Lockheed Martin
米陸軍は最大500キロ先を移動中の水上艦船をとらえ破壊する能力を2025年までに実現する。その手段として精密打撃ミサイルPrecision Strike Missile (PrSM)の開発を急ぐ。同ミサイルは異次元の攻撃能力を有し、精密かつ高性能標的捕捉効果をもたらす。
PrSMは最初は対地攻撃用だったが、標的捕捉用に高性能マルチモードシーカーを搭載して柔軟な標的対応が可能となり海上目標攻撃も可能となる。
このたび新型標的捕捉シーカーによる航空機からの「キャプティブキャリー」発射テストが終了し、実戦配備に道が開いた。
「初回テストは成功だった。防空ネットワークに接続したセンサー多数を使い、長距離から目標多数を攻撃するのが狙い」と長距離精密火力実現機能横断チームLong-Range Precision Fires Cross Functional Team長のジョン・ラファティ准将がNational Interest取材に応じた。
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5.1Problem China's J-20 Stealth Fighter Doesn't Have a Gun
新型シーカーの技術詳細は保安上の理由で不明だが、ラファティ准将の説明では米陸軍がめざす複合装備運用Combined Arms Maneuver構想さらに重要なマルチドメイン作戦Multi-Domain Operations構想のめざす性能に発展する余地がという。
ラファティ准将は同装備の開発は順調に進行中と述べ、メーカーのロッキード・マーティンが予定より一年早く基本設計を完了したのが大きいという。「議会からは開発を加速し2025年までの完成を求められている」
この装備が登場し、次世代照準技術が加われば、陸軍にアウトレンジでの攻撃能力となり、安全なスタンドオフ地点からの攻撃に道が開く。PrSMがあれば敵レーダー、防空網や空母への遠距離からの攻撃が実現する。
米海軍のトマホークの900マイル射程には届かないが、照準技術の向上でトマホーク新型では不可能な効果も可能となる。海軍のトマホークでは飛翔中に方向転換が可能となり、海上航行中の艦船を攻撃できる。従来は固定標的対応だった装備品に全く新しい可能性が生まれるわけだ。陸軍が陸上発射型トマホークの開発にあたっていることにも興味を感じる。
新型照準シーカーが実現すれば現場指揮官に移動中の装甲部隊や歩兵部隊を攻撃する手段が生まれる。
シーカーに採用する新技術の内容がまったくわからないが、複数モードのシーカーを搭載し各種技術と組み合わせればよい。RF誘導、レーザー、赤外線の応用が可能だろう。
新型センサーではネットワーク技術が使われているようで、ラファティ准将はこれでマルチドメインでの照準を実現すると言いたいのだろう。標的情報は無人機、航空機、前方配備統制官さらに艦艇から入ることで全く新しい形の攻撃手段となる。
この構想の一環としてラファティ准将から陸軍が高優先順位をつける統合戦闘指揮システムズIntegrated Battle Command Systems (IBCS)についての言及があった。これは網目のようにレーダー他センサー各種をつなぎ、標的情報をリアルタイムで共有するもので、従来のバラバラで独立した戦闘単位を一変させるものだ。■
この記事は以下を再構成したものです。
Precision Strike Missile: How the U.S. Army Plans to Sink a Navy
September 12, 2020 Topic: Security Blog Brand: The Buzz Tags: PGMsU.S. ArmyMilitaryInnovationMissiles
by Kris Osborn
>Precision Strike Missile (PrSM)
返信削除これは”プリズム”とでも読ませるのでしょうか?