Fortress Singapore? Why a British Base Won’t Deter China
シンガポールに英軍基地ができても中国の動きを止められない
A giant waste of time? 壮大なる時間の空費になるのか
by Michael Peck
January 19, 2019 Topic: Security Region: Asia Blog Brand: The Buzz Tags: SingaporeChinaUnited KingdomRoyal NavySouth China Sea
英国が太平洋で基地構築すると聞いて中国は心穏やかでないはずだ。
だが英国がシンガポールに基地を設ければ全部解決できると見ているのに驚かされる。
英国防相ギャビン・ウィリアムソンはサンデーテレグラム紙で英国がカリブ海、太平洋で基地を設営すると述べ驚かせた。太平洋ではシンガポールとブルネイの元英植民地二箇所の名前が出ている。
「基地には保守管理要員、補給艦、補給施設を置く」とテレグラフは解説している。英国はキプロス、ジブラルタル、フォークランド諸島、ディエゴ・ガルシアに恒久軍事基地を保有している。
ウィリアムソン国防相によればこれは英国が1968年以来堅持してきたペルシア湾、極東から撤退した「スエズ以東」政策の終焉を意味するという。
「数十年もあまりにも長く我が国の視点は欧州連合の議論に終始してきました」とウィリアムソンは語る。「今こそ真の意味のグローバル大国に復帰すべきです。そのため軍が大きな役割を果たします」
予想通り中国が構想に異論を唱えてきた。「軍事力の誇示は中国を狙ったもので対外勢力として南シナ海で関与を強めようとしている」とのコメントをアジア太平洋研究院のXu Liping教授がサウスチャイナ・モーニング・ポストに寄せている。
米国政府が背後にいると非難する向きが中国にある。ひとりは「地域内の微妙なバランスに大きな負荷を与え、緊張が激化するリスクさらに部分的とはいえ対決にまで進むリスクを生む」と述べている。英軍駐留を許せばシンガポール、ブルネイとの関係は微妙になると述べる中国筋もある。
これで何が実現するのかここで考えるべきだ。英軍基地ができれば米国にとっても助かるはずだ。同基地を利用できるためだが同時に世界有数の海上交通路の防御にも役立つ。
それでも英国がシンガポール基地設営を検討するとは、全く役に立たなかった軍事基地の歴史を有する同地にふたたび戻ることなり皮肉としか言いようがない。1930年代のシンガポールは英国の極東における強固な砦で、日本の侵攻を食い止める拠点とされ、有事には海空作戦の拠点となる期待があった。
問題は当時の英国にはシンガポールに部隊を駐留させる余裕がなかったことで、とくに艦船、航空機は欧州で必要とされていた。日本軍のマラヤ上陸は1941年12月8日でマレイ半島を南下してシンガポールに向かってきた。英軍主力は欧州にあり、ヒトラーによる英本土侵攻、ロンメルのスエズ運河奪取を防いでいた。
今日の英軍で太平洋に常駐できる部隊があるのか。英軍は人員、艦船、航空機がことごとく不足しており、多くが整備不良で稼働できない状態だ。英政府は軍がほしい装備品の調達を都合したいとするが政府監査部門は実施すれば財政を圧迫するだけと警告している。
1941年と違い、敵対勢力は中国になったが東南アジアを縦断してシンガポールを強襲する可能性は低い。だが中国と各国軍で戦闘が勃発すれば、中国が弾道ミサイル巡航ミサイルで敵基地を破壊するのは確実で、シンガポールは簡単に潜水艦で封鎖されてしまうだろう。
軍事基地は有効に防御できてこそ効果を発揮できるのだ。■
Michael Peck is a contributing writer for the National Interest. He can be found on Twitter and Facebook .
Image: Wikimedia
コメント 本当にそうでしょうか。シンガポールに基地を作ると言っても大規模な基地にはなりえません。むしろ「自由陣営」が共同利用できる施設にし、随時やってくる英仏部隊、中継地点に使える日米豪の各国が使えれば大きな効果が生まれるのではないでしょうか。それにしてもこんな形で封鎖網を生んでしまった中国人の思考に大いなる欠陥がありますね。
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