紅海の緊張はどこまであがるのでしょうか。海運ルートとして紅海の運行に支障が出れば、日本経済にも大きな痛手となるのですが、やはり日本の関心事に入ってきていませんね。2024年は国民の意識が拡大し、世界情勢にもっと敏感になり、翻って日本の安全保障を考える動きが強まるとよいですね。
U.S. Air Force photo by Staff Sgt. Michael Battles
F/A-18E/Fで2回目の撃墜記録となり、空母航空団での制空戦闘機としての役割を強調した
イエメンのフーシ派は12月26日、紅海南端付近で対艦・対地攻撃兵器の新たな猛攻を開始した。米中央軍によれば、アーレイ・バーク級駆逐艦USSラブーン(DDG-58)とアイゼンハワー空母打撃群のF/A-18スーパーホーネットが、使い捨て攻撃ドローン12機の、対艦弾道ミサイル3発の、陸上攻撃巡航ミサイル2発を撃墜したという。一連の交戦は、現地時間の午前6時半から10時間にわたって行われた。フーシの兵器はいずれも命中しなかった。
スーパーホーネットがキルを記録したことが、新たな展開である。F/A-18E/Fによる空中殺傷は、2017年のシリア上空でのSu-22以来、2度目(おそらくそれ以上)となる。イスラエル空軍は10月7日以来、フーシ派の無人機を撃墜しており、イエメン発の無人機を空対空で撃墜した長い歴史を持つサウジアラビアも撃墜した可能性があるが、米軍戦闘機は撃墜していない。とはいえ、スーパーホーネットの防空任務への起用はそれほど驚くべきことではない。現在、USSドワイト・D・アイゼンハワー(アイク)がアデン湾で待機しているからだ。この海域は、狭くて物騒なバブ・エル・マデブ海峡によって紅海と隔てられている。
スーパーホーネットは、無人機や巡航ミサイルに対抗できる能力を持っている。搭載するAN/APG-79は、間違いなく地球上で最も成熟したアクティブ電子スキャンアレイ(AESA)レーダーだ。AESAは、ドローンや巡航ミサイルのような低空飛行で小型の標的を発見、追跡し、交戦を支援する能力を十二分に備えている。また、ATFLIRターゲティングポッドは、敵味方識別(IFF)目的に有用な遠距離からのターゲットの視覚情報を提供することができる。このような状況では、フーシ勢力が発射している無人機や巡航ミサイルの種類や標的を正確に把握するための情報収集の目的でも、非常に貴重なものとなる可能性がある。
米海軍のスーパーホーネットは、先進的な赤外線捜索・追跡(IRST)システムも搭載する。このシステムは、この種の標的を発見する上で非常に貴重なものだが、アイクのスーパーホーネットが今回利用したかは不明だ。
スーパーホーネットのAIM-9XサイドワインダーとAIM-120 AMRAAMは、ドローンと巡航ミサイルの両方に対応している。しかし、サウジアラビアが証明しているように、AIM-120は非常に小さなシグネチャーを持つ無人機との交戦において、信頼できることが証明されている。F/A-18E/Fも20ミリ砲を搭載しているが、ドローンのような小さな目標に命中させるのは問題がありそうだし、その弾がどこに落下するかという懸念も確かにある。
スーパーホーネットの最も強力な特徴は、おそらくネットワーク機能だろう。下方のイージス艦や、上方のすべてを見通すE-2Dホークアイから高品質の照準情報を受信し、共有できる。広大なエリアを監視できる驚異的な「見下ろし型」レーダー能力と、打撃群を「結びつける」ネットワーク能力、そしてそれを可能にする高度に訓練された乗組員を備えたホークアイによりアイクはこのミッションにもたらす最も重要な資産となりうる。
ラブーンのようなアーレイ・バーク級駆逐艦は、その対空ミサイルの武器庫によって、フーシの脅威から自分たちや他の艦船を守る能力が非常に高いことは証明ずみだ。しかし、スーパーホーネットは艦艇より前方を飛行し、潜在的な脅威を探査しながら艦艇や重要地域を守ることができる。地対空ミサイル・システムにはできないことだ。この柔軟性は、混雑した紅海で現在直面しているような複雑な状況では、非常に貴重なものとなるだろう。
今回の事件で陸上攻撃型巡航ミサイルについて言及があったことも興味深い。イスラエルから遠く離れた陸地の標的を威嚇していたのだろうか?IAFが今日、紅海北部の上空でドローンを撃墜したことを考えれば、これは理にかなったことかもしれない。より近い陸地の標的がミサイルの目的地であったとすれば、それは大きな、厄介な展開となる。ジブチにあるアメリカの巨大施設は、イエメンの海岸からわずか100マイルしか離れていないため、大きな懸念があることは以前にも述べた。その重要な基地の安定は、複雑な地政学的要因に基づいており、もし同基地が標的になれば混乱する可能性がある。フーシ派がこれまで何度も発射してきた対艦巡航ミサイルだったのかもしれない。
また、声明で注目すべきは、同盟国の軍艦による他の参加について言及されていないことだ。アメリカが「プロスペリティ・ガーディアン」作戦を開始したことを考えると、これらのミサイルや無人機の撃墜に他の艦船が関与していないか、あるいは関与していたとしてもその情報が省略されていることは興味深い。
フーシ派がこれほど短期間でこれほど大量の兵器を発射し続けている事実は、各国のプレゼンスによる抑止力にいかに欠けているかを示している。■
Super Hornets Score Aerial Kills Over Red Sea | The Drive
BYTYLER ROGOWAY|PUBLISHED DEC 26, 2023 6:06 PM EST
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