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いずも「空母化」で失うものはないか、冷静に考えよう

今年はこの話題が後半の中心になりました。伝えられるところでは自民党の強い主張で決まった方針だそうですが、形ばかりの「空母」でお茶を濁すのではなく、「あるべき姿」を想定して今後30-50年間の国防を展望した政策を政治指導部が提示できるのでしょうか。いささか不安ではありますが、「多用途」で結局一つも満足な機能を果たせないのでは困ります。練習艦となるのであれば次の「空母」が期待できますし、対潜作戦の中心をひゅうが級に任せるにしても後継艦の必要は早晩でてきそうですね。

Are Japan’s New Naval F-35s Bad For China – Or Japan?
日本がF-35を海軍作戦に導入すれば中国それとも日本に凶になるのか

This might be a bad idea. Here's why.いずもの空母改装案は悪い結果に終わるのではないか。


by Michael Peck
December 20, 2018  Topic: Security Region: Asia  Blog Brand: The Buzz Tags: JapanJapanese NavyAircraft CarriersChinaF-35B
https://nationalinterest.org/blog/buzz/are-japan%E2%80%99s-new-naval-f-35s-bad-china-%E2%80%93-or-japan-39417


本が対潜ヘリ空母をF-35B戦闘機運用可能な空母に改装する。

これで日本に有益な空母が生まれるのだろうか。それとも強力な対潜戦闘艦を失う代償に限定能力の空母が生まれるだけになるか。

「日本にこの能力が本当に必要なのでしょうか」と指摘するのはアジア安全保障の研究者コリー・ウォーレスだ。「各地に広がる島しょ部を有し飛行施設が限られる日本にとってF-35Bは意味のある機体です。一方で強力なASW兼揚陸艦を訓練空母にしてしまうリスクが生まれます」

問題の本質は海上自衛隊の「ヘリコプター駆逐艦」が小型空母の形になっていることだ。13千トンの二隻といずも級19千トン二隻がそれぞれヘリコプター飛行隊を搭載するのは対潜用であり揚陸作戦を想定するからだ。各艦を「空母」と呼ばないのは、日本の戦後憲法が攻撃兵器の保有を禁じているためで通常の米国型の空母はこれに抵触してしまう。

だが日本は空母のルビコン川を渡る覚悟のようだ。日本はF-35B計42機を導入し、いずもで運用すると発表した。短距離離陸垂直着陸型のF-35Bなら小型甲板でも運用可能だ。
海軍艦船でも何かを得れば何かが犠牲になる。日本は空母を手に入れて何を失うのか。「いずも級各艦でF-35Bなら20機を搭載可能です」と政策研究大学院大学の道下成重がNational Interestに語ってくれた。

「ただしいずも級にはスキージャンプがなく、カタパルトもありませんので、F-35Bの作戦半径は限定されます。F-35多数を搭載すれば対潜機能が使えなくなることがもっと重要で、これが同艦の本来の役割なのです。このためいずも級へのF-35B搭載は防空能力を向上し敵の勢力圏内で対潜行動を行うことにあるのでしょう」
アジア安全保障の専門家ベン・リムランドは日本が空母を整備するのは中国が領有を主張する尖閣諸島を取り巻く政策の変化が背景にあるという。「V/STOL機を導入し、改いずも級に搭載するのは日本が琉球列島で基地分散をめざすのと関連がある。離島に小型飛行施設を構築して空母と同時運用すれば有効活用できる。当然中国の作戦設定は難度が高くなるだろう」
リムランドによればF-35Bの運用が海上自衛隊になるのか航空自衛隊か不明だ。空自となれば自衛隊の統合運用の新しい例になる。「海自空自で共通の戦術リンクを採用し協調作戦運用が実現すればよいのですが」とリムランドは続け、「空自が海自艦艇の防御に当たるとすればF-35Bの一部はCAP(戦闘哨戒飛行)を空母周辺で行うのではないか」
いずも級は純粋の空母ではないため、リムランドも訓練用途を想定している。その点で旧ソ連艦を入手して就役させた遼寧、さらに、能力を高めた国産空母建造がその後に続く中国の姿とかぶらせた。■

Michael Peck is a contributing writer for the National Interest. He can be found on Twitter and Facebook.

Image: Wikimedia Commons.

コメント

  1. 相も変わらずF-35を既存の戦闘機の概念でしか見ていない人達のあまり役に立たない話ですね。
    まず対潜能力の欠落は起こりません。
    対潜ヘリはDDHに3機積めば艦隊の搭載定数は満たせますし、なんなら「あたご」や「まや」に1機割り当ててしまってもいい。
    航続力の低下も起こりません。
    いずも型の左舷甲板はF-35B発艦に十分な長さを有しており、30ノットの高速性と相まって燃料満載でも問題なく発艦できる。

    その上でF-35Bの役割は既存の艦載戦闘機のそれとは異なり艦隊の目となり耳となり照準器となって戦闘艦艇の交戦可能距離を飛躍的に広げ防空圏を大幅に拡大する事にある。
    艦隊内のイージス2隻がVLAとSM-3以外のセルを全て射程370kmのSM-6で満たしていると仮定すれば2隻で140発以上を搭載でき、これを艦隊前衛に進出したF-35のキューイングで発射できるようになる。
    究極的にはF-35自身は戦わず、敵の情報を後方の艦隊に送り続けるだけで敵を殲滅可能。
    こうして洋上に『結界』を作り出し、結果なにものにも阻害されず対潜作戦が可能になるでしょう。
    得るものは大きいが失うものは予算以外に何もありません。

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    1. またあなたですか。
      3機のF-35Bだけで140発のSM-6を誘導するとかちょっと荒唐無稽すぎやしませんか。

      呆れてものも言えないです。ツッコミ所多すぎて。

      削除
    2. 3機のF-35?
      全部いっぺんに撃つ?
      そんな事どこに書いてあります?
      ああ、F-35を積むとトップヘビーになって横転沈没するんでしたっけ?

      削除
    3. いっペんなんて言ってないんですが。
      匿名に隠れてないでハンドル名名のったらどうですか。

      対潜能力犠牲にしないでF-35B運用出来るとか、そんな主張する人貴方だけなんですからバレバレですよ。

      削除
  2. 匿名の方と同意見です。
    二十機搭載可能だとすると…
    二隻で四十機搭載ですよね、一機四発のミサイル積めば百六十発のミサイルが搭載出来ますよね。
    当然艦搭載ミサイルの誘導も出来るでしょう。
    一機で同時に何発のミサイル誘導できるかは知りませんが…
    数発づつ連続誘導すれば良いだけで、高度の有るものは艦が誘導できますしね。

    返信削除
    返信
    1. SM-6のCECは基本的にE-2Dの広大な探知力と通信力で運用するものとして構築されているのでF-35だけでSM-6を運用してもその長射程を生かすことができるとは思えません。

      F-35を前方配置しても中継局としてのE-2DがなければSM-6を乗せたDDGにどうやって発射の信号を送るのでしょうか。

      F-35B単独でSM-6の誘導は確かに試験的には成功してますが、あくまでそんなことも出来る程度のものでSM-6の誘導の主はE-2Dなんですよ。

      削除
    2. 現段階でも可なんですよね。
      将来発展する可能性は大きいよね。

      削除
  3. 35Bが逃げ足の速いセンサーノードというのは同意です。
    それをどう使うかはドクトリンにもよるし、状況にもよるので決め打ちは危険かと。
    35Bが単なる戦闘機では無い、複数隻の艦や航空機、場合によっては三自衛隊を統合する戦闘システムの一部との認識は共通化した方が良いでしょう。

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