2017年5月8日月曜日

★★大規模戦に備える米陸軍の切り札は内部シンクタンクだ



DoD photo
リトアニアで演習する米陸軍とハンガリー軍。

16年も対ゲリラ戦に費やしてきてロシア等の脅威から大規模交戦に対応する体制ができていないのに気付き愕然としているのが米陸軍の現状でしょう。予算が厳しい際に節約ののりしろにされてはたまらないというのが陸軍の立場でしょう。国防とはバランスをとった戦力整備が必要なはずで、その意味で米陸軍が自ら「考える」課程を重視し始めたのは心強いことで数年後に大きな成果が出そうです。変化に適応できる組織になれるかが問われています。考えることがなければ行動は変わりません。では陸上自衛隊は?

Army Chief’s Thinktank Studies Major War 陸軍参謀総長のシンクタンクで次の大規模戦闘に備える米陸軍

By SYDNEY J. FREEDBERG JR.on May 01, 2017 at 2:16 PM
ARMY WAR COLLEGE: 米陸軍参謀総長が何を考えているのかを知りたければ、ペンタゴンに尋ねても無駄だ。ワシントンDCから数時間北へ移動し、ペンシルバニア郊外に入りゲティスバーグ古戦場を経由して陸軍大学校へ行くべきだ。静かなカーライルにある。
  1. ここ数年同大学校の影響は衰退していたが、現在はマーク・A・ミリー大将の個人用シンクタンクになり、陸軍の中で異例の予算増をうけ大国間の本格戦争の研究という緊急課題に取り組んでいる。直近の図上演習では国名を伏せた「ほぼ同格の戦力を持つ国」との戦闘を想定し、別の研究では陸軍予備役、州軍も動員した全面戦を想定している。陸軍大学校では6月にも同様の大国想定の図上演習をミリー参謀総長出席の下で行う。
Army photoMaj. Gen. William Rapp

  1. 「参謀総長の要求は厳しいですね。同等戦力を持つ大国との図上演習は能力面でのギャップ解消の必要があるためでギャップを陸軍上層部に認識してもらいます」とイラク、アフガニスタンで戦歴を残し2014年から大学校校長を務めるウィリアム・ラップ少将が述べる。「対ゲリラ戦は学生全員が熟知しているが90年代当時は大国相手の本格戦を想定して部隊を繰り返しNTC(陸軍演習センター)に送っていた」
  2. 「ミリー将軍は陸軍大学校の検討で面倒な問題の解決を期待している」とラップ少将は記者に語った。「現在のところ、陸軍は検討作業の大部はシンクタンクにを外部委託している。当校は陸軍内部に思考力を参謀総長や陸軍全体に提供する」
  3. ミリー参謀総長は陸軍大学校にプロジェクト8つを命じている。①大国同士の戦闘 ②第三相殺戦略によるハイテク戦闘 ③戦略リスク評価 ④国防総省改革 ⑤戦略立案 ⑥グローバルプレゼンスと危機対応 ⑦アジア太平洋再バランス ⑧アフリカにおける協力国づくり である。このうち第三相殺戦略だけで学生14名を投入し、全員が経験豊かな将校で論文執筆、ブリーフィング、著作により2035年から2050年を展望した陸軍の作戦、組織、指揮統制、倫理規範をまとめる。学生、教官ともに陸軍俸給で動くためRAND研究所の陸軍研究センターの十分の一の費用で済むとラップ少将は説明している。
  4. 陸軍の現実課題に取り組むのは陸軍大学校の学生たる大佐級将校には良い教育機会となる。ほぼ全員が戦術面で経験豊かだが戦略立案の経験が限られるとラップ少将が説明してくれた。「参謀総長には重要で深刻な問題に学生が取り組んでいます」
Center for Strategic & Budgetary Assessmentsロシアのミサイル攻撃に対するバルト海地域・ポーランドの防衛構想 (CSBA graphic)
  1. 陸軍大学校はいつもここまで活発ではない。目まぐるしい軍務とは別の眠ったような場所と言われてきた。将官昇進を控えた大佐連にとって時間つぶしで休みをとる場所ともいう。大学校は参謀総長直属だったが、2003年に教導司令部(TRADOC)の指揮下に入り、10年後に再びミリーの前任者により参謀総長の下に戻された。
  2. 現時点の大学校はTADOCとは別だが、共同作業は密接に行っている。ラップ少将はTRADOC隷下の陸軍大学副総長も兼ねる。大学校がTRADOCの「下請け」もたびたび行っている。契約企業が行っていた作業を大学校学生が行い、指揮官、参謀総長他高官の役をシミュレーションで行っている。今年の演習はやはり国名なしだがロシアを思い起こす互角の相手にした大規模戦を想定する。
  3. 陸軍大学校では「動員演習」も始め、陸軍予備役、州軍の隊員を迅速動員して大規模長期戦闘に備える体制を試した。「第二次大戦終結後、完全動員体制は一度もない」とラップ少将は説明。「1942年と同様に奇跡を起こせるだろうか。率直に言って無理です」演習でわかったのは集結地点、動員手順、鉄道輸送能力などいろいろな問題点で、今後の検討と予算手当が必要だ。しかもこれは「完全動員」であって「総動員体制」であれば徴兵となり「一層困難な課題」だという。

Army photo
PACMAN-I 実験(ハワイ)でパニッシャー無人車について歩く兵士。
  1. 陸軍大学校は仮定問題だけ検討しているわけではない。世界各地の実戦部隊の司令部に補佐官を派遣しており、太平洋軍の例では作戦案起草を助け、ナイジェリアでは国軍の幕僚学校立ち上げを支援している。「教官陣には現実の戦闘司令部の感触を維持させ、司令部には代償なしで優秀な思考力を提供している」(ラップ少将)
  2. 生徒となる有望な大佐連に加えて、昨年から大学校は将官向けに継続学習の長期課程を提供している。「とても良い発想で高い価値があるものの時間がかかるのが欠点」とラップ少将は述べ、将官にどうしても不足しがちな部分だと指摘。
  3. 「重複部分をそぎ落としました。将官向けに必要な教育内容を再構成して単なる教養課程ではありません。教室にこもって一日中議論することを一週間続けるわけではありません」とラップ少将は述べ、将官も事例研究に格闘し、論文を書き、記者も招かれたように報道陣の面前で持論を守り通す課程もある。(記者は手ぐすねしなかった)
  4. 「狭い枠組みから抜け出さないといけない」とラップ少将は述べ、15年にもわたり内乱鎮圧作戦に忙殺されてきた米陸軍を言及している。将官、大佐級は「これまでより厳しく創造的に自らの使命を考え直す必要があります」「知的好奇心をなくしたまま自分の考えが絶対と信じれば現実世界に落胆させられるだけです」■

2017年5月7日日曜日

★★トランプ政権になり戦闘機ビジネスで強気になったボーイングディフェンス



オーバーステアな会社ですね。悲観論から楽観論へすぐ変わりました。PCAとも呼ばれる空軍向けかF/A-XX海軍版の次期主力戦闘機のいずれかあるいは双方でボーイングが受注できるかが今後の注目点でしょう。スーパーホーネット、イーグル共にSLEPしながらあるいは追加型を投入して今後も供用が続くのではないでしょうか。

Super Hornet Block III: Boeing
Aerospace Daily & Defense Report

In Trump Era, Boeing Defense CEO Bullish On Fighters

トランプ大統領の登場で戦闘機ビジネスに強気姿勢のボーイングディフェンスCEO
May 2, 2017 Lara Seligman | Aerospace Daily & Defense Report


ARLINGTON, Virginia—ドナルド・トランプ大統領による新しい状況の下でボーイング防衛部門トップが同社戦闘機に明るい将来を期待している。
  1. ボーイング防衛宇宙安全保障(BDS)の社長兼CEOリーアン・キャレットは昨年はAviation Weekに戦闘機は六つある同社主要事業ではないと語っていたが、今は戦闘機事業に大いに期待しているようだ。
  2. 「戦闘機は今後も中核事業です」とキャレットは5月2日にAviation Week編集陣にBDS本社で語った。「業界でトップに立ちたい六大事業が別にありますが、だからと言って戦闘機ビジネス撤退はありえません」
  3. 昨年6月にキャレットはボーイングが戦闘機事業を縮小する含みで発言し、本人のCEO指名は「ボーイング・ディフェンス新出発の証」と言っていた。
  4. 「戦闘機ビジネスで当社がトップを目指すと言ったら頭がおかしいといわれそうですね。現実を見つめましょう。当社はJSFで負けたのです」
  5. ボーイングの戦闘機事業は昨年は今と大違いだった。F-15、F/A-18ともに受注が見えず、セントルイスの戦闘機組立てラインは2020年までに閉鎖の見込みだった。
  6. 今や両機種とも最低でも2020年代末まで生産のめどがつき、性能改修案もあり、国際販売もクウェート、カタールで成約し、米国の新規発注も大いに可能性が見えてきた。
  7. 何が違いを生んだのか。過去11か月で世界の政治環境の変化が大きいとキャレットは説明する。従来と違う脅威の様相があらわれ、過去と違う軍装備が必要になっている。脅威内容は今後も変化していくと新政権主要関係者が認識を共有している。
  8. そこに大統領自身も含まれる。トランプは新型「ブロックIII」仕様スーパーホーネット大量発注を検討中と今年初めに述べた。「軍を大幅再建する。F-18スーパーホーネットを使い続けても問題はない」とトランプはボーイングのサウスカロライナ事業所で演説した。「大量発注を真剣に検討中だ」
  9. 一方で上下両院予算委員会は2017年の国防支出1.2兆ドルにスーパーホーネット12機の追加調達979百万ドルを認めている。
  10. キャレットは「ブロックIII」スーパーホーネット後年度調達で何をトランプ政権との協議で詳細はほとんど明かさなかったが、「適正な性能を持った適正な製品が顧客のニーズに合うのはよいこと」と述べている。「心の底では海軍がF/A-18運用を断念するとは思えません。世界情勢が変化する中で同機が必要な時が必ず来ます」
  11. キャレットはスーパーホーネットとロッキード・マーティンF-35の競合は重要視していない。当選直後のトランプがF-35中止をほのめかし、「同等の性能を有する」F/A-18調達を主張したが、キャレットは「『どちらか』の問題ではなく『ともに』供用すべき問題でしょう」とし、F/A-18とF-15が「補完的効果を」F-35に与えると強調している。
  12. 当面のボーイングは既存機種の保持、近代化に力を入れつつ、新技術に投資し次世代戦闘機開発に取り組むとキャレットは述べた。ただ米空軍が狙う次期主力戦闘機の侵攻制空戦闘機構想で同社が投入を狙う技術の詳細については言及を避けた。■

★★イタリア製F-35B一号機がロールアウト!



なるほどイタリアのFACOは順調に作業を進めている模様です。対する小牧FACOでは一号機を組み立て中で今年中にロールアウト予定と聞いています。イタリアが119機分の作業があるのに対し小牧は38機というのはいかにも少ないですね。

Italy rolls out first F-35B assembled outside US米国外初のイタリアがF-35Bをロールアウト、米国外で初の同型完成機に

By: Tom Kington, May 5, 2017 (Photo Credit: Aeronautica Militare)

米国外で初の組立例となったF-35Bがイタリアで完成し、ロールアウト式典が同国将官を招き開催された。
  1. 同機BL-1は8月に初飛行し、イタリア国防省に11月引き渡すとロッキード・マーティンが発表。2018年にイタリア人パイロットがパタクセントリヴァー(メリーランド州)まで回送し「電磁環境証明」交付を受ける。同時に米国内でパイロット訓練に投入される。イタリア向けF-35B二号機の引き渡しは2018年11月予定。
  2. イタリア北部カメリ基地内に設置されたFACO最終組立て検査施設からF-35Aは7機が引き渡し済み。うち3機がイタリア南部アメンドーラ空軍基地で飛行中で残る4機はルーク空軍基地(アリゾナ)で訓練に投入中で飛行時間は合計100時間を超え、イタリア空軍のB-767給油機による空中給油も実施し、他にユーロファイター、M-346練習機、新導入のガルフストリーム空中早期警戒機とも一緒に飛んでいる。
  3. カメリから今年はアメンドーラに2機納入予定でうち一機が7月、残りは第四四半期引き渡しとなる。カメリ製のF-35Aが昨年2月に大西洋横断飛行をしたのも大きな出来事だった。
  4. カメリは米国外唯一のF-35B組み立てラインとなり30機をイタリア空軍・海軍向けに製造する。あわせてF-35Aはイタリア空軍向けに60機、オランダ空軍向けに29機を組み立てる。
  5. ロッキード・マーティンは同施設に800名を配置中だ。施設はイタリア政府が所有し運営はイタリア国営防衛企業レオナルドがロッキードと提携して行っている。
  6. 2014年にカメリ基地が米国防総省によりヨーロッパ地区向けF-35の重整備・修理・分解点検・改修作業施設に指定された。
  7. ここまでの成果が生まれている反面、イタリア航空宇宙産業団体会長ジュイド・クロセットは米国が「約束を破り」当初のイタリアで行うはずだった整備作業の多くを英国に移管したと非難している。
  8. F-35向け予算の支出がイタリア国内で微妙な政治問題になっている。2008年の世界的金融危機の影響をまだ抜けきらないイタリアで、与党民主党は同機事業で批判を浴び、来年上半期に総選挙が予定される中で同機の問題を取り上げたくない姿勢だ。■

★★★イージスアショア導入でミサイル防衛体制強化を目指す日本




LEAH GARTON—MISSILE DEFENSE AGENCY

防衛大綱にまで記述している以上イージスアショアの導入は固いところです。が、文中に指摘あるように対外有償軍事援助=販売として許認可を持つのは米政府ですので、今後の米中関係など他の影響も考慮すべきでしょう。ただし、中国の反対意見は無視するとしても、中国が沖縄と同様に国内反対派に火をつけることのほうが怖い気がしますが。

Japan May Acquire Aegis Ashore To Defend Itself From North Korean Missiles日本がイージスアショア導入を検討中。北朝鮮ミサイル防衛を目指す。

The system is especially well suited for Japan's strategic needs, but China would not be pleased with seeing it setup on Japanese shores.日本の戦略的ニーズにぴったりだが、導入されれば中国がたまっていないだろう。

BY TYLER ROGOWAYMAY 5, 2017

  1. 日本がイージスアショアミサイル防衛装備の導入で北朝鮮弾道ミサイル脅威に効果的対応が可能になるか検討を急いでいる。
  2. THAAD導入も検討したがイージスアショアの有効距離が大きいことで日本の地理条件に合い戦略上の狙いにも合致すると判断した。またイージスアショアが日本のミサイル防衛能力装備の水上艦と相互運用性がありセンサー、発射装置、迎撃体、運用方法を共通化できることも好条件だ。
  3. 価格も問題だ。ジャパンタイムズは「THAAD一個部隊は1,250億円で全土防衛に6隊が必要だ。イージスアショアは800億円程度で二個編成で同じ面積をカバーできる」と伝えている。イージスアショアはPAC-3ペイトリオット部隊と陸上配備ミサイル防衛の二重構成とし、短距離、中距離弾道ミサイルが大気圏再突入後に迎撃する。
イージスアショアはルーマニアのデヴェセルに導入済みだ。AP
  1. 日本の地理条件を考えればイージスアショア導入が極めて妥当だ。日本はイージス駆逐艦6隻を保有し内四隻が弾道ミサイル防衛対応である。残る二隻も2018年までに同様の能力を獲得する。各艦の任務はイージスアショアと極めて似ているが日本海にたえず展開するためには隻数がもっと必要だ。
  2. 高価な多用途装備なだけに、各艦を警戒任務のみで展開するのでは高性能のもちぐされとなる。そこに日本西方にイージスアショア二個部隊を配備する意味があり、高性能駆逐艦の展開圧力を緩和しもっと柔軟な防衛体制がとれるようになる。
あたご級イージス駆逐艦あしがら USN
  1. 例を挙げれば緊張が高まった場合に、イージス駆逐艦一隻ないし二隻をイージスアショアに加えて配備すればよい。データリンクを介して相互運用が可能でネットワーク化したチームとして運用できる。情報共有で脅威の優先順位を決め、標的ごとにミサイルを割り振る。イージスアショアが何らかの理由で稼働できないときは海上自衛隊からもう一隻を急派し臨時補強策とできる。
  2. あたご級駆逐艦一隻の値段でイージスアショアが二隊手に入り、北朝鮮弾道ミサイルの脅威に常時警戒できるわけだ。
  3. 米軍が展開中のポーランド、ルーマニアのイージスアショアでは二次的に防空能力も実現している。改修により各ミサイル施設は巡航ミサイルや航空機も標的にできる。
  4. ゆくゆくイージスアショアは現行のSM-3迎撃ミサイルに加えSM-6も運用するだろう。SM-6は弾道ミサイル、通常型航空機両用で日本のイージスアショア基地は沿岸防空施設ともなり哨戒機や艦船等のデータを活用し威力を上げるだろう。
DOD
  1. イージスアショアは海上用のイージスBMD対応戦闘システムと互換性がり、SM-6を大気圏外でも標的に迎撃させられる。
  2. 日本が検討の結果、イージスアショア導入を最終決定するまで時間がかかりそうだが、導入となれば中国が不快に感じるのは当然だろう。THAAD配備は恒久施設でなく、交戦範囲も狭く特化した性能といえるが韓国に配備しただけで中国は大問題と騒いでいる。日本西方にイージスアショア施設が二か所生まれればTHAAD以上の反応は必至だ。中国は自国の核抑止力の実効性が薄れると主張するだろう。
  3. トランプ政権が中国と良好な関係の維持を目指していることから政治的に微妙な問題を生みかねないイージスアショアの日本売却を米政府がどうとらえるかは興味深い点だ。とくに現在は北朝鮮抑え込みで米国が中国に前例のない動きを強く迫っている段階だ。その意味で日本がイージスアショア導入を検討するだけでも中国は北朝鮮に緊張緩和を強く求める動きに出ざるを得なくなる。そうなれば悪い話ではないではないか。■

2017年5月6日土曜日

★★米空母への攻撃手段四点と対抗策:空母撃沈は可能なのか




就航前艦ジェラルド・R・フォードが自力で初の建造所公試で外海に向かう。フォードは米スーパー空母の新型一号艦。Photo credit: United States Department of Defense

かつての戦艦同様に現在の航空母艦はすでに実効力を失っているのではないかと長年批判されていますが、今回の朝鮮危機で示されているように今でもその威容は十分に威嚇力があり、搭載機も北朝鮮程度の一線機材を上回る規模です。では空母は無敵なのかといわれればそうでもなく、それだけにいろいろな対策を加えればさらに巨大艦になっていきます。ロシア、中国、北朝鮮、イランが記事にあるような攻撃手段を研究しているはずなので今後さらに技術が進歩していくでしょう。

What It Would Really Take To Sink A Modern Aircraft Carrier

Robert Farley

  1. 現代の空母は米国による支配、覇権、平和、そして帝国の象徴である。しかし全長1,000フィート排水量10万トンの空母は格好の標的なのだろうか。アメリカの国力の象徴は時代遅れで脆弱な鉄の塊に過ぎないのだろうか。
  2. 米国が超大型空母運用を続けるべきかの議論があるが結論は出ていない。空母を沈めるのは困難でも不可能ではない。カギを握るのは何をどのように投入するかであり、敵が誰なのかという点だ。空母を沈めたいのであれば以下を参照されたい。対抗措置も述べる。

現代の空母の歴史


  1. 米国防部門では1940年代末から空母無用論が戦わされている。第二次大戦で空母は海軍戦で決定的な存在になった。戦後の技術開発で空母の残存性に疑問がついた。精密誘導ミサイルは無人カミカゼ攻撃といってよく潜水艦の性能向上で空母の防御は不可能と言われ始めた。さらに核兵器がここに加わった。
  2. 空母を核攻撃すればゲームオーバーである。核攻撃すればなんでもおしまいだ。
  3. 空母の将来を巡る危機の最初が1949年の「提督たちの反乱」事件で、米空軍が空母は脆弱であり予算支出は不適切と主張したため海軍首脳部が反論した。
  4. 最終的に海軍は「スーパー空母」を中心に冷戦期の戦力を構築した。一号艦がUSSフォレスタル(CV-59)で1955年のことで、最新のUSSジェラルド・R・フォード(CVN-78)まで続いている。
  5. 各艦は非常に高額となり戦力集中は脆弱性となった。冷戦中、冷戦後ともに分析が大量に行われ、海軍が巨大艦にこたわることへ批判が集まった。小型で安価な艦で同じ任務の実施が可能との議論が生まれた。
  6. 同時期にソ連は多大な時間と予算を投入して米空母攻撃手段を求めてきた。現在は中国の接近阻止領域拒否では米空母を中心にとらえている。

航空母艦の重要性


  1. 空母攻撃用に開発された兵器すべての根本的問題は偵察機材との情報リンクであり、空母を発見し攻撃部隊に伝えることだ。潜水艦、航空機、水上艦は遠距離では位置がわからなければ空母を撃破できない。そして陸上基地と違い、空母はたえず移動している。
  2. 超音速巡航ミサイルでも最大射程で発射すれば目標地点到達は20分後になり、その間に空母は最大速度なら10マイル移動する。10万トンの巨大空母は最高30ノット超と意外に高速航行が可能でここに原子力推進の意味がある。
  3. 水上艦や潜水艦の攻撃手段は独自に空母を探知できないことだ。他の手段からのデータに依存する。このため攻撃決定に時間と不確定要素が加わる。米国は三十年かけて偵察攻撃一体化をめざし、偵察通信機能を重複したキルチェーンを実用化しており、リアルタイムで情報を高性能センサー機材(衛星、海中聴音装置、無人機、警備艇等)から通信ノード(衛星、航空機)経由で艦船、航空機、潜水艦に伝えミサイルを発射し目標まで誘導するシステムを構築した。
  4. ここまでの能力を実用化している国は他にない。ただしロシア、中国も実用化を目指している。では敵勢力が空母撃沈を目指しどんな手段を講じてくるのか、その対策は何かを以下見てみよう。

魚雷


  1. 現代の魚雷の直撃を受けた空母は皆無で、9万トン艦が魚雷攻撃を受けてどうなるかを示す材料がない。米海軍は用途廃止したキティーホーク級空母USSアメリカを標的に各種水中兵器の効果を2005年に試したが、テスト結果は非公表扱いだ。
  2. 第二次大戦中に潜水艦により沈んだ空母は計8隻あり、国籍では日本、米国と英国だ。始まりは1939年のHMSカレジアスであった。冷戦時に米海軍はソ連原子力潜水艦を空母戦闘群への主要脅威ととらえていた。空母を仕留めるには潜水艦は護衛艦を回避し哨戒機に捕まらずに静止したままあるいは空母通過を待つ状態で待機する、あるいは空母に気づかれずに近づく必要がある。公海では後者はまず実施できない。空母は現在の潜水艦とほぼ同じ速度で移動するためだ。
  3. 各国海軍は標準的なホーミング魚雷の射程を公表していないが、最大35マイルから40マイルというのが大方の筋の見方だ。現代の魚雷は艦の真下で爆発することで竜骨を折り致命的な浸水を起こす。ロシア海軍は超高速魚雷を開発したが、実用化されているのかまたその効果も疑わしい。

対抗策

  1. 潜水艦対策の中心は潜水艦に攻撃位置を取らせないことだ。これまでは多様な手段で潜水艦を探知撃破する手段があり、艦載対潜哨戒機、護衛艦運用のヘリコプター、陸上発進の航空機や護衛部隊(水上艦、潜水艦)が対応してきた。
  2. 冷戦時の米海軍はソ連潜水艦探知および攻撃に相当の自信を有しており、空母を北極海や太平洋に進出させてソ連国内を攻撃する手段として活用する構想があった。
  3. だが米海軍の対潜戦(ASW)能力は冷戦後に衰退している。S-3ヴァイキング哨戒機、オリバー・ハザード・ペリー級フリゲートの退役がその口火だった。一方でロシアもソ連時代より少ない潜水艦しか運用せず、中国の原子力潜水艦は静粛性に難があり追尾は容易だった。ディーゼル潜水艦は静粛だが航続距離が短く、空母作戦海域で長時間待機できず、空母戦闘群に匹敵する速度もない。
  4. 潜水艦は指揮統制システムとリンクが困難で、航空機や水上艦とは違う。このため情報があっても対応に時間がかかりやすい。とはいえ、一定数の潜水艦を巧妙に配置すれば空母打撃群にも脅威となる。潜水艦、水上艦では最後の手段としてホーミング魚雷を混乱させるべく、ノイズメーカー、デコイで魚雷をかわそうとする。ロシアや中国はこれに対して航跡追尾型の魚雷を配備している。

巡航ミサイル


  1. 海軍向け巡航ミサイルの初の実戦投入は第二次大戦中でドイツ空軍機が精密誘導グライダー爆弾を連合軍、イタリア軍艦船を攻撃している。冷戦時にはソ連は巡航ミサイルで米空母戦闘群の攻撃を狙い、潜水艦、水上艦、航空機各種を開発した。Tu-22「バックファイヤー」爆撃機は米空母攻撃の巡航ミサイル母機として専用開発された。中国も同様に各種巡航ミサイルを各種手段で運用する構想だ。巡航ミサイルは海面すれすれを飛翔して探知を逃れ、最終段階で一気に上昇し最大限の攻撃効果を狙うことが多い。対空ミサイルや防空戦闘機による対応は不可能ではないものの困難になる。巡航ミサイルはプログラミングが発射前に必要で指定地点に向かってから標的を識別選別するのが普通であるが、一部ミサイルでは高度機能がついており長距離でも標的を自ら探知し攻撃が可能だ。

対抗策

  1. 魚雷と同様に巡航ミサイル攻撃の回避策は発射母体を空母そばに近づけないことだ。水上艦なら容易で、中国あるいはロシア水上艦が発射できる地点に近づく前に米航空戦力により撃破されるのは確実だ。潜水艦発射の巡航ミサイルの場合は複雑とはいえ、同じ考え方が適用できる。潜水艦が発射地点に到達する前に撃破する。航空機から発射の巡航ミサイルALCMsはこれと違う問題で、航空機は高度と地球の湾曲のため潜水艦や水上艦より遠隔地から空母打撃群を探知できる。航空機対策として空母打撃群は対空ミサイルや戦闘機による戦闘哨戒飛行に頼らざるを得ない。
  2. 冷戦時には米ソで手の込んだゲームになった。ソ連は爆撃機発進のため良質な情報を必要とし爆撃機多数は損失覚悟だった。米海軍はおとり戦術でソ連に大量発進をさせソ連戦力を無駄にさせる、あるいは離陸をさせまいとした。F-14トムキャットが開発されALCM対策に投入すべく巨大なレーダーと長距離空対空ミサイルを搭載し、空母戦闘群を長距離で防御する体制が生まれた。
  3. だがF-14はもはやなく、空母航空隊は航空哨戒任務を依然つづけているものの敵爆撃機迎撃以外に無人機や哨戒機にも目を光らせる必要があり空母の居場所をリアルタイムで伝わるのを防いでいる。
  4. 巡航ミサイルで空母を攻撃した事例はないが、小型艦艇では巡航ミサイル攻撃で実際の被害が生まれている。イラン-イラク戦争で対艦ミサイルが大々的に使われたが、大型石油タンカー攻撃に失敗することが多かった。だが巡航ミサイル一発で空母の飛行甲板が被害を受ければ沈没は免れても戦力は大幅に低下する。

高速艇


  1. 小型舟艇が大型艦に脅威となるとわかっていたが、ペンタゴンのまとめたミレニアムチャレンジ2002演習でこの問題が大きな関心を集めた。同演習では小舟艇に自殺攻撃をさせて米海軍部隊に大損害が発生する想定だった。「赤」軍の戦略はアルカイダによるUSSコール攻撃事例(2000年)をもとにし、イランの小舟艇活用事例(イラン-イラク戦)も参考にした。
  2. 演習の審判役はついに赤軍戦術を中止させざるを得なくなった。米軍に攻撃のチャンスを与えるためだった。相当の爆薬を搭載する小舟艇ではスーパー空母の撃沈には苦労するだろうが空母は処理に労力をとられ戦力は一定時間低下する。

対抗策

  1. 小舟艇は航続距離が足りず公海上で空母を探知攻撃するのは困難だ。空母打撃群を発見しても重装備のヘリコプターや護衛艦艇の攻撃をかいくぐって接近する必要があり、ファランクス砲が小舟艇を木っ端みじんに粉砕するだろう。そうなると小舟艇の脅威可能性は空母が静止中あるいは狭い海峡を通過中の奇襲攻撃だろう。深刻な内容ではあるが、現実問題として空母の将来そのものを左右する脅威ではない。

弾道ミサイル


  1. 2000年末に中国がDF-21中距離弾道ミサイルで移動目標攻撃技術を開発中との情報が浮上してきた。ミサイルは最終接近段階で制御可能で移動中の空母も高い精度で狙えるという触れ込みだった。米情報分析部門はDF-21D対艦弾道ミサイル(ASBM)は半径900マイルを攻撃可能と評価した。だがもっと大事なのは高速で降下する弾頭の運動エネルギーだけで空母を破壊できることでこれを受ければミッションは放棄せざるをえなくなる。そこまでの注目を集めなかったが、ロシアのイスカンダルM短距離弾道ミサイル(SRBM)も同じ狙いがあるようだ。
  2. テストされていない兵器は存在しないのと同じだ。DF-21Dの場合は発射テストこそ実施されていないものの現実的な運用テストを受けている。テストでは中国軍が空母の居場所を探知しミサイルを命中させる能力があることを示す意味がある。ただし今までのところPLAが運用に必要な訓練を行った兆候はない。中国はDF-21用と思われる偵察衛星複数を打ち上げたが戦時状況では衛星の信頼性は保証がない。中国がさらに長距離型の対艦攻撃弾道ミサイル開発に着手しても、位置捕捉関連の問題が増えるだけだろう。

対抗策
  1. 米海軍はそれでもASBM脅威を深刻にとらえて攻撃・防御手段の組み合わせで対抗する。攻撃面では敵弾道ミサイル発射基地を武力対決の初期段階で攻撃する構想があるが、標的が移動式あるいは硬化施設の場合に攻撃効果は疑問だ。電子攻撃で敵センサーを使用不可能にし目標データを発射基地に転送さえなくする方法も想定されている。
  2. 防御面では運動、電子両面でASBMへ対抗する。運動面では迎撃ミサイル(レイセオンSM-3スタンダードミサイル)をイージス装備護衛艦艇から発射し空母接近前にASBMを撃破する。電子では最終誘導システムを狙い空母接近前に無効にする。
  3. ただし実際の状況を想定したテストが実施されておらず各対抗手段の効果をあらかじめ把握することができない。戦術状況に左右される。早期警戒がどこまで可能か、目標までの距離、飛来するミサイルの数など、その場の状況で毎回条件が変わる。だがDF-21ASBMを多数発射してきた場合は一部は迎撃でき、別に被害を発生させないまま海中落下するものもあるが、一部は米艦船を直撃する可能性があるものと想定すべきだ。空母がその標的になる可能性もある。

まとめ

  1. 開戦となれば中国あるいはロシアは自国に最も有利な条件で米空母を攻撃してくるはずで奇襲攻撃になるかもしれない。米側を混乱させるべく装備多数を投入し防衛体制を圧倒するはずだ。自国への攻撃を避けるため米空母打撃群をできる限り遠隔地に追いやりたいはずだ。そうなると米海軍(さらに米政府、一般国民)は上記対抗措置をすべて真剣に検討すべきだ。
  2. 敵側に空母撃沈可能な魚雷やミサイルがあることから空母の脆弱性議論につながる。空母を狙うのは困難な仕事であり、多額の予算が必要だ。
  3. だが米空母打撃群を自軍の艦艇で攻撃しようとすれば自殺攻撃になるのは必至で、ここから米空母撃破の試行に疑問が二つ生じる。実施可能なのか、可能としても実施する価値が本当にあるのか、である。

Rob Farley teaches national security and defense courses at the Patterson School of Diplomacy and International Commerce at the University of Kentucky. He is the author of Grounded: The Case for Abolishing the United States Air Force, and the Battleship Book. Find him on twitter @drfarls.


資料 北朝鮮ミサイル発射回数(1984-)


これはわかりやすいので共有します。金正恩が権力の座についてからの増加が明白ですね。
North Korea missile test chart
Every missile launch conducted by North Korea since 1984. Mike Nudelman/Business Insider

Here are all the missile tests conducted by North Korea since 1984

北朝鮮の1984年以降ミサイル発射テストの全体像
5月1日に米空軍はB-1爆撃機二機を朝鮮半島上空で飛行させた。数日前に北朝鮮は弾道ミサイル発射を実施したばかりだった。
2017年だけで北朝鮮は計8回のミサイル発射をしており、うち3回は失敗だった。これでも直近三年よりはるかに少ない。2016年は24回、2015年が15回、2014年は19回だった。  
1984年以来のミサイル発射回数を集計したのが上のグラフだ。■

2017年5月5日金曜日

★★マレーシアに海自P-3C無償供与、何とか実現してもらいたい



これはいいニュースですね。マレーシアと日本の連携強化になり、機材の有効活用にもなります。機材譲渡にあわせて訓練や保守管理も日本が行えばさらに実効性があがります。同様の動きがフィリピンやヴェトナムでも出ればいいですね。政府間の動きの後は民間企業が積極的に動けばいいのです。
海上自衛隊のP-3C哨戒機

Japan seeks to give patrol planes to Malaysia


Retired Self-Defense Force aircraft would watch over South China Sea
マレーシアに哨戒機を供与する日本の狙いは退役自衛隊機で南シナ海監視の強化だ
Nikkei Asian ReviewMay 5, 2017 2:15 am JST

TOKYO -- 日本政府が退役ずみ哨戒機をマレーシアに寄贈する検討に入っており、同国により南シナ海での中国による海洋進出を警戒させる狙いがある
国会で防衛省基本法の改正が審議中で装備品を無償提供できるようにする。現在は国有財産の譲渡には何らかの代償が法律上で求められている。改正になればマレーシアが初の適用例となり、海上自衛隊が使用してきたP-3C哨戒機が対象となる。
P-3Cにはレーダー他の装備があり不審船や潜水艦を探知監視する能力がある。川崎重工業がロッキードからのライセンスで生産していた。海上自衛隊は同型機を60機ほど運用していたが15千飛行時間に達した機体から順次用途廃止にする方針だ。
防衛装備庁によればマレーシアからP-3Cの希望が伝えられてきたという。日本は退役機材を改修して引き渡す予定で高性能レーダー等の防衛機密装備は取り外す。
政府はマレーシア側と短期間で機材譲渡を合意したい意向だ。譲渡では日本の方針と整合性として透明かつ安全保障に関連し国際法との合致が求められる。
日本は機材、技術が中国の手に入らないよう万全を期す検討を行い、譲渡前に米国から武器取引規制で認可も得る。機材が米国原産のためだ。
日本はASEAN東南アジア諸国連合と国防協力を深めているのは日本同様に中国の南シナ海進出へ懸念しているためだ。すでにフィリピン、インドネシアと同様の取り決めがあり、ミャンマーやカンボジアは国土インフラや緊急援助と並んで防衛力基盤整備でも日本から援助を受けている。■


ロシア機のアラスカ接近で初めて戦闘機エスコートを確認


ロシアの動きが気になるところです。日本にも東京急行のパターンで防空体制を探るような動きをしていますね。ベアがどこまで補修を受けているかわかりませんが、機体寿命が長くないのではと思います。それでも日米の動きを探るけん制の効果があるとクレムリンは判断しているのでしょうか。

ツポレフTu-95MSベア戦略爆撃機、モスクワの戦勝70周年記念での飛行中。Host photo agency / RIA Novosti

U.S. intercepts Russian bombers, fighter jets near Alaska

アラスカ沖で迎撃したロシア爆撃機には戦闘機エスコートが付いていた
By STEFAN BECKET CBS NEWS May 4, 2017, 11:21 AM

WASHINGTON -- 米戦闘機編隊がロシア軍用機複数をアラスカ沖の米領空そばで迎撃した5月3日の事件は米ロ両国の航空機遭遇で最新の出来事になった。
  1. 米政府関係者がCBSニュース安全保障担当記者デイヴィッド・マーティンに事件を確認し、遭遇はあくまでも安全かつ規律の取れた形で発生したと述べた。ロシア機による米領空侵犯はなかったとも述べた。
  2. 該当のロシア機はTu-95ベア爆撃機二機で4月からアラスカ近辺まで飛行を繰り返している機種だ。今回は初めてSu-35戦闘機二機が随行しているとマーティンが伝えている。米関係者は該当機は前日にシベリアの前線基地に居るのが確認されていると語った。
  3. フォックスニュースは迎撃したのは米空軍F-22ステルス戦闘機二基で水曜日午後9時ごろの出来事と伝えている。
  4. 4月には4日にわたりロシア爆撃機、偵察機が米領空付近まで飛行しており、連続したのは2014年以来初めてだ。
  5. ロシアがパトロール飛行を再開した理由を関係者はいろいろな理由があると解説している。ひとつは飛行再開はトランプ政権によるシリア空軍基地攻撃が4月にあったことへの対応という。ロシアはシリアの盟友として攻撃を強く非難していた。
  6. もう一つの説明としてロシア長距離爆撃機部隊はほぼ二年間にわたり飛行を停止し深刻な保守点検問題に取り組んでいたが、今や飛行可能となり訓練をしているとする。
  7. 米政府関係者は両方とも正しいかもしれないとだけ述べている。
  8. トランプ大統領はプーチン大統領に電話会談を火曜日に行っている。また7月初めにはドイツのハンブルグで初の直接会談の予定がある。■

★歴史に残らなかった機体(7)ノースアメリカンXB-70



歴史に残らなかった機体シリーズです。歴史に残った機体よりもどこか魅力を感じしてしまうのは機体の悲しい出自のためでしょうか。戦闘機より早く高く飛べればソ連侵入は簡単だぜ、とパワー全開の思想で始まったのがXB-70ですね。完成したらもう使い道がない機体になったというのは機体の大きさもあり恐竜のような存在でしょうか。

The National Interest

XB-70 Valkyrie: The Largest and Fastest American Mega Bomber Ever Built XB-70ヴァルキリーは米爆撃機史上最大、最高速の機体

May 3, 2017

  1. ノースアメリカンXB-70ヴァルキリーは米国で最大かつ最高速の爆撃機だった。ただ巨大なマッハ3.0飛行可能な六発機は量産されなかった。唯一残る試作機は今日もオハイオ州デイトンの空軍博物館で展示中だが、本来交替する対象のB-52は今も現役だ。
  2. XB-70構想の出発は1950年代でもっと高速で高高度を飛びソ連防空網をかいくぐれる爆撃機で核兵器を投下する機体が求められた。当時の防空手段は戦闘機と対空砲火で防空砲は効果がほぼなく、迎撃機は爆撃機の性能向上に追随するのに苦労していた。
  3. だが地対空ミサイル(SAM)の出現で状況は防衛側に有利に傾く。米空軍もソ連のSAMの進展は認識していたが、フランシス・ゲイ・パウワーズが操縦するU-2スパイ機がソ連上空を飛行中に撃墜された1960年5月1日までペンタゴンは真剣に脅威をとらえていなかった。それでもXB-70開発はそのまま続けられた。
  4. ソ連のSAMの脅威が現実のものなり、ペンタゴンも低高度侵入を模索しはじめた。低空侵入ではレーダー探知の下を飛び、地形を有利に使って防衛側に時間的余裕を減らす。さらに大陸間弾道ミサイルの実用化で有人爆撃機依存が減った。当時の軍事戦略思考家は爆撃機ではソ連侵攻は無理と考えていた。ジョン・F・ケネディ大統領はXB-70開発中止を1961年3月28日に決断した。
  5. 一方でXB-70を使ったテストは継続した。初飛行は1964年9月21日でパームデールからエドワーズ空軍基地まで飛んだ。だが一号機は失望を生んだ。マッハ2.5超で方向安定性が低くなる傾向が見つかり、マッハ3.0超の飛行は一回しかない。二号機は1965年7月17日に初飛行し、超音速飛行の安定度を高めるため主翼に上反角5度がついた。
  6. 悲劇は1966年6月8日に発生した。XB-70試作二号機が空中でF-104Nチェース機と衝突した。二名が死亡し一名が重傷だった。二号機の喪失は一号機より性能が高いため、大きな痛手となった。ただしテストは1969年2月4日まで続き、一号機は83回のフライトで160時間16分を計上し、二号機は46回のフライトで92時間22分を飛行したとNASAが発表している。
  7. XB-70は当時としては驚異の技術の結晶だったが、登場した時期を間違えた機体だった。登場時点で弾道ミサイルが有人爆撃機に交替すると思われるようになり、開発の時期で高速高高度飛行ではソ連の地対空ミサイルや新型戦闘機への有効な防御手段ではなくなった。
  8. とどめを刺したのが同機の途方もない価格とミッション実行の柔軟性の欠如だった。採用されていてもB-70は低空飛行任務に不向きだっただろう。現在開発中の長距離打撃爆撃機B-21がこの点で有効な機体であるよう祈るばかりである。■
Dave Majumdar is the defense editor for The National Interest. You can follow him on Twitter: @davemajumdar.


北朝鮮が建設中の人工島はICBM発射施設か



軍事施設なら攻撃されれば簡単に破壊されてしまいます。他の軍事施設が地下に構築されているのと大きく違い、目的が違う気がするのですがどうでしょう。とはいえ、デブの独裁者も今や何も隠せないということですね。

North Korea islands北朝鮮が建設中の人工島の衛星画像。軍事施設を収容する可能性がある。 Google Earth and Strategic Sentinel


North Korea is building artificial islands that could be used for missile launches

  • Daniel Brown
  1. 北朝鮮が黄海で人工島複数を建設中で軍事施設の様相が見えてきたとロサンジェルスタイムズが5月3日報じている。
  2. 衛星画像では建設は五年前から始まっており、場所はピョンヤンから北西70マイルのソハエであり、同地は大陸間弾道ミサイルの研究開発の中心でもある。
  3. およそ五年前に同地点の三つの島はごつごつした岩だらけで植生も見られたが、別の二つの島は砂洲だった。2016年12月には各島で軍事施設と思われるものが見られ、道路が拡張され長方形のコンクリート構造物も確認できた。
  4. ただし島ごとに構造物は大きさも形状も異なり、目的がはっきりしない。ミサイル発射施設になるのか対空砲陣地になるのか対艦ミサイルを装備するのか。あるいは単純に耕作地になるのかもしれない。
  5. 各島の道路が曲がりくねっているのは輸送起立発射台を使うためかもしれない。長方形構造体の一部が明るい色なのは耐熱セメントで打上げ台用かもしれない。
  6. ただし島でTEL輸送起立発射装備を使うのは賢明ではない。対空ミサイル陣地なら理屈があうが衛星画像からは明白に言えない。
  7. だが専門家によれば島に視察用施設があるのは金正恩がミサイル発射を見守るためではないかという。VIP用施設があるということは軍事施設なのだという。金正恩は建設中施設の視察をよく行う。
  8. 専門家は視察を想定していることから軍事目的の施設の可能性があると指摘する。ただし北朝鮮は施設に二重の目的を持たせることが多いと指摘する別の専門家もいる。軍事施設で同時に農業用であることも普通だという。
  9. 一部の島は北朝鮮が進める魚、あひる、牡蠣養殖に適合しているようにも見える。また北朝鮮は民間空港からもミサイルテストを行っている。
  10. 中国も南シナ海の領有を正当化するため人工島多数を建設している。中国政府は各島は純粋に民生目的のみとくりかえし主張するものの、衛星画像で軍事装備があると判明している。■