2018年11月10日土曜日

★ウクライナで墜落のSu-27で米空軍パイロットが死亡。同地で何をしていたのか

‘Emergency’ Caused A Ukrainian Su-27 Fighter To Crash, Killing A US Pilot 「緊急事態」のためウクライナSu-27が墜落し米パイロット一名が死亡した事故について

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November 9, 2018  Topic: Security  Region: Europe  Blog Brand: The Buzz  Tags: UkraineSu-27U.S. Air ForceSeth NehringOperation Clear Skies


飛行中の緊急事態でウクライナ空軍所属のSu-27Bが墜落し米人、ウクライナ人のパイロット各一名が死亡する事故が10月に発生した。このたびウクライナ空軍トップが以下発表した。
「問題のSu-27戦闘機は上昇中に緊急事態に陥り、このため大惨事につながった」とウクライナ軍上級大将セルギイ・ドロズドフが述べている。「ウクライナ国防省は調査委員会を組織し調査が続いている」
米側も調査に陪席し、透明性を極力確保する。ドロズドフ大将は今週木曜日に米空軍参謀総長ディヴィッド・ゴールドフェイン大将と会見し報道陣に上のように語った。調査で事故原因が正確に把握次第ウクライナ政府が発表することになっている。
カリフォーニア州軍航空部隊第144戦闘航空団のセス・「ジェスロ」・ネーリング中佐は事故発生の10月16日に習熟飛行で同機に搭乗していた。事故地点はキエフ南西175マイル地点。同乗中のウクライナ空軍イワン・ペトレンコ中佐も死亡した。
ドロズドフ、ゴールドフェイン両大将は木曜日の会見後で5年計画で両国空軍同士の協力関係拡大を検討していた。会見後に報道陣に対し空軍パイロット喪失は大変な事態とゴールドフェイン大将は以下述べている。
「御遺族に心からの哀悼をお伝えしつつ今回の事故の原因の完全解明をお約束したい」「今回はウクライナ空軍主導で調査を進める。再度、御遺族にお悔やみを申し上げる」■
This article by Jeff Schogol originally appeared at Task & Purpose. Follow Task & Purpose onTwitter . This article first appeared in 2018.
「習熟訓練」とは何を意味していたのでしょうか。ロシアが神経を高ぶらせそうですが、米空軍がこれからウクライナとの協力関係を強める意味には機材の提供も当然あるのでしょうね。これもロシアや中国を睨んだ動きでしょうから、ロシアとしてはますますウクライナを適するのは当然かも

2018年11月8日木曜日

☆中国も推力偏向技術を実用化した模様

Aerospace Daily & Defense Report

J-10B Confirms China’s Thrust Vectoring Capability J-10Bで中国も推力偏向技術の実用化を達成

Nov 6, 2018Steve Trimble | Aerospace Daily & Defense Report


J-10B: Chinese internet


ZHUHAI, China—.11月6日、AVIC社有のJ-10Bテスト機が試験装備の推力偏向制御による飛行操縦性能を飛行展示した。
数千人が見守る中、中国航空ショー会場でJ-10Bは非対称式噴射口によるアクロバット飛行の実力を見せつけ、敏捷性の高さを示した。
推力偏向によりパイロットは機体を低速度で失速させてから高迎え角を与えることができる。偏向式噴射口でエンジンの推力を回転させつつパイロットは統制の取れた操縦を通常の航空機では不可能な形で行える。
中でも目をみはる操縦は機首をほぼ90度引き起こしながら推力変更制御で迅速に機体向きを変える「Jターン」だった。
この.J-10Bはロシア戦闘機同等のアクロバット飛行も見せつけた。機首を低速で90度引き起こし、推力偏向により飛行制御を守った。
こうしたスタント飛行は航空ショーでおなじみだが最新の戦闘航空機の敵機対応では限定的な意味しかない。ただし失速後の機体制御は別の意味を有する。たとえば空中早期警戒レーダーの探知を逃れるべく探知の設定条件より低い速度で飛行できるからだ。

推力偏向技術はロシア、米国では1990年代に実用化されているが、中国での導入は最近のことだ。スホイSu-35S戦闘機の第一陣が今年始めに人民解放軍空軍に配属された。ほぼ同時にAVICのJ-10B試験機に推力偏向噴射口がついた写真が出回り始めた。■

2018年11月6日火曜日

★米空軍F-15Cにいよいよ退役が近づいているのか。それとも....投資すればステルス機対応は十分可能(なはず)



The Boeing F-15C Eagle Is Undefeated in Battle (104 to 0). But Retirement Is Coming. Why? ボーイングF-15Cは戦闘で無敵の実績(104対0)を誇るが退役が近づいている。なぜか。

November 3, 2018  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: F-15F-15CMilitaryTechnologyWorldRussia
年供用中のボーイングF-15Cイーグルは世界最高の制空戦闘機としての名声を誇り、一方的な撃墜実績(104対ゼロ)で有名だが、どうやら運用が最終段階に入ったようだ。強力な戦闘機として退役することになりそうだ。
米空軍はイーグル改修を先延ばししてきた。新型電子戦装備の搭載もそのひとつで老朽化してきた機体を今後も保持するのか方針が決まり次第実施するとしている。F-15Cで本格的な機体補修が必要だと米空軍も承知しており、構造強化策があれば2020年代を超えても十分供用に耐えるという。議会がA-10ウォートホッグ退役案に拒否反応を示したが、空軍は本来ならF-15Cを退役させて浮いた予算で緊急性の高い案件を実現したいところだ。ただしF-15Eストライクイーグル阻止任務機は当面供用を続ける。
ただし当面はF-15Cが米空軍の航空優勢機材の半数近くを占める。これはロッキード・マーティンF-22ラプターの調達が当初の半数以下で終わったためだ。そのため空軍は侵攻型制空機(PCA)のような新型機材を開発し、2030年代には新型機に先陣を切らせF-15CやF-22が後に続く攻撃方法を想定し、ロシア、中国が第5世代戦闘機のスホイSu-57PAK-FAなどを投入する事態に備える。
Su-57が新型二段エンジン双発を搭載すると第四世代戦闘機では対処が難しくなる。速力、操縦性、ステルス、電子戦能力も手強い。しかし米空軍には敵ステルス機を撃破する構想があり対抗策の開発に既に着手している。
その答えは長波赤外線スペクトラムで、現時点のステルス戦闘機はこれに対応する設計となっていない。既存機種に長波赤外線センサーを搭載すれば長距離探知が可能となるが今のところ対抗手段は存在しない。長波赤外線探知を逃れる新技術が今後登場する可能性もあるが、機体に最初から新技術を取り入れないかぎり有効対策は不可能だ。
ロッキード・マーティンは現在Legion ポッドを開発中で、F-15Cで長波赤外線方式の探知追尾(IRST)能力が実現する。同社はLegionポッド130セットを生産したいとし、「レーダーが使えない環境」で長距離から敵を探知追尾を可能とするのがねらいだ。ボーイングは米空軍の主要契約企業としてロッキード・マーティンに技術開発、試作品製造、改良、本格生産契約を今年中にも交付したいとする。
「納入日程が短期間でこれまでにない探知性能が備わったLegionポッドがあれば一足飛びに我が方の戦闘機の性能があがりパッシブ攻撃能力の不足が解消する」とロッキード・マーティンミサイルズ・アンド・ファイヤーコントロール社副社長ポール・レモが語っている。「当社はボーイングとの共同活動に実績があり米海軍向けF/A-18E/Fの IRST21やF-15のIRST製品がありますのでF-15CのLegionポッドでも成功は間違いなしです」
米海軍と業界関係者からは以前にも The National Interest に対して長波IRSTと高速データネットワークを組み合わせればステルス機の探知捕捉が可能になると述べていた。IRST搭載機同士でデータ共有すれば精度がもっと高くなる。「これが海軍のステルス対策の中心です」と業界関係者も述べていた。
F-15CにLegionポッドを搭載すればSu-57も優位性を失う。イーグルがSu-57を探知すれば、同時に強力なレイセオンAN/APG-63(v)3アクティブ電子スキャンアレイ(AESA)レーダーでスキャン焦点を合わせロシア機が捕捉可能となる。いずれにせよF-15CはSu-57に対して有効な追尾捕捉ができ、その後レイセオンのAIM-120D長距離AMRAAMミサイルをお見舞いすればよい。
Su-57がミサイル攻撃を生き残りミサイルで反撃してくると抜群の操縦性能を誇るロシア機の前にF-15Cは不利になる。だがF-15C部隊は同様に優秀な操縦性能を備えたF-22相手に訓練を繰り返しており、不利とはいえラプター相手にイーグルが勝利することもある。さらに共用ヘルメット装着指示システムが最近導入されており、レイセオンのAIM-9XとあわせF-15Cは視程外戦で高い能力を備えることになった。パイロットが顔を向けた方向にミサイルが飛んで敵を撃墜できる。演習では訓練次第で敵を撃墜しつつ残存できることがわかってきた。
こうしてみると機体構造強化策に必要な費用を確保して新装備を追加すればF-15Cは今後も十分共用可能なようだ。ただし、機体の経年変化以外に敵戦力が一貫して強化されているため空軍が次期機材PCAに投資するほうが賢明とみる可能性がある。議会がA-10の場合のように退役を認めない可能性もある。なんらかの手を打たないとF-15Cに残された時間がなくなりそうだ。■
Dave Majumdar is the former defense editor for the National Interest . You can follow him on Twitter: @davemajumdar .

2018年11月5日月曜日

★納入したばかりの装備が使えない、ドイツ軍装備品が大変なことになっている理由とは

ドイツ連邦軍の装備が悲惨な状態にあることはかねてからお伝えしているとおりですが、事態はさらに深刻なようです。根本には予算削減があるようですが、安全保障に対するヨーロッパの考え方がまちがっていたのではないでしょうか。ロシア、イラン他が全然手綱を緩めない間にヨーロッパでは新世紀とともに国防支出を削減してしまったためでしょう。しわよせが整備や部品の不足で表れているのでは。ヨーロッパでは自前防衛装備設計の優秀さを誇りながら、生産が追い付かず挙句の宛にはここにきて米製装備の採用が増えているようです。その結果、地場の防衛産業は衰退するでしょう。日本にも良い教訓になりそうですね。

Brand-new German tanks, helicopters need improvement before deployment ドイツ軍新型戦車、ヘリコプターで配備前に重整備が必要な事態へ


Deutschland Bundeswehr Truppenübungsplatz (picture alliance/dpa/H. Hollemann)

イツで2017年納入ずみの大型装備品で稼働前に整備が不要だったのは39パーセントにとどまったと国防省が報告している。
連邦軍へ納入済みの戦車、戦闘機、ヘリコプター多数が稼働できない状況と国防省が発表。納品98品目で完全に作戦投入可能なのは38のみと判明した。
納品済み装備の品質は「改善が必要」と国務相ペーター・トーバーが述べた。トーバーはアンヘラ・メルケル率いる保守政党キリスト教民主党(CDU)で幹事長を務めていた人物だ。
これは野党議員の質問に答える発言だたがドイツ軍がノルウェーでのNATO演習で即応体制に国防相ウルスラ・フォン・デア・レイエンはじめ関係者から疑問が出ている中での質疑となった。
ドイツDPA通信社配信のトーバー答弁では連邦軍装備の7割が常時稼働可能状態と述べている。2017年にはわずか39パーセントしかだった。「以前と同様、業界には契約通りの性能諸元の実現を可能な限り迅速にお願いしたい」
だが心配なのがエアバスA400M軍用輸送機とプーマ歩兵戦闘車両(写真上)だ。後者はドイツのクラウス-マッファイ・ベグマン(KMW)とラインメタル・ディフェンスの共同事業体が2010年から納入中だ。
エアバスはA400Mを「最高性能かつ実績実証ずみの輸送機で21世紀の最新技術で現在さらに将来の軍のニーズにこたえる機体」と豪語していた。
装甲車両の共同事業体はプーマでは乗員が「最新鋭の防御技術で守られる」と述べていた。
DPA調べで作戦投入可能なのは昨年度納入のピューマ71両のうち27両、A400M8機中半分、ティーゲル戦闘ヘリコプター7機のうち2機、NH90輸送ヘリコプターでは7機中4機のみだ。ユーロファイターは昨年4機が納入されたが使用可能なのは1機しかない。残る機体は主コンピュータの換装中だ。
「ユーロファイターで残る3機の稼働許可は間もなく下りる」とトーバーは議会で答弁した。
これに対し野党議員はフォン・デア・レイエン国防相が「防衛産業のだらしなさを放置し、そのつけを納税者に回している」と非難。

6月にフォン・デア・レイエン国防相は議会へドイツ国防予算の増額を求め、冷戦後の予算削減で保守整備が不十分になり、交換部品入手も困難になっていると危機を訴えていた。■

2018年11月4日日曜日

日米加による大規模海軍演習キーン・スウォードが進行中

U.S. carrier leads warships in biggest ever Japan defense war game 米空母含む艦艇が日本最大の軍事演習に参加中

US Navy
USSロナルド・レーガン艦上にて---米戦闘機編隊が西太平洋上空に土曜日展開した。原子力空母USSロナルド・レーガンが日本の駆逐艦部隊およびカナダ艦艇に合流し最大規模の即応体制確認の演習が日本周辺で行われた。
キーン・スウォード演習が2018年11月3日実施され、米海軍、海上自衛隊、カナダ海軍が合流した。
演習には日米だけで総員57千名が加わり、戦闘、上陸作戦、弾道ミサイル防衛の各種訓練を展開する。自衛隊員で参加する47千名は日本の総兵力の5分の一に相当する。
「ここに集結したのは安定のためであり、いざという際の威力を維持するためでもある。キーンスウォードのような演習は必要だ」とレーガン空母打撃群司令カール・トーマス中将がF-18戦闘機が艦上で開かれた報道説明会で述べた。
空母には8隻が随行し対潜戦も演習する。日米両国は日増しに強くなる中国の影響力を警戒している。
この地域のみならずインド太平洋にかけて日米同盟は安定のため不可欠」と江川宏海将補もレーガン艦上で語った。
レーガンは横須賀を母港としアジアで最大の米軍艦で、乗組員5千名、F/A-18スーパーホーネット約90機を搭載する。

カナダが初参加

カナダ海軍の補給艦一隻も演習に加わっている。
日米二国間演習として1986年に始まった同演習でカナダの参加は初。在日カナダ大使館付き武官ヒューズ・カヌエル大佐は「多国間演習に復帰するもの」と今回の意義を語り、カナダはアジアでの軍事プレゼンスを強めたいとも述べた。
この地域で安全保障の役割を拡大しようとする西側国はカナダ以外に英国、フランスもあり、艦艇派遣を増やそうとしている。中国が南シナ海の軍事プレゼンスを増大し、インド太平洋への影響力を強めるのを横目で睨む形だ。
キーン・スウォードには英国、フランス、オーストラリア、韓国も視察団を派遣。

存在感を強める日本

各国がアジア安全保障へ関心を高めているのと日本の域内外交で軍事力誇示が増えてきたのは偶然の一致ではない。
同時に安倍晋三首相は中国との対話により東シナ海の軍事緊張緩和を探りつつ経済面の協力関係も模索中だ。
米中で貿易摩擦が強まる中、安倍首相は日本首相として7年ぶりに北京に飛び、習近平主席、李克強首相と会談し北朝鮮問題含む域内安全保障で日中両国で責任分担すると述べた。
ただし日本は北朝鮮より中国を警戒し、南シナ海での海上軍事力増強だけでなく太平洋インド洋への中国の進出も問題視する。
中国の今年の1600億ドルの国防予算は日本の三倍規模で、米国防費の三分の一に相当する。.

キーン・スウォードは「有志同盟国・協力国のコミットメントの表われだ。強力な実力を発揮し一致団結してインド太平洋で平和と安定を実現していく」と米海軍作戦部長ジョン・リチャードソン大将が述べている。■

2018年11月3日土曜日

★F-35を飛ばした米空軍パイロット31名から判明した同機の事実9点とは

9 F-35 Facts We Were Told from 31 Air Force Pilots Who Flew the Stealth Jet F-35を飛ばした空軍パイロット31名からわかった関する9つの事実
November 2, 2018  Blog Brand: The Buzz  Tags: F-35Air ForceMilitaryTechnologyWorldWar
計174名の米軍パイロットがロッキード・マーティンF-35AライトニングIIの訓練過程を修了している。ヘリテージ財団はそのうち31名から聴取することができた。すべてF-15C、F-15E、F-16C、A-10からの機種転換組だ。全員がF-35Aに高い信頼を寄せていることがわかった。
今回わかったパイロットたちの知見を以下9点にまとめた。
1. 開発段階のため機体反応や操縦性に制限があるとはいえ、今回聴取したパイロット全員が空対空戦(ドッグファイト)なら以前の機種よりF-35Aを選ぶと答えた。
2.F-15C教官パイロットの経験があるものは模擬空戦で以前乗っていた機種を連続して打ち負かしていると述べた。
3. 以前F-16C教官パイロットだったものは空軍兵装教官課程(海軍のトップガン校に相当)も修了しており旋回ではG-制限のため制約が付くが方向舵を使った旋回には目を見張るものがあり毎秒28度が可能だという。制限が撤廃されればもっとすごい操縦が可能となるはずだ。
4. F-16CJワイルド・ウィーゼルの元教官パイロット三名からはF-35A一機でSAM陣地を今までより迅速に発見が可能で対応はF-16CJ三機分に等しい効果があると聴取した。
5. F-35Aのレーダーで敵戦闘機や地対空レーダーを電子攻撃し作動不能にできる。このため同機は敵レーダーに対して無敵だ。
6. A-10の元教官パイロットはF-35Aが搭載するセンサー装備で状況認識が向上し近接航空支援はA-10と同様あるいはそれ以上にこなせると述べた。
7. 研究開発の進歩によりF-35Aのステルス表面の整備が簡単になり出撃制約がF-22,F-117やB-2より低くなった。F-35Aでは戦闘、訓練いずれでも連日飛行が可能となった。
8. F-35Aが搭載する各種戦術センサーの情報は一つの画面にまとめられセンサー融合)るがまだ最適化されておらず、パイロットはほとんど全員が「ゴースト」が見えたり、同じ標的の情報が複数表示されると述べた。
9. 量産段階に入ればF-35Aの機体価格は第四プラス世代のユーロファイター・タイフーン、ラファールM、さらにF-15Kストライクイーグル後期機材より安価になる見込みだ。各機を上回る性能を空対地攻撃で示し、空対空戦でも各機が敵わない性能を示す。
F-35Aで開発と生産が同時進行シているとは確かに難題で遅延や費用超過のリスクが調達に影響を及ぼしているかと言うと必ずしもそうではない。
構成部品、センサー、機体構造の開発を同時に進めるため機体重量、寸法、性能で小規模の変更が生じ日程に変更が生まれればやはり機体重量、寸法、性能、全体の日程に影響が生まれる。
事業全体を時間どおり予算以内に抑えて進めるためには安定した指導体制が必要だ。米国は史上最高の技術を応用した高性能戦闘機を正しく配備できるかを問われていると言えよう。
同時並列開発方式によるF-35A事業で得られた教訓や制約条件は貴重だ。ペンタゴンは将来の大型装備案案件にこれを生かして陳腐化してしまう前に配備がすすむようにすべきだ。■
元ネタはヘリテージ財団なのでF-35Aについて好意的に見ていますね。初出は数年前らしいので現在は少し変わっているかもしれません。数十年供用し段階的に性能をアップデートするのはいいのですが何年たっても完璧な機体にならないのではそのうちに別の機体に追い越されてしまいますね。F-35という存在自体にいつも疑問を感じるのは私だけでしょうか。

2018年11月2日金曜日

中国空母二号艦の艦隊編入近づく 艦名は山東か

China’s Second Aircraft Carrier Sails Closer to Joining the Fleet 中国の空母二号艦の就役近づく

'Shandong' suffers the same limitations as her predecessor「山東」も一号艦同様の制約につきまとわれる

China’s Second Aircraft Carrier Sails Closer to Joining the Fleet
WIB SEA November 1, 2018 David Axe



国初の国産建造001A型空母が第三回海上公試に2018年10月28日大連港を出発した。同艦は早ければ2019年に艦隊に編入と米国防総省は見ており、中国が二隻目の空母を供用開始すれば世界第二位の空母戦力が中国に出現する。
今回の公試は兵装、指揮、通信の各装備のテストが目的と環球時報が伝えている。
排水量55千トンの同艦は「山東」と命名されると言われ、一号艦遼寧の改良型だ。遼寧はソ連が1980年代に建造開始しながら未完の旧ワリヤーグだ。
中国は同艦を1998年購入し、2012年に遼寧として就役させた。J-15戦闘機部隊とヘリコプターを搭載する遼寧は2018年1月に西太平洋で初めて実戦さながらの演習に投入された。
山東は遼寧と同じレイアウトで制約条件をそのまま共有する。カタパルトがないため、艦載機は傾斜付き飛行甲板から自力発艦させる。機体重量が大きく制限され兵装、燃料の搭載量が限られる。
米海軍空母では蒸気カタパルトで艦載機を発艦させ、最大重量は50トンにものぼる。これに対し遼寧では30トンが限度だという。J-15の空虚重量は20トン近い。ペイロード10トンで燃料が大部分を占めれば兵装は小型ミサイル数本に限られるだろう。
だが今後登場する中国の新型空母ではこの点が改善され、中国が投入してきた巨額予算がついに効果を見せるはずだ。中国は4隻から6隻の空母を整備し、遼寧、今回の001A型のほか二隻ないし四隻の体制となると米議会調査サービスが2018年8月に伝えていた。
米国は最大の空母運用国で10隻が供用中だ。フランス、英国、インド、ロシアの各国が一隻ずつ保有する。揚陸強襲艦を保有するその他国も固定翼機の運用が可能となろう。
三号艦が上海で建造中と伝えられており、この艦にはカタパルトがつくとの報道がある。「中国の次世代空母は航続距離が伸び各種固定翼機を運用する。その中には電子戦用機、早期警戒対潜哨戒機も含まれるはず」米国防総省は2018年度版の中国の軍事力報告で述べている。
空母が増えれば中国は太平洋からインド洋にかけて今以上に強い影響力を展開できるようになる。「2020年になれば空母搭載の航空兵力が限定的ながら防空任務を水上艦隊の上空に展開できるようなる」と海軍情報部は2014年に見ていた。
ペンタゴンの2018年版中国の軍事力報告では「こうした進展で空母戦闘群が近海から遠隔地にまで中国の権益を守る存在になる」と述べていた。■

This story originally appeared at The National Interest.

2018年11月1日木曜日

米海軍が開発をめざすロボット駆潜艇はASWの様相を一変する可能性


The Navy Could Secretly Be Looking for a New Way to Stalk Diesel Submarines 米海軍が密かに狙うディーゼル潜水艦の新対策とは

October 31, 2018  
海軍が実現をめざすロボット艇は4,500マイルを無人航走し危険地帯に侵入する。
中型無人水上艦艇Medium Unmanned Surface Vehicle の用途について海軍は口を閉ざす。だがFedBizOppsの連邦政府公式調達情報にある要求内容からDARPAと海軍がディーゼル潜水艦を探知追尾可能なロボット艇の実用化を狙っていることがわかる。
海軍水上システムズ本部(NAVSEA)による公告が出たFedBizOppsでは「海軍が目指す独自展開可能の中型無人水上艇(MUSVs)の要求水準を満たす技術提供を求む。MUSVsは全長12メートルから50メートル以内の艇と定義。NAVSEAは既存、有人または無人水上艦艇設計で無人水上艇に急速に転用できる技術要素を民間部門から広く募集する」とある。
海軍が求めるMUSVの主な性能は「航続距離、巡航速力、信頼性のいずれも従来を上回ること」としている。だがNAVSEAの公告一覧はさらに詳しく以下の性能を想定している。
- 航続距離4,500カイリを最小16ノットで実現すること
- 24から27ノット速力を維持すること
- 第四海上荒天条件(波高4から8フィート)でも搭載ペイロードの運用を安定して行えること
- 第五海上荒天条件(波高8から13フィート)に耐えられること
- 人員による保守整備なしで60から90日海上活動を行えること
- 40フィート海上輸送コンテナー一個および20フィートコンテナー一個を搭載する事が可能なこと。興味深いことにNAVSEA公告ではMUSVの目的に一切触れていない。「最低条件は各コンテナーから180度視界があることとし、望ましいのは270度視界とする」とあり、海上輸送コンテナーとは何らかのセンサーを意味するとわかる。海軍は同時に各種通信アンテナの搭載場所も必要としており、米海軍及びNATOで標準装備の戦術データ共有装置も含むとする。
-「艇に防御装備は不要」と海軍は述べている。「カメラ複数で艇へ乗り込もうとする試みを遠隔地人員に知らせること」ともあり、ここから艇が戦闘状況に投入される事態を想定していることがわかる。
-.海上衝突回避国際規則COLREGSに準拠し自律操艦が可能なこと。COLREGSは相互に航行する複数の船舶でどちらに優先権があるかなどを規定している。
MUSVの要求性能はDARPAによるACTUVロボット潜水艦ハンターと酷似している。ACTUVは現在は海軍研究所でシーハンター計画として稼働中だ。
シーハンターは全長132フィートで速力27ノットだが後続距離10,000マイルはMUSVを上回る。曳航式ソナーアレイを搭載したシーハンターは自律長距離長期間運行可能艦艇の実証プロジェクトでセンサーを搭載し、静かなディーゼル潜水艦の探知もめざしながら一旦探知した潜水艦を数日間にわたり追尾し味方の有人潜水艦が現れるまで現場に残る構想だ。
本誌からMUSVとシーハンターの類似性を尋ねたところNAVSEA広報官アラン・バリボーは「FBO公告は市場調査の目的のみで発表されたもの。米政府は民間業界に情報開示を求めることはよくある。お尋ねの両事業を比較するのは時期尚早だ」と回答してきた。
いずれにせよ、無人潜水艦ハンターの実現が迫っているようだ。潜水艦追尾を無人艇に任せれば有人艦艇、哨戒機に他の任務をさせられる。自律運用艦艇の実現で最大の障害はCOLREGSに準拠した人工知能だろう。というのは海上交通関係者はロボット艇が混雑した水路を無鉄砲に走り回るのは見たくないからだ。だがこれが解決できればこれまで忍耐力を必要としてきた対潜戦は退屈を感じないマシンには最適な任務になるだろう。■

Michael Peck is a contributing writer for the National Interest. He can be found on Twitter andFacebook .