F-35とは今後数十年にわたり遅延を繰り返し、期待を裏切り続ける機体になるのでしょうか。今回は技術アップグレード策のTR-3をめぐり、またもや遅延しており、業を煮やした議会が空軍当局に詰め寄るものの、空軍も当惑している様子が伝わるDefense One記事からのご紹介です。
Crew chiefs assigned to the 33rd Aircraft Maintenance Squadron, Eglin Air Force Base, Florida, perform a pre-flight check for an F-35A Lightning II aircraft at MacDill Air Force Base, Florida, Feb. 13, 2023. U.S. AIR FORCE / SENIOR AIRMAN JOSHUA HASTINGS
議会は、テクノロジー・リフレッシュ-3のアップグレードは10億ドル近いコスト超過になると見ている
F-35の最新アップグレードの納入が、数点の部品不足で遅れており、予想より10億ドル近く高くなりそうだと、国防総省当局者が議員に語っている。
F-35のプログラム・エグゼクティブ・オフィサー、マイケル・シュミット中将は、火曜日に行われた下院軍務省の戦術空陸軍小委員会の公聴会で、「テクノロジー・リフレッシュ(TR)3」のアップグレード用のハードウェアが十分に速く生産されていないと述べた。
ロッキード・マーチン他の企業が、「契約上の要件を満たしておらず、TR-3ハードウェアのコンポーネント数点が原因となっている。
しかしシュミットは、「TR-3キットにはすべての部品が必要なのです」と語った。
ロッキードとの契約では、今年中に52機のアップグレード機を納入することになっているが、シュミットによれば、21機しか完成していないという。
公聴会で議員たちは、アップグレードのためのコスト超過はほぼ10億ドルに達するだろうと述べた。
シュミットは、ロッキードの遅延のためにどのような影響を受けるかについては言及しなかった。
「ロッキードは、契約に比して大きな代償を払っている」。
部品不足だけが遅れの理由ではないとシュミットは言う。もうひとつの問題は、ソフトウェア・ラボが飛行環境を「適切に表現していない」ことと、飛行試験で「発見が多すぎる」ことだという。
ロッキードは9月、新しい技術パッケージの準備が整うのは来年4月から6月の間だと発表した。国防総省は、ステルス戦闘機の技術テストが完了するまで、F-35の受領を停止している。
シュミットは、TR-3の問題が来春半ばまでに解決されることを示す「データ」はあるが、その日付に完全な自信はないと述べた。
「ラボで何かをしても、それが空中でそのように現れることを証明する解決策がすべて揃っていればいいのだが。安定性の課題に対処するために多くの修正を行っている。安定した、能力のある、メンテナンス可能な飛行機をここで手に入れるでしょう」とシュミットは語った。
ロッキード社の関係者は声明の中で、数カ月前に次のソフトウェアリリースのテストを開始したと述べた。
「また、フォートワースではF-35量産機でTR-3ソフトウェアを使ったテスト飛行を開始し、エドワーズ空軍基地とパタクセント・リバー海軍航空基地でも飛行テストが続いている。12月上旬現在、160回以上の飛行を終えた。我々はまた、TR-3と統合される下請け業者からのハードウェア納入の迅速化にも引き続き注力している」と声明は述べている。
議員から、F-35フリートを維持する新しい5年契約をめぐるロッキードとの交渉を一時停止するという決定について、国防総省当局者に質問が出た。ロッキードは成果ベースのロジスティクス(PBL)契約に移行することを長年にわたり望んでいた。
「年ごとの持続可能な契約と比較して、複数年の持続可能な契約でコスト削減も収益増加も実現できないのは不可解だ」と、小委員会の主要メンバーであるドナルド・ノークロス下院議員(民)は言う。
国防総省の調達責任者であるビル・ラプランテは、「単純に、持続可能な契約を結ぶことはできなかった。パフォーマンスが悪く、コスト削減も得られないPBLを承認するつもりはなかった。ノークロス議員の質問では、どうして価格も性能も良くならなかったのか、ということだが、まったく同感だ。この決断を下したとき、自分の口から出た言葉だった。ですから、産業界と一緒にやることはたくさんあります」とラプランテは語った。■
STAFF WRITER
DECEMBER 13, 2023
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