改「もがみ級」フリゲートのイメージ図。三菱重工提供。
三菱重工が改「もがみ級」フリゲート3隻の建造契約を獲得
Naval News
2026年4月17日公開
高橋浩祐
三菱重工業(MHI)は、防衛装備庁(ATLA)から、改「もがみ級」多目的フリゲート(FFM)3隻の建造契約を総額1,286億円(8億600万ドル)で受注した。
3隻は、海上自衛隊の「もがみ級」フリゲートの改良型である新型4,800トン級FFM(東京では「新型FFM」、06FFMとも呼ばれる)の3番艦から5番艦にあたる。
契約は2026年2月16日に交付され、三菱重工業が主契約者となった。新型FFMは、基本設計のもがみ級を基盤としつつ、対機雷能力の強化や無人システム統合の向上を図り、海上自衛隊の次世代水上艦隊の中核プラットフォームとして位置づけられている。
改良型FFMは防空能力とレーダー能力が大幅に強化されると見込みで、その役割と能力はミサイルフリゲート(FFG)に近づく。ATLAは以前、2025年3月27日に同級最初の2隻の建造で約796億円の契約を三菱重工業に発注しており、今回の契約はそれに続く追加発注となる。
予算と契約価格の乖離
この1,286億円の契約は、日本の2025年度防衛予算との明らかな乖離で注目を集めている。予算では、同じ3隻(3~5番艦)に対して3,148億円が計上されており、1隻あたりのコストは約1,049億円となる。これに対し、契約額からは1隻あたりのコストが約428億円と算出され、大きな乖離があるように見える。
しかしATLAによると、この差は数値の算定範囲の違いに起因するものだという。3,148億円の予算配分には、船体建造だけでなく、レーダー、ソナー、通信機器などの搭載システムの調達も含まれている。一方、1,286億円の契約額は造船所分、具体的には船体建造のみが対象で、搭載システムの費用は除外されている。したがって、428億円という数字はプラットフォームのコストのみを反映しており、完全に装備された軍艦の総コストではない。
この差は、船体建造と任務システムが別々に契約されるという、現代の防衛調達における一般的な特徴を浮き彫りにしている。センサーや戦闘システムのコストが上昇し続ける中、これらはプラットフォーム総コストに占める割合をますます大きくしている。
インフレによるコスト上昇
日本の防衛省および海上幕僚監部のデータによると、もがみ級およびその改良型後継艦の単価は、近年大幅に上昇している。
世界的な資材費の高騰、通貨安、インフレが相まって、造船コストの上昇につながっている。
改良型「もがみ級」:三菱重工とJMUによる産業連携
2023年の競争入札を通じて確立された調達枠組みの下、三菱重工が主契約者となり、ジャパン・マリン・ユナイテッド(JMU)が下請けとして参画する。
すでに契約済みの最初の5隻については、建造責任は次のように分担されている:
1~2番艦(2025年3月契約):三菱重工とJMUが各1隻
3~5番艦(2026年2月契約):三菱重工が2隻、JMUが1隻
海上自衛隊の艦艇番号は通常、進水時に割り当てられるため、現時点で艦番号は未定である。
改「もがみ級の展望と輸出の可能性
改良型FFMは計12隻の建造が計画されている。日本の2026年度予算には、6番艦のために1,043億円が計上されている。
同設計はオーストラリア海軍の将来の汎用フリゲート計画の基礎としても選定されており、日本の防衛輸出戦略の重要な柱となっている。東京は、三菱重工業(MHI)の輸出プログラムに関連する取り組みを支援するため、約151億円の補助金を承認した。
改良型FFMの能力と兵装
基本型の「もがみ級」(満載排水量5,500トン)と比較して、新型FFMは大型化しており、満載排水量は約6,200トン、標準排水量は約4,800トンである。全長は約142メートル、全幅は約17メートルに拡大した。最大速力は30ノット以上を維持している。
最も重要な改良点は、船体の拡大によって可能となったミサイル搭載能力の増強である。新型FFMには以下の装備が搭載される見込みである:
改良型12式対艦ミサイル(艦発射型)
新型艦対空ミサイル(NSAM)
23型艦対空ミサイル(A-SAM)
17型対艦ミサイル(SSM、最上級でも採用)
Mk41垂直発射システム(VLS)のセル数は、もがみ級で16基だったが、新型FFMでは32基へ倍増する予定であり、これにより防空能力が大幅に向上する。
その他の改良点としては、多機能レーダーのアップグレードやソナーシステムの強化があり、対潜戦(ASW)能力が向上する。
戦略的意義
今回の契約は、日本の水上艦隊の近代化に向けた一歩であるだけでなく、同国の海軍造船産業基盤を維持する上で重要な要素でもある。
また、新しいFFMプログラムが国際協力の旗艦プラットフォームとして機能することで、防衛輸出を拡大するという日本の野心を後押しするものとなる。■
高橋浩祐は、日本を拠点とする防衛問題のライターである。Janes Defence Weekly、Jane’s Navy International、Monch Publishingなどに寄稿している。元ハフポスト・ジャパン編集長であり、朝日新聞社およびブルームバーグの元スタッフライターでもある。高橋氏は1993年に慶應義塾大学経済学部を卒業した。朝日新聞社およびダウ・ジョーンズ社での勤務を経て、コロンビア大学ジャーナリズム・スクールおよび国際公共政策大学院(SIPA)に留学し、2004年にジャーナリズム学修士号および国際関係学修士号を取得した。1993年に朝日新聞の記者として入社する前は、川崎市の姉妹都市プログラムの一環としてボルチモア経済開発公社に交換研修生として勤務し、日米間の貿易問題について調査を行った。その功績により、1988年にボルチモア市の名誉市民に選出された。
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By Kosuke Takahashi
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