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Check Out the Very Best Wargames Ever (And What We Can Learn From Them) ウォーゲームの最高傑作はどれか(プレイして何がわかるのか)
by David Banks
June 8, 2019 Topic: Security Region: Middle East Blog Brand: The Buzz Tags: War GamesSimulationsMatrix GamesU.S. MilitaryScenarios
危機状況で交渉の腕を試したい?アフガニスタンから米軍をどうやって撤退させる?戦闘より多国間外交が重要視される中で国家安全保障を実現する自信があるか?戦略ボードゲームなら気軽に自分の政治力、軍事力をためすことができる。同時に政策決定層には選択肢が限られているとわかるはずだ。
長く軍事教育では19世紀流の軍事基本原則の理解のため机上演習をおこなってきた。プロシア軍が先鞭をつけ、参謀本部は個々人の将校が軍事基本原理を理解していても実戦で敵と向かえば知識をどう応用したらいいのかわからなくなると危惧した。そこで机上演習が終了してからどの要素に大きな意味があったのか、参加者の選択がどう影響したかを分析した。
1920年代30年代の米海軍は机上演習で敵との作戦案を練り上げた。第二次大戦が始まるとチェスター・ニミッツ提督は開戦前に海軍大学でくりかえした机上演習と異なる実戦場面には遭遇せず、神風のみが例外のまま終戦に向かったと回想している。
ウォーゲームが安全保障の動的側面の理解に役立つのは今も変わりない。バルト海地方へのロシアが侵攻の想定や無人装備中心の戦闘技術が実用化されれば軍事危機が減ることもウォーゲームで示されている。筆者は「低頻度多要素」事態の安全保障シナリオして全面的サイバー戦が米中間で勃発した場合のように可変要素が多数ありながら実施が困難、あるいは一回も実現したことのない事態の理解をウォーゲームで進めている。
ウォーゲームにより政策決定者はプレッシャー下でも理性的な判断が容易になる。問題の理解はできても演習で兵力を投入するとなると状況は複雑になる。ノーベル経済学賞を受賞したトーマス・シェリングも「未経験の事態への対応策をリスト化刷るのは実行不可能」と述べている。よくできたウォーゲームで敵勢力と対峙すれば政治軍事両面の相互作用への理解が進み、厳しい環境で選択を下す際での条件のやりくりがうまくなるはずだ。
.以上を念頭におすすめのウォーゲームを紹介する。プレイヤーはプレイに没頭するのみでなく現代の安全保障問題の本質の理解促進にもなる。プレイヤー数、時間、複雑度で点数化した。(比較のため「モノポリー」は5点満点で1点)各製品のメーカーと筆者の間には金銭上、職業上の関係はない。選定はあくまでも筆者の個人的好みでおこなった。
非対称戦「Washington’s War」
プレイヤー2名、2-3時間、難度2.5
大国と小国との戦闘は計画立案部門の思惑どおりに進まない。例としてトランプ政権がイランに強硬策を採り開戦の可能性が高まっている。だが巨人のような米国が自動的に勝利する保証はなく侵攻側に有利な状況がいつもあるわけではない。「Washingnton’s War」では英国側プレイヤーが兵力、資金ともに有利で植民地勢力の一掃は可能だし勝利条件は厳しくない。「Washingnton’s War」は戦役とはつまるところ国内国際両面の政治支援であり、正しい指導力とヒットアンドラン戦術があれば弱小プレイヤーも勝利は可能と示してくれる。
核戦争一歩前の状況、「13 Days」
プレイヤー2名、45分、難易度2
北朝鮮やロシアの脅威を米国が引き続き懸念するのは核兵器による大量破壊が今も現実であるためだ。だがこの脅威には複雑な面がある。全面核戦争になれば自殺的な損害が避けられないことを考えると核兵器の脅威がなぜ当たり前に受け止められるのか。「13 Days」でこの答えがわかる。ソ連か米国としてキューバミサイル危機で政治、軍事、報道の各面を掌握し最終的に自国の権威を失墜させることなく終わるにはどうしたらよいか。ただ上記の三分野でやりすぎると核戦争に一気に進むことになるので要注意。
近代地上戦「Combat Commander: Europe」
プレイヤー1-2名、2-4時間、難易度4
第二次大戦が舞台だが、このゲームではプレイヤーは戦術戦の混沌とした状況が体験できる。ドイツ軍指揮官として120名ほどの部隊を率い戦闘に臨む。「Combat Commander: Europe」には現代の戦闘の要素が盛り込まれ、火力制圧、迫撃砲、狙撃兵、機関銃陣地、煙幕弾、砲兵隊や指揮命令系統の混乱を体験できる。ルールは複雑だが明快かつ論理的だ。両陣営の戦力の長所短所が再現されている。例えばソ連側は攻撃的だが待ち伏せ攻撃を受けやすい。結局、手持ちの装備人員で戦わざるを得ず、願望では解決しないことがわかる。
対ゲリラ戦 「A Distant Plain」
プレイヤー1-4名、4時間、難易度5
.タリバンとの交渉にもかかわらず米史上最長の戦闘からの撤兵は容易でない。なぜか。元CIA工作員がつくった「A Distant Plain」が答えを示す。プレイヤーはカブールのアフガニスタン政権、地方民兵組織、タリバン、米主導のNATO軍のいすれかをプレイし、各種戦闘状況や連関した困難な状況を体験する。民兵組織が交通の妨害をしないと約束すれば地方政府はケシ生産を認めるべきか。タリバンが内部にさらに勢力を伸ばしパキスタン国境地帯に勢力を維持すればどうなるか。連合軍は地方の治安安定を図りながら派遣兵力を削減する目標を達成できるか。極めて複雑なゲームであり初心者にはおすすめできないが、このゲームで「もぐらたたき」戦術が有効ではないことが明白になる。
二極体制を試す「Twilight Struggle」
プレイヤー2名、4時間、難易度3.5
ウォーゲーム愛好家の多くがこの作品を最高傑作と呼ぶはずだ。米ソ両国は40年近く世界をどれだけ多く支配できるかを争いつつ直接対決を避けてきた。この過程を初期、中期、冷戦の三段階としプレイヤーはクーデーター、共産革命、マーシャル・プランによる援助、代理戦争、石油危機、宇宙競争や更に重要な中国カードから歴史の教訓を学べる。「DEFCON」が引き上がると核戦争を甘受しないかぎり変更の余地が減っていく。おそらく80年後には「Twilight Struggle」は米中の対決として再発行されるのではないか。■
This article by David Banks first appeared in 2019 in The Conversation via Creative Commons License.
ご紹介したのはボードゲームでコンピュータでプレイできないようですが、国内にも愛好家は多いようですし、対面式なので時間に余裕の有る方、ひきこもりになりたくない方には最適ではないでしょうか。時間数も英語プレイですので日本の方ではより長く掛かりそうですね。
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