2019年1月31日木曜日

新型機登場 ロシア大型UCAV? オホートニク

Russia's Next Deadly Weapon: A Stealth, Jet-Powered Robot Warplane ロシアの次世代兵器か、ステルスロボット軍用機登場

Okhotnik-B could see squadron service.オホートニク-Bは実戦配備の可能性が高い

January 28, 2019  Topic: Security  Region: Europe  Blog Brand: The Buzz  Tags: RussiaMilitaryTechnologyWorldStealthDrone

シアがステルスロボット軍用機を開発中だ。クレムリンはこれまで殺人無人機は配備していなかったが今回は実用に耐える第一線機材になりそうだ。
オホートニク-B Okhotnik-B 無人機の不明瞭な画像が2019年1月23日に航空関連ウェブサイトに現れた。写真では約50フィート幅の無人航空機がロシア南部ノボシビリスクの滑走路に移動する姿が写っている。
機体は全翼機で米空軍のB-2ステルス爆撃機に通じるものがあるが、オホートニク-B(ロシア語で狩人)は理論上は敵防空網を突破し兵装を投下する機能がある。
オホートニクは中国の天鷹 Tian Ying 無人機、米空軍のRQ-170偵察無人機、米海軍の試作UAV X-47B、ボーイングのX-45C実証機と同等の機体だ。
このオホートニクがロシア空軍に配備される可能性は高いとロシア軍事航空関連に詳しいトム・クーパーが語る。「ロシア軍にはUAV関連事業が複数あり、今回の機体登場は至って正常な進展だ」
クーパーはさらにオホートニクはロシアが「これまでの開発の流れの一貫にすぎない」と表現。
ただし毎回こうではない。2007年に軍用機メーカーのミコヤン・グレヴィッチからスカット Skat UAV試作機がオホートニク同様に全翼機ステルス機の触れ込みで登場した。だがロシア経済の不振で国防費が伸びず、スカットは行き場を失った。10年かかったがロシア政府の予算がやっと増え、シリアでの手痛い経験からUAVが実戦配備されるめどが見えてきた。
クレムリンは無人機事業を大幅拡大中とロシア軍に詳しいサミュエル・ベネディクトが報道記事で語っている。.
2018年12月中旬に「ロシア国防省から無人機分野で重要発表が出た」とベネディクトは述べている。「シリア介入を2015年に開始した時点でロシアには中核となる戦闘能力が欠如していた。つまり識別後直ちに攻撃する能力でこれこそ各国の無人戦闘機材の中心性能だ」
「ロシアはシリアでこれを強く意識したが情報収集監視偵察(ISR)用の無人機はあっても攻撃は有人機や砲兵隊が行っていた。そのため攻撃用UAV各種を取り揃えようと必死なのです」
「ロシア政府公式発表や軍幹部も無人機が軍で必要だ、戦闘に必須だと述べています。最近もプーチン大統領が2019年の軍で重要な分野に無人ロボット装備の開発を特に言及しています」
オホートニク以外にロシア無人機には米軍のリーパーに似た存在のフォルポスト Forpost 中距離無人機があり、「ないのは12時間から24時間飛べる偵察UAVだけです」とクーパーも言う。「過去三年間のシリアでもこの機種は登場していません」
クレムリンは長距離ISRも開発中だが、アルティス Altius で苦労している。「生産が遅れ、必要な中核技術、ハイテク部品が足りず数カ年分遅れているのです」とベネディクトは解説する。
だがオホートニクはうまくいくかも知れない。2019年は「ロシア国防部門にとって恵みの年となり短期間でも『飛躍』となり同機が飛行し、攻撃テストするかも知れません」とベネディクトは見る。
「同機が配備されれば最大かつ最高速のロシアUAVになりますがテスト評価が未完成で設計性能の時速620マイルと重量20トンは未確認、ということは空力性能、電子ハイテク機能など多くが未解決ということです」
第一線で機能するためにオホートニクには小型精密誘導爆弾も必要とクーパーは指摘するがロシアはこの分野で世界水準から遅れている。
オホートニクの実戦配備には相当の年数がかかりそうだが、ロシア側要員は準備できているとクーパーは指摘する。「UAVパイロット、地上要員の第一陣は四年間の訓練を終えており、小型UAVならシリアでたくさんの経験を積んでいます」■
David Axe serves as the new Defense Editor of the National Interest. He is the author of the graphic novels  War Fix, War Is Boring  and Machete Squad.
Image: YouTube Screenshot

2019年1月30日水曜日

速報 日本向けイージス・アショアの販売が承認された





米国防安全保障協力庁が1月29日付で以下発表しましたので早速お伝えします。

https://www.dsca.mil/major-arms-sales/japan-aegis-weapon-system

海外軍事装備販売制度を利用する日本向け装備売却を国務省が以下の通り承認した。
  1. AEGIS ウェポンシステム (AIS) 2セット
  2. 多任務信号処理装置(MMSP) 2セット
  3. 指揮統制処理装置(C2P)更新 2セット
総額21.5億ドルで、日本政府の要望により審査していたもの。

上記金額には海軍仕様無線航法装置、敵味方識別装置(IFF)2セット、グローバル指揮統制装備海上仕様(GCCS-M) 2セット、慣性航法装置2セットを含む。

米国政府は契約企業とともに垂直発射装置6組のモジュール筐体、通信装置その他関連予備部品の導入で技術、工学、補給支援、設営支援、訓練、建設工事、非公開資料、ソフトウェアを提供する。この総額を21.5億ドルとする。

とあり、イージス・アショアと直接言及していませんが、垂直発射施設の構築があるのでイージス・アショアであることは明らかです。

なお、主契約企業はLockheed Martin Rotary and Mission Systemsがイージス戦闘システムと多任務信号処理装置(コンピュータですね)、General Dynamicsが指揮統制装置更新分となっています。

国内ではすでに反対運動に火をつけようという動きが見られますので、政府には十分な説明の上、住民理解を得て事業を迅速に進めていただきたいと思います。


米空軍のF-15X導入は実現するのか、空軍参謀総長も予算不足に苦慮

昨年末に突如入ってきた米空軍のF-15X導入構想ですが、そんなに簡単にはいかないようです。そもそも連邦政府機能が麻痺状態で2020年度予算案の検討が通常より遅れそうです。空軍参謀総長は苦慮しているようですが、思考方法を変える必要があるのではと思えます。2020年度国防予算については2月がヤマなので今後もっと話題がでてくるでしょう。



If the money is there, new and improved F-15s could be coming soon to the Air Force 予算があれば改良型F-15を空軍に即配備できるのだが

By: Jeff Martin    

159戦闘航空団の122戦闘飛行隊所属のF-15Cがゴーウェンフィールド(アイダホ)から離陸している。2018年7月27日。(U.S. Air National Guard photo by Tech. Sgt. John Winn)

空軍は予算があれば新型F-15Xを調達したいと参謀総長デイビッド・ゴールドフェイン大将がDefense Newsに27日語った。
今年中に新型F-15を導入してもロッキード・マーティンF-35の予算は流用しないとゴールドフェイン大将は述べている。
「F-35で一歩も退くことはない」とし「F-35調達は順調だし、その予算で別の戦闘機は導入しない」と述べた。
2020年度国防予算を巡る観測が増えているがペンタゴンは総額を公開していない。
当初案の総額は7,330億ドル要求だったがトランプ大統領から連邦予算削減を求められ一旦7,000億ドルになり、マティス前国防長官の肝いりで7,500億ドルに膨れ上がった。
2018年12月に空軍長官ヘザー・ウィルソンはDefense Newsに「すべての選択肢がある」と話していたが、26日にゴールドフェイン大将も空軍は予算案複数の作成で対応すると認めている。「7,300億ドル案、7,000億ドル案も作ったが7,500億ドルに落ち着いたらどうなるか」
新型機用の予算がいくらになるか直接わからないはずだが空軍としてはなんとしても調達したいとゴールドフェインは強調した。
F-15Xは改良型としてボーイングが提唱しており、新生産機体に改良型レーダー、コックピット、電子戦の各装備を搭載しミサイル搭載本数を増やしたものでカタールやサウジアラビア向けし機体を改良している。
昨年末にブルームバーグが2020年度予算で12機を12億ドルで調達する案が空軍にあると報道した。記事では州軍航空隊に配備し1980年代調達の旧式F-15Cの後継機にするとあった。
機齢こそ空軍が新型機を求める理由だ。F-15CはD型とあわせ230機程が米空軍にあるが、ゴールドフェインも各機は2030年以降の供用は無理と認めている。「機体性能は素晴らしいのだが経費の上昇ぶりもすざましくなってきた」のだという。
新造F-15調達の決定は昨年末に驚きを持って受け止められた。空軍はボーイングの営業をはねつけてきたからだ。だが26日のゴールドフェイン大将はこの決定で空軍全体で戦闘機がもっと必要との認識につながると見ている。「第四世代、第5世代が補完しあい、より良い効果が出る」
質より量なのかと問うと大将はこう答えた。「F-15C全機を若返らすつもりはない。それだけの予算もミッションの裏付けもない。F-35を導入しながらF-15C部隊を再活性化するのでは望ましい結果が生まれない」
大将は年間72機の戦闘機導入がないと将来の事態に必要とし、平均機齢を現行の28年から15年に引き下げたいという。また72機は全部F-35の想定だが予算がこれを許さないとした。
「資金が都合できれF-35を72機にしたいが支出と性能のバランスから見直す必要がある。F-15はF-35の代わりにならない。絶対だ。とはいえ機数はそろえたい」■


コメント このとおりだとすると数字あわせで比較的安価なF-15Xを「お付き合い」で調達するが本意ではないというのが空軍参謀総長の考えのようですね。そもそもステルス(今は効果があってもいつの日か効果を減じる日が来ます)万能と考えること事態に無理がある気がしますし、戦闘機の概念も今後急速に変化するはずですが、米空軍は思ったより現状維持思考のようですね。こんな調子では第六世代機の実現は無理では。

2019年1月29日火曜日

ロシアはロボット核魚雷で空母を狙うのか、津波を発生させるのか、真意が読めない

Could Russia's New "Nuclear Torpedo" Sink a U.S. Navy Aircraft Carrier? ロシアは新型「核魚雷」で米海軍空母をねらうのか

Whether Poseidon adds much to Russia’s strategic nuclear forces is doubtful. No less is doubtful is Poseidon the Carrier-Killer. ポセイドンの出現でロシア核戦力が増強されるか疑わしいし、空母キラーなのかも怪しい

シアがポセイドン熱核魚雷の海中テストを開始している。

ポセイドンは全長80フィートの原子力動力潜水ロボットで水中ICBMといってよい。数千マイルを自律運行し敵の港湾都市外で爆発し津波を発生させ都市を破壊するのが目的だ。

「敵が偵察監視体制で防衛していても海中をポセイドン無人潜水機は問題なく接近できる」とロシア国防関係者がTASS通信に語っている。
同上筋は「原子炉を本体内に搭載するが今は実験段階であり本格運用想定のテストではない」とも述べている。

TASS記事ではポセイドン(インターネット投票でロシア国防省が選定)は2メガトン弾頭を搭載するとあり、都市破壊には十分以上だ。だがそもそもなぜロシアが米都市破壊に水中無人機に核弾頭をつけるのか。通常のICBMなら30分で飛翔できるのに時速100マイルと言われる速度をわざわざ選んだのか。

ロシアの話を総合するとポセイドンは報復兵器で米国がロシアICBM数百発の核攻撃をミサイル防衛で無効にし第一次攻撃を仕掛けた後を想定しているようだ。だが米国がロシアICBM500発をことごとく迎撃するとは考えにくい中で、目的地に到達するのに何週間もかかる運搬システムではとても抑止手段とは思えない。

興味をそそられるのはポセイドンを米海軍の空母相手に投入する可能性だ。高速核搭載無人機は米国の対潜防衛能力でも排除は困難だ。2018年3月演説でロシア大統領ウラジミール・プーチンは「大深度まで潜り、大陸間を潜水艦速度の数倍で移動する最新鋭魚雷ならびにあらゆる種類の超高速水上艦艇がある。音を立てず制御性が高く敵に対して弱点が見当たらない存在だ。これら新兵器を阻止する手段は世界に存在しない」と述べていた。

プーチンからはポセイドンの「原子力動力部分は原子力潜水艦の原子炉の数百分の一程度の大きさしかないが戦闘モードで出力は数倍になり最高で200倍の速度を出せる出力重量比が今までにないレベル」とも述べていた。

ロシアの原子炉設計がそこまで進歩しているのかは別として米空母の近くで核弾頭を点火するのに大型ロボット潜水艦が必要なのか(ポセイドンは高価なため通常弾頭搭載はありえないはずだ)。空母撃沈が目的なら単純に極超音速ミサイルに通常弾頭で飽和攻撃すればよいのではないか。マッハ5級のキンザルがある。ロシアには大量のミサイル、弾薬、航空機があり米艦をねらえるはずだ。

ポセイドンの出現でロシアの戦略核戦力が改善されるか疑問だし、ポセイドンが空母キラーなのかも疑わしく思えてくる。

Michael Peck is a contributing writer for the National Interest. He can be found on Twitter and Facebook.

ではその実態はなにをねらっているのでしょうか。核動力巡航ミサイルについてもロシアは豪語しながら実験に失敗しています。核汚染が自国内だからよかったものの、弾頭による被害以外に敵地を核汚染することものねらいといわれ、一体どこからこうした不愉快な装備の発想が生まれてくるのか、ロシア人への不信が高まります。

2019年1月28日月曜日

新型機の開発状況 ベルV-280が水平速度322マイルを達成

これはすごい。オスプレイより大胆な性能域を見ざすのは戦闘偵察や兵力投入などより厳しい実戦条件での供用を想定しているからでしょう。ではオスプレイはどうなるのか。そのオスプレイでさえあれだけ反対の声を(某国の思惑通り)上げた人たちはこんな機体が配備されれば発狂するのでは。


Bell V-280 Flies 322 MPH: Army Secretary Praises Program ベルV-280が時速520キロを達成。陸軍長官が評価


By SYDNEY J. FREEDBERG JR.on January 24, 2019 at 6:16 PM

Bell photo
ルV-280ヴァラー試作機が時速280ノット(519キロ)を超える速度に今週到達したと同社が発表した。今後さらに速度を上げるという。
ベルのティルトローターが進展する中で米陸軍の次世代垂直離着陸輸送機(FVL)事業でライバルのシコースキーボーイング共同開発のSB>1デファイアントは初飛行を実施できず遅延している。陸軍長官マーク・エスパーがFVLは陸軍装備近代化のモデル事業だと評価した。

Army photo
陸軍長官マーク・エスパーはFVL事業を賞賛

ベルが新記録達成をメールで知らせた一時間前にエスパー長官がFVLに言及し、企業名こそ上げなかったが二社のうち初飛行までこぎつけたのは一社のみと発言。V-280のスピード新記録樹立の件が長官の耳に入っていたか不明だが陸軍の一部は知っていた。
「工期・費用での超過リスクはいつもあり、対応が求められます」と長官は報道陣に会計検査院GAOから陸軍の装備近代化で懸念表明があったことに言及し、「そこで試作で要求性能を事前チェックし、実現達成可能にしており、その好例が次世代垂直輸送機事業です」と同事業を取り上げた。「試作化はずばぬけており、すでに一機が飛行を開始し、残りも近日中に飛ぶはずです。現実的な解決策の模索に効果が高く、過ちは繰り返しません。」
長官の言う過ちとはなんのことか。陸軍はこれまで野心的な希望を掲げたあまり悲惨な経験を繰り返してきた。ステルスヘリコプター、C-130で運搬可能な小型戦車等々で、実現不可能だったり高額すぎると判明して取りやめてきた。大規模戦に備え装備更新を迫られる中で繰り返しは許されない。「開発、配備しても使えない装備の導入をするつもりはありません」
FVL試作機事業は正式名称が共用多任務技術実証機 (JMR-TD)で2011年開始と長期間にわたっている。だが今や努力がまたとない時期に実を結ぼうとしている。
280ノットは限界ではないとベル幹部は得意げに語る。「ダッシュスピードで280ノットを超えるはずです」とカール・ホフマン(高性能垂直離陸機事業営業戦略部長)が電話で伝えてくれた。「機体設計上でどこまで行けるか正直わかりませんが性能上限を引き上げていきます」
280ノットを達成したフライトは貨物や人員を搭載せず、テスト機材のみだったと同社も認める。だが設計上は戦闘時に満載でも280ノットは出せると同社は説明。
体裁よく数字をまとめているのではない。最高速度は軍用機で重要で敵陣内でロックオンで撃墜されないため高速が必要だ。タリバンやISIS戦闘員のようなローテク勢力からロシア、中国のような高度戦力が相手の戦いへ切り替える中で防空網突破は重要だ。
ただしダッシュ速度は永久に続けられない。運用上では巡航速度が意味がある。ティルトローターではヘリコプター同様の離着陸、ホバリングができ、ターボプロップ機同様の巡航速度と航続距離に意味がある。
「長距離巡航飛行で280ノットを若干下回る速度を目指し、燃料効率も重視します」とコフマンが述べている。標準型の輸送ヘリと比較すると長年活躍中のUH-60ブラックホークが巡航速度150ノットでV-280の53%に相当する。重装備重装甲のAH-64もほぼ同様だ。ベルではV-280を従来型ヘリの「速度二倍、航続距離二倍」とし、都合よく数字をまるめているがテスト結果を見ると実態とかけ離れていないようだ。
ただしV-280の長距離飛行テストは未実施で、これまでの最長飛行はアマリロ工場からベルの試験場のあるテキサス州アーリントンまで約370マイルだ。この距離でもUH-60の最大航続距離317マイル(最新M型)より16%長いが長距離飛行の場合は追加燃料タンクを搭載するので貨物輸送量が減る。
「機体性能とともに燃料消費率にも満足しています」とコフマンは語り、「次は航続距離です」とし目標は575マイルから920マイル(500から800カイリ)とミッション内容により変わる。
V-280が次に試されるのは機動性だ。巨大ローターを左右に付けたティルトローターの挙動はヘリコプターと相当に異なり、ライバルのシコースキーはベル機は低速や低高度で機敏な取り回しできないと指摘している。
「高度Xでの取り回し」は陸軍には重要で強襲部隊を着地させ負傷者を回収する場所はジャングルから大都市まで多様だ。これは海兵隊や空軍特殊作戦部隊でも同様で同じベルの大型V-22オスプレイを長年供用しているが不満は聞こえていない。V-280ではV-22の知見すべてを使いつつ機体は半分程度に縮小している。
ティルトローター採用前に「陸軍は低速域での機体取り回しを心配していたはず」とコフマンは述べ、ただし「利用者は機体性能にご満足いただき要求取りの操縦特性を発揮していますがね」とする。■
Bell photo
水平飛行するベルV-280。同機はFVL事業の有力候補と広く見られている

2019年1月27日日曜日

パキスタンへ海自P-3C派遣の記事に見る 日本語の乱れとその背後にある囚われた空間について想う

海上自衛隊がパキスタンに機材を派遣しての訓練について現地紙が伝えています。海上自衛隊もホームページで発表していますが国内メディアでは全くスルーですね。こうした地道な努力がいつの日にか役立つのでしょうが、一番隣の国とは絶望的な状況です。


Two Japanese naval aircraft arrive in Karachi for Aman 2019 exercise 日本海軍機材2機がカラチへ到着しアマン2019演習開始へ

by Associated Press of Pakistan | Published on January 26, 2019 🔗


本海軍の2機がカラチに到着し、多国籍海洋演習AMAN-19の来月開始に備えている。

今回は六回目の開催でパキスタンが主催し2月に開始する。

海賊対策で現地派遣中の日本海軍のP3CがAMAN-19演習に先立ちメーラン海軍基地に到着した。日本機は捜索救難(SAR)、海賊対策(CP)含む演習をパキスタン海軍と行った。

日本側機材が参加したのは実務運用レベルでの相互作戦体制向上のための調整レベルを引き上げたいとの強い希望があることを背景にしたもの。今回の部隊派遣は友好関係の増進のみならず北アラビア海(NAS)を特に意識した不法活動への対抗、交戦を中心においた。

さらに航空機乗員間に共同作戦の実効性を高めたSAR、CP運用につながる期待が生まれた。

「日本機材の参加はパキスタン海軍と日本海上自衛隊の間の海洋協力関係で画期的な出来事になった。海自機材の派遣で海軍間の関係強化とともに友好親善関係が強まり外交軍事面でパキスタン、日本両国の関係促進に弾みがつくことが期待される」とパキスタンは声明を発表した。■

先回のレーダー波照射事件で海自機がJAPAN NAVYと呼びかけた事自体を問題視するような論調がありましたが、海外ではNAVYの用語を当然使っていますし、いちいちいちゃもんをつけられる話題ではありません。上記記事ではNAVYとJMSDFを使い分けていますが、NAVYと呼ぶのが当然です。同様に護衛艦という妙ちくりんな用語についても英語ではDESTROYERなのであり、DOUBLE SPEAKは早急に廃止したいものです。

オーストラリアもF-35B運用のため揚陸艦を空母に改装すべきか

中国、ロシア、北朝鮮、イランといった勢力に対抗する自由と民主主義を信奉する各国の対立が鮮明となる中、日本にとってオーストラリアは米国と並んで重要なパートナーとなってきました。今回は日本の「空母」が同国にどんな影響を与えるのかの考察です。

Should Australia Follow Japan and Take the F-35 to Sea? 

日本にならってオーストラリアもF-35を海上で運用すべきか。

Or is this a bad idea? それともまずい選択になるのか。
January 23, 2019  Topic: Security  Region: Asia  Blog Brand: The Buzz  Tags: AustraliaJapanF-35NavyAircraft Carrier
本が短距離離陸垂直着陸型F-35Bをいずも級に配備し同艦建造時点から出ていたとおりに小型空母へ改装を決定した。対象はJSいずも、JSかがの二艦でF-35Bは空中給油能力を付与せず短距離運用に限られる。
十数機程度の配備では通常の空母航空戦力としては規模が小さいが琉球諸島さらに尖閣諸島の防衛には寄与できそうだ。
ただし日本は「空母」を中国の接近阻止領域拒否圏内に前進させることは及び腰だろう。中国のA2/AD圏がグアムに届くまで拡大している中ではこれは問題となる。中国はDF-26対艦弾道ミサイルや潜水艦発射巡航ミサイルのほか長距離空軍力を整備している。
日本さらに米国にも課題となるのは厳しい環境の中で空母が生き残れるかどうかだ。同じことはオーストラリアにもあてはまり、F-35Bを同国のキャンベラ級ドック型揚陸ヘリコプター艦(LHD)に搭載すべきか。
LHD艦からのF-35B運用構想は2014年にASPI や The Strategist が提起し、2016年度国防白書が取り上げた。次回の白書は2020年刊行予定で、それまでに日本の新方針が刺激となりオーストラリア国内で議論を呼ぶのは必至だ。今回はオーストラリアが日本の後を追うべきか考えてみたい。
議論の背景にオーストラリア防衛軍(ADF)の装備を整備し陸上運営航空力の範囲外へ兵力投射ならびに遠征部隊支援を進めるべきかとの問題提起がある。オーストラリアの有するHMASキャンベラ、アデレイドの二艦は退役ずみ空母HMASメルボルン(中国へ売却され浮かぶカジノに改装)より大きく、ともにスキージャンプを設置済みだ。通常型F-35A調達が先行しているが、F-35Bも28機程度調達しLHD二艦で運用すればAIR 6000構想の2C段階が実現する。
F-35Bで確かに作戦上の利点を生まれる。LHDから小規模飛行隊を運用すれば限定的とはいえ遠征統合任務部隊に航空支援を提供し、艦隊防空、近接校区支援、情報収集監視偵察任務も実行できる。
F-35に代表される第5世代戦闘機の大切な機能はステルスモードと「システムのシステム」ネットワークだ。F-35Bにより防御側のネットワークに「協調型交戦能力」が加わり、オーストラリアのホーバート級駆逐艦、ハンター級次期フリゲートは残存性を高めつつ戦闘能力を高めることができよう。
またF-35Bの運用国、米・英・日の各国ならびにF-35Cを飛ばす米海軍への支援も可能となる。
ただF-35B運用はオーストラリアにも課題となる。キャンベラ、アデレードの両艦をそのまま同機運用に改装する可能性は低い。というのは予算と工期の一方で両艦の揚陸力が減るためだ。2014年時点の専門家報告書ではLHD改装費用を5億ドルと積算し、飛行甲板の耐熱強化などを盛り込んでいた。
報告書は以下問題提起していた。
STOVL機の搭載は可能だがLHDはそもそも多用途揚陸艦であり空母として最初から想定しておらずヘリコプター、揚陸部隊、車両装備とSTOVL機ならびに支援機材を同時搭載は不可能だ。「STOVL限定」にしてもLHDで課題が残る。F-35Bのソーティー数を継続維持し敵戦力の前に十分な防御が実現できるだろうか。
LHDで12機ないし16機を搭載できるが、全機が同時に発進することはない。STOVL機の設計上の制約からF-35各型の中で「B」が速力、航続距離、兵装ペイロードの各面の性能が劣る。
性能面の制約は通常の空母航空作戦では大きな不利になるがF-35BとLHDの運用は別の側面から考えるべきだろう。F-35のデータ統合ネットワーク機能で自軍に有利な状況が生まれる。第5世代機の運用はRAAFに限るべきでなく、海軍でもネットワーク機能向上は大きな効果を生むはずだ。
F-35B搭載のLHDを水上艦で防御する必要があるのは明白だ。多国籍軍部隊の一員としてオーストラリは同盟国海軍部隊とLHDを防御するはずだが、オーストラリアが域内紛争に単独で関与するシナリオもありうる。その場合はLHD防御に艦艇をさく必要が生まれホーバート級駆逐艦(3隻)やハンター級次期フリゲート艦(9隻)を配備するだろう。
F-35BでLHD護衛部隊の戦力を引き上げるのは興味深い課題でこれ自体で別途検討が必要だ。F-35BをE-7Aウェッジテール他無人機と組み合わせて戦力増強効果が期待でき、ISR機材や情報ネットワークとも効果が上がる可能性が高い。さらに無人機をLHDに搭載すれば興味を引く選択となろう。
現時点の戦略見通しは2016年版国防白書の内容より遥かに危険な状況だ。このためオーストラリアの戦力整備と国防予算支出規模で見直しが必要だ。GDP比2%支出を2016年白書は選択肢のひとつにとりあげていたが今こそこれを実施すべきであり、場合によっては規模拡大も求められそうだ。
予算追加が実現すれば2016年時点の想定を上回る大規模海軍力が整備できる。LHD三番艦の建造も道が開け、護衛艦艇を増強する選択肢も今後の戦力整備計画で出るはずだ。
F-35B導入の検討では、オーストラリアは危険度を増す戦略環境の中で敵対勢力戦力が急速に伸びている現実を日本や米国同様に認識すべきだ。そうなると中国やロシアのA2/ADの中で西側各国の空母が生き残れるのかという質問に戻る。■

Malcolm Davis is a senior analyst at ASPI. This first appeared at ASPI's The Stratgist here.

2019年1月26日土曜日

★各国の次世代戦闘機プロジェクトの最新状況まとめ(西側諸侯のみ)

読者のみなさんは戦闘機が大好きなようなので開発中の戦闘機プロジェクトをまとめたAvisationweekをご紹介します。このなかで実現する機体がどれかまったくわかりません。後日、こんなプロジェクトもあったんだねと回顧されることになるかもしれませんね。


Next-gen Combat Aircraft Development Gains Momentum

次世代戦闘航空機開発にはずみがついてきた


Jan 23, 2019


Graham Warwick | Aviation Week & Space Technology




FCAS (英国)
20億ポンド(25億ドル)規模で絵将来型戦闘航空システム技術事業を英国が2018年開始した。チーム・テンペストとして英国防省、英空軍、BAEシステムズMBDAロールスロイスレオナルドが参画し、スウェーデンのSaabにも参加を呼びかける。2018年末に今後の取組方針を発表する予定だった。FACSの採用は2025年に決定し、供用開始を2035年に設定している。


NGAD(米)
米空軍、海軍はそれぞれ代替策検討を2019会計年度中に完了の予定。有人型、無人型、任意有人型を検討中。空軍は侵攻制空戦闘機構想を捨て、航空優勢システムファミリーとして要求内容をまとめ、海軍はNGADの意味を次世代防空機材、別名F/A-XXとしF/A-18E/F、EA-18Gの後継機として2030年代中頃の実用化をめざす。



次世代戦闘機(日本)
日本のめざす次世代機は大型双発戦闘機で三菱F-2の後継機を目指す。日本政府は完全国産開発、国際共同開発のいずれに道を選ぶか検討中で2019年中に結論をだすと見られる。初飛行を2025年、供用開始を2030年に設定。ロッキード・マーティンはF-22改良型を提案と伝えられる。日本製のエイビオニクスを搭載しエンジンはIHI製33千ポンドXF9-1実証ユニットを元に開発する。


FCAS (フランス-ドイツ)
フランス、ドイツ共同開発の次世代戦闘航空機システムにスペインも参加予定。概念基本研究が2019年に始まる予定。エアバスダッソー双発次世代戦闘機に取り組み、ステルス超音速で操縦性に優れた有人機をサフラン/MTUの30千ポンド推力の可変サイクルエンジンで実現する。実証機を2025年ないし26年に飛行させ、供用開始は2040年とする。


TF-X(トルコ)
ターキッシュ航空宇宙工業が開発する双発機で60千ポンド級の推力を誇るTF-XはF-16後継機となる。試作機はジェネラル・エレクトリックF110双発で2023年の初飛行にこぎつけそうだ。トルコはエンジン国産開発にも取り組み国営TRモーターが担当する。2030年以降の供用開始予定。




KF-X(韓国)
韓国航空宇宙工業が開発するKF-XはF-4、F-5の後継機。最大離陸重量56千ポンドで22千ポンドのジェネラルエレクトリックF414双発とする。KF-XはメテオとIRIS-T空対空ミサイル(ともに欧州製)を搭載する。KF-Xは2022年に初飛行し、2026年に配備開始の予定。インドネイシアが開発に加わるが経費支払分担で決着がついていない。


こうしてみると2020年代は次の世代の機材を育む準備期間で早くて2030年代にならないと次世代機は姿を表さないのではないでしょうか。その間は既存機種に頑張って貰う必要がありますね。しかし、どう見ても楽観的すぎる予定を堂々と掲げる国も混じっていますね。