2016年4月11日月曜日

インドがSLBM発射実験に成功した模様


原子力潜水艦に弾道ミサイルを搭載したインドの意図がどこにあるのかわかりませんが、今回のミサイルは長射程であり、従来の仇敵パキスタンに加え中国も抑止力の対象にしているのでしょう。ただし、ベンガル湾を活動範囲とすればパキスタンより中国に近い発射地点が確保でき、防備を固めれば「聖域」にすることが可能ですね。
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EXPRESS EXCLUSIVE: Maiden Test of Undersea K-4 Missile From Arihant Submarine

By Hemant Kumar Rout | ENS
Published: 09th April 2016 12:17 AM
Last Updated: 09th April 2016 12:35 AM

  1. BALASORE: 国際社会の圧力をものともせず、インドは秘密裡に水中発射弾道ミサイルの発射実験に成功した。ミサイルの暗号名はK-4で、発射したのはINSアリハント、発射地点はベンガル湾の某所とされる。
  2. 信頼できる筋によれば発射は3月31日、アンドラプラデシュ州ヴィシャカパトナム沖合およそ45マイルでダミー弾頭を搭載。

KILLER K-4

中距離潜水艦発射弾道ミサイル
射程 – 3,500 km
全長 – 12 meter
直径 – 1.3 meter
重量 – 17 tonne
弾頭 – 2,000 kg
推進方式 – 固形燃料
精度 – CEPほぼゼロ

  1. 実験には戦略軍司令部(SFC) の要員が立ち会い、DRDO国防研究開発機構が全体を支援した。ミサイルは深度20メートルの潜水艦から発射された。INSアリハントはK-15(B-05)ミサイル試作型の発射に昨年11月に成功している。
  2. 実用射程が3,500キロ近くあるミサイルは北に向けて発射され700キロ近く飛翔したが、円形公算誤差(CEP)はほぼゼロだったと同筋は明らかにした。
  3. DRDOは今回の実験について言及を避けている。K-4関連、アリハント関連の各要員も口を閉ざしている。
  4. 3月7日には水中のはしけを潜水艦に見立てて同ミサイルを発射している。DRDOはこの挙行そのものを認めていないが実験は成功したらしい。
  5. K-4は昨年1月のエアロインディア航空ショーで展示されていた。K-4は滑空中に飛翔速度を上げて対弾道ミサイルをかわすといわれる。衛星信号により飛翔コースを修正する同ミサイルは極めて威力が高く、世界に類を見ない存在だとしている。
  6. INSアリハントは全長111メートルで垂直発射管を4つ備える。K-4ミサイルなら4発、B-05 (K-15) ミサイルは12発を搭載可能で533mm魚雷も6発積む。出力85MWの原子炉で濃縮ウラニウムを燃料とする同艦の最高速力は水上で15ノット、水中で24ノットで95名が乗り組む。
  7. K-4はアリハント級の建造中のINSアリダマンにも搭載され、同級は合計4隻の戦力になる。今後建造される艦では発射管が8本になる。■
By gagan@BRF (Gagan. Created on MS Paint) [Attribution], via Wikimedia Commons


2016年4月10日日曜日

F-35受入態勢を整備する英国で基地整備工事が今月開始



UK announces F-35 infrastructure contracts

Gareth Jennings, London - IHS Jane's Defence Weekly
07 April 2016

RAFマーハム基地内に新設される設備の想像図。2018年に完工し、英国用機材の到着に間に合わせる。
Source: BAE Systems
英国防省はロッキード・マーティンへ142百万ポンド(200百万ドル)で英軍向け共用打撃戦闘機の本拠となる基地で設備を新設する契約を交付した。
  1. 4月7日に発表されたもので、ノーフォーク州マーハムの英空軍基地で英海軍が導入する短距離離陸垂直着陸型F-35B向け支援用施設を三棟建設する。
  2. ロッキード・マーティンは118百万ポンドでBAEシステムズに建設の監理を再委託し、建設はバルフォアビーティ Balfour Beatty社が行う。対象は兵站業務センター、統合訓練センター、保守点検最終仕上げ棟の三つだ。建設は今月末から始まり、2018に完工する。この時期に第617「ダムバスター」飛行隊とF-35Bの初号機が同基地に到着する。
  3. BAEシステムズの生産施設(ランカシャー州サムルズベリ)で第10号機の機体部分が完成しており、テキサス州フォートワースのF-35最終組立て工場へ搬送される。
  4. BAEシステムズは2015年12月にサムルズベリ工場を拡張し増産に備えると発表していた。同社は機体後部、垂直・水平尾翼部分と空母運用型の専用翼端部分を製造する。同社は燃料系統、乗員緊急脱出システム、生命維持装置、機体状態の診断管理装備、英海軍空母での運用に向けた調整も同時に担当している。
  5. 英国はJSFのレベル(ティア)1協力国として唯一の存在でおよそ15%の製造を受け持つ。英国の観点からすれば総額1.5丁億ドルのF-35各国向け調達は国内総生産では300億ポンドの経済効果を2009年から2036年にかけてもたらし、25千名にのぼる国内雇用を生むことになり、航空宇宙産業基盤の相当部分を占める存在だ。■


2016年4月9日土曜日

★BAEが陸上自衛隊向けAAV7A1の製造を受注したと発表



BAE Systems to Provide Upgraded Amphibious Assault Craft to Japan

POSTED BY: MATT COX APRIL 8, 2016

An upgraded version of BAE Systems' Assault Amphibious Vehicle. Photo: BAE Systems.
BAEの強襲水陸両用車両の改良型 Photo: BAE Systems.


BAEシステムズが日本の防衛省から新型強襲水陸両用車両の製造を受注した。
  1. 契約では陸上自衛隊が進める揚陸運用能力養成を支える内容になっていると同社は発表。
  2. 「日本軍の能力増強を当社の高性能水陸両用車両で支援できることを誇りに感じる」とディーン・メドランド戦闘車両事業担当副社長は語っている。「AAV製造メーカーとして当社には長い実績があります」
  3. BAEシステムズは契約の金額規模については何ら情報を開示していないが、AAV7A1を30両および補給部品と試験設備を提供するという。この車両はRAM/RSつまり信頼性・稼働性・保守性向上型と呼ばれ、同社は自衛隊向けに運用訓練も実施する。
  4. AAV7A1 RAM/RSはエンジン出力を増やし、駆動系も強化しており、サスペンションも改良しているのでAAV7A1通常型より性能が上がっていると同社は発表。さらに機動力、指揮統制能力、補修能力も引き上げられ、兵員や物資を揚陸艦から陸上へ運ぶことができる。
  5. 生産は同社のヨーク工場(ペンシルヴァニア州)で今年8月から始まり、初号車は来年8月に引き渡されるほか、同年年末までに全車両が日本へ納入される。■


★無人ASW艦シーハンターが海上公試へ



いきなり無人艦隊ができるわけではありませんが、重要な一歩になりますね。LCSとの組み合わせで海軍もダウンサイジングになっていくのでしょうか。どうせならもっと小型化して必要な場所に空輸投下して運用することはできないでしょうか。電動化が完成すれば、水中無人機も併せて海上に充電ステーションができれば燃料の問題が克服できます。(ステーションの防護が必要) 人工知能の導入でもっと高度な作戦も将来可能になるのでは。と夢がどんどん広がります。
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Unmanned Sub-Hunter To Begin Test Program

Christopher P. Cavas, Defense News11:59 a.m. EDT April 7, 2016
WASHINGTON ASW対潜水艦戦には忍耐と限界がいつも試される。乗組員はどこまで耐えられるのか。いつまで追跡の主導権を握れるか。原子力潜水艦でない場合は海中でいつまで機関を運転できるか。
  1. そこで無人艦が登場する。燃料という制約条件こそあるが乗員関連の制約はない。小型無人水上艇や水中艇はこれまでも存在しているが、米海軍はこれまでと一線を画した対潜戦連続追跡無人艦Anti-Submarine Warfare Continuous Trail Unmanned Vessel (ACTUV)(排水量145トン、全長132フィート)を開発した。最長三か月洋上で潜水艦探知をめざす。
  2. ACTUVは『アクティブ』と発音し、「高水準の自律運用を実現する」と開発にあたったDARPAのスコット・リトルフィールドが報道陣に語っている。「たんなる遠隔操縦ボートとは次元が違う」
  3. 操縦操艦はコンピュータ制御だが人員が絶えず監視して必要なら操艦を引き継ぐとリトルフィールドは説明した。この方式はスパース監視制御と呼ばれる。
  4. 開発はDARPA国防高等研究プロジェクト庁が当たり、主契約企業はレイドス、建造はヴィガー造船所(オレゴン州ポートランド)が行った。特殊用途の小舟艇の建造が得意な施設だ。
  5. ACTUVは1月に進水し、シーハンターの名称がつきポートランドで公試を行っていたが、本日正式に就役し、今後サンディエゴへ回航されDARPAと海軍研究所(ONR)が二年間かけて構想の有効性とともに各種センサーを試す。
  6. シーハンターは燃料40トンを搭載する。これまでの公試での最高速度は27ノットだったとリトルフィールドは述べているが、海上の状態や燃料の残量で速度は変わる。想定する運用上の海面状況はわずかな波高の第五段階から六段階で波は最高半フィートで風速21ノットとしているが、第七段階(荒天かつ波高20フィート)でも生き残れる。
  7. 船体には複合材が多用され形状はポリネシアの戦闘カヌーのように長細く、両弦に平行してついたフロートが船体を支える。
The Sea Hunter was launched by crane at Vigor Shipyards,シーハンターはクレーンによりオレゴン州ポートランドのヴィガー造船所で2016年1月に進水した。(Photo: DARPA)
  1. シーハンターは武器を搭載せずセンサーで潜水艦を探知追跡する。沿海戦闘艦LCSとの共同運用する構想でLCSのASW装備の一部となるとリトルフィールドは説明。
  2. 試験期間中は取り外し式の乗員操作部をに一名が乗り込み、「安全とバックアップ支援にあたる」とリトルフィールドは説明した。「信頼性の問題が証明されるまで継続して待機する」
  3. DARPA事業としてシーハンターも海軍の作戦用艦艇の試作型の位置づけではないが、そうなる可能性はある。リトルフィールドも「経済的で大量に調達できるものを作る」のが目標だという。
  4. 一号目ということでシーハンターはやや高めの価格がついている。「建造費は22百万ドルから23百万ドルの間になりそうです。量産化すれば20百万ドルになるでしょう。安くはないですが、有人艦艇よりは低価格になります」とリトルフィールドは述べている。一日当たりの運用コストは15千ドルから20千ドルだという。
  5. ただしこのコストには事業経費としての技術開発、設計、ソフトウェア関連は含まれていない。■
A small, removable pilot house is fitted on the Sea小型取り外し可能な操作員用の収納スペースがシーハンターに搭載され海上公試に臨む。(Photo: DARPA)



2016年4月8日金曜日

米海軍がイエメン向け大量の兵器を洋上で押収しています


おそらく洋上で搬入を阻止された火器類は氷山の一角でイランが中東の戦乱に相当の役割を果たしていることが推察されます。オバマ政権が末期にイラン、キューバと連続してこれまでの政策を変更していますが、こんな事態が普通にあるのであればイランについてはその真意を疑わざるを得ませんね
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U.S. Navy Seizes Suspected Iranian Arms Shipment Bound for Yemen

By: Sam LaGrone
April 4, 2016 10:50 AM • Updated: April 4, 2016 11:41 AM

A cache of weapons is assembled on the deck of the guided-missile destroyer USS Gravely (DDG 107). The weapons were seized from a stateless dhow which was intercepted by the Coastal Patrol ship USS Sirocco (PC 6) on March 28. US Navy Photo
押収した武器の山が誘導ミサイル駆逐艦USSグレイヴリー(DDG-107)艦内に集められた。火器類は国籍のないダウ船にあり、沿岸警備艇USSシロッコ(PC-6)が3月28日に押収したもの。 US Navy Photo

米海軍艦艇二隻が貨物船を拿捕し、不法に運び込もうとしていた武器をペルシア湾で押収した。貨物船はイエメンのフーシ戦闘員への補給を狙っていたと海軍が4月4日に発表した。

  1. 国籍のないダウ輸送船はサイクロン級哨戒艇USSシロッコ(PC-6)が3月28日に停船させ、臨検隊がAK-47自動小銃1,500丁、RPG発射機200丁、50口径機関銃21丁を船倉で見つけており、イランを出港したと見られた。
200 RPG launchers as part of the seizure. US Navy Photo
押収した武器類にはRPG発射機200丁もあった US Navy Photo

  1. シロッコは応援を求め誘導ミサイル駆逐艦USSグレイヴリー (DDG-107) が拿捕と武器押収を行ったと第五艦隊は発表。
  2. 「今回の拿捕はイランから出発し不法に武器類を搬入しようとする一連の流れの最新事例」と米海軍は発表している。「武器類は米国管理下にあり、最終処分方針を待つ状態だ。輸送船と乗員は武器押収の直後に帰港を許された」
USS Sirocco (PC 6) assigned to Commander, Task Force (CTF) 55 during a bilateral exercise with the Iraqi Navy. US Navy Photo
USS シロッコ(PC-6) US Navy Photo

  1. ペルシア湾では有志連合軍による同様の武器押収が続いている。「オーストラリア海軍のHMASダーウィンが2月27日に海上でAK-47およそ2千丁、ロケット推進手りゅう弾発射機100丁、PKM汎用機関銃49丁、PKM予備弾倉39個、60ミリ迫撃砲砲身20丁を押収している」と海軍は発表。
  2. 「3月20日にはフランス海軍の駆逐艦FSプロヴァンスがAK-47を2千丁、狙撃ライフル64丁、対戦車ミサイル9本他を押収した」
  3. シロッコは前方配備としてバーレーンから運用しており、グレイヴリーはハリー・S・トルーマン空母打撃群に所属。■

純増に転じた世界の国防支出傾向、世界はどちらへ向かうのか 



Global Military Spending Grows For First Time Since 2011

Aaron Mehta, Defense News6:19 p.m. EDT April 4, 2016
WASHINGTON — 2015年の世界全体の軍事支出は1.6兆ドル超と、前年よりおよそ1パーセント増加したとストックホルム国際平和研究所 (SIPRI)が明らかにした。
  1. 2011年以来初めて増加に転じたことになる。とくに目立つのがアジアとオセアニア、中欧東欧や一部湾岸諸国。米国では逆に減少したもののペースは前年よりゆるやかになっている。
  2. SIPRIは年次報告で世界規模の軍事支出を追っている。発表と同時にSIPRIはワシントンDCのスティムソンセンターでセミナーを開催し記者はパネリストとして出席している。
  3. SIPRIは「軍事支出」の定義として各国軍部向けの支出活動に平和維持活動や国防関係の中央省庁等の費用に加え訓練や装備調達、さらに軍事関連の宇宙活動も含めている。
  4. 最大の軍事支出国は米国で5,960億ドルで中国が2,150億ドルなのでほぼ三倍の規模だ。ただし、この米国の数字は2014年より2.4パーセント縮小している。
  5. サウジアラビア(872億ドル)がロシア(664億ドル)を追い越し三位になった。この原因にルーブル安があるという。同様にユーロ安で英国(555億ドル)とフランス(509億ドル)はそれぞれ5位、7位になった。
  6. レポートでは原油価格の下落が国防支出に与える影響を取り上げ、「唐突な国防支出削減」がアンゴラ、チャド、エクアドル、カザフスタン、オマーン、南スーダン、ヴェネズエラの各国で発生したと述べている。財政が原油輸出に依存しているロシアやサウジアラビアはその流れに逆らっているが、2016年には支出減に向かうとレポートは予想している。
  7. 地域別では、アジアオセアニアが5.4パーセント増の4,380億ドルでこのうち49パーセントが中国だ。中国の軍事支出はインドの四倍を上回り、2006年との比較で64パーセント拡大した域内の軍事支出増大傾向で先頭に立っている。
  8. ヨーロッパ全体の軍事支出は1.7パーセント増の3,280億ドルで東欧の伸びが大きい。ロシアやロシアのウクライナ領併合で動揺した各国がここに入る。東欧に限れば2006年との比較では90パーセントも増えている。
  9. ラテンアメリカやカリブ海各国の軍事支出は2015年は2.9パーセント減で670億ドルになったが、アフリカも5.3パーセント減の370億ドルになった。ただし中東については個別データ公表を差し控えた。「2015年分のデータが入手できない」ためだという。■


2016年4月7日木曜日

★★CH-47チヌークは2060年代まで現役で活躍する



もちろん同じ機体が100年間飛行できるわけではありませんが、基本設計が100年間有効というのは驚くべきことで、昔は想像もつかなかったことですね。同様にC-130も一世紀にわたる機体になるのでしょうか。100年とはいかなくても50年以上同一機体が運用される事例もこれから増えるでしょう。
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Army Chinook Helicopter to Fly for 100 Years


KRIS OSBORN
03/10/2016

CH-47チヌークは改良を重ね2060年代まで供用される見込み。

  1. 米陸軍はヴィエトナム時代から稼働してきたCH-47チヌーク輸送ヘリコプターを100年間にわたり供用する。各種の改装で性能は向上し、機体重量、エイビオニクス、貨物取り扱いで改良が目立つ。陸軍が同機を2060年まで使うと供用期間は100年を超える。
  2. 最新型のチヌークFは技術進歩の成果を取りこみ、糧食、兵員、補給品をアフガニスタンの高地で運搬している。
  3. 最高速度は170ノット、航続半径400カイリで最高18,000フィートまで上昇できる。高高度性能はアフガニスタン山地での運用で頼りにされている。全長52フィートで離陸最大重量は50千ポンドで26千ポンドの貨物を搭載できる。さらに機関銃三丁を搭載できる。
  4. F型はさらに改良を受けており、デジタルコックピットは共通エイビオニクスアーキテクチャシステム(CAAS)と呼ばれ、パイロットと機体のインターフェースで大幅な改善がみられる。また搭載コンピュータの性能が上がり乗員は正しい判断を迅速に行えるようになった。
  5. 米陸軍はF型を2018年までに440機整備する。F型は2020年にブロック2改装で高高度高温環境すなわち高度6,000フィート華氏95度での機体操縦性を高める。
  6. ブロック2では最大離陸重量を54千ポンドに引き上げ、新型共用軽量戦術車両 Joint Light Tactical Vehicle を機体下につりさげて運搬できるようになる。これにより陸軍は車両他の装備を戦術的に効果的な形で地上走行させずに展開できるようになる。これはアフガニスタンのような地上インフラが未整備の地では有効策となる。

  1. ブロック2ではエンジンはハネウェルT55-715が搭載され出力が2割増えるとAviation Weekが伝えている。また新設計のローターに複合材を使い、4千ポンドの揚力追加を狙う。.
  2. そのほかの特徴として貨物搭載積み下ろしシステムCOOLSがあり、機内の床面にローラーを配置し、貨物をペレット単位で移動させる。これにより機体の防御性能が高まるという副次効果も期待できる。
  3. この他F型では自動操縦機能もあり、パイロットが負傷しても飛行を続け、障害物を回避できる。
  4. 機体構成の見直しでこれまでのリベット多数が不要となった。機体構造の見直しでMH-47G(特殊作戦用機材)で採用した機首と後部構造をF型に流用するという。
  5. この他、小型携帯型の診断装置を導入し、整備が必要な個所を事前に示し、故障を予防すると陸軍は発表している。
  6. ATIRCMつまり高性能赤外線脅威対策を軽量化したのがCIRCMで、ハイテクのレーザージャマーで誘導ミサイルを回避することがミサイルの軌跡を赤外線で探知することで可能になる。複数バンドの熱レーザーをミサイルに放射して軌跡を変えるのだ。ATIRCMはイラク、アフガニスタンで投入中のヘリコプターにはすでに搭載されており、CIRCMはその後継装備として重量が軽減されており、今後多数の機体に導入されるだろう。
  1. その他として有用性が戦場で証明済みの防御装備が供用ミサイル警戒システムCMWSがあり、紫外線センサーで接近してくる攻撃を感知してからフレアを放出し、ミサイルの飛行経路を狂わす。
  2. さらに小火器探知システムが長年かけて整備されており、機体に向けられる敵の小火器銃撃の発射地点を割り出し、機体乗員を守る仕組みができている。■


★海軍向けオスプレイCMV-22Bの開発がスタート



海軍版のオスプレイですが、文中にある複数年度契約で調達実績に空白ができる云々のくだりはよくわかりませんが、長年続いたグラマンの海軍向け機材の伝統もこれで空白期間が生まれることになりますね。
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NAVAIR Awards Bell-Boeing $151 Million To Begin Navy-Variant V-22 Design

By: Megan Eckstein
April 1, 2016 12:36 PMUpdated: April 1, 2016 5:20 PM
A Marine MV-22 on USS George Washington (CVN-73) in support of Operation Damayan on Nov. 18, 2013. US Navy Photo
海兵隊のMV-22がUSSジョージ・ワシントン(CVN-73)に着艦し、大型台風の被害を受けたフィリピンの災害支援作戦Operation Damayanの支援にあたった。2013年11月18日。 US Navy Photo
米海軍航空システムズ本部NAVAIRはベル=ボーイング共同事業体に151百万ドルで海軍用V-22オスプレイの初期技術開発作業を実施する契約を交付した。海軍は同機を空母輸送機(COD)として使用する。

  1. 今回の契約でベル=ボーイングは飛行距離の延長と高周波見通し線外通信、機内通報装置を原型MV-22に加える。海軍は今年二月に海軍版はCMV-22と呼称すると発表していた。空軍には多用途・特殊軍団向けCV-22があり、海兵隊用のMV-22を合わせた呼称になっている。
  2. 2016年度の予算手当は短期開発の開始部分に相当し、2018年度に一号機の調達を2018年に目指し、2020年度に引き渡し開始を想定する。海軍は44機を調達する。
  3. 海軍長官レイ・メイバスは上院軍事委員会公聴会で海兵隊向けMV-22調達が減少する一方でCOD後継機は加速し、オスプレイの複数年度調達予算の一部に経費を盛り込めると説明。海兵隊は2017年度はオスプレイの発注はしていなかったが議会の予算合意で国防費が抑制されたため2機を追加する動きを示している。
  4. 公聴会の席上でジャック・リード上院議員(民、ロードアイランド)から海兵隊調達の海軍のCMV-22B調達の間に空白が生まれるのは複数年度調達契約の違反になるとの指摘があった。これに対しメイバス長官は「複数年度事業を中断するのは本意ではない」と回答した。しかしリード議員の広報担当はUSNI Newsに対し「提出通りの予算を承認すれば複数年度契約の不履行となり、リード上院議員は引き続き状況を監視していく」と伝えてきた。
A C-2A Greyhound assigned to the Rawhides of Fleet Logistics Support Squadron (VRC) 40 launches from the flight deck of the aircraft carrier USS Dwight D. Eisenhower (CVN 69) on Jan. 31, 2016. US Navy photo.
C-2Aグレイハウンド(所属VRC-40艦隊第40兵站支援航空隊ローハイズ)がUSSドワイト・D・アイゼンハワー’CVN-69)から発艦している。2016年1月31日。 US Navy photo.

  1. CMV-22Bが交代するのはノースロップ・グラマンC-2Aグレイハウンド・ターボプロップ機で、海軍は1965年から同機を使用しており、1984年に追加発注している。グレイハウンドは陸上基地に配備され、空母航空隊の一部ではないが、人員・郵便物・貨物を陸上基地から空母へシャトル輸送するのが任務。ヘリコプターが空母から他艦へ貨物を配送する。オスプレイの場合は陸上基地、空母に加え海軍海上輸送本部が運用する補給艦、駆逐艦、揚陸艦他にも離発着できるので高い効率性を発揮するだろう。
  2. 海軍はCMV-22Bをどう運用するのか発表していないが、そもそもの任務を「緊急長距離輸送を実現し、人員・郵便物・重要貨物を前進基地から海上基地に補給する」と想定していることからグレイハウンドで実施してきたハブアンドスポーク方式以外の輸送補給任務も想定していると思われる。■


2016年4月6日水曜日

人体強化兵士、人工知能兵器の可能性について国防副長官の見解は....


 
この話題は以前からお伝えしていますが、背景には西側とは異なる倫理観を持つロシア、中国が人体改造を行っているのではとの危惧があるのでしょうね。それとは別に文中で指摘されているような生物兵器による食糧生産の妨害や水資源の汚染という現実的な課題もあるのでしょう。遺伝子操作とまでいかなくてもエクソスケルトンのような補装具が現実のものとなっている今、軍の兵力が人体の限界から解放される日が近づいているのかもしれません。一方でAIの進展が今後の戦場をどう変えるのかが注目されます。
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By COLIN CLARK on March 30, 2016 at 5:37 PM

Terminator army Credit: Warner Bros.Terminator army Credit: Warner Bros.
WASHINGTON: 米軍上層部は遺伝子操作による人体強化および人工知能を備えたマシンの二つが一番悩ましい政策内容だと認めている。
  1. 国防副長官ボブ・ワークはこの問題を把握しており、米国は人工知能兵器やその他自動化装備による殺傷は認めないと語っている。ただし人体の遺伝子操作を米軍が実施するかについては言葉を濁し、「実施すれば物議をかもすだろう」とだけ述べた。
  2. ワシントンポストの人気コラムニスト、デイヴィッド・イグナシウスから敵がロボットに強力な威力を与えることを躊躇しないとしたら米国はどう対抗するのかと聞かれたワーク副長官は「人体機能支援」と「人体機能強化」の違いを説明することであいまいな答えに終始した。前者はコンピュータやセンサーで人体機能を引き上げること、後者は遺伝子改良された人体のことだという。「今のところ、人体機能支援の範囲で考えている」とワークは答えた。
  3. DARPAの案件をチェックすれば、生物工学部などで最先端のプロジェクトがあり、改良型人体につながる要素が見えてくるはずだ。
  4. たとえばDARPAによる複雑環境下での生体頑強度実現 Biological Robustness in Complex Settings (BRICS) 研究の主眼は以下の通りとしている。
  5. 「各種技術と技法を開発し、遺伝物質の迅速な処理、合成、操作を行うことで、合成生物学の熟成化加速に成功した。合成生物学の応用分野にはオンデマンドによる新薬、燃料、表面塗装剤で生物学的生産を行い、微生物レベルの操作でヒトの健康維持、疾病の予防あるいは治療を可能にすることが考えられる
  6. 「もし上述の応用が実現すれば、生体上の頑健度や工学操作した生体の安定度が実現する一方で生体の安全の維持向上につながる。本事業は技術開発を促進し、工学操作した生命体の安全な応用での前提条件を形成することであるが、国防総省が関心を有する全領域での応用が必要で、まずは実験室の制御された条件において成立させる」
  7. 遺伝子工学が浮上してきたのは米国にとって生物兵器が最上位の脅威になっているからだろう (国内の農業生産が目標となるのか、国民あるいは水資源が狙われる可能性がある) 敵のこのような攻撃に対して人員を防護するためには反作用薬や遺伝子強化を組み込んだ特効薬の素早い生産が必要になる。
  8. もちろん補装具を開発すれば今以上の体力や耐久力、スピードを有するヒトを遺伝子操作がなくても実現できる。
  9. ワーク副長官の発言のに先立ち統合参謀本部副議長ポール・セルヴァ大将は映画ターミネーター問題 the Terminator Conundrumと発言している。
  10. 記者はセルヴァ大将にこの問題を1月に尋ねており、本人はこう言っていた。
  11. 「どこで一線を超えるのか、だれがまず一線を超えるのか」とセルヴァ大将は人体へのマイクロエレクトロニクス埋込みの可能性について述べている。「人体改造はどの時点で許されるか。まただれがこれを一番早く実施するのか。これは本当に困難な倫理上の問題だ」と国際的な議論が必要だとし、本人は明らかにジュネーブ条約の改正あるいは追加または全く新しい国際合意の形成を考えていた。
  12. ボブ・ワーク副長官はそんな議論を歓迎しそうだ。■

2016年4月5日火曜日

★★F-22生産再開? 第六世代機開発より費用対効果が高いという説明は本当か



言うのは簡単ですが、いったん閉鎖した生産ラインの再開は大変でしょうね。しかし、これが可能なら本当はF-22が欲しかった日本もF-35を買わなくてもよかったはずで、これまでの議論と投資は何だったのかということになりかねません。したがってこの案が陽の目を見ることはないと思いますが、あらためてF-35だけでは効果のある作戦は実施できないことを各方面は認識すべきでしょう。メーカーのロッキードとしてはF-22に相当の自信を持っているということでしょうね。それにしても米国の読者は熱い、かつ厚い(マニアじゃなく専門家が真剣に反応しています)ですね。
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Here’s why the U.S. should restart the F-22 Raptor production line instead of developing a sixth generation fighter



少し手を入れればF-22ラプターは将来の敵戦闘機にも優位性を維持できる。
  1. 第六世代戦闘機の開発を米空軍の最優先事項にしていいのか。ロッキード・マーティンの伝説的なスカンクワークスを率いるロブ・ワイスにいわせればF-22およびF-35を定期改修していけば米側は中国やロシアの第五世代機へ優位を維持できる。
  2. ワイスはDefenseOne.com で現有の米第五世代機は敵側が開発中の機材へも十分優位だとし、F-22やF-35の後継機種は今すぐ必要ないとする。「これまで10年近く解析を続けてきましたが、明らかに第五世代機のF-22およびF-35の性能は優勢で第四世代機よりはるかに性能が高い。新型機を開発するよりもF-22、F-35の近代化を続ける方が効果的です」
  3. ペンタゴンは新型機を開発する代わり「真の意味で画期的な技術や性能の実現」に資金投入し第六世代機に搭載すればよい。第六世代機の開発は10年後に開始しても十分間に合うというのがワイスの意見だ。
  4. ただし米空軍はすでに究極の将来型戦闘機の調達に乗り出しており、ラプター後継機としていわゆる次世代航空優勢戦闘機 Next Generation Air Dominance (NGAD) 構想を打ち出している。
  5. だが新型戦闘機開発に20年以上かかることを考えると、F-22生産ライン再開のほうが費用対効果で優れる。
  6. ラプターを追加調達すればJSFもよりよく性能を発揮できるはずだ。米空軍もF-22のような航空優勢を確実にする戦闘機の支援があってこそF-35が適切に運用できると認めている。
  7. さらにラプター生産の再開で同機の弱点を解消できる。
  8. たとえば推力偏向(TV)機能は必ずしも必要ではない。実施すればステルス性で悪影響が出るからで、敵機撃墜を沈黙のまま実施する設定の同機には不要だ。また有視界距離での交戦ではTVを使って敵機を撃墜しようとすればラプターの運動エネルギーが喪失し脆弱性が増してしまう。
  9. 現在のF-22にヘルメット装着ディスプレイ(HMD)は採用されていないが、AIM-9Xミサイルと併用すればF-22は強力なドッグファイター機になる。HMDでパイロットは同ミサイルの全方位発射性能を活用できる。
  10. F-22の弱点を補強し、生産を再開すれば米空軍に最良の選択だとジェイミー・ハンター(Combat Aircraft Monthly編集長)も同誌の2015年12月号で述べている。ラプターをより強力に仕上げ、生産再開すれば最高の戦闘機になるという。実施すれば初期段階の費用超過と生産遅延の悪影響を回避し、必要な性能を迅速に実現できるとする。■

以下オリジナル記事への読者のコメント(抜粋)
  • F-22の生産再開と改修は良い案に聞こえるが、空軍は実施に向かわないだろう。
  • 同盟国に売却できるね、オーストラリアとカナダが筆頭かな。両国ともF-35じゃなくてF-22が必要だからね。F-35は無理やり買わされた格好だしね。オランダやデンマークもF-16後継機種として本当はF-35じゃなくてF-22が欲しかったんじゃないかな。日本もF-22が欲しくてたまらずついに同機のクローンを作っちゃたね。
  • USAFはF-Xが本命でF-22生産再開は考えないだろうが、大型案件がみんな遅れる傾向があるのでF-Xも予定通りの期日と予算での開発は無理だろうな。
  • たった5分間リサーチすればこの案が実現性ゼロでよくない内容だとわかるはず
  • F-22Aはステルス技術では旧式になっており、エンジン技術やエイビオニクスでも同様だ。(1980年代の技術) 空力性能は優秀だが、強力なVHFレーダーが出現してきたので、不利になりかねない。生産再開のコストと新型機開発費用を比較検証する必要があろう。
  • 比較の必要はない。F-22は当面の間は開発中の機種に対しても優勢を保つ。機体は古くなっても、米軍では最新機種としてあと10年は第一線に配備できる。F-15は40年運用し、スホイやミグ28は30年稼働している。:
F-22で何が問題なのか考えてみたら次の点に絞れた。
1. F-22の性能で誤解がある
2.同機のコストで誤解があるのはJSF支持勢力や報道機関が刷り込んだもの
3..酸素供給問題の真実が無視されており、改修後は全く事故が発生していないことに目をつむっている
4..第四世代機と交信ができないことを報道が取り上げ、問題だとしているが、実は第四世代機にステルス通信能力が欠如しているのであり、F-22の欠陥だと誤って伝わっている。
5. F-22改修で期待できる内容も全くの誤解があり、ステルス型妄評捕捉ポッドを追加搭載してもF-35含むいかなる機体より小さなレーダー断面積となる。
  • 優れた記事だが防衛産業各社はロビー活動で新型戦闘機の予算を確保してしまうのではないか。軍産複合体はしぶとい。
  • 生産再開の場合も新規生産開始と同じ程度の費用がかかる。90年代当時の生産技術はすでに追い越されており、かつ今や利用不可能だろう。
  • だからこそ生産終了の決断がまずかったのだ。-22も改修を前提に設計しえちたはずで、今のような小規模の配備では改修は高費用になってしまう。そこで生産ラインでその内容を盛り込めば一足飛びに有利になれる。またF-35で投入した技術を共有できるはずだ。
  • 日本や英国のような信頼できる同盟国限定で販売すればF-22の生産コストはほどほどの水準になり、米国も十分な機数のF-22を調達すれば防衛が安心になる。
  • F-22ファンには申し訳ないが、同機は米軍にはひどい機材だ。誤解ないようにお願いしたいが、同機は優れた選択肢だ。大きな問題はUSAFは同機にかかりきりになり、結果としてUSNとは別の道を歩んでしまい、米海軍には空母搭載用の航空優勢戦闘機を調達する予算もない。海軍には空母運用を想定して低速度で高性能を発揮できる機材が必要だがUSAFはこれは不要だ。ステルス機の問題は機材の改良発展ができないことで、F-15やF/A-18では機能の追加改良が進んでいる。F-22やF-35の機体に追加装備すればステルス性が犠牲になる。そのため価格超過で運用頻度が低くなる機体を途中でキャンセルしたのは正しい選択だが生産前に取り消しておくべきだった。その分の予算はF-15Eに回しておけばよかった。
  • 記事の出展は同機のメーカーからだろう。軍産複合体の典型だ。
  • F-22とF-35は合わせて2兆ドルほどの費用を食いつぶすぞ。同じ愚者が第六世代機を作るって、冗談はやめてくれ
  • 申し訳ないがUSAはF-22もF-35もこれ以上負担する余裕がないんだよ。どれだけ高給取りの雇用が生まれようが関係ない、F-35の実戦性能もF-22を小規模戦闘に投入するなんて無駄もいいところだ。F-22もタイフーンも冷戦時代の産物で各国空軍が見栄で導入しているに過ぎない。真の働き手はF-15、F-16,F-18でありMig-29、Su-27などだ。
  • F-35の開発が難航しているのでF-22を再度引っ張ってくるしかないだろう。時間の問題でしょう。
  • 75機のF-22追加生産は170億ドルになるはずだが第六世代機を開発すれば200億ドルでは済まない。
  • 75機追加生産で170億ドルですか....でも費用は輸出仕様をオーストラリアや日本へ売れば埋められるのでは。新規生産のF-22には最新のソフトウェアやMMDS、AIM-9Xを搭載し四五年あれば実現するのでは。第六世代機がいくら必要になるかわかりませんが、開発費用だけでF-22の290億ドルを超えるのは確実でしょう。さらに作戦に有効かを比較すれば、一方はすでに完成した機体ですが、他方はまだパワーポイントのプレゼンでしょう。
  • 議論の推移には関心がありますが、反対論は当初の生産終了都と同程度の益のない考えでしょう。この初期決定のため再開すれば190億ドルになってしまうのですよ。