2012年7月26日木曜日

F-35のもたもたはボーイングF-18には好機となるか

       

Boeing Sees F-18 Program Growth In U.S. And Abroad

aviationweek.com July 16, 2012

F-35の価格上昇と日程の遅れを尻目にボーイングは海外市場でF-18への関心が高まっていると見ている。
  1. .同社はF-18の海外販売に関心を払っており、海外各国向けに生産参加まで持ちかける事も含め好条件の提示で商談を有利にすすめる。
  2. 現在F-18に関心を示しているのはブラジル以外にも多数あり、スーパーホーネットに盛り込まれた操縦制御面の技術改良が注目されているという。
  3. 米海軍が関心を示しているのは一体型燃料タンクで、現状の機体中央部搭載の燃料タンクにかわり搭載されればその位置を他のペイロードに使うことができる。
  4. ボーイングがF-18生産ラインを維持するためには米海軍あるいは海外顧客が同機調達に踏み切る決定をすることが必要だ。現状では2015年以降が問題となる。
  5. F-18生産ラインを活気づけているのはEA-18Gグラウラー電子戦(EW)用機である。
  6. ボーイングはグラウラーに期待をかけており、海軍が同機に2008年から17年までに15億ドルの支出予定であることから同機がEW機材としては三番目の規模のプログラムとなることも追い風だ。
   

2012年7月25日水曜日

ロシアの軍事輸出はインド市場を再び確保できるのか

Russia Tries To Arrest Losses In Indian Defense Market

aviationweek.com July 19, 2012

ロシアは欧米メーカーに奪われたインドの防衛装備市場を奪回すべく着々と計画を練っている。
  1. ロ シアは以前はインドへの最大の武器提供国であり、冷戦終結後もインドからの信頼を集めていた。しかし、高価格などの問題もあり、ロシアは急速にインド市場 でのシェアを失っている。ちなみにインドは2011年に世界最大の武器購入国となっており、同国だけで世界の武器貿易の10%を占めている。
  2. ロシア副首相ドミトリ・ロゴジンDmitry Rogozinはニューデリー訪問中の7月17日にインド側に防衛装備の共同開発と海外販売を提案している。
  3. ロ ゴジン副首相からは特に輸送機、旅客機で共同開発・生産への関心が表明されている。「ブラモスBrahMosミサイルが共同事業の好例であり、第五世代戦 闘機や多用途輸送機の共同開発、Su-30戦闘機やT-90戦車のライセンス生産も大型案件で現在進行中だ」とインド国防省関係者も明らかにした。
  4. インドは射程290キロメートルのブラモス超音速巡航ミサイルのインド海軍の運用承諾をロシア側へもとめている。両国の共同生産体制を敷いたのが1998年で、それ以降インドの三軍が同ミサイルを発注しているが、ロシア側はまだ動いていない。
  5. 「印 露の防衛関係で懸案が残っている。ロシアへ発注した装備の引渡しがたびたび遅れており、空母アドミラル・ゴルシコフが典型例だ。ロシアからいったん合意し た価格を途中で引き上げる事例があるのも事実だ。防衛技術の移転で障害が浮かびあがっており、部品供給も途切れがちだ」とインド国防関係者は不満を示して いる。
  6. この1年間でロシアの防衛産業はインドでたびたび苦杯をのまされている。インド提唱の中型多機能戦闘航空機(MMRCA)コンペではMiG-35がダッソー・ラファールに敗退している。これは150億ドルでインド空軍がまだ使用中のMiG-21の後継機を調達するもの。
  7. インド国防相A.K.アントニーA.K. Antonyは選考は政治判断を排除し専門的見地による結果だと強調。「インドの国防調達は政治的な考慮では決まらず、すべての販売希望者に平等な機会を提供している」
  8. 22機調達の攻撃ヘリでもMi-28NナイトハンターがボーイングAH-64Dアパッチに敗れている。
  9. と はいえ印露両国間のこれまでの実績を考慮すると、ロシアは当面はインドの主要防衛装備提供国の地位を守るだろうとの観測がある。しかしインド市場を巡る競 争激化を視野に入れれば、両国が共同事業形式で武器を開発することで二国間協力体制を維持するのが必要となるだろう。■

2012年7月22日日曜日

A400M引渡しへ向けて自信深めるエアバス

Airbus Confident Of A400M Delivery Schedule


aviationweek.com July 19, 2012

エアバス・ミリタリーA400Mの飛行テストは依然として進行中だが、同社は2013年中に4機を引渡できると自信を持っている。
  1. まず3機がフランスと1機がトルコに納入されるという。2014年には10機になり、英国、ドイツ向け機体が引き渡される、というのが同社の計画だ。
  2. A400Mの民間型式証明取得に向けて1,150回3,500時間のフライトが7月初旬までに実施されている。初飛行は2009年12月。型式証明は今年末に取得できる見込みだという。
  3. 同機は空中給油テストを実施していない。燃料ポッドを主翼下に装着し、空中給油機に転用する事が可能。
  4. マレーシア空軍は4機を発注しており、このポッドにより同機をヘリコプターや戦闘機に空中給油機能を持たせることを期待している。
  5. 同様に未実施な機能に貨物・兵員の空中投下、過酷天候下での運用テストがあるという。また自衛手段としてチャフ、フレアのテストもこれからだ。

2012年7月16日月曜日

台湾空軍のF-16改修作業をロッキードが実施

Lockheed, Taiwan Sign for $3.7B in F-16 Upgrades



aviationweek.com July 13, 2012

台湾の国営航空宇宙企業とロッキード・マーティンは台湾空軍が運用中のF-16A/B型合計145機の性能向上改修契約の覚書を締結したと7月12日に発表した。
  1. 本日その事実の裏付けが関係筋から取れて、米国政府と台湾が総額37億ドルの性能改修業務で合意できたことがわかった。
  2. ロッキード側からも確認が取れており、台湾の国営航空宇宙産業開発公司Aerospace Industrial Development Corp.とファーンボロ航空ショー会場で覚書がサインされたとのこと。
  3. 覚書によるとAIDCはロッキード・マーティンと共同で台湾空軍の老朽化進むF-16A/Bフリートの性能向上を図る。
  4. 同覚書はタイミングとして台湾と米国がF-145A/B計145機の改修を総額53億ドルで行う内容で最終案がまとまる寸前で出てきた。
  5. さらに多額の防衛装備取引の合意形成が今後州週間以内にまとまる公算だと消息筋が解説する。
  6. オバマ政権は台湾向けF-16改修案を昨年9月に承認し、中国を慌てさせた。だが、政府間の防衛装備取引の内容詳細はまだまとまっていない。
  7. オバマ政権関係者によると改修作業で後期モデルのF-16C/D型と同様の性能が実現するという。台湾はかねてから後期モデルの導入を防衛のため必要と求めてきた。
  8. .これに対し中国は米国による台湾向け防衛装備売却に反対の姿勢で、その根拠は中国による台湾統合の動きに逆行するからだという。中国はかねてから台湾を支配下に置くためには軍事力の行使もいとわないと公言している。
  9. 米議会で台湾を心情的に支援する勢力からはF-16新造機66機を今回の回収に加えて台湾に販売スべしと政府に圧力がかかっている。■

         

2012年7月15日日曜日

UAVの世界普及は時間の問題

No Longer Just a U.S. Toy, UAVs Go Global


aviationweek.com July 12, 2012

戦闘の様相に革命をもたらしたUAVが米国で共用されて15年、しかし多数国がUAVの生産、運用を開始しており、グローバルな存在になってきた。
  1. 今のところUAVを本格的に運用しているのは米国初めとする少数の同盟国に限られる。米国製UAVの購入を認められたのは英国、イタリア、トルコだけでその他国の購入要請は不承認となっている。
  2. ただ急速に変化しつつある。米企業ジェネラルアトミックスGeneral Atomicsは非武装型プレデターの海外販を今年中に成約する見込みで、ラテンアメリカ、中東を有望市場と見る。
  3. 同社の国際戦略営業開発責任者クリストファー・エイムズChristopher Ames(退役米海軍少将)は「各国からの引き合いは活発」とファーンボロ航空ショーで語った。
  4. ショーでは同社製品の実際の運用シーンをイラク、アフガニスタン事例、インド洋上での海賊追跡事例で示し、エイムズは運用実績を誇る。
  5. 乗員生命というリスクを減らす他、燃料経費や人件費を大幅に減らすのがUAVの利点と強調している。「同盟側の運用事例で運用効果を目の当たりにしています。現場での実感は営業文句よりも上を行っています。」
  6. ジェ ネラルアトミックス(本社サンディエゴ)はドローン技術開発でパイオニアで、最初にバルカン半島で1990年台に運用している。イスラエルは無人機を重視 しており、模型飛行機愛好会から専門技術者を採用してきた。それを見て米空軍初めとする各国の空軍も最初は懐疑的だったものだ。
  7. だが9.11(2001年)以後の戦闘状況がこれを変えた。イラク、アフガニスタン、パキスタン、イエメン、ソマリア他で米軍はUAVの投入を増やし、多様な機種を運用。中には地上兵員が運用する超小型機種もあれば24時間滞空できるものもある。
  8. オバマ政権下でアルカイダ要員の殺害に好んで利用される機会が増えており、長距離スパイ活動にも投入されている。
  9. アフガニスタン国内の戦闘状況が下火になることで米国の無人機利用頻度が減ると見られるが、世界規模では逆に増えるというのが業界の見方だ。
  10. これまでのところ米国政府はUAVの海外販売に相当の影響力を行使している。例えば英空軍はアフガニスタンで運用する自軍UAVのパイロットをネバダ州の米空軍基地に駐留させている。これはもう継続不可能と専門家が見ている。
  11. 「あ る程度UAVに関心を持つ空軍部隊なら中程度の継続飛行時間がある無人機に偵察能力に加え武装も検討するでしょう」と話すのはダグラス・バリー Douglas Barrieでロンドンの国際戦略研究所の主任研究員だ。バリーは以前は本誌の報道スタッフ。「機体はステルスか非ステルスかもしれません。UAVの普及 がいまはじまりつつあるのです」
  12. プ レデター、長距離のノースロップ・グラマン製グローバルホークや極秘ステルス機のロッキード・マーティンのセンティネルを運用する米国は他国を引き離して いるのは事実だ。この中でセンティネルはイラン上空のミッション中に墜落し捕獲されている。ただし、米国優位の差は縮まっていく。
  13. 今 年のファーンボロ航空ショーで各国の大手航空機メーカーが自社UAVモデルを展示している。英国のBAEシステムズBAE Systemsは長距離タラニスTaranis ステルスUAVの試作機をホーク練習機と第二次大戦時のスピットファイヤ戦闘機の横で展示していた。
  14. 「めざしているのは次世代に一気に移行することであり、現在運用中の各機を研究することが勉強になります」(BAEで将来の戦闘航空機システムを担当する国際営業開発責任者マーティン・ロウ・ウィルコックス)
  15. イスラエルは自国製非武装型ドローンを多くの国に販売しているが、その他にも参入を狙う国は多い。ロシアのノーボスティ通信によりロシアは国産武装型UAVの初飛行を2014年にも実施する計画があることが明らかになった。
  16. 中国も同様の機体開発に関心を持っていることが明らかになっており、ロシアと中国はともにイランに対して捕獲したセンティネルを入手したいと申し出ている。
  17. 国際的な需要が高まると共に競争も激化することから、米国企業各社はUAV技術普及を遅らせようとする米国政府の方針で商機を逃すと懸念している。
  18. ウィキリークスが暴露した外交公電によるとアラブ首長国連邦やサウジアラビア含む多数国から武装型UAV購入の希望があったが米側から拒否されている。
  19. ミサイル技術管理制度Missile Technology Control Regime (MTCR)は長距離精密兵器体系の拡散を防止するのが目的で、無人機輸出も制約される、というのが米政府の言い分だ。
  20. これに対し業界首脳陣はこれでは米国製UAVは商用衛星生産の事例と同じ運命になると警告している。衛星では輸出制限によりライバル国が台頭し米国の主導的立場が失わた。
  21. . 輸出版のプレデターはこの点を考慮しているとジェネラルアトミックスは説明する。ミサイル搭載用のハードポイントがないので、兵装追加ができない。同機の 海外販売単価は3から4百万ドルで通常型航空機より相当安価だとエイムズも強調する。「プレデター購入を希望する国はこれまでも多くありましたので、今回 はその道を開くことになります」
  22. 同 社以外の米国防衛産業メーカーも自社費用を投入して新型の高性能UAVを開発している。ボーイングはファントムアイの試作機のテスト飛行を開始している。 同機は高高度を飛行し数日間の滞空が可能だ。ロッキード・マーティンは空母運用の次世代UAV競作に向けた自社開発をしているという。.競作ではX- 47Bのメーカー、ノースロップも参入しそうだ。X-47Bは将来の艦載UAVに実現する初期性能を実証する米海軍のプログラムだ。
  23. 英国も海軍用の無人機の空母運用構想に関心を示しているが、BAEのロウ・ウィルコックスは成長が大きく望めるのは民用部門だという。
  24. 10年以内に無人機が日常的に欧州の上空で運用される日が来るという。法執行機関による監視活動、洋上監視他の任務を想定。
  25. 「無人航空機が頭上を飛行する構図をパイロットが操縦する飛行機と同様に一般大衆が受け入れるかどうかが試されるでしょう。現時点で技術はできていますが、法規制なかんずく社会規範上の課題と認識しています」

2012年7月14日土曜日

【特報】レーザー光線で無人機に動力供給、48時間連続飛行

Lockheed Boosts Small UAVs With Laser Power Beaming

aviationweek.com July 11, 2012

ロッキード・マーティンがレーザー光線による動力供給により無人機を48時間連続飛行させた。同社はこの技術でUAVで特別な地位を確立するだろう。
  1. 実験は風洞内で同社のストーカーUAVとレーザーモティーヴLaserMotiveの動力ビーム供給技術を組み合わせて実施した。
  2. ストーカーは電池動力で2時間の飛行が可能。ロッキードは2011年に同機を改造し、プロパン燃料電池とリチウム・ポリマー電池を搭載し8時間の飛行に成功している。
  3. 今回の室内動力送信飛行テストを48時間で終了したのは、「当初の目標時間を超えたため」と同社は説明。次の目標は屋外における実証だ。
  4. ロッキードはこれとは別に空軍研究所の小型無人再生可能エネルギー利用長時間航空機(Surge-V)プログラムにも参画しており、代替動力の利用を研究中。
  5. ストーカーは手動で発進する20ポンドのUAVでペイロードは4ポンド、高度25,000フィートまで上昇し、全天候で最高4時間まで飛行できる。これに比べこれまでの電池動力機は1.5時間が上限だった。
  6. 同社のねらいは小型UAVで一目置かれる存在となることで、このほかにもデザートホークIII、小型のナイトホークを生産中だが、ストーカーおよびSurve-Vにより販路を拡大したいと考える。
  7. ロッキードは超小型エイビオニクスメーカーのプロセラステクノロジーズProcerus Technologiesを1月に買収しており、同社のオートパイロット機能を小型UAVに搭載しようとしている。■

2012年7月11日水曜日

軍用輸送機の市場は新型機、既存機で混戦模様

Incumbents, Newcomers Battle For Airlifter Orders


aviationweek.com July 09, 2012

今 後二年間のうちに軍用貨物機の市場で大きな変化が生まれそうだ。新型機と既存機種が競い合うことになる。新規参入の中心がエアバスミリタリーA400Mと エンブラエルKC-390の二機種で、米国製機材が中心だった輸送機市場に参入しようとする。反対の局に位置するのが米国製各機で、ボーイングは後数機の C-17受注で生産ライン維持を図る。またロッキード・マーティンはC-130Jの販売拡大をねらうが、同時にパレット式の改修も進行中だ。
  1. エ アバスミリタリーは今年の商機に期待する。昨年度の販売不振をうけて同社は年末までに30機ほどの制約をねらう。そのうち20機以上はすでに予約済みだ。 エアバスミリタリーの貨物機市場予測は小型、中型機だけで今後30年間で1,250機規模とする。その中で同社はC295を108機、CN235を275 機販売している。
  2. アレーニア・アエマッキAlenia Aermacchiも今年の販売に期待する。オーストラリア向けC-27を10機受注したことで同機の生産は2015年まで維持できる。さらに受注を伸ばし2018年までの生産ライン稼動をめざす。
  3. C-27受注総数は89機で49機が引渡し済みだ。オーストラリア受注は5億ドル相当でC-27がC295を打ち破り採用されている。
  4. 輸送機市場のハイエンドでは新規受注は動きが鈍い。それでもエアバスミリタリーはA400Mの輸出に本腰を入れ始めた。同社は同機開発がこれまで不安定だったため手が回らなかったが、フランス空軍向け一号機の納入をいよいよ年末に予定し、販路拡大に乗り出す。
  5. エンブラエルはKC-390の海外販売を来年に強化するが、同機の初飛行は2014年の予定だ。同社は競合他機種のない国向けに2025年までに700機の需要があると見込む。
  6. 米 空軍のC-17は発注済224機のうち216機が納入済みで、ボーイングは年産15機の現在の生産数を10機にしつつ、価格上昇を回避する方法を実行中 だ。同機のロングビーチ工場(カリフォーニア州)の生産ラインを維持すべく、ボーイングは活発に海外販売活動を展開している。オーストラリア向けには5機 が納入済みで、6号機受注もまもなくと期待している。カタールにも2機納入済みであと2機のオプションが残っている。UAE向け6号機が6月に納入され た。英国は8機受領済みでカナダは4機、その他NATO加盟国向けに3機それぞれ引渡し済みだ。
  7. ロッ キード・マーティンはC-130J生産数を年間36機に引き上げており、24期で安定させる予定だという。米国政府発注のC-130J合計224機で 164機が納入済み。米空軍はC-130合計551機を運用中で、発注中機体には海兵隊向け空中給油機KC-130Jを47機、沿岸警備隊向け救難用 HC-130Jが6機含まれている。

コメント その中に日本のC-2がまだ入ってこないのは残念で仕方ありません。相当の重量増に苦しんでいるようですが、時間かけても熟成をしてもらいたいものです