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米国のジェット戦闘機ワースト5機種

Meet the 5 Worst U.S. Fighter Jets of All Time (Yes, the F-35 Is On the List)

米ジェット戦闘機のワースト5を発表(F-35もちゃんと入っています)

January 21, 2019  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: F-22F-35MilitaryTechnologyWorldHistoryAir Force
国は傑作戦闘機多数を作ってきた。P-51マスタング、F4Uコーセア、F-86セイバー、F-15イーグル、F-16ファイティング・ファルコン、F-22が筆頭だ。だが今回は傑作機の話題ではない。
本稿では米戦闘機史に残る失敗作を取り上げる。失敗作とはいえ教訓があり再発を回避できるのではないか。失敗から学べないとしたら我々自身の欠陥だろう。
 ベルP-59エアラコメット
.ベルのP-59エアラコメットは米国初のジェット戦闘機として完成したが、英独の同時期のグロースター・メテオやメッサーシュミットMe262と比較すれば、P-59はひどい失敗作だった。
ロッキードP-38ライトニング、リパブリックP-47サンダーボルト、さらに捕獲した三菱ゼロとテストしたがP-59にはピストンエンジン戦闘機に対し一つも優位点がないと判明し、ピストン機のほうが新型ジェット機より性能が勝っていた。
P-59の最高速度は413マイルにとどまり、P-38と同程度だった。結局、P-59はテスト以外には使いみちがなくその後の機体の基礎をつくったのみにおわった。
 
ヴォートF7Uカットラス
米海軍は艦載ジェット機の実用化で苦労した。そんな初期の機体がヴォートF7Uカットラスで「ガットレスのカットラス」(ガッツがないカットラス)とパイロットが呼んだ。決定的に出力不足のウェスティングハウスJ46-WE-8Bターボジェット2基を積み、完成度が各所で未成熟特に油圧計が問題だった。
ブルーエンジェルでも活躍したエドワード・ルイス『ホイットニー」・フェイトナー少将は曲技チームがカットラスに機種変更を命じられ即座に辞職を考えたとスミソニアン協会雑誌で語っている。「カットラスは少し手を加えれば素晴らしい飛行機になると思う」とF7U-3パイロットのジョン・ムーアがThe Wrong Stuffで述べていた。「尾翼を普通の形にして推力を三倍にし、前方降着装置を半分にし、飛行制御も一新し、ついでに別のパイロットに飛ばさせてもらいたい」
 
グラマンF-11タイガー
グラマンは海軍向けに傑作機を提供して名が知られるが、F-11タイガーは例外である。F-11は珍しい記録をもつ。テストフライトでグラマン社パイロットが20mm機関砲を発射し先に打った弾丸に命中させたのだ。
F-11の問題はエンジンで、ライトJ65-W-14が極端に信頼性が欠け燃料を多量消費した。そのため海軍はタイガーに良い印象は持てなかった。海軍機には長い航続距離と信頼できるエンジンが必要なのだ。
タイガーはわずか13年の稼働期間で急速に退役した。  
コンベアF-102デルタダガー
.コンベアF-102デルタダガーはもともと高高度高速迎撃機としてソ連爆撃機が米大陸上空で撃墜する構想だった。
デルタ翼を強力なプラット&ホイットニーJ57-P-25アフターバーナーつきターボジェット1基のまわりに配置し、高性能火器管制装備と機内に兵装庫をつけた。当初はずば抜けた性能の機体のはずだった。実際に飛ぶまで。試作機は音速を突破できなかった。
デルタダガーは当時遷音速衝撃波の抗力の壁にぶち当たった。エアリアルールを用いて機体は再設計の必要が生まれた。再設計したF-102は「コークボトル」形状と呼ばれたがコーラよりも女優マリリン・モンローの身体がモデルという向きもあった。
再設計でF-102はマッハ1.22に達したが期待どおりの性能はついに発揮できなかった。結果として同機が原型となり成功作と呼べるF-106デルタダートが生まれたのである。
F-35共用打撃戦闘機
ロッキード・マーティンF-35共用打撃戦闘機は必ずしも失敗作ではない。だが開発は何年も遅れ、恐ろしいほどの予算超過になりながら未だに予定どおりの配備ができない。F-35は一つの機体をもとに数種類の専用機と同じ機体を作成しようと大いなる野望から生まれた機体だ。結果は器用な機体になったがどれひとつでも傑出したところのない機体になってしまった。.
さらにF-35の要求性能が生まれたのは将来の脅威対象がはっきりしない時期のことだった。要求内容はソ連が崩壊しなかった場合に生まれていたはずの防空体制よリ低い水準を想定しつつシリアやイラクのようなローエンド交戦の場合よりは高かった。当時の責任者は中国の台頭は接近阻止領域拒否の脅威は想定できなかったのだろう。
その結果生まれた機体は西太平洋諸国が直面中の課題に正面から答えるものにはなっていない。■
Dave Majumdar is the defense editor for The National Interes
コメント: 今となっては信じられないのですが、日本はあと少しでF-11を採用するところだったのですね。F-35をここに載せる前にF-111という失敗作もあるのですが、こちらはEF-111など実戦で真価を発揮しているので除外なのでしょうか。

コメント

  1. F-111はソ連に多種の可変翼機を開発させるという隠れた功績があります。

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