2009年5月9日土曜日

ファンタムレイ:ボーイング自社開発UAV



Boeing Unveils Phantom Ray Combat UAS


Aviationweek.com May 8, 2009


無人戦闘航空機ファンタムレイPhantom Rayは中止となったX-45からボーイングが自社資金で開始した短期試作プロジェクト。2010年にホワイトサンズミサイル試射場(ニューメキシコ州)での初飛行をめざす。ファンタムレイはX-45を単純に復活させるものではない。同機は政府の要求水準に具体的を満足するために作られておらず、他社と競合するものでもない。また、政府による指導監督の対象でもない。ボーイングは飛行実証後に兵器搭載、電子戦、情報収集、偵察、また指向性エネルギー兵器運用含む同機の運用可能性を実証する予定。

【ボーイング戦闘航空機の将来】 2001年に共用打撃戦闘機提案協議をロッキード・マーティンに奪われ、2007年には海軍向けの無人戦闘機システム(UCAS)をノースロップ・グラマンのX-47の前に敗北を喫し、ボーイングは戦術航空機事業の戦略を構築に苦労してきた。セントルイスが戦闘機生産の拠点であり、現在は韓国・サウジアラビア・シンガポール向けにF-15E派生型、米海軍向けにF/A-18E/FスーパーホーネットとEA-18グラウラーを生産中。この先の将来は未定だ。

【ボーイングの目論見】 国防予算が伸び悩む中、ボーイングにとってはファンタムレイ他のプロジェクトで世代機開発に技術陣を従事させる。また、設計スタッフも予算削減で人員削減となっているため従来の方法にとらわれない方法で航空機開発に挑戦せざるを得ない状況だ。海軍は再度提案競技を開催する予定で、おそらくX-47の飛行試験が終了する2013年より後となると見られるが、空母運用の次世代無人ステルス機を開発となる。ボーイングのファンタムレイ開発はその際には大きく生かされるだろう。

【社内開発】 ファンタムレイプロジェクトはボーイング社内では「リブループロジェクトProject Reblue」の呼称で2007年にコンセプトがまとまったもの。本格的開始は2008年6月。今月までは社内でも少数の幹部とエンジニアを除きその存在が秘密となっていた。

【ファンタムワークス】 以前は先端航空機システムズと呼称されていたファンタムワークスが2月に再発足された。旧名称の復活により、試作機製作の伝統も復活するとしている。同部門はこれまで新規プロジェクトの実現、将来技術の先取りをめざしてきた。同社は試作機製作を続け、技術を成熟させることでペンタゴンが今後必要とするニーズにこたえようとする。

【無人機への挑戦】 ファンタムレイはロッキード・マーティンが2007年に発表したポールキャットPolecat 無人機(同社スカンクワークスによるステルス三角翼の技術実証機)と形状がかけ離れているとはいえない。ただ、ポールキャットは三回目の飛行試験で墜落している。両社とも大型無人機市場でのノースロップ・グラマンの優位性に挑戦しようとしており、プレデターとリーパーの開発元のジェネラルアトミックスに対しても同じである。

【X-45を利用】 ファンタムレイの原型X-45Cは合計3機が空軍向け地上配備無人機運用の実証用に発注されていた。完成した一機をファンタムレイとするほか、ボーイングは二号機となるはずだったX-45Cの機体を保管している。ただし、エンジンは売却済みであり、同機はエンジンなしの状態で工場内に残っている。来年初めまでにジェネラルエレクトリックF404-GE-102Dエンジンを装着する予定。X-45の経緯は複雑だ。空軍主導のX-45と海軍の共用無人機(J-CAS)が統合されたものの、長くは続かなかった。空軍の要求水準は敵の防空体制の制圧にありボーイング案がこれに近く、一方で海軍案は長距離情報収集ミッションを空母発進で行うものであり、ノースロップX-47がこの目的にあっていた。空軍は2006年に同計画への予算支出を停止し、共同開発は頓挫。2007年にノースロップが海軍向け実証機製作契約を獲得。空軍が煮え切らない態度を示す一方、国防総省はボーイングの開発作業を支持。

【自動空中給油機能】 また自動空中給油の開発が重要だ。海軍もノースロップX-47にこの機能を追加要求した。原型のX-45機には給油受入装置のスペースが機体左側に確保してあった。ボーイングは開発当初から空中給油機能を計画していた。

写真 。形状が似ているというロッキード・マーティンのPolecat無人機。。原型のX-45B

2009年5月7日木曜日

P-8Aポセイドンの開発状況



Australia To Help Upgrade P-8A Poseidon

Aviationweek.com 5月6日

【オーストラリア国防省の期待】 オーストラリアはボーイングP-8Aポセイドン海上哨戒機購入の第一歩としてアメリカとの協定に基づき同機の改修作業に参画する。先週発表のオーストラリアの国防白書では空軍所属のP-3Cオライオンの後継機として有人機合計8機(ポセイドンが想定)および最大7機の大型無人機(ノースロップ・グラマンRQ-4グローバルホークを想定)を導入する計画。P-8A改修の第一段階スパイラルワンに加わることで同機の情報を入手でき、オーストラリア産業界にも機会が生まれる。また、P-8A改修に同国の意見が反映される可能性が高まると期待。ただ、同国の負担金額は未発表。同国のP-3Cの退役は2018年の予定。

【2号機】 一方、米海軍向けP-8A二号機T-2はボーイングのレントン工場(ワシントン州)で完成に近づいており、隣接するボーイングフィールドへのフェリーフライトが予定されている。同機はミッションシステムの試験に供され、一号機T-1は4月25日に3時間31分の初飛行に成功しており、二号機とともに海軍のテストプログラムに2010年の第一四半期に加わる予定。T-1は現在ボーイングフィールドでシステム艤装中。

【海軍におけるテスト予定】 T-1がフライトテストを開始するのは9月ごろの予定で、その後三号機T-3も加わり、シアトルを数ヶ月間は拠点とする。これは海軍がボーイングのフライトテスト実施能力をより多く利用してからパタクセントリバー海軍航空基地(メリーランド州)で引渡しを受ける方針にしたため。T-3は兵装システムのテスト機材となり同機の胴体部分はスピリットエアロシステムズ(カンザス州ウィチタ)よりレントンに今月到着の予定。
【構造上の特色】 P-8Aは737-800の胴体部分・尾翼を補強したもの以外にストレッチ型-900の主翼を強化して使う。胴体下部に兵装庫がある。また主翼下部に兵装装着部分があり、主翼の先端はウィングレットではなく、熊手状に傾斜角がついている。

コメント:前段はオーストラリアのかかわり方についてですが、記事の後半の方が情報量が多くなっていますので、オリジナルの表題はふさわしくありません。Aviationweek電子版では記事がよく表題と中身がつりあっていないのでちょっと注意が必要ですね。それにしてもP-8Aは就役期間を通じて改良を重ねていくというのが基本設計思想のようです。わがP-1はどうなのでしょうか。

2009年5月2日土曜日

大統領専用ヘリVH-71は復活できるか


AgustaWestland Pitches VH-71 Compromise

Aviationweek.com 5月1日

ゲイツ国防長官により開発中止と機種選考の仕切りなおしの方向性が示されてしまった次期大統領専用ヘリVH-71についてメーカーのアグスタ・ウェストランドは反論を展開しており、端的に言えばここまで開発が進んでいるのにやり直しはないだろうというもの。第一期契約分のヘリをスクラップにするよりも同社はしかるべく型式証明を取れば機体寿命は10,000時間あり、仕様要求性能の1,500時間を超えていると主張する。ペンタゴンは同機の使用年数は5から10年しかなく配備するのは無駄と考えている。改装のもととなるAW101型はすでにメーカーの言う飛行時間の証明を受けている。さらに、同社によるとこれまでに33億ドルが費やされており、あと35億ドルあれば第一期契約分の機体計19機を納入できると反論する。この経費合計額は当初のVH-71予算案に近いもの。同社はさらに1.5型と呼ぶ性能向上型の構想を持っており、これが具体化すると当初の計画性能を実現できるが、総費用は130億ドルの当初予算以内になるという。同社は先行生産型としては第五号機のVH-71を英国ヨービル工場から納入したところだ。CEOであるジュセッペ・オルシは実施予算は当初の二倍となってしまったが、ヘリ機体に限ると予算超過規模はわずか8パーセントかつ遅延は6ヶ月に留まっていると語り、これは全部設計変更(大規模なものが50件、小規模なものは800件)によるものという。同社の第一期契約分のVH-71機体は予定の9機がすべて完成し、ロッキード・マーティンによる装備等の完成作業を待つ状態となっている。

コメント:おさらいしておくと、老朽化進むVH-3(S-61)の後継機として合計23機を購入しようという計画があり、アグスタ・ウェストランドのEH-101を原型とするVH-71「ケストレル」が採択されていたのですね。ロッキード・マーティンがインテグレーターとなるといっても機体は外国製というのはいろいろ波紋を呼んだ選択であったはずです。その後性能が思ったより出ない割には大幅に予算が膨らんで、という悪い話題しか聞こえてこなかったので、ゲイツ国防長官も大鉈を切ったのでしょう。メーカーとしては層ですか、と引き下がったのでは話にならないので、ここまできてキャンセルはないでしょうと構えているわけですね。4月現在の国防予算案に同機は計上されていないようです。

2009年4月30日木曜日

高高度飛行船実証機の初飛行は本年8月


High-Altitude Airship Demonstrator To Fly in August Aviationweek.com 4月6日

ロッキード・マーティンは今夏に監視用プラットフォームとして飛行船を成層圏で運用するコンセプトを実証する。飛行船は無人で数週間にわたり高高度にとどまることができ、月単位も可能かもしれない。高高度から高感度センサーと通信有効範囲を大きくとることができる。ただ、強風と昼夜間の繰り返しの中で一定位置を維持できるかが問題となる。【実証機HALE-D]  「次の段階は実証機の建造です」(ロン・ブラウニング 在オハイオ州アクロン、ロッキード・マーティン社海洋システム・センサー開発担当部長)同社は縮小モデルを高度長期間飛行実証機(High Altitude Long Endurance Demonstrator, HALE-D)の名称で8月に飛行させる予定。HALE-Dは米陸軍宇宙ミサイル防衛司令部(SMDC)の予算で開発中の高高度運用実証機のひとつ。「長時間滞空には大きな需要があります」(ブラウニング) 陸軍科学委員会の2008年夏季研究会で中高度および高高度で飛行船および無人機を運用すると長時間にわたる通信、監視、偵察用プラットフォームとして最高との結論が出ていることをブラウニングは指摘する。
【開発経緯】ロッキード・マーティンは高高度飛行船(HAA)の開発に数年間従事しているが、同機のコンセプトへの支持を議会内で得るには苦労して来た。同社は2005年に総額149百万ドルでミサイル防衛庁契約を獲得し試作機製作をすることになったものの、2008会計年度にこれがキャンセルとなった。その後HAAはSMDCに移管され、縮小版の実証機を製作し、無人自立型で太陽電池を電源とする同コンセプトの技術実現性および軍事有用性を証明することとなった。
【HALE-Dの詳細】 一ヶ月飛行可能で、高度6万フィートで500ポンドのペイロードを持つ最終目標の代わりにHALE-Dは二週間50ポンドのペイロードという設計。二週間あれば日周の繰り返しの中で成層圏にとどまる機能を証明できる。HALE-Dは全長270フィート、直径70フィートで船体容積は500,000立方フィート(約14,000立方メートル)あり、グッドイヤー飛行船の二倍の規模であり、ロッキード・マーティンの係留式飛行船エアロスタットよりわずかに大きい。動力には宇宙船からの流用である高信頼性のフィルム状の太陽電池を船体上部にアレイ状に配置し15kwを推進力とペイロード用に供給し、40kwhをリチウムイオン電池に充電する。複数の通信機器、GPS/INS航法・飛行制御コンピューターがを搭載し、後者にはバックアップ用の電池が付属している。推進器は合計2基の2kwモーターであるが、ブラウニングは「本当は4基あれば制御が楽だし、冗長性が生まれる」と話している。SMDCからは通信装置とカメラのペイロードが供与される予定。
【飛行計画】HALE-Dはグッドイヤー飛行船のふるさとアクロンエアードックにて建造される。「アクロンで進空してから未定場所へ移動し、同地上空に滞空して有用度を証明したいですね」(ブラウニング) 「8月に飛行して気候条件を最大限利用したいのです」(ブラウニング) 夏の長い日照時間は太陽発電量を大きくし、電池に蓄積して夜間の飛行動力となる。また夏には米国大陸部上空では「風が温和となる」という。HALE-Dの巡航速度は高度6万フィートで20ノットで、風が吹いても定位置の維持が可能だ。「これ以上風が速くなるのであれば、もっと静かな地点を模索する必要が出るでしょう」(ブラウニング) 
【実用機のスペック】 SMDCの期待は実用型のHAAが半径2キロメートル以内に留まる2,000ポンド搭載、高度65,000フィート、30日間滞留可能というもの。

参考 ロッキード・マーティン社ウェブサイトでのHAA紹介ページ: http://www.lockheedmartin.com/data/assets/ms2/High_Altitude_Airship_productcard.pdf

2009年4月29日水曜日

ターミナル1に豚インフルエンザ関連記事を掲載

ターミナル1に豚インフルの影響①②を掲載しました。民間航空にとっては今回の事態はただでさえ、不況で苦しいときに泣きっ面にハチという感じでしょうか。海外出張の自粛が広がりそうですので、需要の回復にはさらに時間がかかりそうです。エアライン各社の株も下がってきました。ところで日本ではいつまでインフルエンザという言葉に執着するのでしょうか。フルーという短い言い方ができれば報道・発表のたびに大幅に時間が節約できるのですが。

UAV キラービーとは


Northrop Grumman acquires KillerBee UAV line

Aviationweek.com 4月28日

ノースロップ・グラマンはスイフト・エンジニアリングを買収した。同社は無人機キラービーのメーカー。バットと名称が変更されるこの無人機は6.5フィートから33.2フィートの全幅の異なるモデルで製造される機体・主翼一体型。スイフトはこれまでレイセオンと共同でキラービーを米海軍・海兵隊の小型戦術無人機(STUAS)のティアーII計画として提案していた。ノースロップ・グラマンはバットをSTUAS他の候補機として提案するという。ノースロップ・グラマンは以前からスイフトと共同で小型無人機を開発しており、2006年3月にキラービー4(全巾10フィート)を発表している。しかし、両者は業務上の合意ができないまま、2007年に提携を終了している。その時点でノースロップ・グラマンはオーロラ・フライト・サイエンシズと提携してゴールデンアイ80ダクトファン式UAVをSTUAS/ティアーII用に提案する予定であったが、オーロラが要求性能に垂直離発着が入っていないことを理由に公募提案を辞退してしまった。ノースロップ・グラマンはSTUAS/ティアーII提案に応募するかを明らかにしていないが、STUAS計画では今年後半にユマ試験場(アリゾナ州)で飛行実証実験の実施が条件となっており、性能水準が技術対応度6以上となっていることを証明しなければならない。同社はスイフトに引き続きバットシリーズの設計改良、製造準備、飛行試験・支援と製造全般に当たらせる。スイフトはカリフォルニア州サンクレメンテに本社があり、レーシングカーも製造している。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                       

2009年4月26日日曜日

米本土の防空体制に黄色信号

Questions On U.S. Air Sovereignty Mission

Aviationweek.com 4月23日


米空軍における戦闘機の不足により、海軍が本土防空ミッションの補完にあたることになるかもしれない、と国防総省が予想している。米空軍で防空任務につく機数の8割で代替機ないまま退役を迎えることになるとの証言が下院軍事委員会公聴会において4月22日あった。州軍部隊合計16のうち、11隊がF-16を運用している。そのうち、8隊の機体寿命が2015年から2017年にかけて終期に到達。民主、共和両党の議員が国防総省に対して不満感を募らせている。これに対しピーター・ヴェルガ次官補は海軍・海兵隊の機体を利用して防空ミッションを補強する準備をしていると答弁。本誌に対し同次官補はF-15部隊が地上待機となっていた間に海軍の艦載機が任務を補完していた前例があると指摘した。

【海軍機で代替できるか】 同次官補は海軍機が必要となる時期については明言せず、どの機種を使うかも発言しなかったが、海軍もF/A-18E/F型の追加購入が出来ないと戦闘機不足になると予測している。ゲイツ国防長官は現在進行中のミッションの観点からは海軍には余剰戦術機があると考える。F-15部隊はその後、飛行可能となり復帰したが、老朽化が進む機体では同じような問題が突然発生し、空軍の作戦実施能力が損なわれる事態が発生すると憂慮する向きもある。ヴェルガ次官補に同調するのがデイヴィ・ダゴスティノ会計検査院本土防衛担当部長、ダニエル・ダーネル米空軍中将(空軍幕僚次長)およびハリー・ワイアット州軍航空部隊司令官である。ペンタゴンに対し最も反対の声を大きく上げているのがガブリエル・ギフォーズ下院議員(民主、アリゾナ州)である。「将来の任務実施が危うくなっている」と同議員は発言。空軍は「急速に近づく戦闘機不足」に目をつむっているというのだ。第162戦闘機部隊がアリゾナ州ツーソンに駐留しており、F-16を運用しているが、改修作業を実施しないと全機が6年以内に飛行不能となると同議員は発言。
【州軍で深刻な機材不足】 ワイアット中将は州軍航空部隊にF-22およびF-35が配属されるのは「遅すぎる」し、配下の部隊に第五世代ステルス戦闘機が早期に配属されたとしても、運用上は多くの問題に直面すると発言。各基地では2014年後半には防空パトロール用機材の不足が発生し、2020年には機材がない基地の数が最大に達すると、ダゴスチティノの会計検査院のデータが示している。ギフォーズ議員は従来型の第四世代戦闘機であるF-15EやF-16ブロック60をいまさら購入しても始まらないと考える。ゲイツ長官がF-22の生産を187機で終了すると発表したのを受けて、ワイアット中将派従来型機材を購入するべきかについては発言を控えた。もし、議会が現行の厳しい財政状況の中で打四世代機材がもっと必要と議決するのであれば、ワイアット中将は議員に巡航ミサイル攻撃、無人機、海上の脅威に対応するには高度技術が必要であることを考慮すべきと主張している。
【今後の見通し】下院小委員会では繰り返し長期立案の不足を批判されていることに対してヴェルガ次官補はミッション遂行に影響は出ないと発言し、ダーネル中将は次回の国防計画見直しでは本件について何らかの方向性が出てくるものと期待している。

2009年4月24日金曜日

NRO副長官人事


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Sapp To Assume Key NRO Position

Aviationweek.com 4月16日

ゲイツ国防長官は国家偵察局(NRO)の筆頭副長官にベティ・サップを任命した。サップの現職は国防次官(情報担当)付調達資材責任者。在任中は国防総省と各情報機関との間の政策対立として中止となった宇宙配備レーダーとBasicと呼称の電気光学衛星画像情報収集をめぐる対立等をまじかに見てきた。NROにおける課題の中には新型電気光学・赤外線情報収集衛星の調達戦略があり、本計画はオバマ大統領により承認をうけたばかりのもの。その狙いは複数の電気光学・赤外線衛星を配備し、アメリカの画像情報収集能力の優位性を確保すること。本案件はロッキード・マーティンが単独受注するものと広く信じられているものの、NROは調達方針を公表していない。ブレア国家情報長官はサップ人事を了承しているという。サップの登用は議会の承認を必要としないが、三ヶ月前に同局を退任したラルフ・ハラーの後任となる。また、スコット・ラージNRO局長も今月に退任予定だが、後任人事の発表はまだない。

2009年4月21日火曜日

エンブラエルの新型輸送機KC-390続報

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Embraer Sees World Market for New KC-390 Tanker/Transport

Aviationweek.com 4月19日 

この不況下でエンブラエルにとって13億ドルの受注で軍用輸送機開発に着手できるのはこの上ない好機だ。同社は空中給油・輸送機をブラジル空軍向けに開発を開始することで防衛関連売り上げを伸ばし、民間機の好不況サイクルを緩和することも出来る。契約期間は7年でターボファン動力のKC-390を開発する。同機の開発で戦術輸送機の機種構造が変わり、ロッキード・マーティンC-130Jに真っ向から競争する機体が出現することになる。

【挑戦か】 逆にロッキード・マーティンは戦術輸送の想定される任務すべてを実行可能な機体を開発するのは生半可ではないと見ているが。KC-390はエンブラエルが手がける最大規模の機体となり、同社のみならず競合他社からも挑戦だと見られている。特に、エアバスA400M軍用輸送機の開発の遅延とロッキード・マーティンがC-130Jの実用化に相当の時間を必要としたことが念頭にある。ブラジル空軍が開発費用を負担するとはいえ、開発が遅れるとエンブラエルの防衛部門の業務拡大に影を落とすだろう。競合他社からは13億ドルで完全に新設計の軍用輸送機を作れるのだろうかという疑問もある。エアバスはA400M関連で50億ドルを受領していながら、同機はまだ初飛行に至っていない。ロッキード・マーティンはC-130改良型に12億ドルを投入している。

【ブラジルの狙い】 KC-390プロジェクトはブラジル政府の戦略で国防力とともに産業基盤を強化するもの。その他としてF-X2(新型戦闘機)を120機、ユーロコプターEC725輸送ヘリの現地生産、フランスの援助で原子力潜水艦建造、フランス宇宙開発期間CNESの支援で衛星打ち上げ能力獲得が含まれる。

【開発経緯】エンブラエルがC-390として軍用輸送機のコンセプトを発表したのは2007年のラテンアメリカ航空技術展示会においてであったが、設計は相当変化している。当時はエンブラエル190リージョナルジェットを「迅速かつ簡素に」6億ドルの費用(うち空軍が4億ドル負担予定だった)で改装する構想であった。C-390コンセプトに対する潜在顧客の反応が設計図を大幅に変えた。もはや190の派生型ではなく、開発費用も全額ブラジル空軍負担となった。

【慎重な開発プロセス】リスク低減策として4段階に分けて開発が行われる。第一段階(12ヶ月)は研究活動であり、最終設計は第二段階まで凍結となる。その段階で部品供給業者、生産分担業者全部を決定し、第三段階にはいる。最終段階では詳細設計、機体組み立て、飛行テストを試作機合計2機で行い、型式証明を合衆国FAR25輸送機分類で取得するとともに本格生産の準備に入る。初飛行の予定は2013年で就航は2015年、ブラジル空軍は合計22機を取得する。

【機体・性能】 ブラジル空軍の要求内容はC-130を代替するものだが,機体だけを見るとC-130がKC-390よりも大きい。KC-390の離陸重量はグロスで72トン、うち燃料は主翼内に22トンでペイロードが19トン。これはC-130Jに匹敵するもので、A400Mの半分だが、両機ともターボプロップ動力機だ。KC-390には空中燃料給油口と給油能力が両方あり、空中給油任務では9.5トンの追加燃料を輸送庫内に格納できる。動力は27,000ポンドのターボファン二基で、離陸滑走路長は1,100メートル、巡航高度は36,000フィートで最高速度はマッハ0.8、飛行距離は完全搭載で1,500海里、フェリーで3,000海里の飛行が可能。貨物スペースの床が完全に平坦で高さの制限がないことから従来型の輸送物より20%から25%大きくても輸送可能だ。

【競合】 海外市場ではKC-390はC-130Jと真っ向からの競争となる。ロッキード・マーティンはすでに来年には24機増産の計画に入っている。エンブラエルは今後15年間で合計700機の需要があるものと見ている。これに対し、ロッキード・マーティンは10年間で200機程度と見ており、エンブラエルの市場規模予測は過大と見るが、市場としては魅力があることについては認めている。その裏には軍事輸送に加えて人道援助ミッションの増加がある。まだ決定に至っていないのはエンブラエルがKC-390のエイビオニクスを自社で取りまとめるかどうかである。これまでは同社は外注としていた。これもリスク低減の一環として見られている。A400Mの遅延が3年で、不満を感じる各国がC-130J発注に向かっている中、エンブラエルは軍用輸送機市場に参入することになる。

【生産体制】 同社はKC-390契約受注と時を同じくして4,200名の一時解雇をしたが、技術陣の削減はしていない。今後は雇用が徐々に増え、総数2,000名程度になると見られる。KC-390開発で同社が他の民間用大型航空機の開発が出来なくなる影響はないと見ている。同社は別途今後18から24ヶ月で150席程度の新型機設計を完成する予定。KC-390は同社のガビアオ・ペイホトGaviao Peixoto工場で生産の予定で、大型機体製作の貴重な経験が社内に蓄積されると期待している。

2009年4月20日月曜日

KC-X: 二機種同時購入に反対の国防長官



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Gates Continues to Oppose Split Tanker Buy

Aviationweek.com 4月17日

懸案の次期空中給油機の導入でボーイングとノースロップ・グラマン/EADSから同時に機材を購入する案にはゲイツ国防長官は「体を張ってでも」反対するとマックスウェル空軍基地の空軍大学で空軍幹部を前に発言している。これに対する反応は大きな拍手であった。同日の記者会見で機種が二つになれば訓練、保守点検、兵站それぞれで二つの仕様が必要となるので反対だとの立場を表明。空中給油機が二機種になると開発費用は5年間で140億ドルにのぼり、一機種に絞り込む際の二倍になるとも説明した。国会議員の中には何度も仕切りなおしとなっている空中給油機導入問題の解決のためには政治的な理由から二機種同時購入案を支持する向きがある。ノースロップ・グラマンもこの案の支持があるかを打診している。

コメント:世紀をまたがったこじれにこじれた米空軍の大問題です。政治的には両方を取得すれば丸く収まるのですが、やはり長官の言うとおり=空軍運用側の考えるとおり、どちらかに決着をつけねばなりません。機体としてはKC-30(A330)の方が大きくて応用が利くように見えるのですが、日米伊で共用となることを考えるとKC-767に最終的には軍配が下るのでは。(写真 KC-767とKC-30それぞれの想像図)

2009年4月18日土曜日

プレデターC型アベンジャー



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Predator C Avenger Makes First Flights
Aviationweek.com 4月17日

長く噂されていた、ステルス性を強化してジェットエンジン搭載のプレデターC型アベンジャーがジェネラルアトミックス航空システムズGeneral Atomics Aeronautical Systemsで完成。
【性能】滞空時間は20時間。飛行速度は400ノット以上、運用高度は最高60,000フィート。外観からはステルス性が強化されたことが明白。動力はプラットアンドホイットニーカナダのPW545B(推力4,800ポンド)で排気の赤外線特徴にはシールドがかけられる。排気口まではS字型で、排気温度を下げ赤外線特徴を軽減するほかレーダー探知を難しくしている。
【装備】機体内部には500ポンド爆弾にGBU-38JDAMユニットとレーザー誘導を装着して搭載する。全長は41フィートで、兵装格納スペースは10フィートと思われる。兵装倉の扉を外せば広範囲監視ポッドを機体に半分格納して搭載できる。C型の兵装あるいはセンサー搭載量は3,000ポンド。ステルス性が必要なければ機体、主翼の外部に装備を搭載可能。兵装庫内に追加燃料槽を装着すれば飛行時間を2時間延長できる。機内の電源は45kvaとB型と同じ。全天候アクティブ電子スキャンアレイ(AESA)レーダー以外に広範囲監視装置(米空軍が供与予定)を搭載できる。リンクスSARは機首下部に搭載すると思われる。試作機にはEO/IRターレットが見られないが他のプレデターに装着されているので、機体格納式になっているのかもしれない。
【海軍での採用可能性】主翼は折りたたみ可能で格納庫あるいは空母での運用を想定。かねてから同社は海軍向けにプレデターの運用可能性を訴えてきた。海軍はB型の性能に関心を示したものの、プロペラ動力機を理由に空母搭載を否定。C型には着艦フックがついており、同機の艦上テストが予定されていることが推察される。現状では米空軍ならびに英空軍の運用が最有望される。
【今後の見通し】初飛行は4月4日に成功しており、今後2,3ヶ月は試験を続ける。正式に採用側の予算が投入されれば10から12ヶ月で同社のポーウェイ新工場(カリフォルニア州)で作戦稼動機がロールアウトする見込みだ。同社ランチョ・ベルナルド工場はプレデターA型B型の生産で手一杯の状態だが、C型の生産に支障はないと見られる。A型は今後生産終了になる。ポーウェイ工場はランチョ・ベルナルドの三倍近くの大きさであり、サイバースプリングス工場も利用可能。ジェネラルアトミックスはペンタゴンの要求を待たずに自社費用で必要と想定される仕様の開発を行っている。これが各軍ならびに情報機関で多用されるプレデターシリーズの成功につながった。
【プレデターシリーズ】同社はアベンジャーへの投資額については明らかにしていないが、おおよそB型開発実績の二倍だという。A型(MQ-1)はピストンエンジンで長時間滞空かつ武装発射能力を実現した。ターボプロップにしたB型(MQ-9)は兵装搭載能力が大幅に向上し、速度と実用高度も増加。C型の速度はさらに増加し、迅速な展開が可能となり、作戦柔軟度と生存性が高くなる。
【影響】プレデターCの初飛行が成功し、有人航空機の削減が計画されていることに反対派が懸念を高めている。海兵隊カートライト大将は戦術航空機の編成に高コスト・中コスト・低コストの機体と性能の組みあわせでF-22、F-35および武装UAVとしてプレデターB(リーパー)を提唱。ただリーパーは低視認性機体ではないのでF-22およびF-35とは異質。それに対しアベンジャーは低痕跡で飛行できる。戦術機にはその他F-16C、F-15C、F-15EがAESA(電子スキャンアレイレーダー)を搭載することで補助できる。反対派はゲイツ国防長官とカートライト大将による方針決定に武装UAVを取り入れることに警戒感をもつ。軍事上の必要性よりも経済上の事情を優先することは誤りであり、「プレデターCがF-35の代わりとなる」ことを恐れると匿名の元空軍パイロットの空軍高官(調達担当)は語る。

2009年4月16日木曜日

エンブラエルKC-390空中給油・輸送機開発にゴーサイン


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Embraer Launches KC-390 Tanker/Transport

Aviationweek.com 4月15日

エンブラエルはブラジル空軍の契約を獲得し、13億ドル・7年間の期間でKC-390軍用空中給油機・輸送機の開発を立ち上げた。同機の初飛行は2012年、就役は2015年の予定。同機はターボファン双発、高翼の設計。4月14日にラテンアメリカ航空防衛ショー(リオデジャネイロ)で発表されたもの。ブラジル政府は試作機合計2機および生産用冶工具含む開発費用全額を負担する。エンブラエルCEOフレデリコ・F・クラドがAviation Weekの取材で答えたもの。同社は2007年の

同じショーで軍事輸送機の検討案を展示しており、エンブラエル190リージョナルジェットの改造型として6億ドルの費用で開発するコンセプトであった。ただし、クラドは「同機は現実的な機体ではなかった。任務のすべてを実行できなかっただろう。」と語る。フライバイワイヤ式のKC-390は高翼、ターボファン双発、T字尾翼の構造こそ同じだが、全面新設計でブラジル空軍の要求にこたえるばかりか、ロッキード・マーティンのC-130Jに対抗できる機体である。エンブラエルは今後二年間で詳細検討を完成させ、部品メーカー選定を空軍とともに行う。クラドはKC-390は「国家プロジェクト」であり、別メーカーあるいは海外の関与の決定は政府の決定事項という。同機の組み立てはエンブラエルのガビアオ・ペイホト工場にて行われ、同社にとっては最大の航空機となる。また、同社にとっても軍用機製造は久しぶりのことになる。

コメント 同社のプレスリリースによるとC-390の貨物搭載量は最大19トンとのことです。開発が遅れているわが国のC-Xが37トン、C-1( 8トン) C-130H(20トン)なので、確かにC-130に匹敵するクラスになるわけです。ブラジル空軍の必要とする機数は20機程度と限られていますが、いまや各国に販路を広げた同社ですので、当然C-390も各国の注目を浴びるでしょう。価格が訴求力になるのではないでしょうか。それにしても1950年代から稼動しているC-130が今でもこのクラスの輸送機の主流というのはひとつの驚きですが、その間に開発力をつけてきた新興国がもうそこまで来ているということですね。