2015年1月20日火曜日

★主張: F-35をめぐる議論は新局面に入った



F-35が歴史に残る可能性はプロジェクトの失敗例としてだろうと見ていますが、一方で莫大な費用をかけてそれなりに当初の性能を実現しつつあるのも事実です。しかし、実用化してもステルスの優位性が維持できない、前提としてた運用コンセプトが使えない、など時代の変化に対してあまりにも遅すぎる登場になりそうですね。各国も同機には及び腰になっているのが確定発注数の少なさでわかりますね。F-35の失敗からもう一度空軍力のコンセプトを考えなおし、無人機にせよ有人機にせよ、もっとましな手段が近い将来に登場することを願わずにいられません。

Opinion: Joint Strike Fighter Debate Enters New Phase

Cost and counter-stealth will be key issues
Jan 15, 2015Bill Sweetman | Aviation Week & Space Technology

「防衛ビジネスの動向を追っていないと、F-35がトラブルを起こしていると思い込んでも仕方ない」とロッキード・マーティン社のコンサルタントが5年前に記した数週間後に当時の開発室長が更迭されている。後任者は公開されていた工程表が現実と3年から4年も乖離しているのを発見した。
  1. 現在はF-35のトラブルの大部分が解決されていると考えても無理は無い。2013年2月に仕切り直された日程表は2年たっても有効なままで、二年越しで計画変更がないのは同機開発で初の出来事。海兵隊は初期作戦能力獲得を今年中に実現しそうだ。昨年発生したエンジントラブルの原因究明も進行中と伝えられる。
  2. F-35が中核的性能パラメーターkey performance parameter (KPP) の要求水準を満たしているようにみえるが、それだけで成功とはいえない。開発コストと日程、調達、運用費用はKPPに入っていない。今のところKPPの各数値が安定しているが(安定しないと大変なことになる)そもそもKPPは開発の目標そのものではない。
  3. 運用側にとっては開発リスクが現実のものとなっている。オランダは当初の85機調達を37機にとどめる。韓国はF-15を60機導入予定だったが、その予算でF-35Aを40機調達する。米空軍は死活的なF-16改修を凍結し、即応体制に問題が発生している。F-35は機体診断システム、補給システムが不十分なため熟練整備員多数を必要とする。
  4. 今年はコスト面が重要視される。各国から受注は700機を超え、計画生産数を2020年以前に達成するには海外受注が頼りだが、確定受注は5%未満。そこで発注意向を確定させることが緊急課題だ。デンマークは今年中に決定の見込みで、英国の138機調達案が実現するのか、いつ実現するのかが大きく注目される。
  5. 各国は予算と日程をにらみつつブロック4A/4Bアップグレードの内容を知りたがっている。ブロック4A開発は来年に始まり、4Bは2024年に利用可能となるが、熟成化は2026年だろう。計画では核運用能力、ノルウェー製・トルコ製巡航ミサイル運用能力、英国向けにはブリムストーン、メテオ各ミサイル運用能力、米海軍向けにはAIM-9Xブロック3空対空ミサイル運用能力、海兵隊向けには「第五から第四」向け通信及び近接航空支援システムが含まれる。ただ、全て完全になる保証はなく、4A/4Bでも運用テストから修正が発生するだろう。利用者側は一定の妥協を覚悟したほうがいい。
  6. 2番目のリスクは運用面だ。ステルス対抗技術は机上の理論から現実のハードウェアに進化している。2013年にはロシアの55Zh6MEレーダー装備が登場しVHF方式アクティブ電子スキャンアレイ(AESA)でネットワーク化し、高周波数レーダーを組み合わせたシステムとなった。赤外線による捜索救難装備でステルス機を探知したとの報告があり、中国からも55Zh6MEを模倣した装備が出てきた。ステルスが時代遅れとは言えなくてもF-35の運用上の優位性は消えつつあるのだろうか。
  7. 2015年は同様の傾向がもっとあらわれる。中国が建造中の新型055型駆逐艦は低帯域AESAを搭載する。ロシアのP-18レーダーのデジタル版が流通し、ステルス対抗は安価になってきた。
  8. 海兵隊は短距離離陸垂直着陸型F-35Bの活用方法を工夫して運用リスクを軽減しようとする。最新の運用コンセプトでは艦艇や陸上基地は敵の移動型ミサイルの有効範囲の外に配置し、燃料再補給・武装再搭載地点を目標の付近に置く。生き残りができるかはこの前線基地を敵が狙うより前に移動できるかにかかってくる。
  9. 海兵隊構想ではF-35が卓越した戦術戦闘機であることが前提だ。だがこれは戦略的なリスクにつながる。第三相殺戦略ではひとつ論文がでており、戦闘半径が600マイルしかない戦術機への投資を中止し、長距離爆撃機やUAVへ予算を振り向けるよう求めている。長距離打撃爆撃機開発が勢いを増す中で、この議論は重要度を上げてくるだろう。
  10. これまでF-35の開発リスクのため多大な費用をかけてきた。これからは運用リスクが中心に変わろうという中、戦略上のリスクが水平線上にあらわれてきたのだ。■


2015年1月19日月曜日

★トマホーク巡航ミサイルの改良を自社開発で進めるレイセオン



海上自衛隊にもトマホークを装備するよう求める声があありますが、高度のISR運用があってはじめて目標の特定、評価ができることを忘れてはいけません。記事にある移動目標を攻撃できるトマホークならさらに一歩先を行くものですね。しかし、意外にトマホークってお安いんですね。

Raytheon Working on Tomahawk With Active Seeker

By Christopher P. Cavas7:23 p.m. EST January 13, 2015
Tomahawk missile(Photo: MC2 Carlos M. Vazquez II/Navy)
WASHINGTON — 1991年以降、トマホーク巡航ミサイル2,000発以上が実戦で発射されたが、標的はすべて固定目標だった。
  1. 今後数年間でこれが激変する可能性が出てきた。レイセオンが水上戦協会Surface Navy Association の年次総会で自社開発で移動目標を追跡できる能力を開発中と発表した。「当社はマルチモードで作動するシーカーを、パッシブ、アクティブ双方で開発すべく巨額を投じています」とクリスチャン・スプリンクルChristian Sprinkle(レイセオン社対空戦闘システム主任開発責任者)が発言。
  2. 既存のトマホークにも耐用期間途中の重整備時に赤外線シーカーの搭載が可能、とスプリンクルが説明している。トマホークの設計寿命15年だが重整備で再認証を受ければ計30年間の製品寿命となる。
  3. この重整備時は性能追加をする絶好の機会。通信機能の向上、多弾頭、多モードセンサー装置の搭載を検討中、とスプリンクルは言う。
  4. 現行のブロックIV戦術用途トマホークが投入開始されたのは2004年で、2019年から再認証手続きに入る。レイセオンは海軍が予算を新型シーカーの研究開発に計上するよう働きかけているが、現時点では未採択。スプリンクルは予算規模を明示しなかったが、2018年にかけて予算が必要だという。
  5. 移動目標にも対応可能にする費用はミサイル一発につき25万ドル程度だという。なお、現行トマホークの単価は110万ドルである。
  6. レイセオンはブロックIVトマホーク合計3,250発を米海軍及び英海軍に納入している。年平均100発が実射されているという。敵の指揮命令機能を攻撃する手段として選択されている。■

2015年1月17日土曜日

UPIがツイッター上で米空母が中国の攻撃を受けたと報道(ただしハッカーによる虚偽報道と判明)


これは恐ろしいことです。何者かが(大体想像はつきますが)単なるイタズラをこえて情報を操作しようとしただけでなく、世界を混乱させ挙句は本当に戦争を巻き起こす意図があったためです。ソーシャルメディアの成り立ちそのものが思わぬ効果を巻き起こしかねません。それにしても大通信者のアカウントを易易と乗っ取るとはすごい、と認めざるを得ません。一層のセキュリティ強化が必要ですね。

Navy: China has not attacked U.S. aircraft carrier

By Jeff Schogol, Staff Writer3:22 p.m. EST January 16, 2015

UPIがツイッター上で空母ジョージ・ワシントンが攻撃を受けており、第三次世界大戦が始まったと報じたが、米海軍はこの内容を否定した。
同艦は停泊中であり、南シナ海に入っていない、と海軍がMilitary Timesに返答している。
UPIからは16日金曜日に同社ツイッターのアカウントが不正侵入されたと午後に入って発表があった。「ツイッター上で6件の虚偽のヘッドラインがおよそ午後1時20分から10分間の間に掲載され、連邦準備理事会のほか、USSジョージ・ワシントンが攻撃を受けているとの内容もあった」と発表。
UPIが不正侵入に気づいたのは「緊急速報」の表示が出た際だったという。社内の技術陣が同社ツイッターアカウントの回復に成功している。
問題の虚偽報道記事は同日午後2時ごろまでに削除されている。
(下 ツイッター上に現れた偽報道。スクリーンショットで撮影。削除済みなので見られません。
635570122184650488-Screen-shot-2015-01-16-at-1.36.36-PM
(Photo: screen shot)
上の拡大 統合参謀本部からUSSジョージ・ワシントンが中国の攻撃で損傷を受けたとしている。中国は対艦ミサイルを発射とも。
The Navy says this Tweet is wrong.
The Navy says this Tweet is wrong.(Photo: Screenshot.)

2015年1月16日金曜日

☆深刻な米空軍の人員不足 無人機だけでなく、F-35でも さらに....



予算もありますが米空軍の構造そのものが大変な危機にあることがわかります。戦闘機パイロットが幅を効かせてきた風土がもはや変更せざるを得ないところに来ているのに変革できなかったというとでしょうか。そういえば、最近は新技術や戦術構想などさっぱり米空軍から出てくるニュースが減っていますね。翻って我が航空自衛隊はどうなのでしょうか。将来の姿をUSAFが暗示している気がするのですがどうでしょうか。


Drones Need Humans, Badly

By SYDNEY J. FREEDBERG JR.on January 15, 2015 at 5:25 PM

MQ-9 Reaper drone.MQ-9 Reaper drone.
WASHINGTON: 無人機といえども飛行には人員が必要だ。空軍長官デボラ・リー・ジェイムズから過労気味な無人機飛行隊へのてこ入れ策が発表された。その記者会見の席上で空軍参謀総長もF-35整備要員の不足も認め、今回の対応策は「苦痛がともなう」と発言。一見、技術最先端の運用部隊でも人員不足という古くからの問題に悩んでいると露呈した格好だ。
  1. MQ-1プレデター、派生型MQ-9リーパーは無人機航空戦の象徴的存在だが、その裏でどれだけの人員が必要かは意外に知られていない。点検補修、情報解析、センサー操作に加え、遠隔操縦するパイロットが各機で常時必要だ。このため空軍では無人機を「遠隔操縦機」remotely piloted aircraft (RPA)と呼ぶ事が多い。なお、高性能機のグローバルホークやトライトンでは必要人員は減っている。人員すべてに高いストレスがかかるが、特にパイロットの負担が重い。
Predator drone operators.プレデターの操作員.
  1. 「昨年6月にクリーチ空軍基地(ネヴァダ州)を訪問し、遠隔操縦ISRミッションを間近に見ることができました」とジェイムス長官がペンタゴンで述べている。中東での無人機需要は予想に反し落ち込んでいない。対イスラム国戦が拡大しているためだ。そのため「この部隊は密度が高まる一方作戦のため相当のストレスを受けている。週6日、一日13から14時間勤務が普通」 平均でRPAパイロットは有人機パイロットの4倍の時間を操縦するという。
  2. 「RPA機材数の保持もあるが、目下の危機はパイロットだ」とウェルシュ参謀総長が補足した。養成には複雑かつ長時間の訓練が必要で、かつ作戦で必要とされることがふえているため酷使されがちな部隊から教官パイロットが引き抜かれる、と同大将は説明。しかも教官といえども実戦に従事することが多く、新人パイロットの養成がままならない。この悪循環がパイロット不足を生んでいる。その結果、空軍の試算では一年間でRPAパイロット300名必要なところ実際には180名しか誕生していない、しかも240名が第一線を退いている。
  3. さらに危機的状況に近づきつつあるのは雇用契約だ。「経験豊かな操縦要員の多くが現役期間の末期に達しようとしている。つまり、各自に選択の余地が生まれるということだ」とジェイムズ長官は指摘するが、多くは退役を選ぶだろう。
Air Force Secretary Deborah Lee Jamesデボラ・ジェイムズ・リー空軍長官
  1. 「そこで迅速に事態を軽減する案を作成した」と長官は発表。長期的解決策には議会の支援も必要となるという。
  2. まずは予算増額だ。ジェイムズ長官は自らの裁量でRPAパイロットの月額手当をこれまでの650ドルから1,500ドルにする。それでも総額はたいしたものではないが、関係者の家計には年1万ドルの増額となる。さらに長期的には追加手当が必要だとする。現役に残るパイロット向け「航空勤務継続手当」(最高年2万5千ドル)を現在は有人機パイロット限定だがRPAにも適用したいとする。
  3. 次は人員増だ。空軍は各州軍航空部隊や空軍予備役に呼びかけ、RPA部隊へ志願を求める。RPAパイロット有資格者で別任務につく予定のものも「志願」できるようにする。ウェルシュ大将によれば「隊に残るよう依頼中のものが33名」とのことだが、四つ星将官がここまで細かく気を配ることから、その33名が受けている圧力の大きさが想像できる。また有資格者にRPAパイロット復帰を求めている。
  4. 長期的には空軍は他軍からの有資格者を引き入れたいとする。規模縮小される陸軍などを想定。実施すれば100年近くの伝統を破り、無人機限定とはいえ下士官兵がパイロットになる。(空軍と海軍では飛行操縦は士官限定。陸軍ではヘリコプターで准尉に、無人機を下士官兵に操縦させている。) ウェルシュ大将も「下士官兵に道を開ける」と認め、「長官になるべく早い時期に提言を申し入れる」とする。
  5. 空軍の下士官兵ほぼ全員が地上勤務で保守点検業務などに従事しているが、この保守点検でF-35が問題になっている。
  6. 空軍の原案ではA-10ウォートホッグを全廃し、余剰予算と人員をF-35に振り向けるはずだった。だが、議会がA-10対地攻撃機に愛着を残し原案を拒否。そのため空軍はA-10用と新型F-35の両方で整備要員が必要となった。開発室長クリス・ボグデン中将も人員不足から空軍向けF-35Aの初期作戦能力獲得が遅れる可能性を警告していた。
Gen. Mark Welshマーク・ウェルシュ大将
  1. 「十分な数の整備員を確保する」とウェルシュ大将は発言。F-35AのIOC日程は2016年8月から12月の間だと念を押している。遅れることは受け入れがたいが、「可能な策をすべて実施するが苦痛をともなうものとなろう」
  2. その「苦痛」がどんなものかウェルシュ大将は言明していないが、一部は議会の承認が必要となるようだ。「提案が受け入れられないとIOC実現が危うくなる」とし、議会とはすでに密接に競技していることを伺わせる。
  3. ただし、空軍の人員不足はF-35やプレデターだけではない、とジェイムズ長官は明らかにしており、1,100名を他分野から転換したとするが、これまで軽視されてきた核運用部隊でも人員不足がある。「全体として各部門で人員は不足している」と長官は認め、「規模縮小はもう限界」と言う。■


平成27年度防衛予算の中身を伝えるDefense News




Japan Defense Budget Rises 0.8%

By Paul Kallender-Umezu8:36 p.m. EST January 14, 2015
TOKYO — 日本の平成27年度防衛予算は0.8%増で4.82兆円(411億ドル)になると判明した。支出規模は平成2年実績水準に復帰する。
昨夏に要求の2.4%増からは相当下がったものの、増額は三年連続となり、保守的な阿部政権が積極的な防衛姿勢を示していることを反映している。
昨年7月に安倍政権は憲法解釈を変更し、限定的ながら集団的正当防衛行使に道を開いている。これに伴う法改正が本年の国会審議の中心課題だ。
また1997年以来初めてとなる防衛協力のガイドラインが改訂に日本と米国が取り組んでおり、より緊密な共同作戦ができるようにする。
防衛省は大型調達案件全部で予算を獲得し、航空自衛隊の装備更新、沖縄以南の南西諸島防衛強化、海上自衛隊の整備を進め、中国人民解放軍海軍へ抑止効果を強化する。
今回の予算規模4.8兆円は防衛省の要求にほぼ沿ったもので、さらに追加予算として次期政府専用機導入や米軍再編関連予算があり、総額4.9兆円となる。
大型案件は川崎重工のP-1哨戒機20機を調達(3,504億円)、新型あたご級イージス駆逐艦(1,680億円)、F-35A共用打撃戦闘機6機の導入(1,032億円)だ。

ただし予算環境が厳しい中で防衛省は主要装備は小分けして調達するため、P-1は2018年から2021年にかけて五分割して導入される。また、イージス艦8隻体制は平成32年度以降に実現する。
「増額規模はわずかとはいえ、領土防衛能力が向上し、米国の同盟国としての実力が涵養される。とくに、P-1対潜哨戒機、イージス艦も有益だ」と見るのはグラント・ニューシャムGrant Newsham(日本戦略研究フォーラム上級研究フェローa senior research fellow at the Japan Forum for Strategic Studies),だ。
一方で防衛省はF-15、F-2の性能向上と潜水艦22隻体制への増強を進める。そうりゅう級潜水艦の推進手段を変え高性能ステルス性をさらに高める。
また今回の予算で防衛省はISR機能の充実に踏切るとともに南西諸島の防御を強化する。V-22オスプレイ5機の導入に予算がつき、ノースロップ・グラマンRQ-4グローバルホーク導入3機調達のうち初号機を導入する。またAA-7強襲水陸両用車両30台を調達する。
南西諸島駐留部隊は仮称で水陸両用強襲遠征連隊Amphibious Rapid Deployment Brigade (ARDB)と呼ばれ、平成30年までに3千名規模になるとコーリー・ウォレス Corey Wallace,(ニュージーランド、オークランド大 University of Aucklandで日本安全保障論を研究)は指摘する。700名がすでに初期訓練を受けており、今後の中核となり、今年中に佐世保で隊が発足する。オスプレイも九州に配属されるはずとウォーレスは指摘する。
「強襲能力の必要性が予算でも認められたことを評価したい。またオスプレイで南方地域での活動範囲を拡大できる」「AAV導入も評価に値する。陸上自衛隊と海上自衛隊の連携が必要となる。大して高価とも言えないハードウェアが戦略的な効果を生むのは珍しい。これまで各軍が独自に動いていた傾向一変できるからだ」(ニューシャム)
南方重視方針で陸上自衛隊は小規模ながら第303沿岸監視隊を与那国島に駐とんさせるが、同島は台湾から70マイルしか離れていない。
「日本は海上自衛隊を充実させ中国が東シナ海で制海権を握るのを阻止しようとしており、南方島しょ地域の防衛にも本腰を入れはじめた」と見るのはクリストファー・ヒューズChristopher Hughes,(英ウォーウィック大University of Warwick教授、国際政治・日本研究論)だ。
Email: pkallender@defensenews.com.

2015年1月14日水曜日

★米海軍は次期COD機材にオスプレイを採用



オスプレイの使用範囲がどんどん広がっていくという話題です。未だにオスプレイに反対の姿勢を示す人はどんな気持ちなのでしょうか。技術の進歩についていけないのか、特定の思い入れがあるのか、情報を操作されているのか。ともあれ、早晩厚木基地からもオスプレイが空母に向けて飛ぶ日がやってくるし、自衛隊も堂々と飛行させる日が近づいてくるわけですが、破綻した論理(感情?)で声を上げていくつもりなのでしょうか。まとこに非生産的ですね。それにしても海軍といえば、グラマンだったのがますます過去の話になっていきますね。

Navy Decides to Buy V-22 Ospreys for Carrier Delivery

By RICHARD WHITTLEon January 13, 2015 at 11:13 AM
http://breakingdefense.com/2015/01/navy-decides-to-buy-v-22-ospreys-for-carrier-delivery/feed/
米海軍はV-22オスプレイをC-2Aグレイハウンド(ターボプロップ輸送機)の後継機種に選定し、空母艦上空輸carrier on board delivery (COD) に投入する。Breaking Defenseが入手した1月5日付海軍長官レイ・メイバス、作戦部長ジョナサン・グリナート大将、海兵隊総司令官ジョセフ・ダンフォード大将間の覚書でV-22を2018年から2020年の間に毎年4機調達することになっている。
  1. この覚書通りなら海軍航空システム本部のV-22業務室、海兵隊その他オスプレイ支持派に大きな勝利となる。これまでC-2Aが老朽化する中でV-22への切り替えを主張してきたからだ。
  2. 海軍はV-22機材をHV-22仕様に改修し、COD任務に投入する、と覚書は記載。「以後の文書で作戦概念と今後の予定を詳説するものとする。海軍のHV-22導入にあたっては海兵隊の支援を前提とし、乗員訓練のほか、海兵隊のMV-22機材・乗員でCOD任務を支持させる」とある。
  3. 海軍・海兵隊間の合意事項は次年度の国防予算に組み込まれた上で議会が承認してはじめて成立する。また第三次の複数年度調達契約が2018年度から始まり、この動向にも左右される。
  4. 双発ターボプロップのC-2Aは貨物、郵便物、人員を運び、空母と陸上機地の間を往復する。これを海軍はCODと呼ぶ。グレイハウンドの原型機は1964年に初飛行。一方、オスプレイはベル・ヘリコプター・テキストロンボーイングが対等折半した共同事業で海兵隊には2007年から、空軍には2009年から就役している。翼端のローターを傾けて垂直離着陸が可能で、水平飛行にはローターを前方に向けてターボプロップ機並みの高速長距離飛行が可能な点でヘリコプターより優れている。C-2Aのメーカー、ノースロップ・グラマンからはE-2D高性能版ホークアイ戦術早期警戒機にならって近代化の提案が出ていた。.
  5. 今回の覚書でV-22の歴史にも1ページが加わる。開発は1980年台にさかのぼり、当時の海軍長官ジョン・レーマンの肝いりで始まっている。海軍は当初380機を調達し、捜索救難のほか対潜任務に投入する構想だったがレーマン退任で48機に削減した。海兵隊は360機、空軍は特殊作戦用に50機の調達を進めている。現行の複数年度調達契約は2017年まででオスプレイの「フライアウェイ」価格は68百万ドルだ。
  6. ごく最近まで海軍上層部は48機予定の調達にも関心を示してこなかったが、2011年に海兵隊がMV-22の艦上運用認証を得たことで六日間の「海軍用多用途評価」を昨年フロリダ沖で実施。V-22で人員貨物をUSSハリー・S・トルーマン(CVN-75)と陸上の間で往復輸送してみたところ、「V-22はCOD任務の実施に効果的かつ、柔軟対応が可能で安全だと判明。特に機体改修なしに、連続運用にも悪い効果は発生しないとわかった」
  7. 海軍と海兵隊揚陸即応部隊(海兵隊遠征部隊を輸送)ではオスプレイを投入すれば現行のCH-46シーキング運用よりはるかに長距離でも補給任務の実施が可能だと理解している。
  8. 上記1月5日付け覚書によればHV-22の最初の10機は海兵隊仕様のMV-22となるはずの機体を転用する。その後海軍と海兵隊で機材を相互交換する手順だという。■


2015年1月13日火曜日

☆ 今年の軍事航空はこうなる 注目すべき機体・動向をご紹介



今年注目すべきトピックスを以下紹介しています。今年だけでは完結しない話題もあるようですが。F-35が本当に実戦化になるのかが一番の注目ですね。大穴として次世代長距離打撃爆撃機の構想が水面下で進んでいることでしょうか。アメリカでは予算をめぐりコンセンサスが出来ず、ロシア経済が後退し、中国も怪しい中で軍事航空も減速が避けられない感じです。日本の防衛予算はその意味では難易度が低いようですね。

J-10B, F-35 Nearing In-Service Debuts

With a handful of fighters nearing operations, F-35 is still the one to beat
Jan 6, 2015 Amy Butler | Aviation Week & Space Technology


ロッキード・マーティンF-35は2015年も戦闘機分野の中心だが、今年は大きな転換点を迎える予定だ。中国、ロシアでもそれぞれ新型機の実戦化が近づいており、米国だけに依存したくない諸国には選択肢となるだろう。

【F-35B】 一番の注目は米海兵隊のF-35Bで初期作戦能力(IOC)獲得がいつになるかで、2001年から始まった開発もやっと実戦部隊が編成されるところまできた。通常型のF-35Aを選択する向きが多い中でF-35Bが先導する形になり、有償海外軍事援助(FMS)の対象にもなろう。
 FMSの利用国はF-35がスムーズに実戦化するか見ているはずで、とくに信頼性、運用上の問題の有無、予備部品含むロジスティクスに注目するだろう。その成果いかんでF-35全体が評価されそうだ。なお、B型はすでに英国が導入を決めており、イタリアも少数機を調達するとみられる。

【F-35A】 米空軍もルーク空軍基地(アリゾナ州)で各国向け訓練体制の整備を進めている。また自国のF-35Aはヒル空軍基地(ユタ州)でIOCを獲得する予定だ。またイスラエル、オーストラリア、英国でそれぞれ配備先の検討に入っている。これまで開発が遅れ、予算も十億ドル単位で超過してきた同機だがようやく世界規模で足場を固める段階に入ったことを意味する。
 しかし当初の協力国のうち二か国がまだ正式に調達の意思を示していない。カナダとデンマークでこのうち後者は来年に機種選定を発表する見込みだ。もし、デンマークがF-35不採用とすれば協力国で初めて開発に投じた費用の弁済を求めることになる。反対に採用すれば各国向けの発注機数が増えることとなり、ロッキード・マーティンや開発室が想定する2019年時点でのF-35Aの単価85百万ドル(エンジン含む)の実現に近づく。


 海外の協力国、購入国は一様にF-35の「国際まとめ買い」“international block buy” を進める格好だ。定率初期生産の第11から13ロット分で購入意思を明示した場合にどこまで価格割引が可能か開発室からは今夏にもロッキード・マーティンに企画提案を求める予定だ。各ロット50機を想定し、合計150機になる。これは各国に早期導入を促して生産を安定化させ、なるべく早期に機体価格を引き下げることをねらうものだ。
 この提案が実現するかがF-35の野心的ともいえる価格引き下げの可否を握る。半分近くの年間営業収入は海外各国が支払うもので、海外顧客の意向次第で価格水準が高止まりとなれば今後にも悪影響が出てくる。
 各国としては今年のロイヤルインターナショナルエアタトゥー(7月)に同機が出展されるのか気になるところだ。昨年は直前に発生したプラット&ホイットニーF135エンジン火災により出展を取り消している。完成済み機体では解決策を実施中で、想定外の摩擦が第三段ローターで発生しないよう改良しているが、生産段階での解決策はまだ完成していない。

【イタリア・日本...】 イタリアは米国以外では初の最終組み立て点検施設を完成させたが、カメリ施設から一号機が今春にもラインアウトする見込みだ。日本も名古屋に類似施設を準備中だ。日本は2015年末に電子装備組み立てシステムを稼働させる。日本向けF-35Aの五号機から名古屋工場からロールオフするのは2016年の予定。さらに航空自衛隊への納入開始は2018年春を想定している。なお、日本には有償海外軍事援助制度が適用されるのはイスラエル、韓国と同様である。
 これとは別に機体、エンジンの重点検個所に選択された各国でも弾みがついてきた。2014年末にペンタゴンからヨーロッパ向け機体の点検修理オーバーホールならびに改修 (MRO&U)はイタリアとトルコで行うと発表があった。オランダとノルウェーはエンジン施設を2021年に立ち上げる。日本とオーストラリアはそれぞれ重点検施設を2018年までに完成し、太平洋の南北で業務を分担する。その中でオーストラリア施設が先行し、日本はそれから5年以内にエンジン施設を稼働させる。
 米海兵隊の予定ではF-35Bのうちまず10機を対象に7月1日にIOC宣言をするとしているが、年末以前には可能性は少ない。この対象機は2B仕様となる。海兵隊の最初の機材は岩国海兵隊飛行基地に2017年に配備される。開発室長クリストファー・ボグデン中将によれば改修はうまくいくのだが、いわゆるミッションデータのロードのためIOC宣言が当初の7月1日より後になりそうだという。
 ミッションデータのファイルはF-35の高性能エイビオニクスが多様な条件で作動するため必要となる。例として地域により異なる脅威の識別に必要だという。
 ICOを正式に宣言すれば、次はF-35BによるUSSワスプ艦上での運用テストが始まる。海軍のF-35Cでは第二期開発テストが9月開始の予定だ。昨年の初回テストは成功との評価を受けた。多岐にわたるテスト項目を合格しただけでなく、予定外の夜間カタパルト発着艦も実施した。再設計の拘束フックは想定通りに作動している。開発テストの最終段階は2016年実施予定。

【F-35C】 この海上公試は米海軍には大きな意味がある。海軍だけが購入を保留扱いにしていたためだ。海軍は260機のF-35を調達する予定とはいえ、いつも海兵隊や空軍に先に調達枠を譲り、自身はボーイングF/A‑18E/Fの追加調達を優先させてきた。テスト結果が出たことで今後は海軍にもF-35調達を進める政治的な圧力がかかるだろう。.

【ボーイング】 ボーイングはF/A-18E/FスーパーホーネットやEA-18Gグラウラーを生産するセントルイス工場は2016年までの操業を確保している。しかし、受注の不確かさもあり、生産ライン維持のための最適解を検討している。その生産量変更の決定は2015年中にボーイング防衛宇宙安全保障部門のクリス・チャドウィック社長Chris Chadwick lが発表するだろう。

【韓国】 同社関係者は口を閉ざすが、スーパーホーネットをもとに大韓航空との提携、同時に韓国航空宇宙工業(KAI)と完全な新型機を作る案がある。ただし、韓国内の複数筋によればこれは検討中で結論は出ていないという。もし韓国が既存機種を原型にする案を採択すればロッキード・マーティンもF-16をもとに提案をし、エアバスグループもタイフーンを原型に参入するだろう。韓国の開発事業は8.5兆ウォン(77億ドル)規模とみられる。KF-Xは現行F-16の後に2025年までに整備する企画だ。インドネシアが開発予算の2割を負担する用意をしている。
 F-35が話題の中心になりがちだが、韓国が自国のF-16改修をどうするかが関心を呼んでいる。韓国は一度決まったペンタゴンのBAEによる実施案を廃案にしている。126機のコックピット、エイビオニクス改修でAESAレーダーも加えるものだ。この結果、ロッキード・マーティンが契約を獲得すると広くみられている。ロッキードはすでに台湾向けに同様の業務を実施している。契約規模は13億ドルとみられ、米空軍がF-16のエイビオニクス改修を2014年に取り消しているので、注目を集めそうだ。

【インド】 もう一つ注目すべきなのがインドで、ダッソー・ラファール126機導入で総額200億ドル規模になる。ダッソーは最初の18機は既存の生産ラインから供給し、ヒンドスタン・エアロノーティカルが最終組み立て施設を建設し残りの108機を生産する。ラファールは中型多用途戦闘機としてロシアのMiG-21およびMiG-27の代替機となる。
【スウェーデン】 JAS39Eグリペンは2015年下期に初飛行する予定。ブラジルにより複座F型開発が進んでおり、100機以上の導入を期待している。

【ロシア】 他方、ロシアのスホイはT-50の実戦デビューに向けて準備中で、PAK-FA事業として単座ステルス双発戦闘機となる。F-35の競争相手となる同機は2016年に第一線配備の予定だが、今年中にもデビューするかもしれない。米国製ハードウェアへの依存に躊躇する諸国には代替機材になるかもしれない。.
 ロシアは最低でも150機を調達することとしており、スホイはインドとも提携して同機を改修し自国仕様にする協力をしている。なお、同機の初飛行は2010年だった。

【中国】 中国のJ-10B多用途戦闘機もまもなく就役しそうだ。成都航空機製の同機を中国は単座J-10Aを256機、複座型は海軍用に24機調達する。.
 パキスタン向けの派生機種はFC-20の呼称がついている。レーダー吸収素材をより多く使い、AESAレーダーも搭載している。.
 中国のステルス機J-20には謎が多いが、ペンタゴン関係者は同機は2018年ごろに実戦化されるとみる。2014年には別の試作型J-20が現れたが、一部設計が変更になっている。
 さらに2014年にはステルス双発のFC-31が輸出用機材として珠海航空ショーで公開されている。こちらにも謎が多いが、もし中国が真剣に輸出を目指すのであれば、2015年中に機体の詳細が漏れ伝わってくるはずだ。

【次期戦略爆撃機】 ボーイング/ロッキード・マーティンかノースロップグラマンかどちらの新型爆撃機案を採択するかは来年早々になりそうだ。すでに提案要求は昨年秋に発出されているが、空軍は依然として同機の調達方針や詳細は極秘扱いとしている。発注規模は100機だが、採択の結果は米国の軍用機生産の地図を決定しかねない。ボーイングのF-15やF/A-18生産ラインは閉鎖に向かっており、ノースロップ・グラマンも完成機関連の業務は少なくなっている。.

【練習機の刷新】 一方でステルス機導入を決めた各国には訓練体系も刷新する動きがある。米空軍では長らく待たれたT-38Cの後継機種を決めるT-X調達事業を2015年に開始する。これをめぐっては厳しい競争が予想されている。350機調達という同事業は当面は最大規模の調達事業になる。
 ボーイングはSaabとの提携を公式に認めたが詳細は明かしていない。ノースロップ・グラマン/BAEチームはホー練習機を押してくるだろう。ジェネラルダイナミクスアレニアはイタリアのM346を、ロッキード・マーティン/韓国航空宇宙工業はT-50を提案している。.
 北アフリカやアジアの各軍はT-Xの選定結果を待って自国向け機材の調達に動く。

【無人機の動向】 無人機でも2015年は進展が期待できそうだ。ペンタゴンは二転三転してきた無人空母運用空中監視攻撃システム(UCLASS)の開発を続行すべきかを決定する必要がある。海軍は同機に長時間情報収集機能を期待し攻撃力は限定的でよいとする。大西洋の反対側ではダッソーがニューロン無人機の攻撃能力をスウェーデンで実証する。同機はMk82(500ポンド)汎用爆弾を投下する。■


2015年1月9日金曜日

ISIS作戦にフランスも原子力空母を投入


これもISISがらみですが、フランスも本腰を入れてきたようです。パリの乱射事件のあとだけにフランス海軍も相当カッカしているのではないでしょうか。1月末から2月はじめにかけて作戦に入りそうで、今後の動向に注目ですね。

French Carrier to Deploy to Indian Ocean, Could Join ISIS Fight

By: Sam LaGrone
Published: January 7, 2015 10:13 AM • Updated: January 7, 2015 10:14 AM

Charles de Gaulle (R91)
Charles de Gaulle (R91)
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フランス海軍の原子力空母シャルル・ドゴールCharles de Gaulle (R91) (4万2千トン)はまもなくインド洋に向け出港し、演習のあとイスラム国(ISIS)に対する空爆作戦に参加する。

匿名のフランス国防省筋を引用する形でロイター電は同艦が対ISIS作戦に加わる可能性について「同艦は軍事手段であり、作戦投入して目的が達せられる」と伝えている。

1月6日付のフランス海事報道サイトMer et Marine はド・ゴールは戦闘群を構成し、給油艦1、誘導ミサイルフリゲート2、攻撃潜水艦1と作戦展開の準備中と伝えていた。

フランソワ・オランド大統領は1月14日にツーロン軍港での式典の席上で正式に派遣を発表する。

米国主導の対ISIS作戦ではフランスも早期から参加しており、戦闘機10機とともに情報収集監視偵察(ISR)機材も派遣している。ド・ゴールの派遣で戦闘機が更に30機追加される。■
 

ISIS空爆作戦の効果(途中経過)


空爆はそれなりに効果を上げてきましたが、非常に高価な作戦になるようですね。イラク軍の立て直しが完了するまでは継続が必要です。また、クルド人部隊に支援を与えることで、地域内のバランスがどう変わるか注目されるでしょう。どちらにせよISIS作戦は5年から10年つづくのではないでしょうか。それにしてもエイブラムス戦車等昨日まで自らの陣営の装備だったものを破壊するのはどんな気持ちだったのでしょうかね

US Airstrikes against ISIS Destroy 184 Humvees and 58 Tanks

by RICHARD SISK on JANUARY 7, 2015
ISIS Humvee
ISISへの合計1,600回を上回る空襲により、少なくともハンヴィー184両、戦車58両、700台近くのその他車両が破壊または損傷している。8月8日以降の空襲の対象でイラク、シリア国内の合計3,200点が目標になっていると、米中央軍が1月7日に明らかにした。
  1. 他に合計26両のMRAP(地雷・まちぶせ攻撃用に強化された)車両や装甲兵員輸送車、火砲79台、さらに歩兵陣地673箇所が破壊されたと中央軍が発表。
  2. ハンヴィー、M1A1エイブラムス戦車、MRAPはでISISの攻勢の前にイラク治安維持軍が逃亡して置き去りにしたものをISISが捕獲していた。
  3. 1月7日以降のリストでは小型舟艇14艘もあり、ISISがチグリス・ユーフラテス河で人員物資の輸送に用いていた。
  4. さらにリストを見ると少なくともISISが占拠していた建物・兵舎980棟、検問所92箇所、武器貯蔵所23箇所、掩蔽壕52箇所、戦闘拠点673箇所が標的になっている。
  5. ペンタゴンと中央軍はISISからの石油が闇市場に流出するのを阻止するとの意向が何回も表明している。石油がISISの主要な資金源になっている。今回発表の標的リストでは小規模精油所や貯蔵施設が259回の空襲を受けていることがわかる。
  6. 7日の記者会見ではペンタゴン報道官ジョン・カービー少将から空襲の累積効果によりISISは守勢に回っており、組織内の通信・統制機能が大幅に低下しているとの説明があった。オバマ大統領が空襲実施の許可を出したのは昨年8月8日で、以後毎日平均11回を実施している。■

2015年1月7日水曜日

★米海軍が開発中のレールガンの最新状況




レーザー兵器でもそうですが、海軍が進めている高度技術が着々と実用化に向かっていきます。スペースに成約がない艦艇にまず搭載して、小型化に成功すれば航空機にもゆくゆくは搭載され、コストパフォーマンス比を大きく改善していくことになるのでしょうね。数セントかせいぜい数ドルで百万ドル単位のミサイルを撃破できれば納税者も大喜びでしょう。問題は電力の確保ですね。

Navy Wants Rail Guns to Fight Ballistic and Supersonic Missiles Says RFI

By: Sam LaGrone
Published: January 5, 2015 12:42 PM • Updated: January 5, 2015 12:44 PM


n artist rendering shows the Office of Naval Research-funded electromagnetic railgun installed aboard the joint high-speed vessel USNS Millinocket (JHSV- 3). US Navy Image
電磁レールガンを搭載したUSNSミリノキット(JHSV-3)の想像図 US Navy Image

ペンタゴンが進める電磁レールガンが想定する目標は弾道ミサイル迎撃、ステルス機、水上等であると明記したレールガン射撃制御システムの情報提供依頼書(RFI)を海軍海洋システム司令部 Naval Sea Systems Command (NAVSEA) が12月22日に公開したが、直後に公開を取りやめている。

撤回は事務上の誤りで想定日付より早く公開されたためだとNAVSEA関係者がUSNI Newsに1月5日に説明している。今月末にあらためて政府調達入札情報を掲載するFedBizOpps上で公開するという。

とはいえ、今回のRFIは指向性エネルギー電動兵器開発部 Directed Energy and Electric Weapons Program Office (PMS 405)、海軍研究所(ONR)、国防長官官房(OSD)を取りまとめてNAVSEAが出した形で、合衆国がレールガンに求める方向性が見えてくる内容だ。

RFIでは「多用途レールガンシステムで弾道ミサイルを発見、追跡、迎撃し、あわせて空中および水上目標にも対応できる」実証システムを2018年までに完成させ、2025年までに実用化するとしている。

NAVSEAは以下のうち最低一つを実現するよう産業界に求めている。

  • 低レーダー断面積(ステルス)目標を長距離で追尾すること
  • 電子スキャン範囲(視野)が方位角および仰角で90度を超えること
  • 大気圏内で弾道ミサイル目標を追尾し、迎撃すること
  • 環境条件の影響を受けないこと(天候、水面、生物)
  • 弾道ミサイル迎撃、対空戦、水上戦をそれぞれ支援すること
  • 飛来してくる目標と発射後の超音速飛翔体を同時に追尾すること

ただしNAVSEAは想定速度や有効射程は明記していない。飛行体に加え、RFIでは水上目標の追尾交戦能力も強調している。

実用化を2020年ないし2025年と想定していることから米海軍はEM(電磁)レールガンを次世代大型水上艦に搭載する意向であるとわかる。アーレイ・バーク級駆逐艦、タイコンデロガ級巡洋艦の後継艦は開発の初期段階にあり、建造は2028年開始と海軍はUSNI Newsへ昨年伝えてきた。

ステルス性を高め、高速化している誘導兵器から海軍艦艇を防御する対策としてEMレールガンは有効だと海軍は長年に渡り主張している。

 A high-speed camera captures the first full-energy shots from the Office of Naval Research-funded electromagnetic railgun prototype launcher in 2012. US Navy Photo
高速撮影カメラがとらえた試作レールガンによるはじめての全出力発射の様子。(2012年) US Navy Photo


海軍の現行システムは高価なミサイルで目標に対処するもので、イージス戦闘システムが駆逐艦、巡洋艦に搭載されている。スタンダードミサイル(SM)とレーダーシステムが弾道ミサイル対応に改修されたが、ミサイルは単価11百万ドルになっている。

これに対してレールガンは安価な砲弾を使い、大型弾倉で発射回数も多くなる。

作動原理は磁場を形成する通電レール二本の間に発生する巨大な力で砲弾を押し出すもので、燃焼は一切発生しない。マッハ5を超える速度により砲弾は目標を破壊する。原理はいいとしても信頼性の高いレールガンを兵器として作ることは難題だ。


まず莫大な電力が必要で、海軍艦艇では不足傾向がある。さらに兵器として連続使用も課題だが、海軍はレール間に素早く電気パルスを発生させることで超音速に達する初速を確保した。

ONRによる実証では32メガジュールで発射できることがわかった。これは100マイルまで到達する事が可能な規模で、現在は連続使用に耐える兵器として開発中だ。

海軍は試作品のレールガンを高速ボートUSNSミリノキットMillinocket (JHSV-3)に搭載してテストを来年に実施する。試作レールガンのメーカーはBAEシステムズあるいはジェネラルアトミックスの予定で、実施すれば初の海上テストとなる。



2015年1月5日月曜日

V-22に空中給油能力を付加する米海兵隊の動向に注目

なるほどオスプレイの一部を給油機として固定化するのではなく、必要な時に空域内で給油機として使い、海兵隊の機動性を高めようという構想のようですが、海兵隊独自で給油機が必要と主張するのはどうでしょうか。観念的な反対議論が沈静化する方向にあると思いますが、自衛隊も同機を導入することを決めた今、国民は冷静に事実を見た方がいいでしょうね。地上車両もジェット燃料を使っているというのはターボシャフトエンジンを搭載しているのでしょうか。詳しい方に説明をお願いしたいところです。

V-22 to get a tanker option

Joshua Stewart, Staff Writer10:37 a.m. EST December 28, 2014
635549308216640337-MAR-V-22-Program(Photo: Sheldon Cohen/Bell Boeing)
V-22オスプレイが新しい能力を獲得する。米海兵隊専用の空中給油装備を開発中で、完成すれば空中給油機になる。
  1. 実用化になれば海兵隊の各機への給油機となり、F-35ライトニングIIも含むほか、地上車両への燃料補給も可能だ。ちなみに海兵隊車両は航空燃料を使っている。
  2. オスプレイを給油機として投入して、各機の戦闘行動半径を増やすのが海兵隊の航空10年計画の一部である。
  3. また海兵隊独自で給油能力を拡充すれば、それだけ海兵隊の独自運用の幅が広がると考えている。オスプレイ運用に整備された航空基地は不要であるのも魅力だ。
  4. 試作型の給油装置は2013年にテキサスで実験されている。その際にはオスプレイに燃料タンクと補給用ホースを取り付け、戦闘機の先頭に飛行させた。F/A-18CとD型への空中給油に成功している。
  5. ただし給油装置は都度装着することになり、V-22は分類上は空中給油機にならないという。海兵隊としてはJSFを地上支援に投入する際にも有効に活用できるようになると見ている。
  6. ただし開発は初期段階で実用化は2017年になる見込みだ。
  7. 給油機仕様ではドローグをオスプレイのハッチから伸ばす。実験時の写真では伸縮ホースを使っており固定式ブームではない。
  8. 海兵隊は2007年から同機を受領しているが、この他にも機体底部に機関銃を装着させた他、現在はミサイル搭載を実現化しようとしているなど、給油以外にも改良を加えている。
  9. その背景に海兵隊で同機を運用する特殊部隊Marine Air-Ground Task Forcesが各種の能力拡張を求めているためだという。■