The Sad Reason America Could Lose a War Against Russia or China 米国がロシアや中国に勝てない理由
ほぼ20年にわたり中東や北アフリカで戦闘員を相手にもぐらたたきのように戦闘してきた米軍がロシアや中国との「大国間抗争」戦闘へ復帰するには悲惨なほど準備が不足している。理由は簡単だとペンタゴンは分析。必要な場所に以前のように人員装備を自由に搬送できなくなっているためだ。
.ペンタゴンの国防科学委員会(DBS)が一年にわたる現役退役補給業務専門家から事情を聴取した報告結果が昨年11月に公表された。米軍の補給体制は冷戦終結後に萎縮してしまった。
ペンタゴンは必要な人員装備を海空で有効に搬送できなくなっており、ロシアや中国を意識した新対応が迫られる中で課題になっている。
「冷戦後の米国には人員装備展開を妨害するだけの軍事力を持った敵はおらず補給線が絶たれる心配はなかった」と報告書は記述している。「そのため共用補給体制は軽視され予算不足が続きDoDの優先事項に対応できなくなった」。
トランプ政権による2018年国防戦略構想を分析すると米国はロシアや中国との対決となれば「決定的な敗北」を喫するのは確実とあるが、今回のDSB報告では長年にわたる補給業務軽視のためペンタゴンは米軍の兵力投射能力、即応体制を犠牲にしたまま偽りの安心感に浸ってしまったとも指摘。
戦略輸送能力三本柱の再興に必要な施策は以下のとおりだ。
輸送の三本柱は海上輸送、空輸および事前集積装備のことで即応体制だけでなく数量不足が目立ち、このままでは米国は強力な競合相手を打ち負かせない。
軍事物資輸送を補完するはずの民間商船隊は長年にわたり縮小の一途で政府が運用できる輸送力は2033年に今の半分に減る見込みだ。
民間予備航空輸送部隊 (CRAF)が共用輸送体制の鍵としてDoDは人員輸送で活用を期待している。
しかし海上輸送、航空輸送ともに緊急時の実効性を演習で確認していない。損耗分やA2ADの脅威、さらに民間船員、航空乗務員のリスクを考慮すれば演習は必須なはずだ。
民間商船隊の状況がここに来て悪化しているのはDefense Newsが2018年10月に伝えているとおりで即応予備輸送艦で使えるのは46隻しかなく、しかもすべて「老朽船で耐用年数の終わりに近づいている」状況だが、海洋安全保障制度が適用される米国船籍60隻がある。
第二次大戦時には一般商船隊が米海軍の重要な補助機能を果たしたが、今やその機能は期待できない。2018年5月の調べでは米国船籍の外国航路船舶は1951年の1,288隻が現在は81隻しかないという。
2017年の米会計検査院報告では海軍の海上輸送体制、即応対応はともに2012年以降は下降の一歩で反転するには相当の予算が必要だという。
「平均船齢は40年近くで、今後10年で多数が耐用年数の終わりに達すると輸送力は25%超減少する」と会計検査院報告が指摘。米海軍は対策案を完成させておらず、どこまで予算を手当すべきかも決まっていない。
このため通常戦が発生し米陸軍は「受け入られない」悲惨な結果だと警戒している。「早く手を打たないと陸軍の兵力投射能力に受け入れがたいリスクが早ければ2024年に発生する」と陸軍G-4補給本部が下院軍事委員会に2018年2月に書簡を送っていた。「2034年になれば輸送艦は60年以上が経過するものが7割に達し、さらに陸軍の装備人員搬送能力は減少する」
米軍事輸送本部の報道官ケヴィン・スティーブン大佐は報告書の内容に反論せずWashington Free Beaconに以下伝えてきた。
「当方ではDoDのグローバル兵力投射能力の改善方法を引き続き検討中で、この輸送能力が現在でも我が国の優位性の裏付けとはいえ、国家指導層に選択肢を提示し潜在敵国に対する板挟み状況を打開していきたい」■
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コメント:湾岸戦争では米民間航空機多数がチャーター輸送に動員されていましたが、海上輸送力はあまり注目されていませんでしたね。人員は先に砂漠に送っても重装備の搬送がリードタイムになっていたわけです。米軍は事前装備集積船も配備していますが、中国、ロシアが相手となると装備の規模も違うのでしょうね。日本では一部カーフェリーが防衛省と契約していますが、民間航空機はどうなのでしょうか。いざというときにどれだけの輸送力が使えるかで戦略も変わってきますね。下地島空港への定期路線ができるそうですが、南西諸島への輸送が日本にとっての第一の課題でしょうか。朝鮮半島は邦人緊急搬送のシナリオが消えそうなので今後は検討に入りにくい気がします。台湾はどうでしょうか。
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