2017年5月4日木曜日

トランプ-金トップ会談が実現する可能性



硬軟取り混ぜて対応なのか。トランプ大統領の思考が周囲より先行しすぎて大変だという例ですね。取引が好きな大統領なので意外に結果を引き出してしまうかもしれません。軍事対決を期待していた向きには肩透かしになるかもしれません。金正恩がトランプと波長があえば目的を共通理解できるかもしれません。一層事情が複雑になってきました。

Kim Jong-un

North Korean leader Kim Jong Un. Wong Maye-E/AP


Here's what a Trump-Kim Jong Un meeting could actually look like トランプ-金会談が実現すればこうなる

Associated PressTed Anthony, Associated Press
BANGKOK —一方のコーナーは予測不可能な独裁者、常軌を外れ怒りやすく三代続けて一族で70年間にわたる常に世界一の強国だと言い続けてきた国を支配している。もう一方のコーナーには毒舌の米大統領、就任後100日が過ぎたばかりの自由世界の盟主で何でも口にしかねない人物が予想もつかない場面でいきなり和解の言葉を発した。
  1. 5月1日にドナルド・トランプの口から出たのは北朝鮮指導者金正恩に和解を求める言葉であった。金正恩は長らく米国の軽蔑と警戒の対象である。トランプは「明らかに実に頭の切れる奴だ」と述べている。
  2. さらにこんな発言もあった。「本人に会いたい。絶対実現したい。光栄に思うだろう」
  3. 世界がこれに驚いた。どういうことなのか。外交史上でもこのように内緒話が急発展する事例はない。
  4. 実現しなかった例もある。ローズヴェルトは第二次大戦中にヒトラーと会談していない。ジョージ・ブッシュ(父子ともに)がサダム・フセインをホワイトハウスに招いたことはない。一方実現した例もある。ケネディはフルシチョフとウィーンで会った。中の雪解けの象徴としてニクソンは北京を訪ね、米毛沢東にそのまま向かった。
  5. 今となれば過去事例は当たり前に見えるが、当時は現在のようなインターネット社会でなく即座に拡散するソーシャルメディアの効力をトランプは熟知しているからこそ多用しているのだろう。
  6. にらみ合い中の指導者二人が顔を合わせれば大きな可能性が生まれるが、本当に実現すれば裏方には悪夢となる。
  7. 今回の観測気球の意味が正しく受け止められればどのように実現されるだろうか。現時点で考えられる想定は以下の通りだ。
会見場所はどこか
  1. 可能性があるのが軍事境界線地帯でドラマ性が高い場所となる。交渉テーブルをはさみ、片方が北、反対が南だ。
  2. ここで会談する利点は保安体制がすでにあることだ。地球上で一番厳しい保安状況と言ってよい。中国国内の可能性も低いが存在する。
  3. だがそれ以外の可能性はどうだろうか。中立で有名なスイスはどうか。今は国内を出ることのない金正恩だが以前スイスで学んでいる。ホワイトハウスの可能性もある。トランプはエジプト、トルコの大統領をすでに招いており、両名ともアメリカの価値観とかけ離れた人物だ。もちろんこれはまず起こりえないし、実施になれば物議をかもすだろうが、奇妙なことはよく起こる。
  4. あるいは予想外の場所、だれも知らない場所かもしれない。1989年のこと、ジョージ・H・W・ブッシュはソ連指導者ミハイル・ゴルバチェフとマルタ沖合の軍艦で会談している。その結果、ソ連と東ヨーロッパに変化が生まれた。マルタ島は急に関心の的となり、ヤルタと同義語になった。ローズヴェルト、チャーチル、スターリンが1945年に会談したクリミヤ半島の地名でヨーロッパの戦後像が検討された。
  5. 米本国も微妙な会談の場所になっている。キャンプデイヴィッドはカーター政権時代にイスラエルのメナヘム・ベギンとエジプトのアンワール・サダトの首脳会談会場になった。そんな例は枚挙にいとまない。1905年にはセオドア・ロウズヴェルトが日露両国の和平の仲介をしたのはニューイングランドの寒村という考えにくい場所だった。最近でもオハイオ州デイトンというあり得ない場所がボスニア戦争終結の平和条約締結地となっている。ただしいずれの場合も交戦中の他国を招いた米国自体は戦争に加担していない。
  6. 平壌はどうか。前例はある。マデリン・オルブライト国務長官や小泉純一郎首相、さらに有名バスケットボール選手デニス・ロッドマンまでが同地を訪れている。金の家系に海外旅行を嫌う傾向があるのは自分の手で状況を掌握できなくなるのを忌避しているのだろう。
  7. どの場合でもDMZ以外の場所でトランプ-金会談が高度警戒態勢の下で実現すればその開催場所は永遠とはいかないが長くその性質を変えるだろう。
何を話すのか
  1. 普通は北朝鮮の核廃棄が最初の議題と考えるはずだ。だが予測困難な指導者二人なので確実とは言えない。
  2. トランプのこれまでのスタイルを見れば、実際の交渉が始まる前に相互理解に時間が必要だろう。だが主要議題がすぐに中心になる。
  3. その例に北朝鮮援助があり、同国は何度も瀬戸際工作をしてまで窮状を訴え援助への関心を喚起してきた経緯がある。韓国との関係もある。武器テストの問題ではミサイルや核が中心で米国中国も韓国同様に不快感を表明している。

どんな反応が出るか

  1. 不確定要素は韓国、ロシアそしてもちろん中国だ。長年にわたり北の守護者だった中国がここにきて警戒心といら立ちを隠せなくなっている。
  2. 韓国の場合は首脳会談は存続を問われる機会となる。北の軍事能力が精度と火力双方で南を大規模破壊できることで異論は少ないが、韓国を軍事的に保護する米国が北と直接会談すれば中身がない会談であっても韓国にはきびしい安全保障上の意味が出てくる。
  3. 中国は自国影響圏内に米国の介入を嫌い、南シナ海領有権を巡ってはすでに米国と意見が対立しているが、台湾問題が絶えず背景にある。中国はここにきて韓国に甘言を示し、習近平主席が2014年にソウル訪問をしたのは北に対するメッセージであった。だが中国はTHAADが韓国国内に配備されるのを恐れ、現在は再び両国間に緊張が戻っている。
  4. こうした背景の中で開くトランプ-金会談では中国の巻き込みが必須であり、中国の北への圧力へ期待せざるを得ない。トランプ政権がこのことを一貫して主張している。だが通常の思考が必ずしも成立しない。トランプの予測破りの就任式前の台湾総統への電話が一例だ。
  5. そしてロシアの指導者ウラジミール・プーチンが会談の行方を遠巻きながら慎重かつ神経質に見守るはずだ。首脳会談が実現すればロシアの対中国、米国、そして北朝鮮との関係は変わってしまうだろう。
  6. メディアの反応も忘れてならない。明らかに会談は今年一番の目立つ出来事になるだろう。絶好の報道機会となり数百の報道機関が殺到するはずだ。サミットやオリンピックなみのインフラが必要となる。

会談の意義は

  1. 政治面の意義はともかくドナルド・トランプと金正恩の直接会談は21世紀最大のドラマの場面となる。開催場所がどこであろうと。
  2. 三つの意味が同時進行する。ドナルド・トランプが率いる米国と政権の目指す方向。金一族が北朝鮮を支配してきた気まぐれかつ他に例のない統治手法、そして東アジア内の安全保障と防衛体制だ。
  3. 大きな意義があり、騒々しい事態になる。どこか非現実的で予測不可能で重要な機会になる。金正恩とドナルド・トランプという世界を変える力を持つ指導者二名にはすべて全く違和感のないことだが。
  4. そうなると期待したくなくなるかもしれない。火曜日午後に北朝鮮国営通信社が以下を配信してている。なんといっても同国の正式名称は朝鮮民主主義人民共和国なのだ。「トランプ政権は米国で発足したばかりでDPRKを二つの点で挑発しているが競合相手のことは何も知らないのだ」■
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Ted Anthony, director of Asia-Pacific News for The Associated Press, is based in Bangkok, Thailand. He has covered Asia for nearly a decade over his career and traveled to North Korea six times since 2014. Follow him on Twitter at @anthonyted

★長距離識別レーダーは北朝鮮ミサイル迎撃に重要な技術になる



北朝鮮問題は長期化の兆しを見せていますが、忘れてならないのがロシア、中国ももっと大量のミサイルで狙いをつけていることです。ミサイル自体に防御、欺瞞技術が導入されつつあるので迎撃側も対応しなければなりません。迎撃ミサイルも無尽蔵ではないので有効に活用しなければなりません。そのために正確な情報をより早く遠隔地点で入手する必要があります。今回の技術はその意味で有望と思われます。
ロッキードの両面長距離識別レーダーはアラスカに配備され北朝鮮ミサイルの早期探知に投入される。Lockheed Martin
Aerospace Daily & Defense Report

Lockheed Advances North Korea-facing Radar

ロッキード新型レーダーは北朝鮮対応に効果を発揮する
Apr 25, 2017 James Drew | Aerospace Daily & Defense Report



  1. トランプ政権が北朝鮮の核弾道ミサイル開発で米本土を狙うことを警戒する中、ロッキード・マーティン開発の新型レーダーがミサイル攻撃の阻止手段になるはずで、詳細設計段階に入りつつある。
  2. 完全新型のソリッドステート両極型超高周波レーダーはミサイル防衛庁が2015年発注し弾道ミサイル迎撃弾を大気圏上層部で迎撃させる際の誘導が目的で、とくに北朝鮮ミサイルを想定している。
  3. ロッキードは18月のシステム段階設計開発を経て、長距離識別レーダーLong-Range Discrimination Radar (LRDR) の重要部品・製造工程が成熟化し技術即応段階6に入ったと発表。つまり想定される環境下で端末間のモデリング、実証が完了したということだ。
  4. 重要な初期設計段階を終えLRDRの2020年配備にめどがついた。この年になると平壌はICBM能力を整備し核弾頭小型化でミサイル装着が実現していると予想されている。
  5. 巨大な両面レーダー構造体はアラスカのクリア空軍基地から西をにらみ、北朝鮮のみならずロシア、中国も警戒する。米軍にはロシア、中国の大量ミサイル攻撃を食い止める迎撃ミサイルが足りないので、MDAは北朝鮮の脅威に対応する。
  6. LRDRは米グローバル弾道ミサイル防衛ネットワークの一部となり標的データをボーイング製地上配備中間飛翔段階防衛装備に提供する。これはサイロ44個に配備した迎撃ミサイルでアラスカとカリフォーニアに展開している。
  7. ロッキードでLRDRを担当するチャンドラ・マーシャル部長は4月20日の報道向け説明会で設計審査が3月に終わり、MDAおよび国防長官官房が参加したと述べた。次の山場は9月の重要設計審査で、その2ヶ月後に最終設計審査の予定。
  8. 審査ではロッキード製レーダーが本格生産に円滑に移行でき、技術問題なく現地配備できるかを見る。マーシャル部長によれば本格生産は2018年春の予定だ。
  9. 開発テストの支援用にロッキードは縮小型の試作機とソリッドステートレーダーを組み合わせた施設をニュージャージー州ムーアスタウンに建設した。試験項目のほぼ9割がムーアスタウンで完結し、主要部品は2019年にアラスカに移し、実戦配備に入る。
  10. 「このレーダー性能でかぎとなるのが 弾道ミサイルの長距離探知判別能力です。このレーダーは現時点の各種レーダー両極型により従来より判別能力がまして飛翔軌道の情報も細かく正確に出せます」(マーシャル)
  11. この高周波Sバンドアンテナはソリッドステートの窒化ガリウム (GaN) 部品を使い長距離でも高出力のまま標的識別が可能。ミサイル、弾頭以外にチャフやおとり装置を区別できるので迎撃ミサイルは確実に真の目標を狙える。これで迎撃ミサイル発射数を減らし迎撃の可能性は高く維持できる。
  12. ロッキードはLRDR事業を2015年に784百万ドルで受注し、開発、製造、テストの各段階を行う。事業は全て予算内だという。
  13. 同レーダーにはロッキード製の艦船用のイージス戦闘システムの技術が流用されており、イージスアショアや宇宙フェンス技術も使われている。マーシャル部長はLRDRは小型化し陸上、海上への転用も可能だという。
  14. トランプ政権が米ミサイル防衛態勢拡張を決めれば、ロッキードはLRDR施設を必要な分生産できる態勢にあるという。「海上陸上両面で必要なソリューションを提供できます」とマーシャル部長は述べた。■

2017年5月3日水曜日

★★なぜ いずも を護衛任務につけたのか、これからどこへ向かうのか



なるほどいずもを単艦で米補給艦リチャード・E・バード(T-AKE-4)を護衛すると聞いて違和感がありましたが、こういう事情なのですね。報道では四国沖から分かれて南方海域に向かうなんて言っていますが、ここでは逆に日本海に抜かうのではと大胆に予測しています。はたしてどうなるでしょうか。

Japan Koreas TensionREN ONUMA—AP

Japan's Biggest Helicopter Carrier To Provide Escort For US Supply Ship

日本最大のヘリコプター空母が米補給艦を護衛

The Izumo will bring its potent anti-submarine capabilities to protect the US supply vessel.

いずもの対潜能力で米補給艦を守る

BY TYLER ROGOWAYMAY 1, 2017

  1. 日本が最新かつ最大のヘリコプター空母いずもを米補給艦の護衛に派遣した。補給艦は東京から南下し日本海に入りカール・ヴィンソン空母打撃群に合流すると思われる。その時点でいずもは朝鮮半島沖合で展開する各国海軍部隊による演習に参加する可能性が大で北朝鮮へ圧力をかけ金正恩がミサイル発射や核実験に踏み切った際に即応する狙いがある。
  2. このミッションにはどこか妙な感じがある。米補給艦は通常は護衛なしで移動しており、今回は力を示威し各国部隊との共同運用体制の確認が目的のはずだ。また有事の際に同等の能力を有する敵が相手なら脅威が皆無のシーレーンはなく潜水艦の活動がとくに脅威になるものだ。

いずも AP
  1. 補給物資、予備部品、ジェット燃料他の補給が止まれば米スーパー空母や揚陸強襲艦は無用の長物になるし、護衛艦艇も海域にとどまるため大量の燃料補給が必要だ。「兵站で戦勝は決まる」といわれ、米補給艦が自由に必要な地点に向かうことが最重要な要素だが武力衝突が発生すれば大きなこれが課題となる。
  2. そこでいずもの能力が効果を発揮する。同艦は対潜任務に特化し、搭載ヘリコプター部隊で艦の周囲に対潜スクリーンを敷ける。また機雷対策、監視、指揮統制他の能力に加え予備燃料から他の誘導ミサイル駆逐艦に航空燃料を補給できる。
ひゅうがはSH-60Kを運用する USN
  1. いずも級は先行ひゅうが級より艦体が大きくなったが、やはり「ヘリコプター護衛艦」で、補給艦の護衛任務ならひゅうが級が適任のはずである。ひゅうがは満載排水量19千トンでいずも級の27千トンより小さい分だけヘリコプター搭載もいずもの28機より少ない20機だ。だがひゅうがにはマーク41垂直発射管システム(VLS)が二基搭載されており自艦で防空能力があり、随行艦も守れる。16発のVLSにはRIM-162改良型シースパロウミサイル (ESSMs)、RUM-139垂直発射式ASROCロケット推進対潜魚雷も搭載できる。
停泊中のひゅうが、甲板後方にマーク41VLS二基があるのがわかる AP
  1. この二つの装備と対潜ヘリコプター部隊でひゅうが級には自艦ならびに護衛対象の艦艇に対潜、対空能力を提供する。ESSMによりひゅうがはイージス駆逐艦の助けなしに脅威環境に乗り込むことが可能だ。
  2. 護衛任務は相当の労力を消費し、米海軍はこの種のミッションの実施体制ができていない。ひゅうが級が高度の対潜能力とならび広域防空も可能なのが効果を上げる要素だ。また追加護衛艦艇なしで単独行動できる。
  3. だが大型のいずも級にVLSは搭載されておらず、ローリング・エアフレイムミサイルとファランクスCIWSの近接自艦防御装備しかない。ミッション時は護衛艦艇があるのを前提にしたためだろう。ただ同艦の海兵搭載能力は400名で軽車両なら50台を搭載する。日本の海軍作戦用回転翼機はSH-60とMCH-101が主力だが、いずもなら自衛隊のヘリコプターはいずれも運用できる。チヌークやアパッチも発着でき大輸送力に加え必要なら攻撃力も展開可能だ。
着岸操艦中のいずも AP
  1. 北朝鮮には海上作戦中艦艇に現実の脅威となる航空戦力はないが、沿岸防衛体制を強化する兆しがあり、Kh-35対艦ミサイルを国産化している。ミサイル海防艦や少数の大型水上戦闘艦は旧式ソ連製装備を使っており、対艦巡航ミサイルも旧式で敵に接近しないと命中がおぼつかない。ミサイルをあてずっぽうで発射する一か八かの勝負に出ることになり結果は誰にもわからない。
  2. いずもでは強力なレーダー、デコイ、電子戦、早期警戒で近接防御は十分に行えるはずだ。ただし、いずもは北朝鮮沿岸に近づくことなはく、護衛対象とともに北朝鮮水上艦艇の脅威を受けることは僅少だ。
  3. 脅威になるのは北朝鮮の旧式とはいえ大量のディーゼル電気推進式潜水艦部隊だ。北朝鮮戦力で一番過小評価されている部隊だろう。この潜水艦部隊が「高ノイズ」で「錆びている」としても数の威力が質を凌駕する。以前も北朝鮮が潜水艦部隊を突然一斉に展開したことがあり、米韓等との対決が高まれば潜水艦多数を同時運用できる体制ではないか。
  4. 低性能ではあるが潜水艦部隊は空母打撃群には十分危険な存在で、韓国海軍や海上自衛隊の対潜部隊があるとはいえ、無防備で護衛のない補給艦や油槽艦が同じ海域に移動すれば状況は全く変わる。
  5. 北朝鮮が米、韓他の補給艦に魚雷攻撃をしかければ一気にエスカレーションになるが前例がないわけではなく、最悪の事態に備えた訓練を実施するのは悪い案ではない。ここにいずもミッションの意義がある。いずもがカール・ヴィンソン空母打撃群や各国水上艦艇と合流する可能性もある。
海上自衛隊のひゅうが USN
  1. このミッションでいずもの三か月間にわたる南シナ海以遠への展開が開始となるのかは不明だ。発表では5月初旬に開始すると見られていた。
  2. フランスもミストラル級揚陸強襲艦のミストラルを世界を半周させて派遣し、佐世保に寄港している。
フランス海軍のミストラル AP
  1. ミストラルは英海軍ヘリコプターも搭載しており、テニアン島で多国間揚陸演習を数週間後に実施する。その後、南シナ海に向かう予定だが、朝鮮半島情勢次第では変更の可能性が十分ある。■
Contact the author: Tyler@thedrive.com


★★ニュージーランドがP-8ポセイドン導入へ




P-1がまたも採用のチャンスを逃しましたが、やはり隣国のオーストラリアがP-8を採用したことが大きいのでしょうね。軍用機としてP-1が完成度が高いとしても、運用側は安全策を好むようで、実績のないP-1は不利なままです。まるでオセロゲームのようですね。しかし40年もオライオンを使い、さらにあと数年使い続けるニュージーランドはすごいですね。
A P-8A Poseidon assigned to Air Test and Evaluation Squadron (VX) 20 flies over the Chesapeake Bay. US Navy Photo

Congress Notified on $1.46B P-8A Poseidon Deal with New Zealand ニュージーランド向けP-8A売却を14.6億ドルで米議会へ通告

May 2, 2017 1:55 PM


  1. 米国務省はボーイングP-8Aポセイドン哨戒機計4機のニュージーランド向け売却を総額14.6億ドルで承認したと国防安全保障協力庁が発表。売却には議会承認が必要だ。
  2. 「ニュージーランド政府から該当装備を海上監視航空機(MSA)として現行P-3Kの用途廃止後に使用したい意向が示された」と先週の公表資料で述べている。「売却により集団防衛体制が強化され、ニュージーランドの域内・世界規模の貢献が高まる効果が生まれる。ニュージーランドはP-3を40年超に渡り運用しNATOや連合軍による海上作戦に多大な貢献をしてきた」
  3. 売却では電子光学(EO)・赤外線(IR)方式のMX-20HD、AN/AAQ-2(V)1音響装備、AN/APY-10レーダー、ALQ-240機体防御用電子支援装備に加え運用支援、保守管理、訓練用の機器も含まれる。
  4. 「P-8Aポセイドンに加えニュージーランド空軍(RNZAF)は川崎P-1およびSaabのソードフィッシュも検討中といわれていた」とJane’s Defence Weeklyは伝えていた。
  5. 正式要請は来年発出され、2020年代初頭の引き渡しになる。
  6. P-8を運用中なのは米国、インド、オーストラリアの各国で、英国とノルウェーが導入契約を締結している。■

★北朝鮮特殊部隊のどこを警戒すべきか



狂気の世界です。まともに戦争すれば勝てないことはわかっているので最悪の場合は多数の特殊部隊員を野に放つのでしょうか。人命の尊重など全くない狂気集団が人間兵器として相当暴れまわるのではないでしょうか。さらにその行動を止めさせる指令はその時点で誰も出せないでしょうから悪夢のような殲滅作戦を展開することになりますね。もっと怖いのが仮に北朝鮮が開戦せずに平和的に「いい子」になっても国内に恐ろしい集団が残ることです。70年間もマインドコントロールされてきた25百万人が突如精神異常状態になったらどうしたらいいのでしょうか。どちらに転んでも大変厄介な事態になりそうです
Wikimedia Commons

Inside North Korea's Special Forces 北朝鮮特殊部隊の内側

Kim's elite force, or paper tiger? 金正恩のエリート部隊か張り子のトラ?

Visit WarriorKYLE MIZOKAMI
Saturday at 10:27 PM


  1. 北朝鮮は20万名といわれる世界最大規模の特殊作戦部隊を有している。朝鮮半島各地で活動できるよう訓練されており、半島外も視野に入れている可能性がある。
  2. これまで北朝鮮はまんべん泣くすべての装備を備えた軍を構築してきた。ただし冷戦終結により通常兵力部隊は装備の旧式化と補給不足で戦力を低下気味である。たとえば北朝鮮の戦車は1970年代製のソ連T-72が少数あるが多数は60年代のT-62派生型だ。装甲部隊は米韓軍に対抗できる存在ではない。
  3. そこで北朝鮮は特殊部隊を重視する。特殊部隊、特殊任務旅団は25個あり、特殊大隊5個がDMZを突破し、パラシュート降下で要人暗殺を狙う。朝鮮人民軍(NKPA)の軽歩兵教導局が米特殊作戦軍団に匹敵する存在で各軍の調整にあたる。
  4. 北朝鮮には特殊部隊員20万名があるとされるが、うち15万名は軽歩兵隊所属だ。徒歩移動する同部隊の任務は敵前線側面から侵攻し敵を包囲あるいは後方かく乱作戦を実施することにある。北朝鮮の地形は山地が多く、トンネル網を巡らせ一部はDMZを超えている。北朝鮮特殊部隊旅団11個が軽歩兵編成で3個の小規模軽歩兵部隊とともに各師団に編入されている。
  5. さらに三個旅団が特殊任務空挺団だ。第38、48、58の各空てい旅団は米82空挺師団同様に戦略任務に投入され、重要地点制圧やインフラ施設を占拠する。空挺部隊は飛行場、韓国政府庁舎、主要道路を標的にしているはずだ。各旅団は空挺大隊6個構成、合計3,500名の勢力だ。米82師団と違い、NKPA空挺部隊は大隊規模以上で行動せず、運搬手段がないため朝鮮半島以遠に出動することはない。
  6. さらに北朝鮮には推定8個の「狙撃旅団」があり、うち三個が人民軍陸軍(第17,60,61の各旅団)、三個が人民軍空軍(第11,16,21の各旅団)、二個が人民海軍(第29,291)に編入されている。各部隊はおよそ3,500名体制で7ないし10個の狙撃「大隊」に分かれる。各部隊に匹敵するのは米陸軍レインジャー部隊、米特殊部隊や海軍のSEALsだ。ただし米軍と違い、北朝鮮部隊は通常型の空挺作戦、急襲作戦、海軍陸戦隊任務にも投入される。
  7. 狙撃旅団は戦略偵察任務やいわゆる「直接行動」として暗殺、重要施設の急襲、破壊工作、大量破壊兵器(放射性兵器含む)の運用、反政府ゲリラ闘争を韓国内で広げること等の訓練を受けている。民間人の服装をすることが多く、韓国軍制服や米軍制服も着用する。各旅団で一分隊30名ないし40名は女性のみの編成で民間人に扮装して戦闘行為を行う訓練を受けている。
  8. そして偵察総局に偵察大隊4個がある。高度に訓練された500名で構成した各大隊は危険なDMZで軍部隊の先頭に立つ。おそらく敵味方の防御態勢の詳しい情報を与えられているのだろう。また第五大隊は国外活動専用との報道がある。
  9. 特殊部隊は敵前線の背後で活動するが、北朝鮮の部隊輸送手段はかなり老朽化した装備に頼っている。陸上では長さ160マイル幅2.5マイルのDMZを突破して韓国内に侵入する。まだ未確認の国境越えの地下トンネルも使うだろう。海上では民間船舶、上陸用舟艇まですべて動員して5千名の輸送能力があるとみられる。130隻あるKongbang級ホーバークラフトやSang-o級沿海域専用潜水艦、Yeono潜水艇も動員されるはずだ。
  10. 空では旧式An-2コルト短距離離着陸輸送機が200機あり、低空を低速で移動し対空レーダー探知を逃れる。An-2一機に特殊部隊隊員12名が乗り、非整地に着陸するかパラシュート降下する。ヘリコプターは250機あり大部分はソ連時代の機材で老朽化しているが、一部不正に輸入したヒューズ500MDがあり、同型機は韓国も運用中だ。さらにニュージーランド製の長距離輸送機P-750XSTOLも調達する動きがある。同機を入手すれば特殊部隊隊員は日本本土や沖縄まで到達できる。
  11. 開戦となれば北朝鮮は数十か所で韓国に攻撃をしかけるはずでDMZから南部港湾都市釜山までが戦闘場所となる。ただし北朝鮮が韓国の防衛網を突破できるかはわからない。韓国国内ではあらゆる個所に防空火砲から対戦車誘導ミサイルまで各種の武装がほどこされている。事前警告があれば韓国防衛部隊は北朝鮮特殊部隊に相当の損失を与えることができるはずだ。
  12. 北朝鮮特殊部隊は創設当初の敵陣の後方かく乱任務から進展しもっと危険な攻撃を行える部隊に進化した。核、化学生物兵器や放射性物質の使用に成功すれば一般市民に大規模な被害が生まれる。事実、青瓦台のレプリカを使った強襲作戦の訓練もあり、実際の開戦となれば隊員多数が途中で命を落とすだろうが、厳しい訓練で強靭な身体精神力を有し、政治理念を叩き込まれた特殊部隊は相当手ごわい敵になるはずだ。■

Kyle Mizokami is a defense and national-security writer based in San Francisco who has appeared in the Diplomat, Foreign Policy, War is Boring and the Daily Beast. In 2009, he cofounded the defense and security blog Japan Security Watch. You can follow him on Twitter: @KyleMizokami [6].


2017年5月2日火曜日

もし戦わば(12)戦艦大和対戦艦アイオワ



歴史上の仮定を論じるのは楽しいのですが、結局答えはわからないものです。そこが楽しいのでしょうが。太平洋が艦隊対決が基本だったのに対して大西洋では大型艦の直接行動が多く、事例も異なっていますね。しかし戦後70有余年で海軍海事に関する一般人の語彙は退化していますね。warshipを戦艦といったり、xxx classを型といったり、一番違和感のあるのが韓国式のxxx号という言い方です。韓国や中国でxx号というのは結構ですが、なぜ日本がまねをする必要があるのですか。戦艦大和であって大和号ではないのです。セウォル号は日本ならセウォルですんだのですがね。

Duel of the Superbattleships:Japan’s ‘Yamato’ versus America’s ‘Iowa.’ Which would win? 超大型戦艦大和対アイオワの直接対決で勝者は?

December 11, 2013 Michael Peck 1


  1. 究極の戦艦対決になっていたはずだ。一方の日本海軍の大和(排水量65千トン)は世界最大の戦艦だ。対戦相手は第二次大戦当時の米戦艦の花形アイオワ(排水量45千トン)だ。両艦は相まみえていないが対戦していたら結果はどうなっていただろうか。
  2. その答えを出したのがジョン・パーシャル(歴史家、著作にShattered Sword: The Untold Story of the Battle of Midway )でマニアックな日本帝国海軍に関するサイトCombinedfleet.comで各艦の模擬海戦を想定している。(注 Combined Fleetは連合艦隊のこと)
  3. パーシャルは大和とアイオワを五つの視点で比較した。主砲、装甲、水面下防御、射撃管制、「戦術要因」(速度、ダメージコントロールなど)である。

主砲

  1. 大和の18.1インチ砲は最大の戦艦主砲であった。米側の数の威力に対抗すべく、日本海軍は米よりも強力な火砲を各艦に搭載する策を選んだ。大和の18.1インチ砲9門は重量3,200ポンド砲弾を26マイル先まで発射でき、アイオワの16インチ主砲9門は2,700ポンド砲弾を24マイル飛ばした。
  2. 日本海軍の砲弾は米側より威力が劣ったが、射程距離では大和が優位だった。だが目標にまず命中させることが重要だ。第二次大戦時の射撃管制を考えると時速30マイルで移動する戦艦を25マイル先で命中させる可能性は低かっただろう。
  3. パーシャルの想定では距離を23マイル未満に縮める操艦をともに両艦がとっている。この距離では大和、アイオワの主砲はそれぞれ相手艦の装甲を貫徹可能。「このため、運が大きな要因となります。アイオワの射撃管制の方が優秀ですが、大和に運があば初弾あるいは二回目射撃でアイオワは撃破されていたのでは」
優位性:互角

装甲

  1. ここでは大和が有利だ。艦側面の装甲の厚さは16インチあり、アイオワは12インチだった。甲板装甲は大和が9インチ、アイオワが6インチで目を引くのは大和の主砲砲塔の26インチ装甲でアイオワは20インチだった。
  2. 「大和の建造思想は主砲威力で圧倒しながら英米のいかなる戦艦の攻撃にも分厚い装甲で耐えることだ」とパーシャルはまとめている。「そうなると防御も『力づく』方式になる。装甲は決して最優秀ではないが装甲の量は多いので問題にならない」
  3. 大和の装甲は各所で分厚いがアイオワの装甲は重要部分でも分厚くない。しかし、パーシャルが指摘するように米側は特殊鋼という軽量かつ強靭な材料で艦体、艦内を建造しており、米戦艦は小型軽量でも大型艦同様の装甲効果がある。
  4. とはいえ、パーシャルは大和にわずかながら優位性を認める。両艦ともに射撃管制機能を損傷して距離を縮める必要が生まれれば、大和主砲の強靭さにはアイオワ主砲弾でも手に焼いたはずだからだ。
優位性:大和

水面下防御

  1. 戦艦で水面下の装甲がなぜ重要なのか。戦艦は敵と主砲で応酬するが、魚雷もある。このため戦艦では喫水線下にも大装甲を施す傾向がある。
  2. この話はドイツ戦艦ビスマルクにすべきだった。同艦は英プリンスオブウェールズの14インチ砲が手前着弾し海中から喫水線下の軽装甲を貫徹したため沈没した。
  3. 日本海軍は質的優位性をめざし、戦艦で長距離射撃で同様の水面下破壊効果を狙う訓練をしていた。「砲弾による水中効果の可能性は極めて低い」とパーシャルは指摘。「だが主砲から砲弾を一定量発射すれば奇妙な出来事が起こらないとは限らない」
  4. パーシャルは各国戦艦7隻を比較検証し水面下装甲では大和とアイオワが一番優秀と見る。ただし大和の場合は上部と下部装甲帯のつなぎめが拙劣で、沖縄で米軍機攻撃を受けた際にここから浸水を許している。
優位性:アイオワ

射撃管制

  1. 目標がフットボール競技場三面分の大きさがあっても25マイル先で移動する間に命中させるのが砲術の腕の見せ所だ。ここにアイオワ最大の優位性がある。日本の射撃管制レーダーは低性能だが米射撃管制用レーダーは当時世界最高性能だった。
  2. 「1945年のテストで米戦艦ノースカロライナは高速連続450度旋回を中でも一貫して射撃解を得ていた」(パーシャル)
  3. 「当時の戦艦では突出した性能で、米戦艦は射撃しながら操艦できたが、他国ではどちらか片方しかできなかった」
  4. だが日本には優秀な測距儀と夜間双眼鏡があり、奇襲攻撃のガダルカナル夜戦で米海軍に大損害を与えた。ただし光学系装備は悪天候や煙幕で効果が減る。
  5. 「光学装置は方位角を得るのに有用ですが、射程距離の確定は不得意です」とパーシャルは言う。「第二次大戦中のレーダーは射程情報を正しく与えましたが、方位角は話が別です。そこで優秀な光学測定装置とトップクラスのレーダーの組み合わせの方が世界トップクラスの光学装置とがらくたのレーダーの組み合わせより実効性があるのです」
優位性:アイオワ

戦術要因

  1. パーシャルは他の要素をまとめており、速力、ダメージコントロールもその一環だ。アイオワの33ノットは大和は27ノットで距離を広げる、詰める際に有利だ。大和の排水量はアイオワの三分の一ほどの差があり損害の吸収力で差がつく。
  2. だがダメージコントロールとなると米海軍は日本他より先を行っていた。
優位性:アイオワ

勝者は …

  1. ではどちらが勝っただろうか。数字だけでは、アイオワが射撃管制能力で有利だ。だが幸運な一発二発があればレーダーは破壊され、大和の18.1インチ主砲はアイオワに甚大な被害を与えたはずだ。
  2. 両艦とも相手に一定の優越性をもっているが、差はわずかで主砲や装甲同様に運が大きな意味を持っていたはずだ。
  3. もちろんこのシナリオは仮定にすぎず、家庭内提督やウォーゲーム愛好家の世界だ。大和とアイオワが主砲でヘビーウェイト級ボクサーのように対決する場面はなかった。巡洋艦、駆逐艦、潜水艦が取り巻いていた。
  4. 戦艦同士の唯一の海戦事例はビスマルクが巡洋艦プリンツオイゲンを従えて英戦艦プリンスオブウェールズおよび巡洋戦艦フッドと対決したデンマーク海峡海戦だ。
  5. 大和対アイオワの直接対決の想像は好奇心をそそるものがあるが、空虚だ。1945年当時でも戦艦時代は終わりつつあり、航空機の大群の前に生き残れなかった。大和は沖縄特攻に移動中の1945年4月7日に米艦載機に圧倒され撃沈された。
  6. アイオワは第二次大戦後も朝鮮戦争を経て1980年代に現役復帰している。陸上へ艦砲射撃は多数行ったが敵戦艦に一発も主砲を開いていない。■

RQ-4グローバルホークがグアムから横田基地に移動中



アンダーセン空軍基地から飛来した RQ-4 が横田空軍基地に2017年5月1日に到着した。YASUO OSAKABE/U.S. AIR FORCE

Global Hawks arrive at Yokota for 5-month deployment グローバルホーク部隊が横田に到着、5か月間運用へ


By SETH ROBSON | STARS AND STRIPESPublished: May 1, 2017

YOKOTA AIR BASE, Japan — RQ-4グローバルホーク偵察無人機が横田空軍基地に5月1日夜到着し、5か月間の日本起点の運用を始める。
  1. 第69偵察集団第一分遣隊の5機と要員105名が5月から10月まで在日米軍、第五空軍の本拠地から運用すると米空軍が発表した。
  2. 第一分遣隊司令ジェレミー・フィールズ中佐が東京上空を飛行して滑らかに着陸する同機を眺めていた。「日本に移動できてうれしい」と感想を述べた。
  3. 第一分遣隊はグローバルホークの離着陸を受け持つが、ミッションを遠隔操作で実施するのはノースダコタ州グランドフォークス施設とカリフォーニア州ビール空軍基地だと中佐は説明。
  4. 無人機部隊は夏季にグアムのアンダーセン空軍基地から三沢基地に移動し台風シーズンを避けるのが通例だが、滑走路補修で昨年から三沢移動が不可能になっていると中佐は述べた。
  5. またCV-22オスプレイの横田配備が2020年に先送りされたためグローバルホークは東京地区へ移動しやすくなった。
  6. 来年夏に滑走路補修が完成すればグローバルホークは三沢へ移動するという。
  7. ノースロップ・グラマン製の同無人機は高度60千フィートと民間航空機より高い空域を飛行し、34時間滞空し、14千マイルの飛行距離がある。北朝鮮の核開発状況の監視に役立つだと指摘する声もある。
  8. フィールズ中佐は朝鮮で緊張が高まる状況で同機が何らかの役割を果たすのか言及せず、分遣隊の業務は通常通りだという。
  9. 同隊の任務には日本と連携しての人道援助、災害救助、海賊対策、対テロ活動があると中佐は説明。■

★★AV-8B供用期間延長を決めた米海兵隊の苦しい事情



F-35開発の遅れ→既存機の稼働数不足→用途廃止済み機材の回収・既存機種のSLEPという構図でハリアーはさらに老骨に鞭をうつことになります。米国製の機体なのでオリジナルより頑丈なのでしょうが、相当のしわ寄せが第一線部隊に来るでしょうね。F-35問題はいろいろな影響を及ぼしています。


The Harrier will live longer as the Hornet falls apart

ホーネット機材不足でハリアーの供用期間延長へ

By Harold C. Hutchison Apr. 28, 4:01 PM

  1. 米海兵隊のF/A-18ホーネットでの悩みが本来なら退役するはずの機体に朗報になっている。
  2. Foxtrot AlphaによればAV-8Bハリアーが改修を受け供用期間を延長する。ここにきてハリアーの信頼性は上昇しているが機体の老朽化も目立つ。
  3. この背景に海兵隊ホーネットの稼働可能機体が減っていることがある。海兵隊は昨年にデイヴィス-モンタンの機材置き場からホーネット23機を再復帰させこの問題の解決策にしたが、それだけで足らず海軍から機材譲渡をうけた。
  4. 海兵隊はF/A-18C/DホーネットとAV-8BハリアーをF-35BライトニングIIで交代する予定で、F-35Bは日本に配備されている。
  5. 当初ハリアーをまず用途廃止させる予定だったが、F-35配備の遅れと見直しでハリアー運用が変更となり、ハリアーの機体が意外にまだ飛行時間が残っていると判明したため供用期間を伸ばすこととなった。
  6. その結果、海兵隊はハリアー改修を進め、AMRAAMミサイル新型の運用やGBU-54レーザー共用直接攻撃弾も搭載できるようになった。その他改修でハリアー各機は2020年代まで供用を続ける。
av-8b harriers flying over desert空中給油を受けてアフガニスタンのヘルマンド地方上空を飛行する海兵隊231攻撃飛行隊のAV-8Bハリアー Dec. 6, 2012. (U.S. Marine Corps photo by Cpl. Gregory Moore)
  1. ハリアーは1971年から海兵隊航空戦力の柱で、砂漠の嵐作戦、テロ対策で近接航空支援をしてきた。ハリアーとシーハリアーが実戦に投入されたのはフォークランド戦争が初で英軍はハリアーでフォークランド島をアルゼンチン軍から奪還している。■

★★透明人間に一方的に撃墜された!最新空戦演習に参加した編集者の手記



なるほどマジュンダー編集員は貴重な体験をしましたね。広報用の体験飛行ではなく、空軍関係者向けのフライトでステルスの威力を体で体験したとのことでうらやましい限りです。最近は自衛隊への関心が高まっているのか安易な取材も増えているようですが、航空編集者、防衛編集者が確立されれば自衛隊側も広報の仕方を変えていかざるを得ないでしょうね。その前にF15などと平気で記載する記事の書き方を変えてもらわないとね。


“It's Like Fighting Mr. Invisible”: How I Went to War Against Stealth F-22 Raptors and F-35s (And Lost Bad)「透明人間相手に勝負したみたいだ」ステルスF-22やF-35相手の空戦でコテンパンにやられた編集者の体験


May 1, 2017



  1. 先週水曜日、米空軍のアトランティック・トライデント17演習の訓練飛行に参加を許された。ヴァージニア州のラングレー=ユウスティス共用基地でのことだ。
  2. 演習にはNATO主要三カ国の空軍部隊も参加し、機材はロッキード・マーティンF-22を演習ホストの第一戦闘飛行団が飛ばし、ロッキード・マーティンF-35A共用打撃戦闘機、英空軍のユーロファイター・タイフーン、フランス空軍のダッソー・ラファールが参加した。米空軍からはボーイングF-15Eストライクイーグルが391飛行隊から、ノースロップ・グラマンT-38タロン練習機が第一飛行団所属の71戦闘教育飛行隊から加わり、「レッドエア」として敵役に回った。
  3. ラプター運用部隊とは長い付き合いがあることから第一飛行団司令のピーター・「コーチ」・フェスラー大佐が記者をF-22、F-35、タイフーン、ラファール参加の演習を直接視察する機会を与えてくれた。このため空軍は記者を71戦闘教育隊のノースロップT-38Aに乗せ、アトランティック・トライデント第三週目で演習ピークの様子を見させてくれた。
  4. 最初の仕事はラングレー空軍基地内の病院で臨時の72時間有効飛行診察を受けることだった。内容は何度も経験した海軍のクラスI飛行前医学診察と似ていた。空軍軍医からは検査はクラスI内容を短く手直ししたものと聞いた。クラスIは海軍パイロットに必須だ。結果を受け軍医は飛行許可を出してくれた。
  5. 今回の飛行は空軍が「習熟課程フライト」と呼ぶもので広報向けフライトではなく他の任務につく一般の空軍関係者向けであり、編集者はパイロット同様にT-38A用の生存訓練を受ける必要があり、着水時の生存方法を装備すべてつけた状態で行い、各種通信装置の取り扱い方、またT-38A用の古めかしい飛行装備の装着方法も学んだ。とくに強調されたのがパラシュートとシートへのハーネス装着方法だった。
  6. 空軍教官は記者含むクラス(B-52パイロット一名、E-3パイロット一名、E-3レーダー要員一名)向けにT-38Aの射出脱出方法を細かく説明し緊急脱出方法を教えてくれた。脱出の手順が強調されたのはT-38Aにゼロ/ゼロ射出座席がついていためだ。パラシュート訓練もあり、仮想現実ゴーグルをつけての着地シミュレーションもあった。
  7. 翌日は第71戦闘教育飛行隊に赴き飛行装備を体に合わせた。空軍技官はまずOTS600イマージョンスーツをあてがったが、これは寒い大西洋上空を飛ぶことからの選択とはいえ、きわめて不快な着心地だ。次に難燃性ノーメックス飛行服とブーツをGスーツの上に着た。その後にパラシュート、ハーネス、シートキットを付け、ヘルメットとマスクを調整した。71FTSの技官は記者を飛行可能にすることにかけて完璧なプロとわかった。
  8. 翌朝に71FTSの飛行業務部に出頭しパイロットに会った。印象的な若者でコールサイン「ツァー」で(保安上の理由から空軍から飛行隊の中枢将校の実名は公表しないよう求められている)パイロット養成課程を出て初の任務とのことだった。26歳の彼はクラスのトップ近くの成績で第43戦闘飛行隊に赴任し次の課程のF-22「Bコース」でラプター操縦をフロリダのティンダル基地で学ぶとのことだった。
  9. 71FTSでは若手パイロットが経験豊かなパイロットから学びながら、ラプターの強み弱みを学び、F-22の戦術、運用技法、手順も体得することでツァーや同輩の若手パイロットに有益な学び効果を実現する。一緒に飛ぶのは「スコア」のベテランF-16パイロットと旧知の「ファングス」で、彼とは10年以上前にネリス空軍基地で初めて会い、F-22の運用テストパイロットだった。こうしたベテランから学べばツァーは次の任地でF-22をうまく飛ばすことができるだろう。
  10. 今回のソーティーではT-38A三機がヴォトカ飛行隊として飛ぶ。スコアが編隊リーダーでヴォトカ1、ファングスがヴォトカ2でツァーと編集者がヴォトカ3だ。我々の前にはアグレッサー部隊がMiG役として飛び、後方にもF-15Eが敵役として飛ぶ。F-15Eを投入するのはF-22以下各機相手に現実的な高性能敵機の役をさせるためだ。タロンはロシアのMiG-29フルクラム、F-15Eはスホイのフランカー役だ。
  11. 装備を整え機体に搭乗しストラップを付けるとツァーは急いでチェックリストに目を通し、起動させた。機体は滑走路にタキシングし編隊離陸した。われわれ三機は編隊を組み上昇し演習空域に移動し戦闘を開始した。T-38Aのアグレッサーとしての通常の飛行空域は高度10千フィートから14千フィートだが当日は悪天候のため氷結を避けるため急いで22千フィートへ移動した。
  12. .戦闘になると三機のタロン=フルクラム編隊は青軍機との交戦を目指し機体を制御した。タロンはロシア第四世代機と同様のエイビオニクスも運動性能ももちあわせていないが、有視界範囲内なら戦闘機同様の行動をそれなりに示すことができる。
  13. そこにT-38をアグレッサーに使う意味がある。F-22に対してラプターの知識を使って弱みをどう活用するかを情け容赦なく考える敵になるのだ。有視界範囲に入るとタロンはひどく面倒な存在になった。タイフーンを飛ばす英軍パイロットもタロンが意味のある敵役になったと認めている。
  14. ツァーと記者の乗るヴォトカ3を撃墜したのは英空軍のタイフーンだ。開戦後数分間以内にヴォトカ1と2も撃墜されたが、こちらには攻撃を受けていることもわからなかった。ツァーは回避行動をとったが、タイフーンはF-22と連携して急速かつあっさりとこちらへ向かってきた。不運にも天候は荒れており基地にすぐ戻り燃料を補給するよう指示されたが、通常はT-38は演習中に数回「復活」し空戦に臨むのである。記者の結論は百聞は一見にしかず、であり、ラプターとタイフーンの組み合わせはそこまで強力なのだ。
  15. 「イーグルでもJ-20でも同じように感じたはず」と空軍高官がフライト後に記者に語っているのは目に見えない敵に攻撃されることの感想についてだ。「保安上の理由から説明できませんが、『敵装備を選択』することが可能なのです」
  16. ラングレー基地への帰還の途中で今回の体験には目を開かれる思いがした。記者はラプターやF-35を初期段階から取材してきた。ステルスの威力を頭で理解するのではなく、実際に体験するとはるかによく理解できる。こちらの編隊にはAWACSやGCIから攻撃をうけそうだとの警告は一切なかった。気が付いたら撃墜されていたのだ。目に見えない敵と戦えといわれても無理だ。
  17. ラプターはステルス以前に搭載性能そのものが理由で世界最強の戦闘機だが、F-35も操縦性能は中庸だがレーダー断面積の小ささやセンサー性能ゆえに極めて危険な敵になると記者は理解できた。「双方のパイロットが9ミリ銃を携行してキャノピーを飛行中に開いて決闘するとしたら」と上記の空軍高官が編集者に語った。「透明人間との勝負ですよ」■
Dave Majumdar is the defense editor for The National Interest. You can follow him on Twitter: @davemajumdar.