スキップしてメイン コンテンツに移動

ロシアはロボット核魚雷で空母を狙うのか、津波を発生させるのか、真意が読めない

Could Russia's New "Nuclear Torpedo" Sink a U.S. Navy Aircraft Carrier? ロシアは新型「核魚雷」で米海軍空母をねらうのか

Whether Poseidon adds much to Russia’s strategic nuclear forces is doubtful. No less is doubtful is Poseidon the Carrier-Killer. ポセイドンの出現でロシア核戦力が増強されるか疑わしいし、空母キラーなのかも怪しい

シアがポセイドン熱核魚雷の海中テストを開始している。

ポセイドンは全長80フィートの原子力動力潜水ロボットで水中ICBMといってよい。数千マイルを自律運行し敵の港湾都市外で爆発し津波を発生させ都市を破壊するのが目的だ。

「敵が偵察監視体制で防衛していても海中をポセイドン無人潜水機は問題なく接近できる」とロシア国防関係者がTASS通信に語っている。
同上筋は「原子炉を本体内に搭載するが今は実験段階であり本格運用想定のテストではない」とも述べている。

TASS記事ではポセイドン(インターネット投票でロシア国防省が選定)は2メガトン弾頭を搭載するとあり、都市破壊には十分以上だ。だがそもそもなぜロシアが米都市破壊に水中無人機に核弾頭をつけるのか。通常のICBMなら30分で飛翔できるのに時速100マイルと言われる速度をわざわざ選んだのか。

ロシアの話を総合するとポセイドンは報復兵器で米国がロシアICBM数百発の核攻撃をミサイル防衛で無効にし第一次攻撃を仕掛けた後を想定しているようだ。だが米国がロシアICBM500発をことごとく迎撃するとは考えにくい中で、目的地に到達するのに何週間もかかる運搬システムではとても抑止手段とは思えない。

興味をそそられるのはポセイドンを米海軍の空母相手に投入する可能性だ。高速核搭載無人機は米国の対潜防衛能力でも排除は困難だ。2018年3月演説でロシア大統領ウラジミール・プーチンは「大深度まで潜り、大陸間を潜水艦速度の数倍で移動する最新鋭魚雷ならびにあらゆる種類の超高速水上艦艇がある。音を立てず制御性が高く敵に対して弱点が見当たらない存在だ。これら新兵器を阻止する手段は世界に存在しない」と述べていた。

プーチンからはポセイドンの「原子力動力部分は原子力潜水艦の原子炉の数百分の一程度の大きさしかないが戦闘モードで出力は数倍になり最高で200倍の速度を出せる出力重量比が今までにないレベル」とも述べていた。

ロシアの原子炉設計がそこまで進歩しているのかは別として米空母の近くで核弾頭を点火するのに大型ロボット潜水艦が必要なのか(ポセイドンは高価なため通常弾頭搭載はありえないはずだ)。空母撃沈が目的なら単純に極超音速ミサイルに通常弾頭で飽和攻撃すればよいのではないか。マッハ5級のキンザルがある。ロシアには大量のミサイル、弾薬、航空機があり米艦をねらえるはずだ。

ポセイドンの出現でロシアの戦略核戦力が改善されるか疑問だし、ポセイドンが空母キラーなのかも疑わしく思えてくる。

Michael Peck is a contributing writer for the National Interest. He can be found on Twitter and Facebook.

ではその実態はなにをねらっているのでしょうか。核動力巡航ミサイルについてもロシアは豪語しながら実験に失敗しています。核汚染が自国内だからよかったものの、弾頭による被害以外に敵地を核汚染することものねらいといわれ、一体どこからこうした不愉快な装備の発想が生まれてくるのか、ロシア人への不信が高まります。

コメント

  1. ぼたんのちから2019年1月29日 15:52

    プーチンの妄想に真面目に付き合う必要はありません。恐怖を煽りたいだけです。
    昨年、プーチンは開発中の兵器をいくつか公開しました。その中の一つが記事のポセイドンで、「原子力装置を装備した無人潜水多目的システム」として紹介されています。
    テストしているのは通常動力の水中ドローンでしょう。
    本当に開発しようとすれば1千億円単位の費用と期間がかかるでしょう。ロシアにそのような軍事費と時間の余裕は無いはずです。
    プーチンは、国力の衰退、自国の核戦力の劣化と米国の迎撃システムの発達に危機感を持っているのでしょう。

    返信削除

コメントを投稿

コメントをどうぞ。

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

主張:台湾の軍事力、防衛体制、情報収集能力にはこれだけの欠陥がある。近代化が遅れている台湾軍が共同運営能力を獲得するまで危険な状態が続く。

iStock illustration 台 湾の防衛力強化は、米国にとり急務だ。台湾軍の訓練教官として台湾に配備した人員を、現状の 30 人から 4 倍の 100 人から 200 人にする計画が伝えられている。 議会は 12 月に 2023 年国防権限法を可決し、台湾の兵器調達のために、 5 年間で 100 億ドルの融資と助成を予算化した。 さらに、下院中国特別委員会の委員長であるマイク・ギャラガー議員(ウィスコンシン州選出)は最近、中国の侵略を抑止するため「台湾を徹底的に武装させる」と宣言している。マクマスター前国家安全保障顧問は、台湾への武器供与の加速を推進している。ワシントンでは、台湾の自衛を支援することが急務であることが明らかである。 台湾軍の近代化は大幅に遅れている こうした約束にもかかわらず、台湾は近代的な戦闘力への転換を図るため必要な軍事改革に難色を示したままである。外部からの支援が効果的であるためには、プロ意識、敗北主義、中国のナショナリズムという 3 つの無形でどこにでもある問題に取り組まなければならない。 サミュエル・ P ・ハンチントンは著書『兵士と国家』で、軍のプロフェッショナリズムの定義として、専門性、責任、企業性という 3 つを挙げている。責任感は、 " 暴力の管理はするが、暴力行為そのものはしない " という「特異な技能」と関連する。 台湾の軍事的プロフェッショナリズムを専門知識と技能で低評価になる。例えば、国防部は武器調達の前にシステム分析と運用要件を要求しているが、そのプロセスは決定後の場当たり的なチェックマークにすぎない。その結果、参謀本部は実務の本質を理解し、技術を習得することができない。 国防部には、政策と訓練カリキュラムの更新が切実に必要だ。蔡英文総統の国防大臣数名が、時代遅れの銃剣突撃訓練の復活を提唱した。この技術は 200 年前のフランスで生まれたもので、スタンドオフ精密弾の時代には、効果はごくわずかでしかないだろう。一方、台湾が新たに入手した武器の多くは武器庫や倉庫に保管されたままで、兵士の訓練用具がほとんどない。 かろうじて徴兵期間を 4 カ月から 1 年に延長することは、適切と思われるが、同省は、兵士に直立歩行訓練を義務付けるというわけのわからない計画を立てている。直立歩行は 18 世紀にプロ