2019年1月2日水曜日

☆インド太平洋構想 これを読めばなぜ中国韓国に安倍晋三が憎々しい存在かがわかります

Can Japan Lead Asia? 
日本はアジアを指導できる
There is a feasible way for Tokyo to resume rhetorical leadership in formulating the Indo-Pacific strategy. 
日本政府はインド太平洋戦略構築で指導性を発揮できる。
by Christina Lai
January 1, 2019  Topic: Security Region: Asia  Tags: JapanChinaSouth China SeaThe QuadBelt And Road



ナルド・トランプ大統領が「自由で開かれたインド・太平洋」free and open Indo-Pacific (FOIP) こそ米国のアジア政策の根幹と述べた。日本含む東アジアとインド含む南アジアをつないで法の支配に基づく国際秩序を構築する構想だ。FOIPは中国が南シナ海で発言力を増す中での対応であり、中国の一帯一路構想に対抗する狙いもある。
FOIPは急に生まれた構想ではない。安倍晋三首相が2006年に提唱していた。インド地域と太平洋地域を統合し戦略的に有志連合の民主主義国家で維持するとし、日本、インド、米国、オーストラリア等を想定した。その時点で米国は安倍構想を後押ししなかったがトランプ政権は支援し中国の経済軍事面での台頭に対抗しようとする。
インド太平洋構想は日本、米国他アジア各国に希望と機会を生みそうだ。ただし現時点で構想と現実の間に深刻なギャップがある。インド太平洋構想を現実に移せばアジアで学術面政策面で深刻な意見対立が生まれるだろう。とくにアジア主要国にとってやっかいな問題はインド太平洋構想の成功はひとえに共通概念の構築にかかっているからであり、インド、日本、インドネシアともに自国利益を超越して共通理解に到達できるかが問われる。このため日本の外交政策ではロードマップを示した上でインド太平洋戦略を希求する必要があり、その場合に焦点は各国連携、多様性の許容とともに協力関係の構築に当てるべきだろう。


日本国内では米国やオーストラリアがFOIPに加わると日本の役割が弱まるとの疑念がある。だがインド太平洋戦略の構築で主導権を握る方法が日本政府に残されている。「大東亜共栄圏」の残滓で西側諸国による支配を排除し多様性を認めながらの独立の獲得をめざしたことから今日の日本による政策で認められる、認められない内容がわかる。個別具体的には日本が汎太平洋を唱えれば安倍政権にとって日本国内のみならず海外でも同調する向きが生まれるはずだ。米中の力争いを目の当たりにして日本政府は海外拡張を目指す勢力とみられないようにしつつ途上国から有益な相手国と見られる肯定的なイメージをめざすはずだ。

第二次大戦勃発前の教訓とは
1930年代40年代の日本は「大東亜共栄圏」を提唱し、東アジアから東南アジアを介しインド、オセアニアまで広がる地域構想を想定した。日本主導でアジア各国を欧米植民地勢力から解放するとした近衛文麿首相は「英米の価値観をもとにした平和観を排斥」すると強く主張していた。だがこの構想は領土拡大を正当化するものと日本国内の軍部により解釈された。日本敗戦で共栄圏は未完の夢に化しその後の経済成長を持ってしてもその結果は変わらなかった。日本が過去から学べるのは「世界秩序の変更を求めないこと」であり「自由体制に積極的に加わること」だ。
共栄圏構想には別の意味もある。多様性の中の開発もそのひとつで日本による今後FOIP戦略の構築で注目される要素となる。日本のアジア外交政策が過去の共栄圏の共存共栄構想、つまり統合しつつ独自性をアジア各国に認めればアジア各国から広い支持を期待できる。安倍首相はインド太平洋戦略を希求しながら上記成果を期待できるのだ。

連携と多様性
安倍首相が共栄圏構想から学ぶとすれば各国がおしなべて広く開発の恩恵を享受できる仕組みを作ることだ。当時の構想ではアジア各国を西洋支配から開放し、独立させるのが主眼だったが、現在のアジア各国でも共感を得る余地がある。米中両国の競合を目の当たりにしているからだ。この点で日本は途上国と主要国との間にで双方から信頼される存在になるべきだ。
例として日本はアジア・アフリカ回廊(AAGC)構想にインドを巻き込み経済協力と持続的発展をアフリカで実現する役割を積極的に果たせる。エネルギーとインフラが中心の一帯一路と別に、日本とインドは「独立および多様性」を共栄圏で重視しながらAAGC開発を進められる。事前によく練った開発構想なら経済発展段階が異なるアフリカ各国のニーズに合うはずだ。
さらにインドも多様性と連携をうたう構想から得るものは多いはずだ。インドが外交政策で独自性を長年維持しているためだ。日印両国は米中間の対立にとらわれずに政策を自由に希求できる余裕を望むはずだ。
だが日本人でFOIPを大東亜共栄圏と同じ文脈で話す向きは皆無に近い。両構想が真っ向から対立するとみる向きが多いためだ。この根源に共栄圏の目的が西側勢力による国際秩序に対抗することにあり、文化的多様性や地域内連携、さらに経済開発といったもっと重要な要素に関心を払っていなかったとする見方がある。

インド太平洋戦略の将来では拡張主義を回避すべき
大東亜共栄圏の文言から日本の戦時体制が国家主義の影響で「日本の国益」から自由でなかった、あるいは主張がアジア各国には単なる美辞麗句で終わっていた史実が浮かび上がる。したがってインド太平洋戦略構想では中国を挑発せずアジア各国には戦時中の占領体制への警戒心を巻き起こすべきではない。
重要なのは日本は中国を狙った公式発言を避けるべきという点だ。例として日本が以前提唱していた「自由と繁栄の孤」は中国を意識し、中国の台頭がアジアの脅威と暗示していた観があった。では現在のFOIPではどうか。西側の自由思想として民主体制、人権、法の支配をアジアに、さらにその外に広げるとする。これならFOIP陣営各国と中国に緊張を産まないだろう。日本はFOIP政策の整備に関与可能だし、すべきだ。というのは「連携と多様性」の目標を希求しても中国を排除することにならずむしろ同国の協力を引き出す効果があるからだ。
安倍総理が最近のアジアアフリカ会議で述べたようにアジアとアフリカは発展の余地が大いにある地域だ。日本とインドは信頼を集める共同国として両地域の発展に寄与できる。共栄圏構想から2つの点が日本に参考になるはずだ。日本はインド太平洋構想の構築でもっと重要な役割を演じる事が可能だし、歴史から学ぶこともできるはずだ。■


Christina Lai is a lecturer in Global Security Studies at Johns Hopkins University. She is interested in U.S.-China Relations, Chinese Foreign Policy, East Asian politics, and Qualitative Research Methods. Her works have appeared in the Pacific Review, International Relations of the Asia-Pacific, Journal of Asian Security and International Affairs, Asia Time, China’s World and Asian Security.

政治とは言葉であり、理念ですが、政局つまり自己の得点、相手の失点の計算ばかりしている人たちには理解できないのでしょうね。政治屋や職業政治家は必要ありません。未来をデザインできる視野を持った政治家が必要です。今や主要国で一番老獪なリーダーとなった安倍さんを抱える日本はどれだけ幸運なのかほとんど誰も理解していないのは実に不思議です。ましては韓国の非常識な行為さえ安倍さんの責任と決めつける人たちは一体どういう頭の構造なのでしょうか。国内でそれに同調する人たち、森友問題その他を利用して政権転覆を狙った人たちとは一体誰の利益を代表しているのでしょうか。それにしてもオバマ政権とは一体何だったんでしょうか。

今年も宜しくおねがいします まず元旦の空を飛ぶB-2の姿から今年はスタート

あけましておめでとうございます。新年の迎え方も土地それぞれですね。カリフォーニアでは恒例のパレードの開幕を告げるのが米空軍の上空飛行で今年もB-2が飛びました。こういうとき、その場にいられたら良かったのにと思いますよね。

Here Are The Aerial Shots Of The B-2 Spirit Stealth Bomber Doing The Rose Parade Flyover Earlier Today 元旦のパサデナ上空を通過飛行したB-2スピリットステルス爆撃機の姿を御覧ください。

January 1, 2019 David Cenciotti Military Aviation 0 Comments


2019年1月1日、パサデナのローズパレード上空を飛行する「スピリット11」(Image credit: Mark Holtzman)


パサデナ上空の「スピリット11」
2019年1月1日、コールアイン「スピリット11」のB-2スピリット一機が509爆撃団(ミズーリ州ホワイトマン空軍基地)から恒例のローズ・パレード上空飛行を敢行した。.
我々の友人マーク・ホルツマンは写真家兼パイロットで自身で空中撮影専門の会社を経営し、今回もパサデナ上空に飛び、ステルス爆撃機がコロラドブールバード上空を通過飛行し第130回ローズ・パレードの開始を祝った状況を撮影してくれた。
真下を飛ぶ同機撮影のためマークは自機(セスナ206)からカメラを向けた。言うまでもないが撮影に際しては副パイロットが操縦した。.
撮影チャンスは数秒しかないがマークはいつも決定的な瞬間を逃さない。昨年も同様にスピリットがF-35の2機と飛んだ写真を撮影している。


ほぼ垂直で撮影したローズ・パレード上空飛行をするB-2. (Image credit: Mark Holtzman)


グッドイヤー飛行船も同時にパサデナ上空を飛んでいた。



(Image credit: Mark Holtzman)


2019年1月1日火曜日

☆能登半島沖合での韓国海軍駆逐艦射撃管制レーダー照射事件の背景を考える

さあ今回の事案をどう収束するのか、日韓両国の知恵が試されますが、事実を頑なに認めない韓国当局の態度は日本人の思考方式では理解できないものがあり、有事の際にこんなことでは心配になりますね。メディアにはP1ではなくP-1、できれば川崎重工の名前もちゃんと報道してもらいたいものです。新年早々芳しくないニュースでの幕開けになりましたが、当方が目を通している海外安全保障関連ウェブサイトでは今回がはじめての正面からの本件の報道になりました。


Tokyo accuses South Korean destroyer of directing fire-control radar at Japanese MPA



日本のP-1MPAが12月20日に日本海で発見したKCG巡視船(手前)と韓国海軍駆逐艦(後方)の映像からのスクリーンキャプチャ。日本は韓国海軍駆逐艦が火器管制レーダーをP-1に数回に渡り照射したと非難している。Source: Japanese MoD


国海軍駆逐艦が12月20日に海上自衛隊(JMSDF)所属の川崎P-1海上哨戒機(MPA)が日本海上空飛行中に火器管制レーダーを照射したと日本が非難している。

防衛省(MoD)が12月28日に13分間にわたる当日の映像を公開し、P-1がKDX-I級駆逐艦Gwang Gae To Daewang(艦番号971)、韓国沿岸警備隊(KCG)外洋警備艇Sambongho (5001)を能登半島沖合で見つけ上空を数回に渡り飛行する様子を見せた。MoDによれば漁船一隻、ゴムボート二艇が付近にあった。

防衛省からは事件は日本の排他的経済水域内で現地時間15時ごろに発生し、P-1が「複数回にわたり連続して[駆逐艦のシグナールSTIR 180]火器管制レーダーの照射を受けたと発表が出た。

さらにMoDはP-1から"Korea South Naval Ship Hull Number 971"と英語で数回に渡り呼びかけ、VHF (156.8MHz) 及び緊急周波数帯(121.5MHzと 243MHz)の3つを使い、レーダー照射の真意の確認を試みたと発表。

MoD公表の映像ではいずれも返答がないことがわかる。

さらに日本は「今回の事件発生はきわめて遺憾」とし「このような事態の再発防止を韓国サイドに厳に求めたい」とし「日韓防衛当局間の協力関係に害をとなる事態の発生は許されない」と発表。

韓国国防省(MND)は12月28日に声明文を発表しており、日本の非難を否定し、日本が映像を「両国間実務レベルビデオ会議で両国間の誤解をほどき、防衛分野での協力連携を求めようとした翌日」に映像を公開したことに「深い憂慮と遺憾の意」を感じると非難している。■

今回の報道は淡々と伝えていますが、防衛当局者同士では韓国の対応に大いなる疑問をいだいているでしょう。単なる推理ですが、韓国艦が能登半島沖合で何をしていたのか、いろいろ可能性があるでしょう。共通するのは北朝鮮と韓国の間の口外できない接触ですね。火器管制レーダーを照射すればどうなるかは艦長であれば十分承知しているはず。しかも複数回継続して照射したのは海自P-1を遠ざける強硬手段でしょう。トカゲのしっぽ切りで艦長を更迭し事態をうやむやにするのか、それとも日米により知られたくない秘密をばらされるのか、韓国の立場はきわめて弱くなっていると言わざるを得ません。

2018年12月31日月曜日

2018年の記事で一番読まれたのはこれ ベスト10の発表です。



今年も当方のつまらないブログにお付き合いいただきありがとうございました。今年の新規記事で読まれた数でベストテンを作ってみました。なお、アクセス数は12月24日現在のものです。

第一位 ★★航空自衛隊F-15新規改修の方向性が見えてきた#F-15, #航空自衛隊, #日本の安全保障
5792
2018/12/04

F-15は今年後半になり話題が次々に生まれましたね。ブログでは取り上げていませんがデジタル改装ができない旧仕様の機体の米国売却案も出てきました。米空軍では不要なので台灣あたりに売却することになると思いますが、来年には政治問題になりそうですね。北京も当然噛み付いてきますが、例によって中国の代弁を喜んでする政治家は日本に多くいますので容易に想像できます。この記事は12月のものなのですが堂々一位になりました。

第二位 ★★★F-3開発:急浮上したF-22生産再開提案は日本に費用負担大半を求める内容#USAF, #航空自衛隊, F-22生産再開, F-3, F-35
コメント数7
5135
2018/04/2

F-22に今でも期待する向きが多いのか、国産F-3構想が実現できなくなる可能性が注目を集めているのか、この記事も注目を集めました。


第三位 ★★わかりにくなってきたF-3開発への道:心神からF-3? それとも海外との共同開発?#F-3, ATD-X心神
3395

F-3の開発方向性ではやはり資金面がネックのようです。エンジン開発も話題になっていますが、機体のハードウェアはいいとしてもいかんせん日本に統合能力の知見がないのが弱点です。とはいえ、日本の工業力のレベルの高さから海外からも注目されがちですね。世界各地の新型機開発ガスローダウンしていますので、こうした画期的な新型機がいいのか、実績のある機体の改良型(F-15X、F-16V等)を整備したほうがいいのか悩ましい事態です。


第四位 ★★日本をファイブアイズに加盟させるべき、という主張をが主要シンクタンから発表されました#日本の安全保障, ファイブアイズ、
コメント1
3124
2018/10/05

この記事もここに来て再び注目されているようです。情報の世界の「列強」になんとしても加わりたいと言うのが日本の心情ですが、機密保持など日本にはまだまだ改良すべき点があり、情報の安全保障という観点からも引き続き健全な方向に進めていく必要があります。


第五位 ★★ここまでわかったシリア攻撃の内容、ミサイル105発のスタンドオフ攻撃#4月14日シリア空爆作戦, JASS-ER, SCALP, ヴァージニア級攻撃型潜水艦, ストームシャドウ, トマホークTLAM
2698
2018/04/15

一体この攻撃はなんのためだったのでしょうか。データとして有効に今後活用できるのですが、あげくのはてはシリアからの撤兵と全然攻撃した意味がなくなった...と考えるのが普通でしょうが、実は南シナ海の中国基地に対するメッセージであったというのは考えすぎでしょうか。トマホークミサイルは日本も今年になり調達に乗り気になったのでこの攻撃もそれなりに意味があったのかもしれません。


第六位 今度はタイフーン戦闘機ほぼ全機が稼働できない状態。大丈夫か、ドイツの国防体制#ドイツ, A400M, トーネード, メルケル連立政権, ユーロファイター・タイフーン
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2513
2018/05/08

ドイツでは潜水艦、戦闘機とまともに動かない装備の話題が連続して出てきました。EUの盟主のお膝元がこれでいいのか、というのがシュピーゲルなど地元メデイアの問題提起なのでしょうが、根っこには戦後ドイツが「ナチ清算」の反動でバランスを欠いた安全保障観を国民に許しているのではないでしょうか。日本にとっても目をつぶっていられる事態ではないですね。2019年は「健全な」価値観が日本国民の間でも広がるといいですね。今回の韓国海軍の不祥事からその気運が広がりそうです。

第七位 ★★★F-22/F-35ハイブリッド構想の実現可能性はないF-22/F-35ハイブリッド構想, ロッキード・マーティン, 米空軍PCA構想、次世代ステルス戦闘機
コメント2
2503
2018/04/23

かなり早い段階でロッキード構想が日本で話題になっていたことがわかりますね。


第八位 ★★ロシア機迎撃に投入して露呈したF-22の弱点とは---F-22は迎撃機には不適なのか#F-22, #Su-35, #USAF, 制空任務, 領空侵犯対応
コメント2
2238
2018/10/03
ロシア機がF-22の写真を撮ったとか末梢の話題が注目されましたが、インターセプトにステルス機を動員することに疑問あり、というのがこの投稿の趣旨でした。そこでF-35Aの追加調達を決めた日本ですが、直後にF-15Xの話題が出てきて困惑していないでしょうか。日本に必要なのは今後20年にわたり第一線で活躍してくれるF-15新型ではないでしょうか。購入の意志決定がどうなっているのか、「専門家」の意見はどこまで政治家に理解されているのか疑問に思える決定ではありましたね。

第九位 ★★F-22生産再開研究の米空軍検討内容が明らかになった#F-22再生産構想, #USAF, イスラエル, 日本、オーストラリア
コメント2
2145
2018/05/0

F-22が未だに話題になっていますが、これはロッキードがぶち上げた話題でさすがに実現性は薄いと言わざるを得ませんね。ましてや日本に負担させようというのでは虫が良すぎます。

第十位 ★ロッキードのCFR小型核融合炉が米特許を取得-----人類の生活を一変させる可能性と疑問ロッキード・マーティン, 小型核融合炉CFR
2125
2018/03/28

同じロッキードでもこちらは画期的核融合炉の話題です。その後、同社から全くこの話題が聞こえてこないのはやはり実現が難しいのか、あるいは水面下で着々と進展があり、将来のロッキードは画期的なエネルギー企業になるのか、お金に余裕がある人は同社の株式を購入されてはいかがでしょうか。(当方は責任を持ちませんよ)

こうしてみると皆さんはやはり戦闘機の話題に敏感ですね。一方で従来型の戦闘機の形態が大きく変わる予見もでていますので戦闘機ファンの皆さんも心の準備をしておいたほうが良いのかもしれません。(例ドッグファイト性能の放棄、全方位ステルス性能に備えた大型化、F-15Xに見られる重武装化など)

当方が一番関心があるISR機材では大きな話題がありませんでしたが、来年は2010年代最後の年、話題は2020年代を飛び越し2030年代も範囲に入っており、SR-72以外にブラックのプロジェクトがひょっとして露呈するかもしれません。こうした支援機材は何かと軽視されがちですが、重要なこうした機材を中国が撃ち落とそうとしている動きを忘れてはいけません。

ここに来て読者の皆さんのコメント投稿が増えています。これ自体は良い兆候ですが、マニアのみなさんからすればなにか言いたい気持ちなのでしょう。ただ他の方の非難中傷は困ります。おたがい知らないことは教えてもらい、楽しく有意義にフォーラムとして活用してもらえればと思います。

2019年も多難な年になるかもしれませんが、日本の中でも突出した安全保障関連の装備品等の知識を持った皆さんがバランスのとれた、しかし健全な観点で少しでも日本を良い方向に持っていく一助になっていただければ当ブログとしてもその意義を果たしたことになります。

では皆様、良いお年をお迎えください

2018年12月30日日曜日

2019年の予想(2)安全保障面ではどうか 中国、ロシアがやはり要注意


5 Big National Security Predictions for 2019 
2019年の国家安全保障問題で5つの予想
Trouble with Russia and China top the list.
ロシア、中国とのトラブルが上位に来る

by James Holmes
December 29, 2018  Topic: Security Blog Brand: The Buzz  Tags: Great Power CompetitionChinaRussiaCycle Of EscalationNaval Dominance


ィンストン・チャーチルがこう語っている。政治家の仕事は次に起こることを予見すること、起こらなかった理由を説明することと。ジョージ・オーウェルは一歩ふみこんで「不沈の軍事専門家」が軍事行動を大胆に予見しながら常に誤った予想をし、何回見方を誤っても「高給」を得ているとした。予測は控えめに徹するべきだろう。さもないと過去の戦役の亡霊に愚弄されるだけだ。


そんな気持ちで2019年の国家安全保障の5大トピックをお伝えする。


1. 中国の暴走は止まらない
中国の夢とは習近平が好んで言うセリフだ。正確には中国人民の支配が中国共産党の夢だ。党幹部はこの夢を追い求め、外交経済軍事面で支える。一帯一路(BRI)でインド太平洋地区に足場を維持する。現地国政府にはBRIでインフラ開発資金を供給し、合わせて海陸のシルクロードを再現する。東南アジアでは航行の自由原則をなし崩しとし、人工島を武装し、南シナ海全域に事実上のプレゼンスを確立した。さらに米海軍の航行の自由作戦に激しい反発姿勢を示している。夢の実現にむけたこうした行動を中国が自粛するとは到底考えられない。ただし国内が不安定化するとか地政学上の競争相手に手痛い仕打ちを受けた場合は別だ。

2.中国が限界に直面し始める
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一部の状況から中国の超大国化で減速の兆しが見える。経済不況を乗り切ろうと多大な債務に直面している。鄧小平時代の経済高成長はもはや期待できずめぼしい開発案件もない。また党は再教育施設や「社会信用」採点方式で党路線を少しでも外れる兆候を見せるものを罰する姿勢を明確にしている。ペロポネスの時代以降の政治家すべてが学んだように経済活力が国家戦略の土台だ。軍事力整備には資金が必要であり、戦場で軍の維持にも資金が不可欠だ。つまり中国の手持ち資金が減れば、中国政府も大胆な戦略を取れなくなる。一方で強圧的な社会統制を敷く必要があるのは党に自信がないあらわれである。一般市民が中国共産党の統制を受け入れなくなるのを恐れているのかもしれない。ただし国内の不安定な状況から中国が海外での軍事行動用の資源を国内に戻す可能性も出てくる。そうなることを期待したい。

3. 米国が真剣になる

トランプ政権による国防力整備の構図が米議会の勢力地図の変化で見えなくなってきた。それでもよい兆候が見られる。とくに兵器開発で。米空軍は新型長距離対艦ミサイルLRASMを来年にも爆撃機に導入する。これは空軍と陸軍が海洋戦に備える動きの現れだ。米海軍の艦載戦闘攻撃機もLRASMを搭載する。海軍は原子力潜水艦にハープーン対艦ミサイルの搭載を再開しており、魚雷のほぼ7倍の距離まで水上艦艇を攻撃する能力を実現した。ソフトウェア部門ではトマホーク巡航ミサイルを対艦ミサイルに転用する作業が続いており、これまでにない長距離打撃力の登場が期待される。その他もあり、オバマ政権で始まっていた事業がトランプ時代にも続き実現に近づいている。中国、ロシア、イランに対抗する装備品一式が実現するわけだ。これだけの強力な手段をワシントンにうまく使ってもらいたものだ。

4. 安全保障に本腰を入れるその他諸国
米国の同盟国や安全保障上の協力国も真剣だ。一例だがオーストラリア海軍がホバート級イージス艦の最終艦就役を準備中で同海軍は多様な戦闘への対応能力が増える。海上自衛隊では「ヘリコプター駆逐艦」でF-35ステルス戦闘機運用をしようとしており、F-35調達機数をほぼ三倍にする。インドは中国との国境地帯で攻撃に軸足をおいた抑止力の実現に向かい、中国のインフラ建設の大盤振る舞いでインドに対抗する地上攻勢が強まる危惧に対応する。その他の国でも超大国間の新たな競合地図に対応する動きがある。同盟国で自国防衛に力を入れれば米国との関係も平等に近づく。平等な同盟関係は冷戦時代の覇権上の関係よりも長持ちするはずだ。米国は同盟国の防衛に今後も信義を尽くすべきだが米国主導の同盟関係を対等の関係として捉え直すべきだろう。

5. ロシアは「青ベルト」海洋防衛を引き続き強化
ロシアでは長く陸地中心の海洋防衛体制をとってきた。また最新技術を防衛戦略に取り入れ敵艦隊や空軍力の侵入を阻んできた。その結果ソ連時代から「青ベルト防衛」と呼ぶ海上からの攻撃を阻む緩衝帯となった。青ベルトは海上装備、陸上装備の性能内で沖合へ展開できる。ケルチ海峡(ウクライナがアゾフ海へ展開するのを阻む要所)から黒海にまで「防衛体制」の整備もここに含まれる。ロシアは自国国境に隣接する地理空間の管理を常に希求してきた。海洋も例外ではない。西側諸国が優勢を維持するためにはこの青ベルト内で活動で有効な戦術や技術が必要だ。その反面、2019年はウクライナはじめとするロシアの隣国にとってアゾフ海沿岸を事実上ロシアが海上封鎖している状況から悩ましい事態が続く年になりそうだ。ユーラシアで古くからある海上、陸上での競合が新しい様相で復活する。
以上は筆者の気ままでばらばらの所見だ。軍事専門家が永遠に不沈の存在であれば良いと思う。■



James Holmes is J. C. Wylie Chair of Maritime Strategy at the Naval War College. His latest book, the second edition of Red Star over the Pacific , appeared this month. The views voiced here are his alone.

Image: Flickr.

2018年12月29日土曜日

2019年の展望 その1 米空軍の課題

4 big questions for the US Air Force in 20192019年の展望・米空軍の4つの課題


Valerie Insinna, Defense News 4m


フロリダ州エグリン空軍基地のフライトラインに向かう米空軍パイロット。 September 26, 2014. US Air Force photo
2019年の米空軍で組織、機材の大きな変化が訪れそうだ。
その答えは2月に公表予定の2020年度予算案に見られるはずだ。
次の予算は当初予定の7330億ドルから上方修正され7500億ドルになるといわれるが、今年の予算が増えるかで変わる

F-15X
F-15CイーグルがKC-135Rストラトタンカーからの空中給油に入る。ノルウェーへの移動途中。September 12, 2013. US Air Force Photo


ここ一年ほど噂にのぼっているのがF-15追加調達の話題だが、いよいよ空軍はボーイングからの調達に向かいそうだ。12月21日にブルームバーグがF-15X計12機を12億ドルで導入する要望を20年度予算案に計上すると報じた。
F-15Xは電子戦装備、レーダー、コックピットを更新しミサイル搭載量を増やした新型だ。ブルームバーグ記事では導入はペンタゴン上層部の決定とあり、州軍航空隊で運用中の旧型F-15の更新用とある。この表現に注意が必要で、空軍は第4世代機の導入に抵抗を示しているのだ。
9月時点でF-15X導入の検討を聞かれた空軍長官ヘザー・ウィルソンはF-35含む第5世代機の追加調達こそ必要と答えていた。
「現在は8割が第4世代機、2割が第5世代機の構成だ。想定する航空戦では第5世代機を増やして効果を上げたい。第4世代機導入は止めて5割5割にしたい。つまり第5世代機導入を増やす」
そのウィルソン長官と空軍参謀総長デイヴ・ゴールドフェイン大将がF-15新型機導入をどう正当化するか注目される。

またマティス国防長官が去ったあとで20年度の想定調達機数に変化が生まれるのか。空軍の五カ年計画はどうなるのか。こうした点から今回の動きが最終的にどんな規模になるかがわかるはずだ。


軽攻撃機
AT-6がホローマン空軍基地で離陸準備に入る。空軍は軽攻撃機実証事業(OA-X)として軽攻撃機の任務遂行能力を試している。US Air Force Photo by Ethan D. Wagner

空軍は軽攻撃機導入の最終要望を今年中に出すと見られていた。ただし最終決定は2019年に先送りされ、競合2社は放置される。
テキストロンのAT-6とエンブラエルシエラネヴァダのA-29スーパートゥカーノが競うが業界には空軍が導入の最終結論を出すのか不安視する向きがある。
また調達機数も大きな疑問点だ。
100機未満だと空軍特殊作戦軍団が低度戦闘に使用するのみとなると航空戦闘軍団計画立案本部長スコット・プレウス少将が述べている。
数百機規模の導入なら世界各地に配備されるはずだ。

宇宙軍
ボーイング製の広帯域グローバルSATCOM衛星を搭載したユナイテッド・ローンチアライアンスのデルタIV打ち上げロケットがケープ・カナベラル空軍基地から打ち上げられた。 March 18, 2017. US Air Force/United Launch Alliance

宇宙軍の指揮統制は空軍省に任せる提案がペンタゴンから出ており、空軍は宇宙空間での安全保障に権限を今後も維持しそうだ。
宇宙軍は同部隊の参謀総長と空軍次官(宇宙軍担当)の指揮に入り、空軍長官の指示に従う。このことから空軍トップは宇宙軍でも相当の権限をもちそうだ。

ただし、この案で議会が納得するのか。下院軍事委員会委員長に就任するアダム・スミス下院議員が宇宙軍として別組織にする構想に懐疑的な一方、宇宙軍は空軍と別組織にすべきと強硬主張する議員も出るだろう。

もう一つ不明なのは現行の空軍内宇宙関連組織との関連だ。空軍宇宙司令部、ミサイルシステムズセンターは宇宙軍に統合されるのか。海軍、陸軍それぞれの宇宙関連事業は維持するのか。そもそも宇宙軍担当空軍次官に誰が就任するか不明だ。

組織改編
アンドリュース共用基地でゴールドファイン空軍参謀総長(右二人目)やパイロットと話すドナルド・トランプ大統領。September 15, 2017. (US Air Force photo by Scott M. Ash)

今月始めに退任せまる国際関係担当空軍副長官ハイディ・グラントから空軍が現在グラントが統括する戦略立案機能を空軍参謀本部の立案要求内容検討部門(A5)に移管する案を検討中と述べていた。

グラントは空軍上層部が検討中の大規模組織改編の一部と述べた。
グラントによれば空軍は1月にも正式決定するという。ただし、上層部からは変更案の内容はほとんど聞こえてこない。

組織内での職掌内容を変更にとどまるのか、統合整理するのか、それとも全く新しい組織を創設するのか注目される。

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