スキップしてメイン コンテンツに移動

☆新戦術、新装備>海兵隊はこうして中国の島しょ部侵攻を阻止する


M142


The U.S. Marine Corps Might Have a New Way to Sink Chinese Warships (And the F-35 Could Help)
中国艦への新攻撃方法を米海兵隊は確立できる(F-35も一助となる)

「中国水上部隊が日本やフィリピンの島しょ部に向かい進行中だとする。海兵隊ロケット砲部隊がすばやくそんな島のひとつに移動し、中国艦に発射する。その間、運んできた輸送機は近くで待機する」


by David Axe Follow @daxe on TwitterL
January 1, 2019  Topic: Security Blog Brand: The Buzz  Tags: MarinesArmyF-35MilitaryTechnologyWorldHIMARS
https://nationalinterest.org/blog/buzz/us-marine-corps-might-have-new-way-sink-chinese-warships-and-f-35-could-help-40302

海兵隊の新戦術は紛争地帯での火力の迅速展開を目ざし、西太平洋での米軍戦略に大きな意味が生まれそうだ。
2018年12月7日、海兵隊航空燃料補給飛行隊352がM142高機動ロケット砲装備 High Mobility Artillery Rocket System(HIMARS)2基をキャンプペンドルトン(カリフォーニア州)からダグウェイ射爆場(ユタ州)に移動し演習に加えさせた。
HIMARSは12トンの車両で各種ロケット砲弾を発射する。そのうち一基はKC-130J輸送機で運ばれ演習用ロケット砲弾を発射後、ふたたびKC-130Jで帰還した。
このロケット発射装置の航空機による展開はそもそも米陸軍が開発し、「HIMARS迅速展開」(HIRAIN)の名称がある。
その他新戦術や新型ロケット装備を組み合わせればHIRAINにより米軍は長距離火力を迅速展開し、敵の動きを混乱させられる。この方法を使えば米軍は西太平洋で中国を食い止めることも可能だ。
中国は日本南部からフィリピンに伸びる島しょを「第一列島線」と呼び、中国の歴史的な影響圏と主張している。中国共産党は貿易、外交さらに軍事力を使いこの地方で影響力強化を図っており、有事には各地を実力占拠する可能性がある。
そこでペンタゴンはその動きを困難にさせようとしているわけだ。空と海の戦力が米戦略の中心だが、地上兵力にも役割が期待される。トランプ政権で短期間のみ国家安全保障担当補佐官を務めたH・R・マクマスター退役陸軍大将は陸軍に「陸地中心から離れた兵力投射機能」を検討させたいと述べていた。

オバマ政権で海軍次官だったジェイニン・デイヴィッドソンは「陸軍に艦船撃沈」させようとしたと述べている。海兵隊には陸軍と同様の装備品があり同様に海上目標を攻撃できるはずだ。
中国の水上部隊が日本やフィリピン近くの遠隔島しょ部に向かっているとする。近未来の武力衝突の想定だ。海兵ロケット部隊が遠隔島しょ部に空軍や海兵隊の輸送機で迅速展開し、中国艦にロケット砲を発射する。その間、輸送機は待機中だ。「発射後すぐにミサイル部隊は別の場所に移動し次の発射命令を待てばよい」とRANDコーポレーションが2017年発表の研究報告書で述べていた。
「外縁部島しょ部分の要塞化をしながら海軍艦艇を近隣海域に展開すれば安価で強力な戦略的意味が生まれる」と海軍大学校のジェイムズ・ホームズ教授が2014年に述べている。
米陸軍はこの構想を現実的な環境で試した。2018年7月のRIMPAC演習で陸軍のHIMARS部隊は用途廃止した米海軍揚陸艦ラシーンにロケット弾5発を発射した。無人機が弾着を調整したが、発射地点は50マイル離れていた。

ただし無誘導の227ミリロケット砲弾(200ポンド弾頭)は対艦兵器として理想的ではない。
HIMARSは誘導式610ミリ陸軍戦術ミサイル装備(ATACMS)(500ポンド弾頭)一発を運用でき、射程は190マイルだ。2016年に陸軍はシーカーを装着し艦艇攻撃の精度を上げる改修を始めた。

海兵隊もHIMARS発射機で運用できる対艦専用ミサイルの導入を検討中だ。アリゾナ州での018年秋の演習ではF-35が標的データをロケット部隊に送り、命中精度を上げる効果を実証した。この際にはF-35Bが地上の金属製コンテナーを探知し、GPS座標をデータリンクでHIMARS部隊に送った。
HIMARSに新型ミサイルを導入すれば海兵隊に意味のある対艦攻撃能力が実現する。F-35を投入すれば命中精度があがることがわかった。また空中搬送で迅速展開すれば反撃を逃れる可能性が高くなり敵は所在地を突き止めるのに苦労するだろう。

David Axe edits  War Is Boring . He is the author of the new graphic novels MACHETE SQUAD and THE STAN.

M142はロッキード・マーティンの製品です。ずっと陸上自衛隊がどうしてロケット砲兵部隊をあれだけ熱心に整備するのか不思議でしたが、今や米海兵隊や陸軍が同じ着想になっているのですね。ただし、米軍は高機動かつ命中精度を上げるためのデータリンクなどシステムが大掛かりです。しかしC-130で展開できる島しょ部ってそんなにありますかね。南西諸島では石垣くらい?今後国土交通省が空港整備するとしたらこの地方でしょうね

コメント

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

主張:台湾の軍事力、防衛体制、情報収集能力にはこれだけの欠陥がある。近代化が遅れている台湾軍が共同運営能力を獲得するまで危険な状態が続く。

iStock illustration 台 湾の防衛力強化は、米国にとり急務だ。台湾軍の訓練教官として台湾に配備した人員を、現状の 30 人から 4 倍の 100 人から 200 人にする計画が伝えられている。 議会は 12 月に 2023 年国防権限法を可決し、台湾の兵器調達のために、 5 年間で 100 億ドルの融資と助成を予算化した。 さらに、下院中国特別委員会の委員長であるマイク・ギャラガー議員(ウィスコンシン州選出)は最近、中国の侵略を抑止するため「台湾を徹底的に武装させる」と宣言している。マクマスター前国家安全保障顧問は、台湾への武器供与の加速を推進している。ワシントンでは、台湾の自衛を支援することが急務であることが明らかである。 台湾軍の近代化は大幅に遅れている こうした約束にもかかわらず、台湾は近代的な戦闘力への転換を図るため必要な軍事改革に難色を示したままである。外部からの支援が効果的であるためには、プロ意識、敗北主義、中国のナショナリズムという 3 つの無形でどこにでもある問題に取り組まなければならない。 サミュエル・ P ・ハンチントンは著書『兵士と国家』で、軍のプロフェッショナリズムの定義として、専門性、責任、企業性という 3 つを挙げている。責任感は、 " 暴力の管理はするが、暴力行為そのものはしない " という「特異な技能」と関連する。 台湾の軍事的プロフェッショナリズムを専門知識と技能で低評価になる。例えば、国防部は武器調達の前にシステム分析と運用要件を要求しているが、そのプロセスは決定後の場当たり的なチェックマークにすぎない。その結果、参謀本部は実務の本質を理解し、技術を習得することができない。 国防部には、政策と訓練カリキュラムの更新が切実に必要だ。蔡英文総統の国防大臣数名が、時代遅れの銃剣突撃訓練の復活を提唱した。この技術は 200 年前のフランスで生まれたもので、スタンドオフ精密弾の時代には、効果はごくわずかでしかないだろう。一方、台湾が新たに入手した武器の多くは武器庫や倉庫に保管されたままで、兵士の訓練用具がほとんどない。 かろうじて徴兵期間を 4 カ月から 1 年に延長することは、適切と思われるが、同省は、兵士に直立歩行訓練を義務付けるというわけのわからない計画を立てている。直立歩行は 18 世紀にプロ