2018年2月9日金曜日

北朝鮮攻撃で韓国海兵隊が果たす役割は重要だ。

South Korea's Plan to Make North Korea Suffer in War: Marines Attacking from an 'Aircraft Carrier' 韓国の北朝鮮攻勢案は海兵隊を「空母」から展開する構想






February 2, 2018


国の現代史で揚陸作戦がカギとなり中心的な役割を果たしてきた。国連軍は韓国を揚陸作戦一回で救った経緯があり、このことから韓国は大規模かつ強力な海兵隊を維持している。新世代の韓国揚陸部隊は有事の攻勢能力を体現し、北朝鮮を侵攻し金正恩一族を権力の座から引きずり下ろすだろう。
半島状の地理条件のため南北朝鮮の住民にとって海は縁遠い存在ではない。同時に半島内で戦闘中の地上部隊は絶えず海からの侵攻で補給通信線を遮断される危険から逃れられない。ダグラス・マッカーサー元帥は朝鮮人民軍(KPA)の攻勢がか細い補給線で支えられて韓国へ侵攻していることを見抜き、インチョン揚陸作戦を立案実行した。その結果、一気に形成が逆転しKPAは勝利一歩手前から引きずり降ろされた。分断された北朝鮮軍は包囲され殲滅されるのを逃れ北へ退却した。
朝鮮半島は東西わずか160マイルで山地があり、機動戦の余裕がない。南北の沿岸は延長3千マイルで、将来の次回朝鮮戦争では揚陸作戦で消耗戦を回避し、ソウルや平壌のような中心地での対決を回避することが期待される。
米海兵隊の支援のもと韓国は世界有数の規模の海兵部隊を整備した。米海兵隊のある大佐がヴィエトナム戦当時に韓国海兵隊の旅団規模部隊が現地に派兵され「すべてを教え込んだのでこっちよりも優秀なくらいだ」と述べていた。今日の韓国海兵隊(ROKMC) は29千名で二個師団と一個旅団を編成している。
従来、ROKMCには戦域予備兵力の役割が想定され、迅速な増援部隊として北朝鮮軍が突破口を開いた場合の対応部隊だった。陸上だけでなく海上から兵力を移動すればこれが実現できるはずだった。1975年に韓国海軍には揚陸艦20隻があり、うち8隻は戦車揚陸艦で、そのほか60隻の揚陸用舟艇があった。必要ならROKMCだけでインチョン上陸作戦の縮小版が実行できた。ただ、北朝鮮への攻撃はまだ実行不可能だった。
冷戦終結とソ連が北朝鮮を手放したことでROKMC関連の有事対応案は大胆さを身に着け、ペンタゴン作成の朝鮮半島有事対応のひとつOPLAN 5027-94は米韓揚陸作戦を元山でおこない、平壌を側面から攻める構想だった。ROKMCは韓国防衛から北朝鮮政府撃滅も任務に加えた。
北朝鮮が核兵器開発に成功したことで交戦想定が変わった。もはや米韓軍は北朝鮮軍を火力で圧倒できなくなり、米空軍力による北朝鮮軍の壊滅は期待できなくなった。部隊は機動力で核攻撃を回避する必要が生まれ、核兵器投入の実行前に北朝鮮政府を降伏させる必要が生まれた。次回の朝鮮戦争は時間との競争になる。
新戦略でROKMCへ期待が高まる。新作戦案では韓国海兵隊と海軍部隊は海上から平壌を直接攻略し、核兵器のボタンをおさせずに北朝鮮政府首脳部を殺害あるいは捕獲する。このため旅団規模のコードネーム「スパルタン3000」が創設され、その任務は「北朝鮮後方の中核軍事施設の破壊」とされた。平壌周辺での作戦を想定しているのがわかる。同旅団は命令が下れば浦項基地から一日で展開可能だ。
ROKMCと新設「スパルタン」部隊を支援するのが韓国の海上輸送部隊でその旗艦がヘリコプター運用揚陸艦ROKS独島だ。全通型飛行甲板とウェルデッキを有する同艦は米海軍のワスプ級ヘリコプター揚陸艦に近い存在だ。独島は排水量19千トンで海兵隊員700名とトラック10両、戦車6両、楊陸強襲車両AAV6両、野戦砲3両、ヘリコプター10機と韓国国産揚陸ホバークラフト2隻を搭載する。
鳴り物入りで2007年に就役した独島は三隻を建造する構想の揚陸艦一号艦で二号艦はMarado馬羅島、三号艦はBaengnyeongdo白翎島の名称が決まっている。ただし二隻の建造は未着手で、独島は一隻だけの扱いにくい運用艦になる可能性もある。ただ2017年に馬羅島の建造が始まり、白翎島の運命は未定だ。これ以外に戦車揚陸艦4隻があり、各艦が戦車17両を搭載する。
今日のROKN/ROKMC任務部隊は海兵隊一個大隊と戦車40両を上陸させる能力がある。独島級二号艦があれば二個大隊に増える。揚陸地点はROKMC基地から遠隔地ではないため、同日中あるいは翌日に同規模の部隊を揚陸させ内陸部侵攻が可能なはずで、米海軍第七艦隊の揚陸艦が佐世保から出撃し韓国海兵隊が同乗できれば旅団規模の上陸作戦も可能だ。
北朝鮮のいかなる地点に上陸するにせよ韓国海兵隊は激烈な戦闘に遭遇するはずだ。北朝鮮は強固な防御を構え120万名の兵員の他、予備部隊や民兵数百万がある。上陸攻撃のタイミングは北が韓国攻撃に専念し、KPAに上陸部隊への反攻用の燃料が不足していれば理想的だ。韓国海兵隊は文字通り槍の穂先となりその活躍は金政権の終焉につながるはずだ。■
Kyle Mizokami is a defense and national-security writer based in San Francisco who has appeared in the Diplomat, Foreign Policy, War is Boring and the Daily Beast. In 2009, he cofounded the defense and security blog Japan Security Watch. You can follow him on Twitter: @KyleMizokami.

果たしてこの積極的な攻撃作戦を韓国政府が実施する意思があるのかどうか。また実施しても海空からの支援がなければいかに精鋭の海兵隊でも見殺しになってしまいます。ましてや狂信的に行動する北朝鮮軍の真っただ中でどこまで暴れまわるつもりなのでしょうか。どうもこの作戦は机上の空論のようです

2018年2月8日木曜日

恐ろしい中国:警察官のサングラスにご注意、全国民監視体制づくりか

技術の社会導入で支障となる反対がなく、倫理でも制約がない中国で新技術導入が他国より先行する現象が発生しているのは実に興味深いことです。Business Insiderの記事です。

 

Chinese police are using facial-recognition glasses to scan travelers中国警察が顔認識メガネで旅行客を監視している

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鄭州東駅(河南省)構内の警察官がスマートグラスを着用し顔認識システムを運用しているのが目撃された。2月5日撮影AFP/Getty Images

  • 鉄道警察が顔認識メガネで犯罪者逮捕をめざしている
  • テストでは100ミリ秒で顔認識に成功
  • すでに7名を逮捕し、26名の移動を止めた
  • 中国は顔認識技術をさらに導入し全国規模のデータベースで全国民の三秒以内識別をめざす

国の鉄道警察隊が顔認識用のサングラスを着用し疑わしい人物を捕まえる体制にあることが河南省省都鄭州の鉄道駅でわかった。
 着用する装置はグーグルグラスと似ているが、今年発表になったばかりですでに犯罪者7名の摘発の効果を上げたと共産党機関紙人民日報が伝える。
 メガネはデータベースとリンクされ旅行客から犯罪容疑者を判別する。実際に照合にかかる時間は不明だが開発元のLLVisionでCEOのWu FeiがWall Street Journal にテストでは1万名のデータベース上で顔認識は100ミリ秒で十分だったと述べている。
 すでにメガネで無賃乗車から誘拐犯まで容疑者を識別したという。また偽造書類で移動しようとしていた26名も未然に摘発した。
 中国では鉄道乗車に身分証明書の提示が求められる。この規則で多重債務者の逃走を防ぎ、宗教少数派が偽造文書で移動するの防止している。
 顔認識メガネを中国官憲が着用するのは今回が初めてだが、同技術は警察が広く応用している。中国は13億人の全国民を3秒で識別するデータベースの構築を続けている。
 人権団体からは技術の悪用でプライバシーの侵害だとの非難が出ている。
 「中国当局は『社会の安定』のためなら国民を厳しく監視できると考えているようですが、こうしたやりすぎの政策はむしろ政府への敵意を生みかねません」とヒューマンライツウォッチで中国を担当するソフィー・リチャードソンが述べる。以前は顔認識技術が宗教団体に向けられていると批判していた。「中国政府は直ちにこうした措置を中止し、本人の同意なしに集めたデータを破棄すべきです」
 だが新型メガネは定着しそうだ。あたかも中国旧正月が始まり2月1日から3月12日にかけて3.89億人が鉄道移動をする見込みだ。■

コメント 中国では人権そのものの概念が違うので西側団体が非難したところで無駄です。まだ顔認識ならかわいいもので次は脳を使ったコンピュータや人体改造兵士が登場するでしょう。いずれも西側では「倫理」のため手が出せない技術ですが、ロシアや中国が何の妨害もなく技術を獲得するのを口を開けて待つしかないのでしょうか。であれば勝敗は決まりですね。

★米陸軍M2ブラッドレイ戦闘車両の改修作業の方向性について

このブログでは地上戦装備を扱うことはまれなのですが、どうしても気になるのでブラッドレイ歩兵戦闘車両(IFV)を取り上げます。War Is Boringの記事です。

The U.S. Army’s Bradley Fighting Vehicle Might Get Even Bigger米陸軍ブラッドレイ戦闘車両は大型化More firepower and other upgrades火力増強他のアップグレード



The U.S. Army’s Bradley Fighting Vehicle Might Get Even Bigger


WIB LAND February 5, 2018 Sebastien Roblin


M2ブラッドレイ歩兵戦闘車両の役目は歩兵部隊を戦闘現場に搬送だが戦車と報道で誤解されることが多い。確かに軌道走行式で33トンの威容をほこり、25ミリブッシュマスター自動砲とTOW対戦車ミサイル発射機まで搭載するのでやむを得ない。
 ただしブラッドレイ批判派は火力が貧弱と攻撃する。理論上は車内の機械化歩兵隊は敵の位置を偵察したり、待ち伏せ攻撃をかける、防御陣地を固める、敵を建物からあぶりだす、などブラッドレイから降車しての作戦が前提だ。
 M2が兵員輸送車として7名しか運べない制約があるが、これでも初期型の6名より増えているのだが、機械化歩兵分隊は9名体制なのだ。このため機械化歩兵分隊は三つに分けて四両のブラッドレイに搭乗する。つまり全員が同じ車両に乗れない。
 ブラッドレイM2とM3は1,800両供用中で米陸軍は二段構えで改修を進め、動力出力を引き上げシャシーに乗せ搭載コンピュータを更新し将来に対応させる。M2A5改修は2020年代中ごろの予定で、車体を拡張し搭載能力を増やし、強力な30ミリ砲塔を搭載する。
 陸軍最大の装甲兵員輸送車はより大きくなり、威力を増すのだ。

Above, at top and below — M2 Bradleys. U.S. Army photos


M2A4の動力系改良内容
 実はブラッドレイはM1エイブラムズ主力戦車より頻繁に戦闘に投入されきた。1990年から91年の湾岸戦争ではイラク砂漠でブラッドレイはエイブラムズより多くの装甲車両を狩ったといわれる。
 湾岸戦争で破壊されたブラッドレイはわずか三両で、友軍の誤射での喪失の方が多い。ただしイラクではブラッドレイ数十両が戦闘員との戦闘で喪失している。車両は爆発性反応装甲や追加装甲板で強化していたのだが。ブラッドレイは地雷や即席爆発物(IED)の防御は考慮していないが装甲が薄いストライカー車輪走行式APCより攻撃に耐えている。
 装甲強化やセンサー性能引き上げで効果が出たが重量増はエンジンに負担となり電装系でも影響が出て機動性が低下した。2012年からブラッドレイはM2A4仕様に改修が始まり、二回にわたる「技術変更提案Engineering Change Proposals(ECP)」を実行中だ。
 その一回目ECP1はほぼ完了し、ブラッドレイは当初の自走性能を回復した。トーションバーと足回りを強化しサスペンションにも手を入れショックアブソーバーを更新した。これで車体摩耗を減らし信頼性を上げながら地上高を増やしたのでIED対策にもなる。
 二回目のECPで電装系とエンジン回りを強化し新装備搭載での出力増に対応するほか出力制御ソフトウェアもインストールする。2018年開始予定だったが信頼性の確認とソフトウェアのバグで延期される。改修後のブラッドレイは平均281時間でシステム故障を発生させており、想定400時間未満にとどまっている。これは駆動系故障や変速機の潤滑油冷却不良が原因だ。にもかかわらずEP2開始は急ぐ必要があり、2月の新ソフトウェア完成が待たれる。
 ブラッドレイ改修は装甲偵察部隊が使用するM3騎兵戦闘車両やM7 FIST火砲方位支援車両とも関係する。M2A4型は改修後に性能が向上し、さらにその後予定されるM2A5型改修の多様な内容による重量増に対応する。


車体大型化と砲塔更新を同時に狙う?

 2017年にブラッドレイ改修を率いるクリス・コンレイがM2A5は第三世代前方赤外線センサー、レーザー照準器、カラー外部カメラで長距離から敵を捕捉可能となると述べていた。これは同時進行中の改修型エイブラムズとの互換性もねらう。

 昨年1月にシェパードメディア記者のグラント・ターンブルがツイッターでブラッドレイ砲塔や車体の大幅改修図を掲載し開発は4-5年かかると予想していた。
 米陸軍は600百万ドルで新型開発と部品調達を始めているが金額は今後増える見込みで、ペンタゴンが改修を一回で済ますのか二回に分けるかは不明だ。
 車体延長で装甲強化、新トランスミッション、8名目の隊員運搬を実現するので9名体制の分隊で乗れないのは一名だけになる。車重は40トン未満と20%増となる。車両改良で歩兵隊は「二倍から5倍の防御力で守られる」ことになる。
 防御装備の改良ではアクティブ防御システム(APS)でミサイルやロケット推進手りゅう弾を打ち落とす。エイブラムズ戦車ではショットガン形状のトロフィーAPSの搭載が始またが、ブラッドレイはイスラエル開発のアイアンフィストを搭載する。
 砲塔改修では25ミリチェーンガンを30ミリXM813ブッシュマスターII自動砲に交換し火力増強する。ストライカー車輪式歩兵運搬車にも導入されているのと同じ装備だ。大きな変化に聞こえないかもしれないが炸薬量が異なり装甲貫通力が増す。
 砲の有効射程が二マイル伸び装甲貫徹力は30パーセント増える分析がある。これでブラッドレイは敵のIFVを効果的に狩れる。シリア、イラクからウクライナまでIFVは頻繁に登場しており、装甲や兵装が向上している。
新型砲はプログラム可能な空中破裂弾が使用可能で掩蔽物の背後で隠れる敵や無人機やヘリコプターを狙うことが可能となる。
 大型弾薬には携行弾数が300発だったのがわずか180発になる欠点もある。だがブッシュマスターIIも毎分200発の性能は変わらず正確な射撃が可能となる。各弾の威力が増していることで標的を狙うのに発射弾数が減るといえる。
 その他の改良点に車長、砲手の視野を広げ、イーサネットで僚車とネットワークを組み、レーザー測距機や航法システムを改良する。ツイッターでは「5.56ミリ制圧兵器」も出ており、遠隔操作機関銃で敵歩兵隊からの防御手段だろう。
 砲塔と砲の改良で車重増で遠隔地展開が困難になる欠点も生まれる。
陸軍はブラッドレイの生存性を高めようとし、ロケット推進手りゅう弾やIEDを念頭に誘導対戦車ミサイルや敵IFVとの高密度戦も想定する。軽量車輪走行式ストライカーAPCも新型砲やミサイルを搭載する中、ブラッドレイは一番過酷な環境で生存しつつ威力を発揮させたいとする。もちろんそのような戦場での兵員輸送は難易度が高い課題だ。■

改修加しながら長期間稼働に耐えるのは設計に十分の余裕が想定されているからでしょうね。取得時に高価格でも長期間使えればよい買い物になるでしょう。陸上自衛隊でブラッドレイに匹敵するのは89式装甲戦闘車でしょうが、やや小型ながら歩兵7名を運搬できるとありますが、ブラッドレイ並みに長期間耐用できる設計なのでしょうか。車両関係に強い読者からのコメントをお待ちします。

シリアでのSu-25撃墜でA-10の安全に懸念が高まる

The beloved A-10 Warthog is a sitting duck for the kind of attack that downed a Russian jet in Syria シリアでロシア機を撃墜した攻撃の前にA-10ウォートホグは格好の標的になるのか


週末にロシアのSu-25が撃墜されA-10ウォートホグが同様にシリア、さらにアフガニスタンで直面する危険に注目が集まる。
 Su-25はシリア・イドリブ地方で2月3日に反乱勢力が撃墜し、ロシア側はMANPADが使われたとする。パイロットは無事脱出したが銃撃戦になり捕虜になるのを避け自決した。
 Su-25は米A-10に匹敵する機体だ。両機種とも重装甲で爆弾ミサイルを大量搭載する。ともに30mmガトリング砲で低空で地上部隊を支援する。
 だが低空飛行中が危険が最大で、MANPADは高度15千フィート以内で効果を発揮するからだ。
 ウォートホグはシリアで2015年から活躍中で、一部機材をアフガニスタンに移動すると発表が先月あったばかりだ。
Su-25 crash Syriaシリアで撃墜されたSu-25の残骸。 Reuters
 「A-10が被弾する事態は十分ありうる」と英国共同軍研究所の空軍テクノジー研究員ジャスティン・ブロンクはBusiness Insiderに解説してくれた。また「西側でも心配の種になっている」とも語った。
 A-10、Su-25いずれも熱探知ミサイルがMANPADから発射されても探知レーダーは搭載していない。レーダー探知警報機はある。
 そのためA-10パイロットの唯一の防御策は常時地上に目を光らせミサイル発射の兆候を見つければ対抗措置を取り、急いで退避することだけだ。
 米側に幸運なのはA-10にはSu-25と比べ長所が二点あることだ。まず装甲が厚いし、排気の流れが上なので熱探知を惑わせる。ただそれで安全が保証されるわけではないとブロンクは指摘する。
 ウォートホグが恐れるのはMANPADだけではないとブロンクは言う。23mm以上の対空砲ならA-10撃墜は可能で、ロシア製ZU-23-2自動対空火砲は要注意だ。
 ブロンクはMANPAD、ZU-23-2、他の装備はISIS他シリアの戦闘員部隊が広く運用していると指摘。だがアフガニスタンの状況ははっきりしない。2010年の画像ではタリバンがZPU-1s (14.5mm) あるいはZU-23-2を保有しているとわかる。
 ただし本当にこうした装備がアフガニスタンにあるかで専門家の意見が分かれる。ブロンクはISISやタリバンは保有していると述べるが、大西洋協議会研究員のジャヴィッド・アーマッドはないという
ZU-23-2ロシアの ZU-23-2 対空機関砲 Wikimedia Commons
 「だがそれで状況が変わるわけではない」とアーマッドはタリバンがパキスタン、イラン、ロシア経由で装備を入手できると指摘。
 アフガニスタンでの不朽の支援作戦でタリバンないしISISにこうした装備があるのかを尋ねたところ同作戦司令部広報官トム・グレスバック大尉は「情報そのものの内容には触れられない」と回答してきた。「航空機乗員の安全にはいつも配慮しており、適切な対策を取り脅威への露出を最小限におさえている」(グレスバック大尉)

 シリアでの不朽の決意作戦司令部は本誌の照会にまだ回答を寄せていない。■

米空軍の軽攻撃機実証はターボプロップ二機種に絞り込み、スコーピオンは落選

US Air Force kills combat demo for light attack aircraft

米空軍は軽攻撃機で比較検証対象を絞り込んだ 

次回実証ではA-29スーパートゥカーノとAT-6ウルヴァリンが対象に絞り込まれた。スコーピオンは選外となった。

By: Valerie Insinna    

空軍は軽攻撃機の次回実証の対象を二型式に絞り込んだ。ターボプロップ機が選ばれた。予定していた実戦実証はおこなわない。

次回実証は2018年5月から7月にかけデイヴィス-モンタン空軍基地(アリゾナ)でテキストロンエイビエーションAT-6ウルヴァリンとシエラネヴァダエンブラエルA-29スーパートゥカーノを対象とする。テキストロンのスコーピオンとL-3テクノロジーズAT-802Lは落選となった。
「実戦実証の代わりに各社と整備性、データネットワーク機能、センサー機能を試すこと年、最も有望な軽攻撃機候補のAT-6とA-29を対象にする」と空軍長官ヘザー・ウィルソンが発表した。「これにより迅速な調達に必要なデータを集める」
米空軍は軽攻撃機の飛行実証を行うと2016年に発表していた。その時点で航空戦闘軍団司令官マイク・ホームズ大将は安価な既存機種で近接航空支援の要求に答えられるかを試したいと希望を述べて中東を念頭にA-10やF-16で実施中のコストと比較したいと述べていた。
軽攻撃機数百機を調達すれば利点は多い、と推進派は述べる。保有機材が多ければ運用効果が上がり、パイロット訓練も毎年増やせるというのもその一つだ。
さらに低コストで取り扱いが楽な機体を導入すれば「相互運用効果があがる」と空軍参謀総長ディヴ・ゴールドフェイン大将が述べている。つまりF-35やF-15が高価すぎて導入できない各国との共同作戦の実施が視野に入るという。
初回の飛行実証を視察にホローマン空軍基地(ニューメキシコ)にやってきた空軍上層部は戦闘実証が次の段階と言っていた。ただし、中東に機材を持ち込まなくても軽攻撃機の調達に必要なデータは得られると言っている。
「導入決定に必要なデータは機体サポートや調達導入フィージビリティから十分得られます。現在、要求内容の文書化とともに調達戦略を練っています」(米空軍広報官エミリー・グラボウスキ大尉)
ネットワーク機能と協力国との相互運用性いが次回実証のカギになりそうだ。「空軍は迅速に構築できる安価なネットワークにより機体が部隊内で相互通信できるかとともに指揮命令系統との交信も検討する」と空軍は声明を発表した。
また次回実証では関係国も招くとあり、カナダ、オーストラリア、アラブ首長国連合、パラグアイを想定する。
次の段階の実証では補給面や整備上の要求水準も比較対象となり、その他兵装、センサー関係や訓練内容も重要だという。
ただし、空軍は次回実証の費用負担方法は未定としており、大日程も決めていない。
「次段階の実証の費用面を積算中ですが、関係各社と最終価格を詰める必要があります。その段階で現時点で残る予算を活用することになります」(グラボウスキ大尉)■
筆者が推していたスコーピオンが落選となり、がっかりです。近接航空支援で想定するのはイラクやアフガニスタンの地上戦やゲリラ戦でしょう。たしかに今回絞り込んだ二機種のいずれも効果を発揮しそうですね。しかしスコーピオンは薄幸の機体になってしまうのでしょうか。

2018年2月7日水曜日

韓国T-50がシンガポール航空ショー初日に離陸失敗し炎上

South Korean T-50 catches fire at Singapore Airshow

韓国T-50がシンガポール航空ショーで離陸に失敗し炎上



SINGAPORE — 韓国のブラックイーグルズ曲技飛行チームのT-50がシンガポール航空ショーで離陸途中に発火した。
YouTube投稿の映像でT-50三機編隊がそのまま離陸し、さらに二機が続いた。六番機が背後で横滑りし草地で転倒し炎に包まれるのがわかる。
空港緊急対応チームが消火し、パイロットは病院で検査を受けたとチャンギ空港がツイッターで発表。パイロットは軽傷を負ったという。
ブラックイーグルズはシンガポール航空ショー初日で最終飛行実演に向かっていた。事故が発生した滑走路は閉鎖され民間航空機に遅延が予想される。
ブラックイーグルズが運用するのは韓国航空宇宙工業製のT-50だ。
航空ショー主催者からはブラックイーグルズの今後の飛行実演予定は発表がない。■

★英海軍、揚陸艦全部処分で海兵隊縮小に向かうのか

英国の防衛体制で予算不足があちこちに影響を与えおり、ついに海兵隊の規模縮小に向かう動きがでてきました。具体的には揚陸艦の処分を考えているようです。

Report: Royal Navy Could Lose its Amphibs英海軍が揚陸艦全廃との報告書





       HMS Bulwark (file)


BY MAREX 2018-02-05 14:00:00

議会国防特別委員会は英政府が海軍揚陸艦二隻を処分して予算と人員を確保するのではと警戒している。HMSアルビオンとHMSブルワークを処分すれば「軍事的文盲」「戦略的事実を完全無視」「取り返しの利かない愚行」だと委員会は報告書で警句を並べている。揚陸艦がなければ英軍は「意味のある揚陸作戦の実施」は不可能になるというのである。
 テリーザ・メイ首相率いる政府は国家安全保障能力検討(NSCR)で英国防支出を検討中だ。昨年から国防筋のリークが続いており、検討委員会が英海兵隊の規模を3割削減したうえ揚陸艦二隻の処分で予算削減効果を狙っているという。そのシナリオではHMSクイーン・エリザベスとHMSプリンスオブウェイルズの空母二隻が揚陸作戦に投入されることになる。ただし両艦に上陸用舟艇の運用能力はない。
 政府は委員会報告書の内容を「観測にすぎない」としながら、議論のための材料は提供していない。委員会は国防力検討が密室で行われていると非難。「肝心の関係者が検討過程に呼ばれないままで、多くの疑問の回答に苦労している。特に議会が全く組していないことは深刻な事態」としている。「国防省は『観測』と報告書を一蹴したが、正しい外部関与がないままで秘密裏に閉まった扉の中で作業を進めれば報告書の内容になるのは避けられない」
 アルビオン、ブルワークはともに2030年代初頭に耐用年数を終える。英海軍で最後に残った揚陸艦である。かつての旗艦HMSオーシャンは退役済みでブラジル海軍へ売却されている。■


やはり国防の原点は強い経済力ですね。しかしクイーンエリザベスを揚陸艦に転用するなど全く机上の空論に聞こえるのですが。英海軍はこのままでは域内で限定力しか発揮できない小規模部隊になりそうですね。トライデントミサイル原潜と大型空母(整備したばかりですが)を処分してバランスの取れた艦艇整備に進んだ方がいいのではないでしょうか。

シリアで一般市民を攻撃し撃墜されたロシアSu-25パイロットはなぜ死亡したのか

これまでロシア機が好き放題に対地攻撃していたのですが、この事件で低空飛行を避ける通達が出るなど影響が出ています。これを機会にロシアの蛮行が国際社会で糾弾されるといいのですが、どうせロシアは対応しないでしょうね。War Is Boringの記事です。

A Russian Pilot Died While Attacking Civilians in Syriaシリア一般市民を攻撃したロシアパイロットが殺害された
反乱勢力がロマン・フィリポフ操縦のSu-25を撃墜

Insurgents shot down Roman Filipov's Su-25

撃墜されたSu-25SM識別番号06の尾翼 Feb. 3, 2018. Jaysh An Nasr photo.




February 6, 2018 Tom Cooper


2017年12月11日、ウラジミール・プーチン大統領はロシア空軍(VKS)隊員にシリア国内フメメム基地で演説し、中でもシリアからの撤退に触れた部分が注目された。
 だがプーチン演説はVKS機材乗員を本国からの交代配備を隠蔽する意図があった。ロシア機は30から40機で変動がない。また2017年11月からロシアは連日最大100回の出撃を行っており、イランが支援する戦闘員集団によるイドリブ東部襲撃を支援している。
 ここ二年にわたりロシア空爆はシリア反乱勢力や一般市民を標的にし、反乱分子撃滅を狙う聖戦主義勢力を支援している。
 無防備の一般市民には武装反抗の動きはない。そのためVKSパイロットは一層大胆に一般市民攻撃に集中している。Su-25攻撃機が低空から一般市民の車両をロケットや機関銃で攻撃するのがよく目撃されている。2018年2月1日にはSu-25で低空攻撃中に地上砲火が命中する例が現れた。ただし同機はフメメム基地に帰還したと見られる。
 その二日後の2月3日にロマン・フィリポフ少佐が操縦するSu-25SMが撃墜された。同機はマアサラン村郊外で移動中の難民を攻撃していた。
 同機を撃墜した武器が何だったのかは興味深い点だ。撃墜の二日前に出回った報道ではトルコ支援を受ける反乱勢力がシリア北部でクルド人戦闘員部隊を攻撃したとあり、写真ではロシア製9K38 Igla-3/SA-183地対空ミサイルが映っていた。
 フィリポフのSu-25撃墜時の映像が証拠となり、9K38 Igla-3が確かに使われているのが分かる。ただしクルド人部隊から捕獲した9K38なのかは不明だ


 フィリポフ少佐は射出脱出したが捕虜になるのを拒み手りゅう弾自決した。「英雄的行為」と称賛されるが、聖戦主義勢力に断頭されたくなかったのだろう。だが少佐の自殺は無駄になった。該当地区を支配するのは聖戦主義者とは別の勢力だったからだ。
 生存していればトルコ経由で交換されていたはずだ。同様の手続きでシリア人パイロット3名が2017年に戻っている。■

この事件で米空軍にも意外な影響が出ていますが、別途お伝えすることにします。