STRAIT OF MALACCA (June 18, 2021) The Navy’s only forward-deployed aircraft carrier USS Ronald Reagan (CVN 76) transits the South China Sea with the Arleigh Burke-class guided missile destroyer USS Halsey (DDG 97) and the Ticonderoga-class guided-missile cruiser USS Shiloh (CG 67). Reagan is part of Task Force 70/Carrier Strike Group 5, conducting underway operations in support of a free and open Indo-Pacific. (U.S. Navy Photo by Mass Communication Specialist 1st Class Rawad Madanat)
国防総省の公式評価は中国はすぐにでも台湾を侵略する、北京は2027年に台湾を手に入れるとある。著者を含め、米軍指導者や専門家多数は、この主張に懐疑的だ。ペンタゴンの公式評価は寛大すぎると考えている。
実際、中国は来年にも台湾への侵攻を決断するかもしれない。
北京が昨年、台湾への攻撃を真剣に検討していたことを示す状況証拠もある。民間情報会社Bellingcatによると、中国の習近平国家主席は2021年12月、ロシアのプーチン大統領に、中国が2022年秋に台湾を侵略する計画を立てていると伝えたという。
ロシアのウクライナ侵攻に対する欧米の強硬な反応を目の当たりにし、習近平が手を引いたと考えるアナリストもいる。
しかし、中国にとって、台湾を取り戻すことは、地政学的に重要な使命であると同時に、実存的なイデオロギー的使命なのだ。結局のところ、中国内戦は完全に終結していない。その戦いで敗れた側、つまり民族主義者たちが、中国沿岸から100マイル離れた台湾に避難することで全滅を免れ、凍り付いただけなのだ。
それ以来、この小さな島の奪還は、中国のすべての指導者の執念となっている。次の毛沢東を自認する習近平は、自分がこの課題を達成する中国の支配者になると信じている。
未来は、より勝ちたいと思う側のものだ。米国は一貫して台湾を支持しているが、ワシントンはこの問題に対する立場を明確にすることを拒んでいる。たしかに、武器を売り、台湾の軍隊に支援を提供している。しかし、何のためにだろうか?
台湾との共存は想像以上に難しい
結局のところ、アメリカと中国は深く貿易関係を持っている。その関係はアメリカ国内でも物議を醸しているが、ドナルド・トランプ前大統領を含むアメリカの政治家の多くは、最終的にはアメリカの中国との貿易関係を維持することを望んでいる。
ジョー・バイデン大統領は昨年、中国が台湾に侵攻した場合、自分の政権は台湾の民主主義を守ると2度にわたり発言し、ちょっとした外交問題に巻き込まれた。しかし、その直後、アントニー・ブリンケン国務長官は、台湾と中国のいずれかが一方的に現状を変えようとする試みには反対であることを改めて表明した。
つまり、台湾が中国からの独立を宣言した場合(中国が台湾を攻撃することは間違いない)、アメリカは台湾の後ろ盾にはならないだろう。
しかし、仮に台湾が期待されたとおりに、独立に関し中立を維持したとしよう。台湾の有権者の多くは、自分たちのことは自分たちで治めるが、完全に独立した国民国家としては認めないという現状維持を好み、ますます神経を尖らせている北京をなだめる。このような事実にもかかわらず、北京が民主主義国家の併合や封鎖を試みたらどうだろうか。
対立する陣営が互いに誤解する
中国の指導者たちは、アメリカは最盛期をすぎていると本気で思っている。中国の指導者たちは、中国の指導者に気概があれば、米国のポテンシャルを持った軍隊を打ち倒すことができると考えている。中国指導者は、アメリカの政治家層が台湾をめぐって世界大戦を起こすリスクを最終的には負いたくないはずと想定している。
そのため、中国は、中国による台湾侵攻の場合に想定される米国の軍事的対応の妨害をめざし、一連の能力を開発してきた。中国の軍事ドクトリンは、サイバー空間、宇宙空間(米軍の重要な衛星を無力化する対宇宙兵器)、電磁スペクトル全体、グアム、日本、さらに地域全体にある米軍の重要施設を破壊するべく長距離ミサイルを使った強力な攻撃をめざしてきた。
これらの動きはすべて、中国の侵略軍が台湾に接近する前に行われる。
北京は、最も重いパンチを前もって積み重ねることで、アメリカを混乱させ、戦いの始まりに大きなダメージを与え、ワシントンが中国に全面的に戦争で負けるリスクを冒すより、台湾を放棄する選択に走ると考えているのである。
中国との戦争は長引き、残酷なものになる
中国との対決は血なまぐさいものになるだろう、と考えられている。最近、著名な軍事学者ハル・ブランズHal Brandsは、中国が台湾を攻撃した場合、アメリカはそれに対応すると予測した。北京やワシントンの戦争プランナーが考えているのと逆に、戦争は長く残酷なものになるだろう。
第一次世界大戦の悲惨な戦闘に似たような紛争が起こる。戦争当事者は、戦いは短期間で決着がつくという当初の信念を打ち砕かれた後、命と資源の損失を正当化するために、ますます壮大な戦争目的を抱き始める。
ワシントンにとってより良い解決策は、戦闘を完全に回避することだ。そうでない場合、ワシントンはまず自軍をより生存しやすいものにしなければならない。インド太平洋地域の米軍ではすでに、中国の一撃で標的となるであろう既存の軍事施設の硬化に着手している。
次に、中国軍に大きな目標を与えないよう、米軍を分散させる必要がある。
米国宇宙軍は、米国の軍事衛星アーキテクチャの包括的なリメイクの先頭に立つ必要がある。現状では、米国の衛星は攻撃や破壊に対しあまりに脆弱だ。重要な軍事衛星を構成する大型で古い衛星は、能力喪失を防ぐために、容易に交換可能で数がはるかに多い、小型で洗練されていないシステムに交換されるべきなのだ。
中国の「宇宙真珠湾攻撃」で衛星が破壊された場合、米軍は近くの非米軍システムに確実に機能を移し、中国との戦いに米国人を参加させることができるよう、衛星は民間および同盟国のシステムとの統合も強化する必要がある。
宇宙軍は、ミサイル防衛庁や宇宙開発局とともに、従来の核兵器に対するだけでなく、中国の高度化する極超音速兵器に対する宇宙ベースのミサイル防衛を開発していることを明らかにしなければならない。
アメリカは一刻も早く、その能力を示さなければならない。一方、宇宙軍は、抑止力として中国の衛星群を無効化する能力も示さなければならない。
台湾をめぐる海上での戦いでは、空母のことは忘れるべきだ。潜水艦を先鋒とする必要がある。中国は、インド太平洋における米国の軍事的動きを積極的に追跡している。中国情報機関は、ワシントンが台湾への潜在的な侵略を阻止することに全力を尽くしていることを知る必要がある。
中国は侵略者である。しかし、外交面では、ワシントンは現状維持を主張する必要がある。台湾は、自国のことは自国に任せるが、独立は目指さない。そうすれば、アメリカは侵略者ではなく、第二次世界大戦後からの地域秩序の維持者であることを世界に示すことができる。北京は実際、侵略者なのである。
もし今、規律正しくコミットしたワシントンがこうした動きをとれば、中国による台湾侵攻スケジュールは延期される。台湾侵攻のシナリオが十分に延期されれば、中国が今後10年間に直面する国内のネガティブなトレンドを考えれば、北京は台湾を攻撃するのはあまりにもコストがかかりすぎると判断するかもしれない。
しかし、ハル・ブランズが最近評価したように、今この瞬間が台湾の将来にとって決定的なのだ。
アメリカは、残酷な戦いを覚悟しなければならない。しかし、現状維持の姿勢を示しながら戦いに備えることで、冷静な判断ができるようになるまで時間を稼ぐことが重要であることを強調しておきたい。冷静な判断が勝利すれば、米国と同盟国は、中国の先制攻撃を生き延び、2倍の反撃を与えることができるようになる。
右派や極左の多くが主張しているように、米国が台湾を中国に放棄することだけは許されない。ワシントンが台湾へのコミットメントを放棄すれば、北京は第一列島を越えて太平洋の奥深くまで軍を移動させるだろう。現実主義者のジョン・ミアシャイマーJohn Mearsheimerが警告しているように、最終的には中国軍はハワイまで迫り、自国の半球で米国を脅かすことになるかもしれない。
ここまで危険が迫っているのだ。■
World War III: Could America Stop China from Invading Taiwan? - 19FortyFive
By
A 19FortyFive Senior Editor, Brandon J. Weichert is a former Congressional staffer and geopolitical analyst who is a contributor at The Washington Times, as well as at American Greatness and the Asia Times. He is the author of Winning Space: How America Remains a Superpower (Republic Book Publishers), Biohacked: China’s Race to Control Life (May 16), and The Shadow War: Iran’s Quest for Supremacy (July 23). Weichert can be followed via Twitter @WeTheBrandon.
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