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★★ロシア機迎撃に投入して露呈したF-22の弱点とは---F-22は迎撃機には不適なのか

米軍もF-22をわざわざロシア機の眼の前に見せることの愚かさはわかっているのですが、機材が不足しているのでしょう。迎撃機としてF-22が決して使いやすい装備ではないことは明らかで、これは現在企画中のPCAと呼ばれる第六世代機でも同じことでしょう。つまり迎撃機と敵地侵攻機は異なるということですね。では日本はなぜF-22に未だに憧れるのか不思議と言えましょう。

 

US F-22s came face-to-face with Russia's top fighter near Alaska and were at a major disadvantage アラスカ付近まで進出したロシア最精鋭戦闘機と遭遇した米F-22が痛感した不利な立場とは



Sep. 13, 2018, 12:41 PM
  • 米ロの精鋭戦闘機がアラスカ近辺で接近遭遇したが、本当の開戦ならロシアが優位性を享受していたはずだ
  • 米F-22は兵装を搭載せずステルスだけが武器で、ロシアの高性能戦闘機とまともに対決していたら不利な立場に追いやられていただろう
  • 交戦規則の制約で米側が第一撃を受けやすい弱点がある

ラスカに接近してきたロシアTu-95核運用爆撃機とSu-35戦闘機の編隊を米F-22編隊が9月25日に迎撃したが、あらためて米精鋭戦闘機の弱みを露呈した格好となった。
F-22は驚くほどのアクロバット性能を空で発揮し、全アスペクトのステルス性能により敵も遠距離で探知が難しく米軍で最大の威力を誇る戦闘機であることに変わりはない。
F-35は空のクォータバックとしてドッグファイト、地上空爆、情報収集、偵察まで一機でこなすが、F-22は一つの仕事だけに特化している。空対空戦だ。
迎撃では領空侵犯機の横に付き、無線交信で「引き返せ、さもないと大変なことになるぞ」と伝える。
この際に主翼を傾け主翼下の満載のミサイルを領空侵犯機に視認させるのが通常だ。だがF-22はこれができない。ステルス機能のためF-22はミサイル、爆弾は全部機内に搭載するためだ。
米領空あるいは米軍が守る領空に侵入するパイロットはF-22が武装しているかわからない。ロシアのSu-35はF-22を上回るミサイルを搭載し誰が見てもわかるように見せびらかす。
通常の迎撃行動がエスカレートし本当の機動飛行になればF-22は大きく不利なまま戦闘を開始することになる。

ステルスの特性をわざわざ殺すのか

Sukhoi su-35Su-35が2013年パリ航空ショーで見せたアクロバティック操縦の合成写真。パイロットはセルゲイ・ボグダン。M0tty via Wikimedia Commons
もし今回のような迎撃行動中に本当の戦闘が始まれば、ロシア機パイロットはF-22を視野に入れた状態で大いに有利になる。さらにSu-35の操縦性能はF-22を上回る。
デイヴィッド・「チップ」・バーク中佐(退役)は米海兵隊でF-22とF-35両機の操縦経験がある唯一ノパいいロットで、F-22では敵側機と「戦闘に入るのが目的ではない」とし、F-22が本来持つステルス性能でドッグファイトそのものを回避することが狙いとBusienss Insiderに語っていた。
Su-35の旋回性能が優れミサイル搭載本数が多いからと言ってもそのままドッグファイトの勝利が保証されているわけではない。F-22の性能と空軍トップレベルのパイロットの技量が空戦で勝利をおさめるのは確実だろう。
王立合同軍事研究所で空軍力の専門家、ジャスティン・ブロンクはF-22含む第5世代戦闘機は兵装が機内搭載でステルスに頼り、F-35は迎撃には「必要ではない」とし「その他の安価な迎撃機に仕事をさせるべき」とBusiness Insiderに語っていた。

本当のリスクとは

米側が米領空付近まで進出するロシア機を迎撃する機会が増えており、安全かつプロとして取り扱うのが通例だ。米国とロシアは相違点が多々ありウクライナ、シリアを巡る対立から緊張が増えてきているが、世界の二大核大国が直接軍事衝突するとなれば軽々しく決断できない。
シリアでは米ロ軍用機がそれぞれ近接空域で飛行しており、両国は対立回避用に通信回線で他方に自軍機の接近を事前に教えるて戦闘を回避している。
米空軍がF-22にそもそも期待したのは的に探知されずに長距離から敵を抹殺する性能であり、わざわざ姿を相手に見せる迎撃に投入すれば不利になるのは当然と言える。

ブロンクはBusiness Insider にこのためF-15の方が迎撃に適すると語っている。

コメント

  1. ほとんど言い掛かりレベルの記事ですね。
    迎撃に上がって来たF-22が丸腰だと信じるアホがいる訳ないし、記事中のF-22の不利とやらは最初の一回だけの話で戦端が開かれたが最後、ロシア機は探知できない米軍機から一方的に撃たれ続ける羽目になる。
    迎撃にF-22を上げてるのも機材の不足とは思えません。
    F-16を当てる事は難しくないはずです。
    防空最前線であえてF-22を使って見せる事でアラスカの防空を疎かにする気は無いと同時にロシア本土へ何時でもこっそり侵入出来るのだというメッセージでしょう。

    返信削除
  2. そもそもステルス性は探知されない事より探知距離を短くし相手対処時間を与えない事が目的であって、Su-35から捕捉された事そのものは迎撃の役割として十分果たしているし、既に就役し30年経過しているF-22のステルス性の機密性がもはや第五世代機を真面目に研究出来る国には対して強みになり様も無い以上、あえてF-15でなくてはならない理由の説明にはなっていないと思います。

    …もとより今時ドックファイト云々が出た段階で既に怪しいのですが…

    返信削除

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