民間企業への防衛業務委託は別に新しいことではなく、中東で民間業者が輸送兵站や要人保護を実施していますが、航空業務でしかも重要な空中給油業務の民間委託は画期的です。しかも参入に期待する企業が多数があるというのも驚きですね。各国で防衛予算の確保が難しくなるとこういう民間参入の動きがこれから増えるかもしれません。でももとはと言えば、ボーイングKC-46がちっとも予定通りに就役してくれないからなのですけどね。
第385遠征航空機材整備中隊がKC-135ストラトタンカーの飛行後点検中。カタールのアルウデイド航空基地にて。2019年9月24日。 (Master Sgt. Russ Scalf/U.S. Air Force)
米空軍は空中給油業務を民間公募すべきかで結論を今月末に出すと航空機動軍団(AMC)司令がDefnense Newsに明らかにした。
空軍は民間空中給油業者に給油業務を認めていいのかの評価作業が最終段階にあるとマリアン・ミラー大将が2月28日独占取材で述べた。
「民間に期待している。業務参入したい民間企業側も検討結果を重視している。3月中に結果が出る」「一部業者から結果発表がいつになるか聞かれた。こちらも待っているところだ」
検討結果から民間空中給油業者の投入が費用対効果で優れているのか、また契約の枠組みが決まる。ただし、民間業者機材は戦闘や海外運用に投入されず、あくまでも米本土での任務につくとミラー大将は述べ、AMCで手が回らない訓練、試験評価時の空中給油を担当するという。
AMC試算では年間需要は6千時間としているが、検討結果で変わる可能性がある。現在参入に関心を示すのは14社あるという。
「調査結果が肯定的になると期待している。要求水準が実現でき、提案内容を入手でき想定通りの手順で進めればよい。楽観視している」「現在のストレスや緊張が緩和できるはず」(ミラー大将)
空中給油業務の民間委託を議会に承認させるのは難易度が高い。とくに空軍が給油機現有勢力の削減を狙っている中では。空軍はKC-10(16機)、KC-135(13機)の退役を2021年度予算案で提示している。ただし、同内容は米輸送軍団が批判しており、23機を再就役させる予算を確保しようとしている。議員の中にも短期的にリスクが高くなるとの懸念もある。.
だがミラー大将の主張は民間空中給油業者を利用すれば柔軟度が増え、空軍機材への圧力が緩和され、空中給油へ高い需要が海外で生まれると発生するギャップが埋められるとする。
「現時点で実施困難なミッションを実現しつつ不足分を補える。現在は稼働率が問題になっている」と述べ、機材調達にも好影響が生まれるとする。空中給油機材が増え試験評価フライトに投入できれば、試験項目が迅速かつ効率よく埋まり、空軍もKC-135の飛行時間を消耗しなくてすむという。「選択肢が増えることがとても重要です」(ミラー大将)■
この記事は以下を再構成したものです。
コメント
コメントを投稿
コメントをどうぞ。