped Ukrainian Bradley Gunner Win Duel With Russian T-90M Tank
BYHOWARD ALTMAN|PUBLISHED JAN 20, 2024 7:08 PM EST
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