やはりこの話題には読者の皆さんが敏感に反応しています。そこで今回は元記事に対する米読者の反応をそのままお伝えし、彼の地の航空機愛好家筋がどんなことを考えているかの一端をお伝えしましょう。多彩な意見があり、一部首をかしげたくなるものもありますが、日本の財務状態についても心配している向きがあり、一般的な読者よりも日本事情に詳しい層が反応していることうかがわせます。F-22の話題がやはり出ていますね。
Japan Issues Request For Information On Fighter Options
Jun 24, 2016Bradley Perrett | Aviation Week & Space Technology http://aviationweek.com/defense/japan-issues-request-information-fighter-options
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読者の反応
- F-22の性能向上型を生産再開すればよい。日本にもイスラエル、オーストラリアと並んで売ればよい。米海軍、米空軍にも類似構想があるが第六世代機が姿を現すのは2030年代後半から2040年代だろう。その間にエンジンと機体開発を進めればの話だ。米空軍のAS2030報告書ならびに米財政赤字を見るとどうも期待しないほうがいいようだ。
- F-35開発のような20年以上の苦労を繰り返すのでなければ第六世代戦闘機の試作機は2020年代中ごろに供用は2030年代になろう。敵の脅威が増大して入ればそれだけ早く実戦化につながる。F-15はあと10年は第一線にとどまろうが消耗は避けられない。200機程度の大型ステルス侵攻型有人制空戦闘機を攻撃の中心に整備すべきし、性能が劣る戦闘機を背後に置き、制空無人機や重武装機をファミリー構成で開発すべきではないか。
- Gen6のF/A-XXやF-X開発は高性能新型エンジンなくしては実現しない。その技術はまだ初期段階だ。Gen6試作機が空を飛ぶのが2020年代初期に実現するとは思えない。米空軍、海軍、海兵隊はF-35に巨額予算を無駄につぎ込んでしまった。
- リベラル派がF-22の息の根を止めたのが悔やまれる。F-22はNATOでも欲しかった機種だ。ロシアが第五世代戦闘機を配備していることを意識してこちらもNATO以外の国にも新型機を売ればよい。F-22改がジャップ-オージイ他には最適だろうがもっと前に手を打つべきだった。
- ビル・ゲイツが国防長官としてF-22を中止させたが長官は共和党だぞ。民主党ではない。
- 違う。ビル・ゲイツがF-22を終わらせたのは今の民主党大統領の下で国防長官のときだ。閣僚全員は大統領の指示に従っているだけだ。
- オーストラリ同様にJASDFはF-18スーパーホーネットとEA-18グラウラーを選択すべきだ。
- オーストラリア、イスラエル同様に日本もF-22が欲しかったが米国が一番信頼の高い同盟国にも売却をしてくれなかったのだ。
- 記事にあるように日本には戦闘攻撃機を新たに導入する意向はない。F/A-18E/Fは優秀な戦闘攻撃機だが制空任務では大したことはないので日本の要求水準に合わない。EA-18グラウラーは優秀なEW機材でこの戦力は日本がまだ整備していない分野だ。
- 日本はF-15サイレントイーグルを100機ばかり買えばよい。SAレーダーとAIM120Dさらにメテオミサイルをつければよい。この組み合わせで今後30年は持つ。中国が能力を向上させてこの装備で対応できなくなれば核を装備すればよい。
- 日本が長距離打撃を航空機で実施することにこだわるのであれば現在生産中の機体で要望を満たすものは皆無だ。各社とも日本と共同開発は歓迎するだろうがこの仕様に興味を示す外国政府はあるだろうか。イスラエルが第六世代長距離戦闘機を希望するだろうが攻撃任務に比重を置くはずだ。ヨーロッパはタイフーン以後の機体をまだ想定していないし、米国は毛局単独開発に向かうだろう。ということは日本は巨額予算を投じて単独国産開発しか選択肢がないことになる。
- イスラエルはF-35IにCFTを付けてF-16I同様に改装する。
- 日本にはそこまでの予算がない。日本政府の財政状況を見れば状況は厳しく今後五年で債務不履行になるのではないか。年間税収が5,000億ドルで国債利息支払いが3,600億ドルなので1.400億ドルで国を運営するのは不可能。そのため、5,000億ドルを借り入れ不足分を補っている状況だ。
- 日本の財政状況の分析は正しい。100機の新型戦闘機導入より根の深い問題があるということだな。ただ日本の地理条件と政治体制を見れば、日本が有料すべき国がひとつある。どの機種を導入するにせよ抑止力を整備する必要がある。
- イスラエルはCFI以外に自国開発ソフトウェアを搭載する。その結果、イスラエルのF-35は米国装備よりはるかに威力が高くなるぞ。
- F-23の権利を買い、F-22より優秀だった同機を近代化し最新のエンジンに換装し、電子装備をつければよい。ステルス、スピード、航続性、戦闘能力のすべてF-22を上回るはずだ。ただし、コストは相当になる。F-2と同様だ。もしこれが可能ならば。
- そうだねYF-23なら日本が求める内容に合致しそうだ。だがノースロップは技術資料をもう何年も前に廃棄しているのでは。
- 数億ドルかけた技術を排気するような企業はない。ちゃんと残っている。
- 2001年ごろに技術資料、生産データは廃棄されている。ノースロップ社員にこれが間違っていたら教示願いたい。どちらにせよ今となっては生産システム自体が時代遅れだ。
- F-22が政治的に選定されたとの指摘に全く賛成。ロッキード・マーティンは当時財政的に苦しく国防企業の数を一定に保ちたいとの意向が働いた。F-22を受注してなければ同社は幕を下ろしていたかも。性能や米軍のためではなくあくまでも政治的な選択で「互助の精神」が働いたのだ。
- 日本が同機を輸出する動きに出たらどうなるのか。まるで無害な鳩の群れに猫を放すようなものでF-22は安全に飛べなくなるかも。
- F-3を導入する国は現れないだろう。単価は400億ドルで100機調達なら4億ドルだぞ。
- 日本に新型戦闘機を開発する余力はないのでは。昨年に防衛装備のR&Dに使ったのはわずか10億ドルで、米国からの調達に切り替える中で研究予算は減る傾向にある。記事の言う通りなら日本は抜本的に防衛R&D支出を増やす必要がある。F-3開発には400億ドル必要で日本に支出能力があるのか。そうなると選択肢はF-35輸入をふやすことだろう。多額の国債発行で日本に国産戦闘機による防衛体制整備は不可能なはずだ。ライバルの韓国も国産ステルス戦闘機開発に向かっているが韓国の国債発行額はGDP比で38%相当なので実現は可能だろう。
- 日本のRFIに合致するのはスホイPAK FA/T-50しかない。ロシアが日本に接近してきても驚かないだろう。日本がロシアと組めば、インドとも共同で開発に進み、イスラエルがF-35に手を加えるようにT-50も改修される。兵装、エイビオニクスを日本仕様に変えて、すでに飛行可能な機体を買えばよい。国内生産も考えらるし日本はすでに国産エンジン開発に取り組んでいる。実現するとは思わないが、日本が想定する大型機内兵装搭載能力を持つのはPAK FA/T-50だけだ。
- 日本はロシアとの戦争状態をまだ解決していないのだぞ。日本はロシアが自国領土を実効支配しているのを快く思わず奪回をめざしている。
- それは知ってるよ。ただ経済産業省によれば日ロ間の貿易量は2006年から四倍に増えており、サハリン-1、サハリン-2の共同プロジェクトがあり、ロシア原油の案件も進行中だ。平和条約が未締結のままでも両国は実利を追求できる。日本は北方領土より中国を憂慮している。そこで長距離戦闘機で全国を防御するのか、一部の島しょ部分を守るのか。ロシアはそれでもPAK-FAを提供できるだろう。
- 日本の公式見解は北方領土の奪回に武力行使することは憲法9条に違反せず、他国侵略ではなく自国領土の奪回だからよいとする。このためロシアはミストラル級強襲揚陸艦を導入し千島列島を日本の攻撃から守ろうとしたのだ。日本が武力行使に踏み切っていないのは財政事情で防衛に回す資金が減っているためだ。ロシアが日本に武器売却を認めることは発生しない。なぜなら日本はロシアから見れば敵対勢力であり領土を狙う国だから。PAK-FAの購入は中国からJ-20を調達して尖閣諸島を防御するようなもので全くのナンセンスである。さらに仮にPAK-FAを日本が購入すれば機体は米国が細かく調べるだろう。文中からアジア安全保障で地政学的な知識がないのがわかるぞ。 1. ロシア製武器の対日販売はあり得ない。ロシアに向けて使われてはたまらないからだ。 2. 日本には国産戦闘機開発資金はない。まだゆとりがあった10年前に実施すべきであった。 3. 日本は今後年を追うごとに弱体化していく。中国、韓国は日本を恐れていない。
- ロシア報道ではミストラル級一号艦は太平洋配備で千島列島への兵員輸送に投入するとしていた。だが同艦導入の理由と言われた日本の攻撃の兆候はなかった。
- ロシアが購入したのは二隻だけでフランスがロシアのクリミア半島併合を理由に売却を取り消した。残る二隻はロシア国内で建造予定だったが起工していない。ロシアは先行二隻の支払い済み分は返金を受けている。
- F-2は開発期間中に主翼で初期問題が発生したが、量産型機体では発生してない。
- (1) 空母「 # ミストラル 」は当初クリル諸島を # 日本 の侵略から守るため購入された 「空母「ミストラル」は当初、日本のクリル諸島へ侵攻を撃退することが目的であった。
- ロシアがミストラル級の取得を急いだ理由に日本が千島上陸を立案中との情報が入ったことがあり、仮に日本が千島を占拠しても奪還用部隊の輸送が必要と判断したためである。2011年のことで日本右翼勢力は日本政府が武力で千島を奪還する意思があることを知り興奮を隠せなかった。
- 日本の憲法学者は千島での軍事行動が許容するため第九条改正は必要はないと主張していた。その理由は日本国の領土を不法に占拠する外国軍を駆逐するのは第九条が定める自衛権の行使に当たると説明していた。
- 戦争状態は終結(1956年)したが平和条約は調印されていない。米国は平和条約締結を妨害している。
- 日本の真の狙いは二つあり、改修型F-22 ラプターの調達あるいはロッキード・マーティンとF-22を共同生産し、米国はじめ各国に売り込むことだろう。
- 米空軍はF-22ライン再開の可能性を除外している。F-22は復活しない。
- F-35と競合するのにわざわざロッキードがF-22共同生産に踏み切る理由がないだろう。
- F-22生産再開の条件は整うのではないか。日本が購入すれば再生産の費用を押し下げる効果があり、日本も自国開発より好ましく思うのではないか。米空軍はF-Xがもうすぐ実用化できるという幻想をを捨ててこの機会をとらえるべきだ。
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- 新型F-22生産に踏み切るのであればF-22Aより内部燃料搭載量を増やすため機体を若干大型化していいのではないか。
- 核兵器搭載もお忘れなく。F-22現行型でも内部兵装庫に核運用をするだけの大きさがある。戦闘爆撃機角型はほぼ全機種でこの能力がある。
まだまだ論争は続きそうですがここで一回お開きにしましょう
いやぁ海外では相変わらず手厳しい反面興味深い話や反応がありますね。
返信削除日本の北方領土への上陸とかどうやったら本気にするのかとw
あと予算が絡む事案には必ず誤解を招く日本の財務状況。
この辺は債務額だけ見てしまうせいでしょう。(そんな不安なら円を買うなと言いたいw
さて、防衛省はIHIで開発中のエンジンについて目処が立たない限り国産化の計画は立てないと明言しています。
予定では平成30年頃とのこと。
今回の具体的な要求仕様はDMUに代表されるシミュレーションの結果であるわけですが、個人的には米海軍のような将来を見据えた構想にも対応が迫られる事になると思っています。
例えば無人機との共同作戦、マイクロミサイルや光学兵器に代表される新機軸の兵装等。
前者はデータリンク機能や電子戦装備、後者はエンジンの発電能力や兵装格納庫のサイズ等のハード面の機能。
どちらも日本単独では経験が少ない分野ですが、要素技術の共同開発には実績があるので期待したい所ですね。
ところで前記事の「1988年以来の累積支出は1.730億円(164億ドル)に登っている。」という記述ですが一体いつ1ドル10円まで円高になったんですかね?
一桁間違ってますよ。
匿名さん、ご指摘ありがとうございます。
返信削除数字は少数点が欠けていました。 16.4億ドルが正しいです。 早速原稿を訂正しておきました。
今後もチェックよろしくお願いします。
また的確な内容面でのフォローもありがとうございます。
このブログではどうしても戦闘機の話題になると急に反応が増えるのですよね。(最近はオーストラリア潜水艦案件も同じ傾向を示していますが)共通するのは国産装備の整備という点でしょうか。もう少しISRや裏話のような話題、国防を取り巻く環境にも関心が集まるといいと思っているのですがね。
以上管理人からのお礼とメッセージでした。