ヴァージニア級高速攻撃型潜水艦USSミズーリ(SSN-780) on May 31, 2018. US Navy Photo
米海軍の次期攻撃型潜水艦はコロンビア級で採用した技術を流用し、艦体も現行ヴァージニア級より相当大型化するとBWXテクノロジー社のCEOが11月2日第三四半期営業報告の席上で述べている。同社は空母、潜水艦用の原子炉を製造している。▼「潜水艦としては大型となり、コロンビア級並みになるとみているが、これ以上お話しできない。ただし、米海軍と検討中であり、製造に移すことになる」とレックス・ジヴェーデンが述べた。▼「正式名称が決まるまではSSN(X)とされるヴァージニア級高速攻撃潜水艦後継艦は2030年代末に登場する」
ジヴェーデンが言及しているのは潜航時排水量ではなく艦体の直径だ。コロンビア級は20千トンと、現行のオハイオ級弾道ミサイル潜水艦より2千トン増える。ヴァージニア級の排水量は約8千トンだ。コロンビア級の直径は約42フィート、ヴァージニア級は36フィートだ。▼艦体の幅が広がるとステルス性があがり、設計時にノイズ低減技術を大幅に導入できるし、速力を増やす装備の収納容積も増える一方で、建造が大掛かりになる。
同CEO発言と軌を一にしてマイク・ギルディ作戦部長が将来の艦隊戦力の主軸として大胆な戦力を有する攻撃型潜水艦の開発を求めている。
「水中で有利になれば優位性が拡大する。水中からの攻撃力を高めたまま永遠にこれを維持したい」(先月の発言)「攻撃型潜水艦は司令官の思いのままに動き、敵標的をどおりに攻撃する。そのため高速移動可能な艦が必要だ」
冷戦後の米潜水艦部隊は深海潜航可能で強力な兵装を有するシーウルフ級攻撃型潜水艦からヴァージニア級に主役が移った。ヴァージニア級は情報収集や特殊作戦運用の沿海域での実施に特化している。▼「次世代攻撃型潜水艦は高速、ステルス、魚雷搭載数のいずれもヴァージニア級を上回る性能が必要となり、シーウルフ級に近くなる」との発言も2018年に出ていた。▼重武装の高速潜水艦への回帰は国家安全保障戦略構想でロシアや中国を脅威リストのトップに掲げたことに合わせている。
ジヴェーデンCEOは同社が今後も空母、潜水艦用の原子炉作成を続けられると楽観視している。
BWXTに海軍から年間3隻建造の方針はまだ伝えられていない。マーク・エスパー国防長官はバトルフォース2045構想の一部として年3隻建造を求めている。「以前の建造計画では高速攻撃型潜水艦48隻体制をうたっていたが、現行案ではこれが66隻に増えている。エスパー長官はさらに70隻80隻にしたいとの意向だ」とジヴェーデンCEOは解説。
「たまたまある年にヴァージニア級3隻を建造するだけなら現行施設のまま実現できそうだと伝えた。年間3隻建造を維持する構想が採用されれば当社も設備投資が必要になる」■
この記事は以下を再構成したものです。
BWXT CEO: Navy's Next-Generation SSN(X) Attack Boat Will Build Off Columbia Class
Article Keywords: Battle Force 2045, BWX Technologies, general dynamics, Phebe Novakovic, Secretary of Defense Mark Esper
Categories: Budget Industry, News & Analysis, Submarine Forces, U.S. Navy
About Sam LaGrone
Sam LaGrone is the editor of USNI News. He has covered legislation, acquisition and operations for the Sea Services since 2009 and spent time underway with the U.S. Navy, U.S. Marine Corps and the Canadian Navy.
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