Illegal salvage earlier this year over the suspected site. Photo via New Straits Times
中国の違法なサルベージ業者がマレーシア沖に沈む第二次世界大戦のイギリス軍艦2隻を襲撃し、鉄くず、アルミニウム、真鍮製金具を強奪しており、イギリス海軍が懸念を表明している。▼現地報道によると、Chuan Hong 68は大型浚渫クレーンで、戦艦HMS Prince of Wales(52)と巡洋戦艦HMS Repulseからスクラップを採取したととある。どちらも真珠湾攻撃から数日後の1941年12月10日に日本海軍の爆撃機により沈没し、乗員840人が犠牲になった。▼プロのダイバーHazz Zain氏は、地元の漁師が沈没船の上空で浚渫船を発見した後、この違法な商業活動を地元当局に警告したと、New Straits Timesが報じた。▼違法な引き揚げは、戦争墓地の略奪を目的とする窃盗団の前に歴史的遺産がいかに脆弱であるかに、鋭いスポットライトを当てている。▼「私たちが必要としているのは、海軍の水中遺産の管理戦略であり、こうした艦船を保護し、記念することです。ドミニク・トゥエドルは、「これには、対象物の回収も含まれるかもしれません」と述べている。▼「正しく資金を供給すれば、永遠に失われる前に、5,000隻以上の沈没船を理解、調査、管理し始める重要ツールとなる英国海軍の損失リストが強化できます」。
1941年12月10日、日本軍の魚雷にやられたHMS PRINCE OF WALES(上)とREPULSE(下)のレタッチされた日本による写真。
艦の残骸はマレーシアの拡張経済水域にあり、同国当局は報道機関に対し、2隻で略奪が報告され、海辺のスクラップ置き場から2隻のものと思われる資料が発見されたのを調査中であると述べている。▼戦艦は、南シナ海のクアンタン近郊の水深223フィートの地点で、逆さまになって眠っている。▼巡洋戦艦の残骸は数マイル離れた場所にある。▼英国とオーストラリアの報道によると、サルベージ船Chuan Hong 68は、2隻の軍艦の建造に使われた「高品質の鋼鉄」を求め、深海クレーンで浚渫していたという。▼鋼材は、他の用途のために製錬される可能性もある。▼この価値は、核兵器の使用や実験以前に鋼材が製造されたことに由来し、一部の科学機器や医療機器の製造に使用するために重要なものだ。▼報道によると、サルベージ船は今年初めから同地域で操業している。▼英国報道機関は、鋼鉄や銅、特別に製造されたプロペラを求め、この場所以外にも違法な浚渫が行われたことをしばしば報じてきた。▼例えば、ガーディアン紙は6年前、これらの作業で少なくとも40隻の船舶が破壊されたと報じた。▼英国軍艦に加え、インドネシアとシンガポール沖の同じ海域には、オーストラリア、オランダ、日本の軍艦や商船40隻の残骸がある。
駆逐艦HMSエクスプレスに移乗するHMSプリンス・オブ・ウェールズの乗員。帝国戦争博物館写真
New Straits Timesは、Chuan Hong 68が 「ジャワ海で沈没したオランダ軍艦HNLMS De Ruyter、HNLMS Java、HNLMS Kortenaerの遺品を略奪したとしてインドネシア当局に指名手配されている」と報じた。▼アメリカ海軍も西太平洋にある自国の沈没艦に懸念を表明している。南側では、巡洋艦USSヒューストン(CA-30)とオーストラリアの軍艦HMASパースが、1942年3月1日のスンダ海峡海戦でプリンス・オブ・ウェールズとレパルスから数ヶ月後に沈没している。▼ヒューストンの沈没で650人以上の米水兵と海兵隊員が、パースの沈没で350人以上が死亡した。▼米国とオーストラリア両国はインドネシアと協力し、各艦を戦没者墓地として保存してきたとUSNI Newsは報じている。
5年前、英国国防省は、沈没船跡の違法な浚渫、漁獲、略奪を懸念し、調査船によるタスクフォースをこの地域に派遣して沈没船の状態を調査させた。▼同省はその後、衛星で水中を監視し、現場付近の活動を把握するとも述べている。▼「海軍の遺産が失われ、英国海軍の歴史を理解する上で影響が出ることに憤慨している」とトウィドルは語った。■
U.K. Royal Navy ‘Distressed and Concerned’ by Illegal Chinese Salvage of WWII Wrecks - USNI News
By: John Grady
May 25, 2023 1:18 PM
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