スキップしてメイン コンテンツに移動

ホルムズ海峡でプレゼンスを増やす米海軍の動きに注視。イランとの対立が無視できなくなっている

 


210716-N-KZ419-1575 ARABIAN GULF (July 16, 2021) – An MV22 Osprey helicopter attached to Task Force 51/5 prepares to land aboard expeditionary sea base USS Lewis B. Puller (ESB 3), during flight operations in the Arabian Gulf, July 16. Lewis B. Puller is deployed to the U.S. 5th Fleet area of operations in support of naval operations to ensure maritime stability and security in the Central Region, connecting the Mediterranean and Pacific through the Western Indian Ocean and three strategic choke points. (U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 2nd Class Dawson Roth)

210716-N-KZ419-1575 ARABIAN GULF (July 16, 2021) - タスクフォース51/5に所属するMV22オスプレイヘリコプターが、7月16日、アラビア湾での飛行作戦中に遠征海上基地USS Lewis B. Puller (ESB 3) に着陸準備に入ります。ルイス・B・プラーは、西インド洋と3つの戦略的隘路を通じて地中海と太平洋を結ぶ中央地域における海洋の安定と安全を確保する海軍の作戦を支援するため、米第5艦隊の作戦区域に配備されている。(U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 2nd Class Dawson Roth)。

ホルムズ海峡での海軍のプレゼンス拡大は、先月にイランとの間で発生した事件2件を受けたものだ

海軍は、商業航路で賑わうホルムズ海峡で最近起こった事件を受けて、ホルムズ海峡でのプレゼンスを「強化」している。

この動きは、イランが4月下旬から5月上旬にかけて同海峡でタンカー2隻のを【押収】したのを受けたものだ。今回の決定に関する声明で海軍は、イランが「過去2年間に15隻の国際船籍商船の航行を嫌がらせ、攻撃、妨害した」と述べているが、どの事件を引き合いに出しているかは明らかにしていない。

米海軍中央軍、米第5艦隊、連合海上軍司令官のブラッド・クーパー中将は声明で、「イランによる商船への不当、無責任、不法な差し押さえや嫌がらせは止めるべきだ」と述べた。「米第5艦隊と我々のパートナーは、この重要な海域での航行権を守ることに全力を尽くしている」。

海峡における米国のプレゼンスがどのように高まるのか、また、この新態勢に対応するためにどの軍事資産を移動させるのかは明らかではない。バーレーンに拠点を置く第5艦隊が、中東周辺海域で大規模な戦力を維持している。ペルシャ湾とオマーン湾の間にあるホルムズ海峡は、この地域を出入りする船舶の主要航路となっている。

イラン軍とイスラム革命防衛隊の海上部隊は、4月28日と5月3日に、2隻のタンカーを押収した。ロイター通信は、4月の押収は、その数日前に米国がイラン船を妨害したことに対応して行われたと報じた。報道は、海上保安機関Ambreyを引用し、「イランは以前、イラン産の石油貨物の押収に続いて一触即発の反応を示した」と、潜在的な危険性を警告を発していた。

国家安全保障会議のジョン・カービー報道官は今週、記者団に「国際水路で航行権や自由を行使している商業荷主に対して、イランが繰り返し脅迫、武装差し押さえ、攻撃しているのを目にしている」と述べた。

米国は、イランの核開発への制裁を実施するための政策として、イランの石油タンカーを定期的に押収したり、押収を試みている。イランがアメリカ海軍の無人機を押収しようとして失敗するなど、両軍間の海上事故は頻発している。

米国海軍と沿岸警備隊は中東近海で活発に活動しており、同地域の航路を移動する武器、爆発物、薬物を阻止してきた。こうした事件の多くで、米国はイランから送られており、イエメンのフーシ派反政府勢力など、同国の地域内同盟勢力に送られていると述べている。米国沿岸警備隊が今週、オマーン湾で約1億1千万ドル相当の麻薬を押収している。沿岸警備隊によると、事件に関与した船はイランから出港したものだという。■

Navy's 5th Fleet boosts activities following oil tanker seizures

BY NICHOLAS SLAYTON | PUBLISHED MAY 13, 2023 12:33 PM EDT


コメント

このブログの人気の投稿

漁船で大挙押し寄せる中国海上民兵は第三の海上武力組織で要注意

目的のため手段を択ばない中国の思考がここにもあらわれていますが、非常に厄介な存在になります。下手に武力行使をすれば民間人への攻撃と騒ぐでしょう。放置すれば乱暴狼藉の限りを尽くすので、手に負えません。国際法の遵守と程遠い中国の姿勢がよく表れています。尖閣諸島への上陸など不測の事態に海上保安庁も準備は万端であるとよいですね。 Pentagon reveals covert Chinese fleet disguised as fishing boats  漁船に偽装する中国軍事組織の存在をペンタゴンが暴露   By Ryan Pickrell Daily Caller News Foundation Jun. 7, 3:30 PM http://www.wearethemighty.com/articles/pentagon-reveals-covert-chinese-fleet-disguised-as-fishing-boats ペンタゴンはこのたび発表した報告書で中国が海洋支配を目指し戦力を増強中であることに警鐘を鳴らしている。 中国海上民兵(CMM)は準軍事組織だが漁民に偽装して侵攻を行う組織として長年にわたり活動中だ。人民解放軍海軍が「灰色」、中国海警が「白」の船体で知られるがCMMは「青」船体として中国の三番目の海上兵力の位置づけだ。 CMMが「低密度海上紛争での実力行使」に関与していると国防総省報告書は指摘する。 ペンタゴン報告書では中国が漁船に偽装した部隊で南シナ海の「灰色領域」で騒乱を起こすと指摘。(US Navy photo) 「中国は法執行機関艦船や海上民兵を使った高圧的な戦術をたびたび行使しており、自国の権益のため武力衝突に発展する前にとどめるという計算づくの方法を海上展開している」と同報告書は説明。例としてヘイグの国際仲裁法廷が中国の南シナ海領有主張を昨年7月に退けたが、北京はCMMを中国が支配を望む地帯に派遣している。 「中国は国家管理で漁船団を整備し海上民兵に南シナ海で使わせるつもりだ」(報告書) 中国はCMMはあくまでも民間漁船団と主張する。「誤解のないように、国家により組織し、整備し、管理する部隊であり軍事指揮命令系統の下で活動している」とアンドリュー・エリク...

海自の次期イージス艦ASEVはここがちがう。中国の055型大型駆逐艦とともに巡洋艦の域に近づく。イージス・アショア導入を阻止した住民の意思がこの新型艦になった。

  Japanese Ministry of Defense 日本が巡洋艦に近いミサイル防衛任務に特化したマルチロール艦を建造する  弾 道ミサイル防衛(BMD)艦2隻を新たに建造する日本の防衛装備整備計画が新たな展開を見せ、関係者はマルチロール指向の巡洋艦に近い設計に焦点を当てている。実現すれば、は第二次世界大戦後で最大の日本の水上戦闘艦となる。 この種の艦船が大型になる傾向は分かっていたが、日本は柔軟性のない、専用BMD艦をこれまで建造しており、今回は船体形状から、揚陸強襲艦とも共通点が多いように見える。 この開示は、本日発表された2024年度最新防衛予算概算要求に含まれている。これはまた、日本の過去最大の529億ドルであり、ライバル、特に中国と歩調を合わせる緊急性を反映している。 防衛予算要求で優先される支出は、イージスシステム搭載艦 ( Aegis system equipped vessel, ASEV) 2隻で、それぞれ26億ドルかかると予想されている。 コンピューター画像では、「まや」級(日本の最新型イージス護衛艦)と全体構成が似ているものの、新型艦はかなり大きくなる。また、レーダーは艦橋上部に格納され、喫水線よりはるか上空に設置されるため、水平線を長く見渡せるようになる。日本は、「まや」、「あたご」、「こんごう」各級のレーダーアレイをできるだけ高い位置に取り付けることを優先してきた。しかし、今回はさらに前進させる大きな特徴となる。 防衛省によると、新型ASEVは全長約620フィート、ビーム82フィート、標準排水量12,000トンになる。これに対し、「まや」クラスの設計は、全長557フィート強、ビーム約73フィート、標準排水量約8,200トンだ。一方、米海軍のタイコンデロガ級巡洋艦は、全長567フィート、ビーム55フィート、標準排水量約9,600トン。 サイズは、タイコンデロガ級が新しいASEV設計に近いが、それでもかなり小さい。Naval News報道によると、新型艦は米海軍アーレイ・バーク級フライトIII駆逐艦の1.7倍の大きさになると指摘している。 武装に関して言えば、新型ASEVは以前の検討よりはるかに幅広い能力を持つように計画されている。 同艦の兵器システムの中心は、さまざまな脅威に対する防空・弾道ミサイル防衛用のSM-3ブロックII...

次期高性能駆逐艦13DDXの概要が明らかになった 今年度に設計開始し、2030年代初頭の就役をめざす

最新の海上安全保障情報が海外メディアを通じて日本国内に入ってくることにイライラしています。今回は新型艦13DDXについての海外会議でのプレゼン内容をNaval Newsが伝えてくれましたが、防衛省防衛装備庁は定期的にブリーフィングを報道機関に開催すべきではないでしょうか。もっとも記事となるかは各社の判断なのですが、普段から防衛問題へのインテリジェンスを上げていく行為が必要でしょう。あわせてこれまでの習慣を捨てて、Destroyerは駆逐艦と呼ぶようにしていったらどうでしょうか。(本ブログでは護衛艦などという間際らしい用語は使っていません) Early rendering of the 13DDX destroyer for the JMSDF. ATLA image. 新型防空駆逐艦13DDXの構想 日本は、2024年度に新型のハイエンド防空駆逐艦13DDXの設計作業を開始する 日 本の防衛省(MoD)高官が最近の会議で語った内容によれば、2030年代初頭に就役開始予定のこの新型艦は、就役中の駆逐艦やフリゲート艦の設計を活用し、変化する脅威に対し重層的な防空を提供するため、異なるコンセプトと能力を統合する予定である。  防衛装備庁(ATLA)の今吉真一海将(海軍システム部長)は、13DDX先進駆逐艦のコンセプトは、「あさひ」/25DD級駆逐艦と「もがみ」/30FFM級フリゲート艦の設計を参考にすると、5月下旬に英国で開催された海軍指導者会議(CNE24)で語った。  この2つの艦級は、それぞれ2018年と2022年に就役を始めている。  13DDX型は、海上自衛隊(JMSDF)が、今吉の言う「新しい戦争方法」を含む、戦略的環境の重大かつ地球規模の変化に対抗できるようにするために必要とされる。防衛省と海上自衛隊は、この戦略的環境を2つの作戦文脈で捉えている。  第一に、中国、北朝鮮、ロシアが、極超音速システムを含むミサイル技術、電子戦(EW)を含むA2/AD能力の強化など、広範な軍事能力を急速に開発している。第二に、ウクライナにおけるロシアの戦争は、弾道ミサイルや巡航ミサイルの大規模な使用、EWやサイバー戦に基づく非対称攻撃、情報空間を含むハイブリッド戦争作戦、無人システムの使用など、新たな作戦実態を露呈したと説明した。  新型駆逐艦は、敵の対接近・領域拒否(A2/A...