2017年9月26日火曜日

ロッキードの最新レーザー兵器アテナに注目


ロッキードは神話がお好きなようですね、イージスの次はアテナですか(英語発音ではシーになるのですかねそれは良いとしてレーザー兵器の開発が加速化してきたようです。特にドローン対策としてまず実用化されそうですね。

Lockheed’s ATHENA Laser Brings Down Drones

ロッキードのアテナレーザーが無人機連続撃墜に成功


(An Outlaw drone falls out of the sky after ATHENA's laser blast. Photo courtesy of Lockheed Martin).
POSTED BY: ORIANA PAWLYK SEPTEMBER 21, 2017

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  1. 米軍がレーザー兵器開発に動いている。ロッキード・マーティンの最新の装備である高性能テスト高密度エネルギー装備Advanced Test High Energy Asset、略称アテナATHENAはまもなく実用化となるはずだ。
  2. 世界最大の防衛企業である同社は試作型のテストをし、アウトロー無人機(全長10.8フィート)5機を米陸軍のホワイトサンズミサイル試射場(ニューメキシコ)で撃墜した。同社が発表した。
  3. 公表されたビデオ画像ではアウトロー無人機が一機また一機と墜落する様子がわかる。発射したのはファイバーレーザーで高性能ビーム制御技術を使っている。
  4. 「ホワイトサンズでのテストで当社の装備の威力を実証できました。静止目標で示した威力を再度発揮しました」とキィオーキ・ジャクソン(同社の最高技術責任者)が述べている。「技術を成熟化させつつあり、システム全体の効率を高めるのが目標でレーザー兵器として完成に近づいていますが効果的な防御策として長距離で高性能脅威に対応できるようになります」と同社広報資料で述べている。
  5. 同社は米陸軍の宇宙ミサイル防衛軍団と共同でアテナ(ギリシア神話で戦争の女神でもある)の開発を進めている。
  6. 同兵器はロッキードが全額自社費用で開発しており、同社の30キロワット高性能レーザー実証事業 (ALADIN)を利用して、「効率と威力が向上し、これまでより高い出力レベルが実現します」と同社は述べている。装備には小型ターボ発電機(ロールズロイス製)も使っている。
  7. 軍はミッション事後評価を行うと追加している。収集データを使い「さらにシステムを向上させ、モデル予測精度を引き上げ、将来のレーザーシステム開発に役立てる」と同社発表資料にある。■

ビデオは次のリンクからどうぞ

フィッツジェラルド修理の工期は1年超、マケインはやや短期で完了か

あれあれ修理費用を米海軍が工面するということは事故は民間側の過失はなかったと判断しているのでしょうか。一方でお伝えしているようなサイバーテロの可能性もあり別途海軍が慎重に調査しているそうですが、イージス艦のローテーションも当面大変になり色々これから疲労が増えそうな気配ですね。

USS Fitzgerald Repair Will Take More Than a Year; USS John S. McCain Fix Could Be Shorter

USSフィッツジェラルドの修理工期は1年超、USSジョン・S・マケイン修理はそれより短くて完了か

USS フィッツジェラルド (DDG-62) が横須賀艦隊拠点基地(FLEACT)4番乾ドックに入っていた。July 11, 2017. US Navy Photo

 By: Sam LaGrone
September 20, 2017 5:48 PM • Updated: September 21, 2017 7:16 AM
THE PENTAGON – 損傷を受けた誘導ミサイル駆逐艦USSフィッツジェラルド(DDG-62) の修理には一年以上の工期となるが、USSジョン・S・マケイン (DDG-56) はそこまでかからない見込みと海軍長官リチャード・V・スペンサーRichard V. Spencer が発表した。
  1. スペンサー長官は報道陣を前に両艦の修理は高い優先事項で合わせて17名が商船との衝突で失われていると指摘。
  2. 「フィッツジェラルドは一年以上かかる。マケインの調査結果は出ていないが、もっと早く修理できるとよいと思う。同艦の場合は戦闘システムが損傷をうけていないからだ」「いうまでもなくマケインとフィッツはなるべく早く復帰させたい」
  3. 両艦は前方配備戦力として日本に駆逐艦戦隊15の一部となっていた。7隻で構成する同戦隊DESRONはレーガン空母打撃群の支援に加え弾道ミサイル防衛の一部として米国の同盟国や域内の装備を守っている。
  4. スペンサー長官の示した工期見積もりは上院軍事委員会委員長ジョン・マケイン(共、アリゾナ)が修理費用は合計6億ドルとの見解を示した翌日のものだ。海軍関係者もUSNI Newsの初期見積もりを確認したが両艦の詳細調査により金額は前後するという。
  5. 海軍筋はUSNI NewsにACXクリスタルと日本沖で6月17日に衝突したフィッツジェラルドの修理費用は容易に500百万ドルを突破すると述べていた。
  6. フィッツジェラルドは重量運搬船で搬送しハンティントン・インガルス工業のガルフコースト造船所で修理を受ける。
  7. 海軍が損傷した同艦の戦闘システムをベイスライン9標準に引き上げBMDミッションと対空対巡航ミサイル防衛を同時に実行する能力を付与する予定なのかまだ不明だ。
  8. フィッツジェラルドの就役は1995年で2019会計年度に中間リフレッシュ工事を艦体、機械エンジニアリング系に行う予定だったがベイスライン9改修は予定がなかったとUSNI Newsが入手した誘導ミサイル駆逐艦近代化改修工事予定一覧からわかる。
  9. 8月にUSNI Newsが請求した修理工事の追加情報は海軍海洋システムズ本部に提出したが返答がない。
  10. 他方、マケインは横須賀海軍基地に向けシンガポールから移動の予定で日本で追加修理評価を受けてから海軍は同艦の修理場所を決める。
  11. スペンサー長官によれば修理費用の捻出方法はまだ決まっていないという。
  12. 「予算の想定外の出費のため議会にかけあわなくてはならないだろう」(スペンサー長官)■

2017年9月24日日曜日

★AC-130Jは究極のガンシップになる、だがまだ実戦投入できず



AFSOCは対テロ戦にずっと従事して16年間戦っているわけですか。米国にとって最長の戦いになっていますね。空軍の中に陸軍があるようなものなのでしょうか。すごいです。レーザーが果たしてうたい文句通りの効果を発揮するのかシリア等で実証する役目もありますね。



The U.S. Air Force's 'Ultimate Battle Plane' Is Nearly Ready for Combat

米空軍の「究極の戦闘航空機」は戦闘投入まであと一歩


September 22, 2017


  1. 米空軍のAC-130Jゴーストライダーは次世代ガンシップで「究極の戦闘航空機」とか「銃搭載の爆弾トラック」とも呼ばれ9月末には何も知らない地上の敵に一斉射撃の雨を降らせるよういなると米空軍特殊作戦軍団AFSOCが9月19日に発表している。
  2. 「IOC初期作戦能力獲得を今月AC-Jでおこなう」とマーシャル・ウェッブ中将Lt. Gen Marshall Webbが空軍協会の年次カンファレンスで報道陣に発表している。「これは完全装備のガンシップだ」
  3. 改装を受けたC-130JはAC-130Hスペクターの後継機として発注されていた強力な近接航空支援機材で30mm GAU-23/A自動機関砲x1および精密誘導弾薬としてGBU-39小口径爆弾、AGM-176グリフィンミサイルを搭載する。兵装システムを制御するのが精密攻撃パッケージPrecision Strike Package (PSP)でAC-130WスティンガーIIで2009年から運用テストをしていたものでGPS誘導機能や新型火器管制インターフェースがあるとMilitary.comが伝えている。
  4. だが何と言ってもゴーストライダーの最大の特徴は105mm M102榴弾砲の威力で毎分10発の50ポンド弾を恐るべき正確さで発射する。105ミリ砲の追加装備はAFSOC内部の議論を経て2015年1月に確認されたゴーストライダーの追加装備は次世代空中戦艦の必要装備とされた。
  5. ただAFSOCの予定通りとなれば105mm砲はゴーストライダーの最大の武器にはならない。AFSOCは2017年4月時点で指向性エネルギー・レーザーシステムで敵の電子装備を破壊し重要インフラを使用不能にする技術開発を進めていた。「爆発を発生せず、また機体のエンジン音を聞くまでもなく、敵の標的は使用不能となります」とウェッブ中将はNational Defense 誌にCAS任務でのレーザー兵器の可能性について語っている。「敵は通信手段を失い、脱出用車両も使えず、電力も失い、報復手段もなくなるのです」
  6. ゴーストライダーは現時点で10機あり空軍は2021年度までに全37機体制にすべくロッキードに発注中だ。だがIOCを取得したものの同機はまだ数年は実戦投入されず、最短で2025年にならないと完全な作戦能力を獲得しない。
  7. ではなぜゴーストライダーを現時点で投入しないのか。ウェッブ中将は訓練の遅れが特殊作戦への需要の高まりと高い作戦テンポで発生しているとアフガニスタン、イラク、シリアを念頭に発言している。だが作戦テンポは今後さらに高くなりそうだ。ウェッブ中将が報道陣にかたったことによればAFSOC部隊の配備実績はDoDがこれまで経験したことのない水準にあり、14,461名の隊員の中には10回以上実戦に投入されているものもいるとAir Force Timesが伝えている。
  8. 「課題はいかに現在の戦況で戦うかで、アフガニスタン、イラク、シリアにはガンシップも派遣しており、一部機材を新たなウェポンシステムに転換もしている」とウェッブ中将は9月19日に報道陣に語っている。「他の部隊のようなぜいたくな環境にはないのが当軍団の実態だ」
  9. ただ時が来ればゴーストライダーは完全に準備が整い本来の性能を発揮し雨のように砲弾を発射しアメリカの敵を打破するはずだ。AFSOCも16年間休むことなく外地で戦闘をつづけているが、ウェッブ中将のひとことが同軍団の姿勢を表している。「われわれはただ待っているわけにはいかない」■
Jared Keller is a senior editor at Task & Purpose and contributing editor at Pacific Standard. Follow Jared Keller on Twitter @JaredBKeller.
This article originally appeared at Task & Purpose. Follow Task & Purpose on Twitter.
Image: U.S. Air Force

2017年9月23日土曜日

米空軍がスコーピオンに関心示す、軽攻撃機実証に続き軽ISR機材になるのか


スコーピオンにやっと出番が来るのか、当初は関心さえ示さなかった米空軍もさすがにここにきて時間当たり運航費用が数千ドルですむ同機の経済性を無視できなくなったのでしょうか。でもあれやこれやと大型化してせっかくの経済性が犠牲になっては元も子もありません。あ、まだ採用されたわけではないので心配は不要ですね。それにしても次世代軽攻撃機の実証結果はいつわかるのでしょうか。ここでもスコーピオンの優勢が期待されますね。

テキストロンのスコーピオン、テスト飛行中 (Darin LaCrone/Textron Airland)

Light ISR: The Air Force’s next experiment?

米空軍は軽量ISR機材の実証も行うのか。

By: Valerie Insinna    7 hours ago

NATIONAL HARBOR, Md. — 米空軍が安価な既存機材を軽量情報収集監視偵察(ISR)機材として空軍が進める軽攻撃機材検討と並行して機能実証の機会を設けるべきかの検討をしていることが分かった。
空軍は軽攻撃機候補四機種の実証を8月にホローマン空軍基地(ニューメキシコ)で行ったばかりだ。この実証ではテキストロンのスコーピオンがマイク・ホームズ大将Gen. Mike Holmes航空戦闘軍団司令官の注目を集めたのはモジュラー機体設計で広範なセンサー装備を搭載できるからだ。
ホームズ大将は同様にISR機能に絞った実証ができないか検討していると述べている。
「機内に相当の格納部分がある機材が多い中でセンサー多数を搭載する余地があるスコーピオンは興味をそそる対象」と9月18日の空軍協会主催年次総会で語っている。
「推力がもう少しあれば冷却能力が増える。この機体をペイロード実験に使えないか提案しており、今後の実験も期待したい」
ただし軽量ISR機の実証実験は正式決定ではないがホームズ大将によれば空軍上層部は既存機材でも航空優勢で心配のない空域を偵察任務をMQ-9リーパーのような機材より低コストで実施できるのかを検討しているのだという。
米空軍がこの実験を実施すると決めれば、他の企業にも参加の扉が開くはずとアーノルド・バンチ中将Lt. Gen. Arnold Bunch(調達部門トップ)は述べている。■

金正恩の除去という可能性について


 

元記事の執筆時期が今年春なのでまだ中国に対する期待にナイーブなところもありますが、ここにきて言葉の応酬がエスカレートしているのは新たな制裁措置特に原油供給のカットが相当北朝鮮に利いているせいと筆者はみています。軍事行動は双方とも制御できなくなる事態が一番怖く、それでも平壌が本当に水爆を太平洋上空で爆発させれば(民間航空は途絶しますね)もう後戻りできなくなります。年末までに何らかの動きが出るかもしれません。

Kim Jong Un: What If America Just Assassinated North Korea's Dangerous Dictator?

金正恩を米国が暗殺したらどうなるか

September 21, 2017

  1. サリンガスの画像がホワイトハウスのシチュエーションルームに現れるやトランプ大統領は国家安全保障会議に翌日までに具体的選択肢の提示を求めた。ジェイムズ・マティス国防長官、安全保障担当補佐官H・R・マクマスターならびに参謀本部議長ジョセフ・ダンフォード大将はその通りに行動した。主要スタッフと数回の会議を経てトランプ大統領は米海軍に59発の巡航ミサイルをアサド政権の空軍基地に発射する命令を出した。そこがガス攻撃の出発地だった。
  2. 同時にNSCは北朝鮮政策で最終修正中だった。作業は数か月にわたり進行していた。シリアの化学兵器攻撃への対応と異なり、トランプ大統領は安全保障関連スタッフにはるかに長い時間を与え、同時に柔軟対応の余地を認めた。政策検討が始まる前にウォールストリートジャーナルは3月に国家安全保障担当副補佐官K・T・マクファーランドが「主流からはずれる発想数案」も含めるよう指示したと伝えている。
  3. 今は通常とは違うその中身は皆が知っている。核兵器の韓国再持ち込みから金正恩および最高位司令官陣の暗殺までだ。「20年間の外交と制裁を行って結局北朝鮮の事業を止められなかった」と検討に加わった情報機関高官がNBCニュースに語っている。構想から見えるトランプ政権のメッセージはこうだ。北朝鮮はあまりにも長く問題でありすぎた。今こそエスタブリッシュメント層をゆすって新代替策を出させる時だ。
  4. 海外指導者の暗殺がアメリカの国家安全保障の政策手段であった時期が存在する。冷戦時代に米国への支持が不足する指導者あるいはソ連と仲の良い指導者は除去対象だった。キューバのフィデル・カストロ、コンゴのパトリス・ルムンバ、ドミニカ共和国のラファエル・トルヒーヨ、グアテマラのジャコボ・アルベンスはみなCIAの殺害リストに載っており、リビアのムアマル・アル-カダフィも国際テロ活動を支援したため頻繁に標的になった。1986年にロナルド・レーガン大統領はカダフィの居住区の空爆許可を与え、本人が住宅内にいることが期待された。だが三か月に及ぶ国家安全保障関連の官僚制への取材でニューヨークタイムズマガジンは「リビア空爆の第一の目標はカダフィ暗殺であった」と結論付けた。
  5. ただし冷戦は終わって25年だ。海外政治指導者の殺害はかつてはテーブル上に選択肢としてあったが、今や人気のない軽蔑対象の手段になり下がった。ジェラルド・フォード大統領時代から米国政策は暗殺の陰謀には加担しない姿勢を維持している。フォード大統領の大統領令が明白にこれを語っている。「米国政府に働くものは何人も政治的暗殺に加担、加担を共謀してならない」 レーガン大統領もその精神を守りさらに拡大したという人もあるが大統領令12333では「米政府に仕える何者も暗殺に加担、加担の共謀をしてはならない」と制限している。
  6. 金正恩並びに北朝鮮指導部の排除につながる政策を模索すると41年間の米政策から大きく離脱することになる。もちろん政策とは変更されてしかるべきであり大統領令や行政令も修正改正は可能だ。さらに米大統領に海外指導者の殺害命令を禁じる法的根拠もない。米国憲法第18条第1116節で米国市民が海外指導者の殺害を企てると訴追対象になるがこれは犯罪が米国内で実行された際あるいは指導者が「我が国以外の国で」標的となった場合の想定だ。もしトランプ大統領に現行の大統領令を改正するつもりがあるのなら、政権が金正恩を堂々と標的にしても刑法の適用は受けないだろう。
  7. だが金本人や北朝鮮の核ミサイル計画を統括する将軍数名を暗殺することが本当に良い政策なのか疑問がある。トップを除去して悪い人物を排除すれば残る悪者全員が震え上がり、行動を変えて突然政府が人権の守護者となり民主政権に変貌すると考えがちだ。以前に経験がある。イラクでの軍事作戦開始の数日前にワシントンが巡航ミサイル数発をサダム・フセインに打ち込むとイラク政治指導層はこれで本格戦は回避できたと信じ込んでいた。その仮定がうまく作用したのかは誰にもわからない。サダムが攻撃を生き延びたからだ。バース党幹部が翌日に連合軍に降伏したのはよかったが、戦争はまだ続いてもおかしくなかった。
  8. 北朝鮮は2003年のイラクと全く状況が異なる。金正恩の権力基盤は強固で自らの地位に危険と感じれば叔父、異母兄弟でも躊躇せず排除してきた。イラク軍の士気は低下し第一湾岸戦争とその後の制裁措置で質的にも低下したが、北朝鮮は核保有国で弾道ミサイルを整備しその水準は韓国に並び今や域内米軍基地も標的に入れている。金正恩を殺害し政権が急変すると考えるのは未実証の発想であり失敗したときの代償は高い。人的情報取集活動でも北朝鮮はブラックホールであり、米情報機関も金正恩の後を引き継ぐ男女(金正恩の妹がいる)がどんな人物なのか予測に困っているほどだ。国家主席を暗殺すれば戦争行為となり、平壌で冷静な考えの人物が報復を叫ぶ一派を抑えておけるのか誰にもわからない。
  9. 金正恩を地下6フィートに追いやる(死んでもらう)ことは国家安全保障会議の作成した選択肢の一つでトランプ大統領に検討のため提出されるはずだ。トランプの国家安全保障関連補佐官の主流の考えから相当外れており大統領には真剣に検討しないよう求めるかもしれない。北京の反応は素早く頑固だろう。日本、韓国とともに北朝鮮には何とか予測可能な形で行動してもらいたいと考えるはずだ。だがソウル、東京はそれぞれトップ数名を暗殺して目的が達成できたと見るのだろうか。
  10. ひとつの期待は政治の力で中国をどこまで米国寄りの協力国にできるかだが高望みは禁物だろう。
Daniel DePetris is a fellow at Defense Priorities.
This first appeared in April.

2017年9月22日金曜日

★「先制戦争」は期待通りの成果は上げられるのか、北朝鮮軍は準備している



湾岸戦争と朝鮮半島では事情が違うので直接比較できないとは思いつつ、一部軍事力の実態を知らない層が簡単に攻撃を口にし始めている一方で各地の戦闘を体験した元第一線の軍人が安易な先制攻撃に反対しているのは興味深い事実ですね。


How North Korea Plans to Survive a U.S. Attack

北朝鮮は米攻撃に耐える準備をしているのか
September 20, 2017


  1. 先週金曜日に国家安全保障担当補佐官H・R・マクマスターが報道陣に対し北朝鮮で「軍事オプションがある」と明らかに他の政府高官と違う発言を自信ありげに漏らしている。今週火曜日午後、国連本部でトランプ大統領はさらに踏み込んだ発言をしており、一定の条件になれば「北朝鮮を完全破壊する」しか選択肢がなくなると発言した。だが大統領・安全保障担当補佐官ともに正しくない。平壌に「先制戦争」(これはマクマスターの造語)をしかければ緊張状態は壊滅的な米国の損失につながる。コスト効果比が高い軍事オプションなど存在せず、アメリカの安全を危険に押しやるだけだ。
  2. いわゆる先制軍事攻撃が成功しないばかりか米国国民や同盟国を危険にさらす可能性があることは軍事専門家以外でも簡単にわかるはずだが、実際はもっと悪い。秘話ふたつと北朝鮮軍事力の評価から「先制」戦のむなしさがわかるはずだ。
  3. 筆者はマクマスターの脇で1991年の砂漠の嵐作戦で戦った。こちらの地上強襲作戦の前に米空軍他同盟軍の機体がクウェートを占領するイラク軍を徹底的に攻撃し、平均すると10時間に一回のペースが42日間続いた。敵戦車が第一目標だった。砂漠のイラク装甲部隊は文字どおり身を隠す場所がなかった。その存在は空からは丸見えで防空体制は存在しなかった。
  4. それでも地上戦で敵軍に接近すると敵戦車他装甲車両の80パーセントは残存していることがわかった。身を隠す場所のない部隊でも空襲を生き残り、しかも空爆はほぼ完ぺきな条件で行ったのだ。まわりに何もない砂漠での話である。
  5. 2011年9月、筆者は米前方作戦基地にいた。アフガニスタン東部のクナル地方でタリバン戦闘員の攻撃にさらされていた。タリバンは山岳地に位置を占めこちらの基地を見下ろしていた。米軍も反撃し重機関銃、105ミリ野砲で30分近く景気よく攻撃したが、敵を黙らせることができなかった。
  6. 最後に米軍戦闘機が山上の敵に爆弾を落とし、大爆発で敵部隊を壊滅させた。険しいアフガニスタンの山地はタリバン戦闘員に米軍の猛攻に耐える条件を与えた。戦闘機が飛来してやっと撃退できたのだ。
  7. ここまでの意味は明白である。もし42日間のミサイル、空爆でも敵装甲部隊を壊滅できず簡単な衣服を身に着けた戦闘員が山地で重火砲の攻撃に耐えられるのなら、北朝鮮の数万門の火砲、移動ミサイル発射機、さらに核ミサイルサイロが隠蔽しており長期間の攻撃にも耐えられるのではないか。
  8. 北朝鮮の独裁者金正恩が米攻撃の報を聞けばどんな反応を示すかは想像に難くない。1991年のサダム・フセインは戦略面で大失敗をした。米軍のミサイルや爆弾が自軍部隊に降り注ぐまで一か月を無駄に過ごしたのだ。金が同じ誤りを繰り返さないのは明らかだろう。代わりに選択肢の一つを実行に移すはずだ。
  9. 金は大量の火砲攻撃をソウルに向けるだろう。これで韓国人数万人が死亡する。だがそこで攻撃を止めて米国が攻撃を止めなければソウルが灰になるり死傷者は数十万名に上ることになると伝えてくる。金正恩の選択で最も危険なのがソウルに核兵器を投下することで日本にも打ち込めば死傷者は百万単位になり、米国が戦闘をやめなければさらに多くのミサイルを発射してくるだろう。
  10. そうなるとトランプ大統領が想定外の決断に迫られるかもしれない。戦闘を継続して数百万名が死ぬままにするのか、金正恩の要求通り攻撃を停止するかだ。どちらにせよ米国の権益が著しく低下するのは間違いない。
  11. 米軍が集中攻撃すれば金正恩はソウル攻撃もままならぬようになるはずと考える向きもあろう。これにはこう答えたい。長年にわたり北朝鮮は米軍機の攻撃力を学び通常火砲部隊の相当数を山岳側部に隠している。そこから引き出して発射地点へ移動し、また戻すのだ。
  12. またミサイルサイロも相当数が山岳地にあり、米軍もまだ位置をつかんでいない。筆者は1990年代中頃にソウルに駐留していたが、朝鮮半島の山岳地の険しさは直接体験している。また韓国の地下退避壕も何度か視察しており、外部攻撃に事実上難攻不落の存在になっていることも知っている。
  13. サイロの地点が不明なのに加えて、北朝鮮には移動式発射車両も多数あり、これも地下の退避場所に隠れて、肝心な時に地上へ出てきて発射するのだ。数千機が飛び回ってもサダム・フセインが移動式発射台から39発の弾道ミサイルを発射するのを食い止められなかった砂漠の嵐作戦の事実が対策の難しさを物語っている。
  14. 北朝鮮への先制戦争オプションは民間人犠牲者を数十万名あるいは百万名まで甘受しないかぎり実施は難しそうだ。だがトランプ政権は北朝鮮が米軍隊員、市民あるいは同盟国を攻撃したら、あるいはもし政権が攻撃の準備に入った兆候を見つけたら、北朝鮮は大々的な攻撃を覚悟すべきだと伝えられるし、伝えるべきだ。その際は米軍事力の行使は説明がつくし、相当の仕事をするだろう。
  15. 目的は戦争勃発を食い止めることであり、米国・同盟国の一般市民の声明を守ることだ。さらに経済外交上の圧力を北朝鮮にかけ続けて最終的に核兵器整備を断念させることにあるはずだ。外交対応に軍事抑止力を組み合わせることがこの結果を生むはずだ。「予防」攻撃という誤った名称の作戦は壊滅的な失敗につながりかねない。■
Daniel L. Davis is a senior fellow for Defense Priorities and a former lieutenant colonel in the U.S. Army who retired in 2015 after twenty-one years, including four combat deployments. Follow him @DanielLDavis1.
Image: REUTERS​

2017年9月21日木曜日

★謎の機体 後編 その正体は....



F-117記事の後編です。墜落機はSu-27Pの模様です。いったいどこから米空軍は入手したのでしょうか。ウクライナかもしれません。事故がなければわからなかったかもしれませんね。

New Details on Mysterious Crash of Lt. Col. Eric “Doc” Schultz Near Area 51 Emerge

エリア51近くで墜落したエリック・「ドク」・シュルツ中佐の謎の機体の詳細が浮上
Sep 12 2017 - 74 Comments

By Tom Demerly

Unnamed Sources in Published Report Suggest Pilot May Have Been Flying Russian Aircraft.



AviationWeek.comの2017年9月11日付け記事であらたな情報があり米空軍エリック・シュルツ中佐(コールサイン「ドック」)がネリスAFBから100マイル北西のネヴァダ試験訓練空域で墜落をした際の謎の機種が分かってきた。

空軍のメディア向け発表がシュルツ中佐が9月5日に墜落した機種名を明らかにしなかったため関心を呼んでいた。また報道機関発表が遅れたことも別の関心を呼び、A-10墜落との誤報まで流れた。

エリック・「ドック」・シュルツ中佐の資料写真 (USAF Photo)
AviationWeek.comのガイ・ノリス記者が9月11日に書いたのは「各種筋からシュルツは墜落当時レッド・ハッツ飛行隊の指揮官だったらしい。レッド・ハッツはAFTC実験航空団第三分遣隊で第413フライトテスト飛行隊が2004年解隊され生まれた番号のない部隊のようだ。同飛行隊はロシア開発の機材多数を運用し、MiG-29のほかスホイSu-27P含む各種機材を運用している」

ノリスがAviationWeek.comでSU-27Pの写真数点を初掲載したが2017年1月6日フィル・ドレークがグルームレイク(ネヴァダ)そばのティカブーピークTikaboo Peakで2016年11月8日に撮影したものだ。

撮影者フィル・ドレークはAviationist.comで「カメラを向けるとフランカーとF-16がドッグファイトしていた。高度3万から2万フィートで真正面からの迎撃練習のようだった。Su-27Pは高度の操縦性を誇るフランカー単座型でF-16の背後に回っていた。両機はその後高度を上げてグルームレイクの制限空域に戻っていったがその間驚きの目で見ていた」と述べていた。

ガイ・ノリスのAviationWeek.com記事でも「空軍発表の大まかな地点からも事故が発生したのはグルームレイクとトノパ試射場空域の中間地点と思われ、ともに空軍テストセンター(AFTC)第三分遣隊の管理かにある。同地区は極秘『ブラック』機材のテスト評価に使われており、レッド・ハッツ飛行隊が海外機材を使い、通常の第一線空軍機材に対して戦術評価や訓練に従事することもある」

第447テスト評価飛行隊は敵勢力の機材、戦術を評価するのが任務で、この公表写真でパイロットが整列している。同隊はエリック・シュルツ中佐が今回墜落した地点で運用されていたことが知られている。 (Photo: USAF) 

エリック・シュルツ中佐の墜落事故に関して空軍から追加情報が出ておらず、ただ空軍参謀総長ディビッド・L・ゴールドフェイン大将のツィッターをMilitary.comが「事故機がF-35ではなかったことは確実に言える」とつぶやいたのを伝えているだけだ。
フィル・ドレークが撮影したテスト場を示す地図 (Map: DailyMail.com)

空軍がシュルツ中佐事故の追加情報を出すか不明だ。中佐が敵勢力の機材を使ったテスト評価や訓練という極秘事業に従事していたのなら今後も同事業が続くこともあり、追加情報は絶対出てこないはずだ。さらに今回の事故機が米国製以外の機材なら空軍は敵軍を模した戦術を使う訓練方法を変える必要に迫られるかもしれない。■
Top image credit: Phil Drake


給油機等にもステルス性能を模索する米空軍


USAF explores cloaking device for tankers

大型輸送機に透明化装置の導入を模索する米空軍
20 SEPTEMBER, 2017
SOURCE: FLIGHTGLOBAL.COM
BY: LEIGH GIANGRECO
WASHINGTON DC

米空軍は来月にも給油機、情報収集監視偵察機で顕著な残存性不足対策の検討内容を発表すると航空機動軍団(AMC)の司令が言明した。
重要航空機材に関する研究で既存の給油機、ボーイングE-3(AWACS)、ノースロップ・グラマンE-8C(JSTARS)の各機で残存性でギャップが顕著と判明している。
AMC司令官カールトン・エヴァ―ハート大将Gen Carlton Everhartは以前からUSAFの次世代KC-Z給油機で「透明化」能力が必要と論じており、レーダー反射を操作して敵の攻撃を避ける構想だ。このためにはレーダーの放射性エネルギーを拡散させ給油機・輸送機の外形を見えなくする必要がある。
空軍協会の年次総会壇上でエヴァ―ハート大将は「実はそんなに簡単なことではない。一つでも電子が漏れれば敵に正体がばれる」
エヴァ―ハートはUSAFが情報開示請求を出していわゆる透明化技術関連情報を求めるかは明らかにしなかったが、総会に出席した業界関係者とコンセプトを話し合っている。
他方で空軍ライフサイクル管理センター長からは航空戦闘軍団が防御用レーザーを航空機動軍団の機材に搭載する検討に入っていることが明らかにされた。レーザーも透明化もともに必要であり、AMCは先に実用化された技術を導入したいとエヴァ―ハートも述べている。■

★スカンクワークスのPVで話題を呼ぶ機体が登場、第六世代戦闘機コンセプトか



中国やロシアは過去の延長線にしがみついて「高性能機」を作っていくのでしょう。ロシアは途中で資金不足で脱落すると思いますが。中国が「究極の」戦闘機を実現したとき、相手になる米空軍の戦闘機はもはや戦闘機の形をしておらず、技術も別次元になっている...と考えていますがどうでしょうか。米空軍の組織そのものもそうですが、支配する思考がどう変わるか、民間企業がすでに先を走っているとしたらいかに早く両者が共同で画期的な「戦闘航空機」を実現するか。このレースの結果が出てのは20年先?いやもっと早いかもしれません。ところでスカンクワークスのコンパクト核融合技術はどうなったのでしょうかね。

YOUTUBE SCREENGRAB

No, That YF-23 Like Rendering Of The Skunk Works' Next Gen Fighter Isn't Newスカンクワークスの次世代戦闘機はYF-23そっくりだが新型構想ではない

The concept may be ironic, but it isn't new.

BY TYLER ROGOWAYSEPTEMBER 18, 2017


ロッキードのスカンクワークスが発表したプロモーショナルビデオを巡り盛り上がりが見られる。ビデオは米空軍創立70周年を祝賀して公開されたものだが中で第六世代戦闘機のコンセプトが写っており、ノースロップの不採用戦闘機Y-23ブラックウィドウ/高性能戦術戦闘機に酷似しているのだ。問題はこのコンセプトは今になって生まれたものではなく、4年前のスカンクワークス公表の映像にも表れており、筆者はYF-23とは別の機体だと強調していた。メッセージには全然奇異な点がない。「航空優勢の将来が25年前の競争相手の設計で蘇る」
SCREECAN VIA YOUTUBE

数年前に流出したのが以下の図だ。
LOCKHEED MARTIN

このコンセプトはロッキード・マーティンがこの数年公表しているものでもある。
今回発表されたビデオは「スカンクワークス、75年間のイノヴェーションに向かう」とタイトルがつき、ふたたび同じコンセプトが出ている。
予言しておく。有人戦闘機はもう実現しない。開発は資源の無駄であり、同時に我が国は深刻なほど不利な立場になるがその逆はない。この主張に不満な方は下を読んでもらいたい。読んでいただければ見方が変わるのではないか。

もし本当に第六世代戦闘機が生まれるのなら、またF-35でさえまだ完全に戦力化していないのに実現するだけの予算があるのだとしたら、著者が長年主張してきた機能はどうしても必要だ。長い航続距離、大きなペイロード、広範囲の低視認性、高性能センサーとネットワーク機能でとくに戦場管理と無人機統制能力に加え高速巡航速度の長時間持続だ。言い換えると無尾翼で製造には至らなかったFB-22を大型化したコンセプトとなる。指向性エネルギー装備の運用も必要で少なくとも機体防御用に必要だ。操縦性やこれまでの戦術戦闘機の概念である短い戦闘半径、ドッグファイト、空中給油機への依存はもはや過去のものである。
ノースロップ・グラマンの次世代航空優勢(NGAD)コンセプトは新しい概念を有人戦術戦闘機に大幅に盛り込んだ存在だ。同社のYF-23には競合相手のYF-22よりも先進性が高かった。だがF-22が高等戦術戦闘機の競作に勝ち残ったのであり、理由はいろいろあるのだろうが詳細は今も極秘扱いのままだ。
NORTHROP GRUMMAN
Northrop Grumman NGAD concept.

わかっている理由にはF-22試作機の完成度が高いこととシステム統合のレベルが圧倒的に高かったことがある。つまり開発リスクが低くできた。またF-22の操縦性が圧倒的に高いのも当時の戦闘機の概念である操縦性重視という価値観に合致していた。だがブラック・ウィドウは高速、ステルスで勝るが操縦性が劣っていた。両社が売り込みをかけていたUSAF幹部は多くが戦闘機パイロット出身で、F-15を意識した競合相手の提案が採用されたのは理解できないことではなかった。
いきなり話は今日に飛び、ノースロップ・グラマンはYF-23の操縦性でさえ今日の有人戦闘機として不要だと判断したようだ。ボーイングも同様に理解している。だが正しいからと言って売れるとは限らない。
USAF
YF-23 Black Widow.

ロッキードがYF-23に酷似した次世代戦闘機の構想案を前面に打ち出し従来の戦闘機像からの違いを前面に打ち出している。こうしておけば戦闘機パイロットが支配するUSAFの組織内価値観にも戦闘機らしい姿を示して安心させる効果があるのだろう。一方で別のコンセプトで攻撃迎撃機のようなものも見られる。
前回のATF競作で戦闘機らしい姿をした機体が採用された教訓が生きているのだろう。ではければコンセプトをともに生かしておくことでロッキードは現実的に採用されやすい機体を温存できるが、将来の戦場の状況などは二の次ということにならないか。
今回発表されたビデオではノースロップ・グラマンのNGAD構想と真っ向勝負を挑むコンセプトも姿を見せている。
YOUTUBE SCREENCAP.
注意してみてもらいたいが、スカンクワークのビデオでこのイメージはほんのわずか姿を現すだけだ。ノースロップ・グラマンのNGADととても良く似ている。
そこでふたたびYF-23に見える機体設計だが、ロッキードの第六世代戦闘機コンセプトの実体のないプレイスホルダーなのでではないか。だがその可能性は低いようだ。というのは同じ機体が同社の公式サイトに長年使われているからであり、そのうちに第六世代戦闘機が本当に実現するかもしれない。それが良いことなのかわからないが。■
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2017年9月20日水曜日

再び、F-117ナイトホークはネヴァダで何をしているのか


今回は前編としてまずF-117の登場です。同機の話題は前にもご紹介していますが退役したと思われていたもののどっこい砂漠地方で現役扱いなのですね。では墜落した機体は何だったのか、後編をお楽しみに。

Retired But Still Flying, the F-117 Nighthawk May Soon Fade to Black 退役したものの飛行状態を保つF-117ナイトホークだが全機用途廃止が視野に入ってきた。


第49整備隊がF-117ナイトホークをホローマン空軍基地(ニューメキシコ)で整備している。March 13, 2014. このF-117はホローマン基地の展示施設にて静態保存中で機体は2008年に用途廃止された。退役したがF-117は「飛行可能保存機」としてネヴァダで訓練に供用されている。 (U.S. Air Force photo by Airman 1st Class Leah Ferrante/Released)
 POSTED BY: ORIANA PAWLYK SEPTEMBER 11, 2017

  1. F-117ナイトホークのネヴァダ砂漠での目撃がここ数年増えており、「退役」機がフライトラインに並ぶとはどういうことなのか疑問が増えている。
  2. 専門用語では「飛行可能保存機」の扱いの同機は空軍機材としてトノパ(ネヴァダ)のテスト試験場に配備されている。
  3. ただし2017年度国防予算認可法によれば空軍は毎年4機のペースでF-117を用途廃止することになっており全廃にもっていく。
  4. 「飛行可能保存機」は極秘扱いを受けないため航空愛好家がこのステルス機が飛行する様子を2014年に初めて目撃し、2016年にも同様に訓練フライトに連れ出された様子を目にしている。
  5. 議会は2007年2008年に当時52機残っていたF-117を現役扱いから外す権限を与えたが、機体整備を続けさせハイエンド戦が勃発した際に必要となった場合に備えるよう求めていた。
  6. だが重要目標を探知されずに攻撃できる同機はあと数年で本当に闇の存在になるかもしれない。「2017年に一機を廃棄する予定で今後は毎年4機ずつ処分する」と同上関係者は述べている。
  7. 「非軍用機」への移行と存存機数の減少は国防総省の41-60.21「国防資材処分マニュアル」に定められている通りだ。
  8. 同機が何をしているのか、DoDがどうしようとしているのかによっては、たとえば博物館展示にするというのもあるが、マニュアルでの処分方法が変わってくる。「墓場にもっていくこともあれば、そうならないときもある」と同上関係者は述べる。言っているのはデイヴィス・モンタン空軍基地(アリゾナ)のことで退役機材が集まる場所だ。
  9. F-117の初の実戦は1989年12月19日のパナマ侵攻「正しい道義」作戦でその後何回もレーダー波をかいくぐってきた。
  10. F-117が実戦部隊に配備された1980年代より以前に9年間にわたり秘密扱いだった。公試中に数機が墜落もしている。
  11. 先週にネヴァダテスト訓練空域で「極秘」機材の墜落でパイロットが死亡しており、ナイトホークの役割に関心が高まっている。
  12. エリック・シュルツ中佐(44)が機体墜落による負傷で死亡した。墜落地点はネリス空軍基地から約100マイル地点だ。
  13. 空軍参謀総長デイビッド・ゴールドフェイン大将は事故機がF-35共用打撃戦闘機だったとの観測を一蹴した。「F-35ではなかったことははっきり言える」とMilitary.comの取材に答えている。
  14. 事故機の機種はいまだに公表されていない。■