2018年12月6日木曜日

いずも級の空母改修策は成功するか

Japan's Naval Future: 'New' Aircraft Carriers Armed with F-35s 日本の海軍力に「新」空母加わりF-35を運用へ

December 2, 2018  Topic: Security  Region: Asia  Blog Brand: The Buzz  Tags: JapanF-35MilitaryTechnologyWorldAircraft Carrier
本政府からいずも級ヘリコプター空母二隻を改修しF-35BライトニングIIステルス戦闘機の運用を目指すとの発表が2018年11月27日あった。.
2015年のいずも就航以来出ていた観測をこの発表が裏付ける結果になった。「これほどの装備を各種目的に活用するのは当然だ」と岩屋毅防衛相は報道陣に語っている。「本件の研究開発を進める」
関連報道で日本がF-35の100機追加調達を検討中とある。日本は2011年に第一陣としてA型の42機導入を決めたが今回は垂直着艦可能なB型を導入する。
ヘリコプター空母二隻の空母改装は生易しい仕事ではない。いずも級は航空母艦としては小型だ。さらに日本は第二次大戦後は艦艇からの固定翼機運用の経験がなくパイロットや支援要員の育成が必要だ。
だが小型艦で固定翼機運用に成功しているイタリアの例もある。オーストラリアでも保有中の小型航空機運用艦を改装すべきか議論が続いている。
.日本の現行憲法は攻撃作戦行動を禁じている。長年に渡り日本の指導層はこの条項の解釈として日本の海軍部隊では空母保有ができないとしてきた。
そこで海上自衛隊は空母保有禁止を受けて「ヘリコプター駆逐艦」だと説明し水上艦に機体格納庫や大型飛行甲板を装備してきた。
いずも級は「ヘリコプター駆逐艦」の域を拡大した。主要兵装を搭載せず、飛行甲板は艦首から艦尾まで全長におよぶ いずも・かが両艦はこれまでヘリコプターのみ運用している。
.全長814フィート、排水量27千トンのいずも級は空母としては小型だ。米海軍の超大型空母は全長1千フィート、排水量100千トンを誇る。AV-8BハリヤーやF-35の運用に供用される空母は850フィート、41千トンの艦容になっている。
だが日本より小型艦を運用する国もある。タイのチャクリ・ナルエべトは全長600フィートで排水量は11,500トンで第一世代ハリヤーを運用していた。
艦容と機能両面でいずも級に一番近いのはイタリアの旗艦カボール(全長800フィート、排水量30千トン)で通常はハリヤー5機を搭載する。イタリアもF-35Bを導入し現存するハリヤー10機と交代させる。
ロッキード・マーティンはF-35Bをハリヤーと同程度の広さの甲板で運用できる設計としている。F-35とハリヤーでは甲板上で必要な面積はほぼ同じだが、F-35では整備の作業量が多い。また排熱がハリヤーより大きく、飛行甲板に特殊耐熱被膜が必要となる。
.いずもの飛行甲板の再作業は容易だろう。むしろ艦内改修で飛行要員向け区画を作るほうが難しい。その他燃料、兵装等F-35分遣隊用の装備が必要だ。
オーストラリアはキャンベラ級強襲揚陸艦をF-35用に改修する検討をしており、全長760フィート、排水量30千トンの同艦もいずもとほぼ同じだが、同国専門家はこの作業は実施可能としている。
「30年以上に渡り英米両国はAV-8Bやシーハリアーを小型艦から運用し大きな効果を上げてきた」と元英海軍技術士官スティーブ・ジョージが記している。
「自分の経験では目に見える形での海軍航空兵力の展開能力のかぎは装備ではなく、必要とされる海軍航空運用の腕を磨くことだ」
日本にとって幸運なのは米海軍との強い同盟関係だ。日本がいずもにF-35を搭載すれば海上自衛隊艦隊は同機の艦上運用で知見を有する米側とともにパイロット含む要員の訓練が可能となる。

David Axe edits  War Is Boring  . He is the author of the new graphic novels MACHETE SQUAD and THE STAN.

2018年12月4日火曜日

★★航空自衛隊F-15新規改修の方向性が見えてきた

US government, Boeing to help Japan upgrade missile, electronic warfare capabilities for F-15 jets 米政府、ボーイングが日本のF-15改修を助け、ミサイル搭載本数、電子戦能力の向上をめざす



By: Mike Yeo


ボーイングが発表したF-152040Cミサイル搭載本数増加版の想像図 (Courtesy of Boeing)

本がF-15イーグル戦闘機の改修を企画中で米国政府、ボーイングの支援を想定と防衛省関係者が語った。
宇野 茂行(防衛政策局防衛政策課主席次長)は米国・ボーイングは海外軍事販売制度を使う想定で日本国内の防衛産業も加わるとDefense Newsに語った。
防衛省はでF-15J/DJのうち2機の改修予算を概算要求89百万ドルとしているが、これが今後の改修作業の原型となるのだろう。さらに386.7百万ドルを経常外予算で要求している。
改修で「新型電子戦装備で周辺国の能力向上に対応する」とある。また搭載ミサイルの本数を増やすねらいもあり、AGM-158共用空対地スタンドオフミサイル等のスタンドオフ兵器搭載も可能となる。
ボーイングは日本国際宇宙展でF-15高性能版の模型を展示した。現行F-15は最大8発搭載仕様だが、大幅に増える。
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While Boeing has a model of the F-15 Advanced Eagle bristling with AIM-120 AMRAAMs
宇野によればF-15Jのレーダーも改修対象だが概算要求では特記していないという。
宇野は口にしなかったが新型レーダーが電子スキャンアレイになるのは確実で、米空軍のF-15C/D型、シンガポールのF-15SG、サウジアラビアのF-15SAがレイセオンAN/APG-63(V)3レーダーを搭載しており、米空軍F-15EストライクイーグルはやはりレイセオンのAN/APG-63(V)1を積んでいる。
宇野はもともと多段階改修を想定して製造されている日本の後期型F-15J/DJの88機にこれまでLink 16含む追加装備が搭載されているが今回の改修ではまずこの各機が対象となると述べた。
2018年末公表見込みの中期防衛ガイドラインが改修内容をより詳しく述べ対象機数も明らかになるだろう。
三菱重工はライセンス方式でF-15を213機1981年から1999年にかけ生産し、うち約200機が日本国内7ヶ所の飛行隊に配属されている。うち一個飛行隊はアグレッサー部隊だ。■

 これは費用対効果が高い考え方ですね。F-15にはまだ活躍して貰う必要があります。人口の高齢化とともに運用機材の高齢化も必然なのでしょうか。従来より長く運用に耐える機材の設計、製造、運用維持が必要ですね。

2018年12月3日月曜日

★★F-3開発はここまで来ている

Japanese acquisition officials reveal next steps in search for advanced fighter jet 関係者が明かした日本の次期高性能戦闘機開発の現況

By: Mike Yeo  


次世代戦闘機は現行のF-2の後継機種となり2030年代中の投入を目指す。 (Kazuhiro Nogi/AFP)

本は高性能ジェット戦闘機技術の研究開発を続けているが、次世代戦闘機の調達を巡り不明確な状況の中で国内産業がどこまで関与できるか疑問も出ている。
期待される技術分野に、エンジン、推力偏向制御、ステルス形状、機内兵装の搭載投下があると防衛装備庁(ALTA)関係者が国際航空宇宙展の会場で語った。
新技術の一部は三菱X-2技術実証機に搭載され実際にテストされている。
その後日本は推力15トンのXF-9アフターバーナー付きターボファンエンジンの開発に取り組んでいる。停止状態からフル推力までの時間はX-2搭載のXF-5比で70パーセント短くなったとATLAは説明。
また高性能アクティブ電子スキャンアレイレーダーの開発に加え、機体構造で金属ファスナーを使わない製造技術の開発にも取り組んでいる。ともにX-2にも搭載されていたが開発は続いている。レーダーは試験設備内の確認後、F-2試験機に搭載される。
平成31年度概算要求で防衛省は194.6百万ドルで戦闘機の「ミッション装備統合研究、有人・無人機同時運用技術」を想定。2009年以来の戦闘機関連の研究は総額17億ドルにのぼり、三菱F-2開発時の10倍規模という。
次世代戦闘機はF-2に代わり2030年台中頃投入を目指すとALTAは説明している。
想定任務の一つに航空優勢の確保があり、今後登場する新技術を容易に搭載できること、海外承認なしに国内で改修維持できることも必要だ。国内産業がこうした業務を行うが「現実的かつ負担可能な」費用とするねらいもある。
新型機の調達方法案は完全国内開発・生産案から国際分担方式あるいは「スピンオフ」と呼ぶ既存機種の発展形まで分かれる。

日本は英国と戦闘機開発関連情報の交換で合意している。ロイターはロッキード・マーティン、ノースロップ・グラマン両社が日本の情報要求に回答しており、前者は「F-22/F-35ハイブリッド」案を提出と伝えている。■

2018年12月2日日曜日

自衛隊次期攻撃ヘリは海上運用の想定も

Japan sets naval-friendly requirement in search to replace AH-1S Cobra fleet 

陸上自衛隊AH-1Sコブラ後継機は海上作戦運用の想定

By: Mike Yeo    

陸上自衛隊のAH-1SヘリコプターがTOW対戦車ミサイルを発射している。東富士演習場にて。2014年8月19日。 (Kitamura Toshifumi/AFP via Getty Images)



本は現行ベル/富士重工AH-1Sコブラ攻撃ヘリコプターの後継機で艦載運用を想定する。
今年初めに出た情報要求(RFI)では新型ヘリコプターを海上運用型とし「臨時飛行施設または海上基地」から運用すると想定しているとベル顧問を務めるジョージ・トラウトマン退役中将が述べている。
国際航空宇宙展の会場でDefense News取材に答えたトラウトマン前海兵隊航空部隊司令官はRFIは「30機、40機、50機」各調達の価格および個別情報を求めているという。また今後3ないし4ヶ月内に提案要求が出るとした。
ベルにはAH-1Zヴァイパー案があるが、三菱重工業はUH-60J/JAブラックホークに補助翼および兵装運用箇所を追加した案を提案している。同社はブラックホーク、SH-60シーホーク各種を自衛隊向けにシコースキーのライセンスを受け1990年代から生産している。
エアバスは民生用H145で日本に進出しているが、今回はタイガー攻撃ヘリコプター案ではなくH145案を提示する。同社は神戸にあるヘリコプター修理点検施設の拡充を発表している。
その他にはボーイングがAH-64Eアパッチを、イタリアのレオナルドがAW249攻撃ヘリコプター(現在開発中)を提案する見込み。
日本はアパッチAH-64D13機をライセンス生産で導入済みだ。ただし同機は当初64機調達予定が大幅に規模縮小された。同機搭載のロングボウレーダーの性能が期待以下と評価されているといわれれる。■

離島奪還作戦の想定のためか、次期攻撃ヘリは陸上自衛隊の従来の運用構想と異なる性能が必要となります。水陸両用部隊への配備想定でしょうね。ロングボウが不要ならアパッチが今後長く活用できる機材になりますが、すでに既存機生産で肝心のスバルがひどい目にあっていますので今回はAH-1Z(米海兵隊が使用中)に傾くのではないでしょうか。

2018年12月1日土曜日

航空自衛隊>着々と進むF-35運用体制の整備

Japan prepares to stand up first F-35 operational unit 日本初のF-35第一線部隊が編成に近づく


Lt. Col. Nakano, of the Japan Air Self-Defense Force, sits in the cockpit of an F-35 before departing on his first solo sortie at Luke Air Force Base, Ariz. (Tech. Sgt. Louis Vega Jr./U.S. Air Force)



本で初のF-35国内養成パイロット5名が誕生し、同機による初の運用部隊編成が順調に進んでいる。
国際航空宇宙展でロッキード・マーティンのジョエル・マローンからDefense Newsに航空自衛隊がパイロットに加え支援人員の養成も続いていると紹介。

航空自衛隊への機材は臨時F-35飛行隊に配属されている。さらにパイロット5名養成が完了すると302飛行隊に移管されマクダネル・ダグラス/三菱のF-4J改ファントムIIに交代し、百里基地から三沢基地に2019年3月に移動する。
日本は当初はF-35パイロット養成を自国保有機材4機でアリゾナ州ルーク空軍基地で展開していた。ルーク基地で18ヶ月過ごした後の機材は三沢基地へ今年早々に戻っている。


日本はF-35Aの42機導入を進めているが、マローンは100機追加調達の記事については論評を避け「むしろ防衛省、航空自衛隊関係者の発表を待ってもらいたい」とDefense Newsに述べている。


報道では消息筋の話として日本の調達希望ではF-B短距離離陸垂直着陸型の導入が含まれているとある。

日本はいずも級ヘリコプター駆逐艦を改装してのF-35B運用の可能性を検討していた。防衛省の2018年4月発表では実施は可能としていた。ただしその目的や実行予定案について正式な発表がない■

2018年11月29日木曜日

イージスアショアが日本に必要な理由

China Has Built ‘Great Wall of SAMs’ In Pacific: US Adm. Davidson 中国は太平洋に「SAMの長城」を構築した、とディヴィッドソン提督が発言

From militarized atolls in the South China Sea to a growing Chinese navy looking increasingly aggressive, the head of the Indo-Pacom command lays out his needs and concerns.南シナ海の軍事化、中国海軍の行動が一層無鉄砲さを増していることを念頭にインド太平洋方面司令官が警鐘を鳴らし行動を求めている


By PAUL MCLEARYon November 17, 2018

CSIS image
南シナ海フィアリークロス礁に中国が構築した航空施設 (CSIS image)
シナ海のサンゴ礁や環礁を強固な人工島拠点に変えた中国は対空、対艦ミサイルを持ち込み、「わずか三年前は砂しかなかった地点をSAMの長城に変えてしまった」と太平洋での米司令官が発言。
重要な通商航路で軍事化が進むことは米国のみならずアジア諸国の懸念事項だ。だが中国がますます米艦船に攻撃的になっているが米国や同盟国は国際水域と認識している。9月には両国艦船が衝突寸前の事態になった。いつの日か深刻な事故が発生すれば一気に戦闘にエスカレートする恐れがあると言われる。開戦となれば人工島上の基地は米艦船航空機への防衛網となり中国がめざすA2ADといわれる接近阻止領域拒否の手段となる。
中国で海軍艦艇の建造が続き、沿岸警備力が整備されつつある中で、隻数だけ見れば中国海軍は米海軍を凌ぐ存在になっている。ただし中国艦船の大部分は小型、短距離運用の沿岸用艦船だ。今回インド太平洋軍(INDOPACOM)司令官フィリップ・デイヴィッドソン海軍大将が恒例のハリファックス安全保障会議に登壇したため記者は対応案を聞いてみた。
「海軍の規模拡大が必要です」と大将は海軍上層部が現在の286隻を355隻体制に引き上げるべきと発言していることに触れた。中国海軍が拡大する中で「量的拡大は今後も課題」と記者に答えた。
フィル・デイヴィドソン大将
イージス・アショア導入を急ぐ理由とは
太平洋で中国に対応する艦船部隊の負担を軽減する方法の一つが弾道ミサイル防衛任務を現在のイージス巡洋艦・駆逐艦からイージスアショアに任せると提督は述べた。これは海軍作戦部長ジョン・リチャードソン大将や前任のジョナサン・グリナート大将の主張と同じだ。
また中国による地上配備ミサイルの拡充が今回トランプ政権が1987年INF条約から脱した理由となり、米国も同様のミサイル開発を可能にする狙いがある。
デイヴィッドソンは「海軍に行動の自由を復活させたい」とし弾道ミサイル防衛を陸上に移すことがその方法なのだという。そうなるとイージス巡洋艦・駆逐艦は垂直発射管にSM-3対弾道弾迎撃ミサイルのかわりに別のミサイルを搭載できる。たとえばトマホーク巡航ミサイル、LRASM対艦ミサイルで、防衛対象の都市の前後に展開するかわりに太平洋を自由に航行できる。
イージスシステムはもともと水上艦隊をソ連の大規模攻撃から防御する目的で作られた。中国の軍事力が台頭したことで再びこの脅威が復活し、海軍はイージス艦を当初の狙いにあてることとなった。「イージスシステムは海上での対艦弾道ミサイルに対応するなど高性能が期待できます。将来も水上展開する部隊の防御に必要な装備です」(デイヴィドソン提督)
日本はイージス・アショアを二地点に導入すると決めたが、「基本的に日本用のミサイル防衛装備である」とディヴィッドソンは説明。
Navy photo.
今年はじめに日本は20億ドルで地上配備イージス・アショアレーダーミサイル追尾拠点の構築をロッキード・マーティンに求めている。海上自衛隊は同様の能力を水上艦で運用中だ。ルーマニア、ポーランドで同装備が整備されている。
ただしイージス・アショアの稼働開始は2025年以降となる。イージス・アショアは水上艦とリンクされ北朝鮮ミサイル対応策の効果が向上する。
中国は航空母艦、潜水艦初め海軍艦艇を急速に建造しており、ついに昨年に世界最大の海軍国になったがデイヴィッドソン大将はロシアの太平洋地区での動きも注視している。
「ロシア軍事活動は大部分が世界の別の地域で展開されているが太平洋でも動きを強めており、外交活動の妨害を目指している」と述べ、最新弾道ミサイル潜水艦三隻を太平洋に配備していることを取り上げた。

太平洋のロシア軍事力の規模は比較的小さく、ロシアは太平洋で米国あるいは中国に対して海洋支配を巡り挑戦する構想は今のところない。■

2018年11月28日水曜日

F-35の英空母艦上テストは順調に行われたようだが....

Aerospace Daily & Defense Report

UK Hails Successful Initial F-35 Carrier Trials 初のF-35艦上運用テストを成功と英国が判定

Nov 22, 2018Tony Osborne | Aerospace Daily & Defense Report


Lockheed Martin


軍向けロッキード・マーティンF-35共用打撃戦闘機の新型空母HMSクイーン・エリザベス艦上での初運用試験は期待以上の成果を上げたと軍上層部が述べている。
三回予定の開発テストで二回(DT-1 、DT-2)までが米東海岸で11月18日行われ、F-35は離陸202回、垂直着陸187回、垂直ローリング着艦(SRVL)を15回実施した。
フライト時間は計75時間を記録しテストパイロット4名は兵装投下54回もこなした。
日程は多忙で困難だったが結果から希望が見えてきた、とHMSクイーン・エリザベス艦長ニック・クック・プリースト大佐が所感を述べている。
「今回の運用は単なる固定翼機の艦上運用以上お意味がある。英海軍に航空戦力を復活させたことであり、同盟国にも意味がある」
DT-1は9月25日にはじまり英海軍テストパイロットのネイサン・グレイ中佐がF-35Bで同艦に初めて着艦した。DT-1ではSRVLも初実施し、10月半ばまで続き、その時点でHMSクイーン・エリザベスがニューヨークに到着した。
DT-2の目標は多様な天候条件と荒天下での海上運用で、F-35の機首を舷側に向けた着艦に初挑戦する。通常は機首は艦首に向けて着艦する。
テスト部隊の技術陣は艦と機体双方からデータを記録し天候条件、湿度、ピッチ-ロール角度、機体重量でそれぞれ上限を決定する。
同部隊は各種兵装を内部、外部に搭載し同艦が搭載する自動装填装置を活用している。
三回目のテストは2019年夏の予定でその後実戦テストが控える。■


これに対し原記事に以下のような厳しいコメントがついています。

記事の真意がわからない。ここまで遅延している同機だが英軍向けF-35Bの配備そのものが成功といえるのか。あるいはクイーン・エリザベスへのF-35B搭載が成功ということなのか。F-35Bは米海兵隊が先に運用開始しているが、実は真の意味で実戦能力を備えている状態ではない。過去三年間のAWST記事をご覧いただければおわかりと思う。英海軍艦船でF-35Bの運用ができる状態にあれば良いと思う。ただしこれは大いに疑わしい。同機各型は戦闘可能な状態に程遠くさらに数十億ドルもの追加資金投入、数年間かけないと作戦運用可能と認定されない状態にある。

2018年11月27日火曜日

★緊急記事 ウクライナで何が起きているのか



The Coming War over Ukraine? ウクライナ巡りロシアと開戦が近づいているのか

The danger of escalation is real and must be treated as such.エスカレーションの危険は現実であり準備が必要だ
November 26, 2018  Topic: Security  Region: Europe  Tags: UkraineSea Of AzovRussiaCrimeaWar

11月25日、ケルチ海峡でロシアがウクライナ海軍舟艇3隻を攻撃し拿捕した。ウクライナ海軍によればロシア側が先に攻撃を開始し、ウクライナ海軍に少なくとも六名の負傷者が発生したという。
同日にウクライナのポロシェンコ大統領と戦時内閣はウクライナに戒厳令を敷く決議を採択した。ウクライナ議会は本会議で11月26日に可決する見込みだ。
ロシアがケルチ海峡で強硬な態度に出たこと、ウクライナ側の対応が従来と異なることは両国の軍事衝突にエスカレートの危険が増えていることを示す。
ケルチ海峡は地理戦略上で大きな意味がある。東にロシア本土があり、西にはロシアが占拠するクリミア半島がある。同海峡はアゾフ海、黒海を結ぶ唯一の水路のため、アゾフ海沿岸に重要な意味を有する。ウクライナのマリウポリはロシア分離勢力が繰り返し占拠をねらう地点だ。
そのためウクライナ、ロシア両国が同海峡をめぐり2014年以降繰り返し衝突をしているのは不思議ではない。
ソ連崩壊でケルチ海峡は法律、政治両面で対立の対象となった。ウクライナが一方的に国境線を同海峡に敷いたのは1999年のことでアゾフ海の一部も国際水面と宣言した。
これに対しロシアは2003年に本土から両国がそれぞれ領土を主張するツツラ島につながる堤防を構築しはじめた。この事案をウクライナ指導層・専門家ともにロシアの侵略的態度の象徴としている。
ロシアはケルチ海峡の支配を更に追求し、クリミヤ半島まで手を伸ばしたため両国は2014年以前にも軍事衝突一歩手前になっていた。
2005年5月23日にロシア揚陸戦隊がクリミアのフェノドシヤ近くに上陸しようとし、ウクライナ国境警備隊に撃退される事案が発生している。この先例として1994年にウクライナ、ロシアが一触即発になったことがある。このときはロシアが黒海艦隊艦艇を拿捕している。各艦は高価な装備を搭載していた。
クリミア半島併合(2014年)に続きロシアはケルチ海峡をまたがる橋の建設を始めたためウクライナはアゾフ海がロシアの手に落ちることを恐れ、1982年国連海洋法条約違反としてロシアを訴えた。
ロシア、ウクライナ両国の軍事衝突がエスカレーションする危険は現実のものであり、危険度は上がってた。戦闘となった場合の結果は予測できない。
ロシアはこの可能性を気にかけず、ウクライナからシリアへ、更に米国が核装備近代化に向かうことを非難し、さらにロシアから西欧向け天然ガス供給に関心の的を移そうとしている。
更に主に国内向けにロシア国営メディアはウクライナ政府批判を続けている一方でケルチ橋完成をいわし、クリミアに経済奇跡が起こると祝賀ムードだ。
こうした態度が逆にウクライナの報復に火をつけている。ウクライナ側の不満のたねが数々あることは十分理解できる。クリミアは占拠されたままだし、西側諸国は報復措置がクリミア問題の解決でクリミア和平を獎めるのが狙いとすることで既成事実を実施的に認める格好だ。
時同じくしてロシア大統領ウラジミール・プーチンはクリミアに爆撃機、イスカンダルミサイルの配備を認めた。2014年を境にロシア国民のプーチン支持は経済実績と無関係になっており、大国としてのロシアの実績が中心になっている。この効果は減少しつつあるもののクリミア併合がプーチンの支持率を支えたのも事実だ。したがってウクライナ危機でロシアがおとなしく食い下がる事態は考えにくい。
同時にウクライナも軍備増強しながら地上戦の指揮命令系統を強化している。米国が対戦車ミサイルのジャヴェリンを供与したのは氷山の一角だ。このためウクライナが2014年のように引き下がる事態は考えにくい。首都キエフではウクライナ軍による新規事態の成立を期待する声が強い。
だがこの事態でもウクライナ国内政治は悪化の一方だ。2019年3月には大統領選挙を控える。最新の世論調査では現職のペトロ・ポロシェンコは対立候補ユーラ・ティモシェンコの後を追っている。ティモシェンコ候補はドンバス、クリミア、ロシアを選挙運動の中心にしポロシェンコを批判している。
ティモシェンコの選挙戦略、ミンスク和平合意の失速、ウクライナ経済の停滞、汚職の蔓延、さらにポロシェンコ自身が疑わしいビジネスに関与している疑いにより現職大統領の再選の可能性は狭まっている観がある。最大の希望は戦時大統領として強い指導者像を示すことだ。そこで戒厳令を敷くのはこの観測を強めるものだ。ウクライナのエリート層では激しい抗争が当たり前であり、ユーラ・ティモシェンコの実績に疑わしい点があることから楽観視できる状況ではない。
では西側諸国も内部事情を理解しながらもウクライナ、ロシア間の軍事対決のエスカレーション緩和には関心をほとんど寄せいていない。このまま続きそうだが、トランプのまわりの混乱、ブレグジット関連作業が中心の欧州となっているためだ。ちなみに英国はウクライナ大統領選挙投票日の2日前に正式に欧州から離脱することになる。
ウクライナを巡る戦闘勃発はすぐにも発生しないとしても危険性は現実のものだ。
Jonas J. Driedger is a German policy analyst at the European University Institute in Florence, Italy. He is also currently a visiting scholar at the Higher School of Economics in Moscow and partakes in the Alfa Fellowship Program. He specializes in foreign and security policy with a focus on Germany, the European Union and Russia. His analyses were published in The National Interest, Politico Europe, per Concordiam, EUObserver, and EurActiv. The views expressed in this article are solely his own.

Image: Reuters