2019年1月9日水曜日

★レイルガンなんか目じゃない 米海軍が昨年のリムパックで超高速弾を試射していた!

Mach 7.3 'Bullets': The U.S. Navy Tested a "Hypervelocity Cannon Round" マッハ7.3の「弾丸」を米海軍が「超高速砲弾」としてテストしていた

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海軍が新型超高速砲弾の実弾テストを2018年に実施していた事が判明した米海軍協会が伝えている。


今回始めて公表された試験発射は中国が極超音速兵器の開発を進める中で米海軍にとって大きな一歩になる。


駆逐艦USSデューイが超高速砲弾HVPをMk.45 5インチ砲から20回発射したとテストに詳しい筋が述べたと同記事は伝えている。


同記事によればテストは2018年夏のハワイ沖で展開されたリムパック演習でのことだが試射の効果は不明だ。


実験には海軍のほかペンタゴンで新兵器開発を極秘に行う戦略戦力室が立ち会ったと言われる。


「極超音速」の定義はマッハ5以上の飛翔体だ。海軍標準のMk.45艦載砲は重量70ポンドの通常弾薬をマッハ2.2ほどで13マイル先に飛ばす。今回の超高速弾はマッハ7.3で50マイル先を狙うと言われる。


「HVPは次世代には普通の存在になる誘導式の低抗力発射弾で、既存の各種砲で運用可能です。海軍の5インチ砲、海兵隊・陸軍の155ミリ砲、また将来の電磁レイルガンなどです」と超高速弾のメーカーBAEシステムズがウェブサイトで説明している。


BAEによればHVPは対地、対水上のいずれにも有効な攻撃手段となり、その他巡航ミサイルや弾道ロケットも狙えるという。


HVPがこれだけの高速を出せる秘密は抗力を抑えた空力設計にある。口径が異なる各種砲門におさまるよう、HVP本体はケースに入り、発射後すぐ円錐形の砲弾部分が分離する。


超高速発射弾は運動エネルギー兵器のため、弾頭はなく、衝撃で発生する力だけで相手を破壊する。BAEは新型砲弾では「正確な誘導電子装置」が発射する艦艇や砲兵隊に必要となると説明。


HVPの単価は9万ドル程度といわれる。
米艦デューイの試射は中国で超高速艦載砲の存在が2018年1月に周知になった数カ月後のことだ。中国海軍の揚陸艦海洋山が河川に係留され新型大型砲を艦上に搭載している写真が流布した。


同年3月に中国国営通信が問題の砲はレイルガン試作品と認めた。海洋山が外海にある新たな写真が12月にあらわれ、試射のため出動したのだろう。


米海軍は2012年以来独自にレイルガン開発に向かってきたが、2019年初頭現在海上公試はまだ実施していない。


レイルガンは発射弾を電磁力で極超音速に加速し、通常火薬を用いない。しかしデューイ実験で通常型火砲でも極超音速加速を実証できた。


2016年にオバマ政権の国防副長官ロバート・ワークは発足前のトランプ政権にレイルガンより超高速弾開発に資金投入すべきと助言していた。


「レイルガンは行く行く必要になるが火砲でも同じ超高速弾を発射可能で同じ効果が得られるとわかり、こちらのほうが早く実用化できる」とワークは述べていた。


米軍としては既存砲塔でマッハ7で砲弾を飛ばすことでレイルガンで進展を示す中国を一気に引き離したいところだ。「既存砲で革命的な効果が実現するのであり、榴弾砲、(米陸軍の)パラディン自走砲、海軍の5インチ砲のどれでもいい」とSCO室長だったウィリアム・ローパーが2016年に述べていた。「ということで重点をこちらに移す」「通常火砲なら何千門もありますが、レイルガンは皆無に等しい」

David Axe serves as the new Defense Editor of the National Interest. He is the author of the graphic novels War Fix, War Is Boring and Machete Squad.

2 件のコメント:

  1. 以前に技本が10式戦車用に試作した135mm砲で砲口初速2000m/sを達成してますが、ほぼ同じ数値ですね。
    炸薬の発射ガスで砲弾を撃つ仕掛けではこの辺が限界速度と思われますが既存の砲システムでそのまま撃っても大丈夫なんですかね?
    10式用の強装弾を(同じ規格なので装填は可能だが)90式で撃ってはいけないような制限はつかないんでしょうか?
    それにしても量産すればこなれてくるのでしょうが1発9万ドルは高いなぁ・・・。

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  2. 原文を読んではいませんが、この話はレイルガンでならM7.3で発射できるHVPを在来型火砲のMk45でも発射できるというだけの話ではないでしょうか?
    在来型火砲では、M7なんて初速を出すためには移動装薬の様な定圧加速やETCなどの新技術で大改造する必要があるでしょう。しかし、これら技術が実用化できたという話を聞きません。無論、在来型火砲そのままでも、米陸軍ARLで120mmで100口径に延長した実験砲なら初速2500m/s出ましたが、サイズ的に実用性はありません。HVPは低抵抗を売りにした長射程運動エネルギー弾ですが、順調に見えたレイルガンが開発遅延し始めたために、BAEが代替セールスとして用意したと考えた方が良いと思います。

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